合気道部

2014.11.12

第45回全日本学生大会 11月9日 早大柔道場

ワセダらしさを見せ、インカレ完全制覇!

 「ワセダらしく、ワセダの合気道の形を見せて帰ろう」(久枝昂弘副将、政経4=東京・桐朋)――。集大成となる全日本学生大会(インカレ)が開催され、熱い闘志を抱いた早大は、圧倒的な強さを見せつけた。団体戦では男女アベック優勝、個人戦では久枝、鶴岡理子(文構4=東京・中村)が優勝し、男女共にベスト4に3人が入る結果に。全タイトルを早大が埋め、殊勲を打ち立てた。

 団体戦は男女両チームが圧勝し、決勝に駒を進める。男子部は、昨年の関東学生秋季大会で敗れた帝京大との戦い。初戦は柴崎孝仁(商4=広島・修道)が堅実に守りつつも、積極的な攻めの姿勢を見せる。前半で短刀突き有りを決め、後半には圧巻の一本。7-0で幸先よく1勝目を上げた。続く安藤圭彦(教3=神奈川・茅ヶ崎北陵)、春日勇人主将(政経4=東京・開成)は接戦を繰り広げる。安藤は後半の反撃がかなわず3-3で判定負け。しかし春日が判定勝ちを収め、帝京大を追い込んだ。4戦目の久枝は開始直後から果敢に技をかけようと意気込む。後半に短刀突き有りを2度成功させると、3-0で勝利。男子部は帝京大相手に昨年の雪辱を果たした。女子部では、個人戦でベスト4に残った3人が決勝に出場。明大に対し危なげない試合展開を見せる。1番手の鎌田真気(教3=埼玉・聖望学園)は開始早々に短刀突き有りを決め、後半残り38秒には見事な一本。6-0で圧勝し、4年生2人にバトンを渡す。2番手の鶴岡は、前半に指導2回で失点するも落ち着いた体さばきを披露。後半には短刀突き有りを3回決め切り4-1で早大に勝利をもたらした。続く石田咲子(法4=東京・大妻)も真骨頂を発揮し4-2で試合終了。全試合負けなしでチームは完全勝利を手にした。

男子団体で気迫を見せた久枝

 個人戦は順当に勝ち上がり、決勝は男女どちらも早大対決となった。男子部は柴崎と久枝の熱闘が幕を開ける。前半は短刀突き有りで柴崎が2点を得るが、後半に久枝の反撃。確実に短刀突き有りで点を重ね、5-2で久枝が優勝をつかんだ。女子部の決勝は先輩、後輩対決。隙を見せない鶴岡に対し鎌田は攻めあぐねる。前半残り53秒、指導2回でなんとか1点を奪うも、後半開始10秒で鶴岡が短刀突き有りを決める。残り15秒でも鶴岡が1点を重ね、2-1で勝利。4年生の意地を見せ、先輩の鶴岡に軍配が上がった。

鶴岡(左)、鎌田の同門対決となった女子個人決勝

 インカレ完全優勝を達成し、快挙を成し遂げた早大。これで団体戦は男女共に4年連続の栄冠だ。この日を最後に引退する4年生にとって、花道を飾る最高の舞台となった。競技合気道発祥の地としての誇り、そして勇ましく美しい精神を後輩が引き継ぎ、今後も早大合気道部は躍進を続ける。

(記事 後藤あやめ、写真 吉原もとこ、井上雄太)

★演武競技でも1位を独占!

 完全制覇を成し遂げたのは、乱取競技だけではない。正しい姿勢や間合いが評価され、取りと受けの息の合った演技が求められる演武競技。合気道の本質である「心・技・体」を見るこの競技でも早大は各部門で1位を独占した。男子は、対徒手部門で久枝・石橋彬斗(商2=東京・早実)組、対武器部門で柴崎・安藤組がそれぞれ1位に。女子の優勝は、対徒手部門が石田・古尾谷葵(スポ3=神奈川・湘南)組、対武器部門が鶴岡・大久保華子(文構2=東京・雙葉)組となった。「良くはないと前日になって言われて、3時間ほど居残り練習をした」と語る鶴岡。圧倒的強さの陰には日々積み重ねてきた鍛錬がある。部員一同の努力が実り、今季最後の大会で見事大輪の花が咲いた。

    乱取競技、演武競技共に早大が上位を占めた

    結果

    【男子】

    ▽乱取 団体戦

    早大 優勝

    ▽乱取 個人戦

    久枝 優勝、柴崎 準優勝

    ▽演武 対徒手部門

    久枝・石橋組 優勝、春日・小寺裕太(文構3=埼玉・県立浦和)組 3位

    ▽演武 対武器部門

    柴崎・安藤組 優勝

    【女子】

    ▽乱取 団体戦

    早大 優勝

    ▽乱取 個人戦

    鶴岡 優勝、鎌田 準優勝

    ▽演武 対徒手部門

    石田・古尾谷組 優勝

    ▽演武 対武器部門

    鶴岡・大久保組 優勝

    コメント

    春日勇人主将(政経4=東京・開成)

    ―昨年に続いての団体優勝でしたが

    優勝記録は3、4年続いているので、伝統を守れてよかったです。最後を主将・副将・主務の三役で3勝して勝てたので、一緒に戦ってきた同期と勝ててよかったです。

    ――個人戦の3位決定戦は

    いい技を出そうとしたのに逆にやられてしまいました。サークル相手だったので悔しかったです。

    ――相手の選手はどういった印象でしたか

    大きくてパワーがあって若々しいというかエネルギーのある選手だなと感じました。

    ――団体はきょねんの12月、新体制で臨んだ初の大会でも決勝で戦った帝京との戦いになりましたね

    やっぱり強いです。帝京はやっぱり団結しているという印象で、ワセダはストイックにチーム組織としてやっているという感じなのですが、帝京は情熱的でガッツがあります。そこに最初は蹴落とされそうになって怖かったですが、自分たちも1年間しっかりやってきた結果が出て勝つことができました。

    ――団体のご自身の試合はどうでしたか

    1つ下の選手だったので絶対に勝ちたいと思っていました。でもガッツがありかつ体格も大きかったので、負けないだろうと思いながらも最後の最後まで点数管理をできたのはよかったです。しかし、技がかからなかったのは事実なのでもっと鍛錬が必要だなと感じました。武道は50年かけて完成させると言いますが、そういう面で自分はまだまだですね。

    ――個人戦決勝は柴崎選手(孝仁、商4=広島・修道)、久枝選手(昂弘、政経4=東京・桐朋)とワセダ対決になりましたが

    2人とも真剣に戦っているなと感じました。同じ学校でお互い手の内が分かっていると試合がへたったものになりやすいのですが、そのような中でも白熱した雰囲気を出せていたのは、4年生として立っているだけで出てくる威圧感のようなものができてきたのかなと思いました。

    ――主将としてチームを引っ張ってきたこの1年はいかがでしたか

    1つ上2つ上は同期が少ないのですが、自分の代は同期が多くて。個人競技なのですが練習自体はみんなでやるので、そういった面で同期には助けられました。いろいろ新しいことを始めたりもしたので大変なところはありましたが、やはり個人競技でも仲間って大事だなと感じています。終わったからこそ言えるのかもしれませんが、辛いこともありましたがとにかく楽しかったです。

    ――らいねんも優勝を目指す下級生たちへのメッセージをお願いします

    らいねんは他大も強い学生が多いので、まず気合いで負けないように。今の監督をはじめ指導陣はいい方ばかりなので、しっかりついていくように。また、自分たちも協力できることがあれば何でもするので何かあれば言ってください。

    久枝昂弘副将(政経4=東京・桐朋)

    ――素晴らしい結果で今大会を終えましたがいまのお気持ちは

    とりあえずほっとしました。ワセダの合気道部としていろいろ見せたいことがあって未熟でなかなか見せられなかったのですが、気迫でなんとか優勝までこぎ着けたことはひとまず喜びたいです。

    ――最後の大会でしたが試合前はいかがでしたか

    勝ちたいというのもありましたが、自分は一番不安な気持ちが大きくて試合の直前まで足がびりびりふわふわして、格好のいいことや絶対に勝つぞということはとても言えなくて、勝ちたいなというくらいの気持ちでした。

    ――乱取個人の決勝は同期の柴崎選手が相手でした

    練習の時は柴崎が圧倒的に強いので内心半泣きの状態で戦っていて、途中自分では気付いていなかったのですが負けていたんですね。もう何も考えられなくて真っ白で突っ込んでこないように止めることだけでした。

    ――後半は突きがよく決まりました

    もう怖かったので空元気でやっていました。

    ――団体決勝はきょねんの関東学生秋季大会の決勝で敗れた帝京大との対戦でしたが、成長点はなんでしょうか

    あの後、新幹部体制でやっていった中で自分は新コーチに面倒を見ていただいて自分の得意技で合気道らしからぬ動きですが短刀の突きの部分をすごく伸ばしていただいて。それが最後の試合で分かったというのがきょうの一番の収穫でした。

    ――2勝1敗での登場でしたが、優勝がかかったプレッシャーはありませんでしたか

    それに関しては大将を信頼していたので、そんなに気負いはなかったです。自分以外の選手が勝ってくれていて自分の後ろも信頼できる選手なので、もう何も恐れることなく臨めました。

    ――前半終えて競った展開でしたがどのようなお気持ちでしたか

    考えられていなかったですね。後ろから声援が飛んでくるので、その言葉を聞いて冷静になろうとやっていました。いろいろなことは考えられないので、一つのことをしっかりやってワセダらしく、ワセダの合気道部のかたちを見せて帰ろうというつもりでした。

    ――石橋選手(彬人、商2=東京・早実)との演武競技でも優勝されました

    まさか優勝するとは思わなくて呼ばれた時びっくりしました(笑)。石橋にはことしときょねんずっと練習に付き合ってもらって、こちらのわがままを聞いてくれるやつだったので彼が先輩になっていく中でどう成長していくのかなと楽しみです。

    ――久枝選手にとってワセダらしさとはどのようなものでしょうか

    合気道の発祥がこのワセダ合気道部なので、常に正しく、常に新しくやっていければと思います。師範が言っていたことですが、ここで生まれて化学的に発達させていこうというのが合気道部のモットーなので、これからも後輩がどんどん成長していくと思いますし、そこで新しい世界を作ってもらえればと思います。それがワセダらしさだと考えています。

    ――合気道部での4年間はいかがでしたか

    ワセダに入ってよかったです。辛いこともありましたけれど、4年間やってこれたことが最高の思い出です。

    ――では最後に後輩へのメッセージをお願いします

    試行錯誤してください!

    柴崎孝仁(商4=広島・修道)

    ――きょねんから連続しての団体優勝ですが、今の気持ちは

    素直に嬉しいです。1年の時に4年生の先輩が優勝してからずっと優勝が続いていたので、その伝統を途切れさせてはいけないなという気持ちで臨んでいました。

    ――個人戦の決勝は久枝選手とのワセダ対決でしたが

    結果は負けてしまいましたが、お互いいつも練習していてどういう動きをするのかとかはわかっていたのでその分のやりにくさはありました。

    ――手の内がわかっているからこその作戦のようなものはありましたか

    痛いところですね。今回の敗因があるとすれば、そのあたりをうまく固めていなかったことかもしれません。

    ――新体制始動して初の大会でも決勝で戦った帝京と、全国でまた戦うことになりましたが

    帝京の同期も真面目に一生懸命取り組んでいるのは知っていたので、その点では負けられないなという気持ちはありました。きょねんの結果は負けだったので、絶対に勝ちたかったです。

    ――団体決勝戦でのご自身の試合はいかがでしたか

    相手は強い選手だったので対戦すると分かった時からずっと緊張していました。ですがその試合で勝つことができたので、その後はすごく気が楽になっていつも通り試合ができたのでよかったと思います。

    ――演武はどうでしたか

    組数が少なかったので勝つと思ってはいましたが、出来としてはもう少しできたかなと感じました。

    ――この1年間、4年生としてチームを引っ張ってきてどうでしたか

    自分は主務の立場で、裏方としてみんなが集中して練習ができるようにと考えていました。それと同時に背中で後輩たちを引っ張っていけるような選手になれるよう、一生懸命練習を積みました。

    ――らいねんの優勝を目指す下級生へメッセージをお願いします

    技を決めて、一本をとるのがワセダらしい戦い方だと思います。それにこだわって戦い抜いてほしいです。

    鶴岡理子(文構4=東京・中村)

    ――個人戦を振り返っていかがですか

    4年生最後ということで技を取って勝ちたいという思いがありました。徒手でやるときに技をかけるのは良いのですが、それで飛び込んだときに短刀を突かれてしまうという弱さが分かっていたので、そこを少し注意深く準決勝と決勝に臨みました。

    ――優勝していかがですか

    さっき言ったことに注意した分、少し攻めの勢いが欠けてしまって、見応えのある全力を出した試合にはならなかったです。しかし、ちゃんと攻めの姿勢で勝てて良かったかなと思います。

    ――個人戦の決勝では鎌田選手(真気、教3=埼玉・聖望学園)と戦いましたが、作戦は何かありましたか

    他大学とやるときは攻めの姿勢で行けるのですが、使う技や癖が分かっているので、そこで短刀を突かれないように、相手が短刀を突いてくるのを見てさばいてから入るようにしました。

    ――団体戦では鎌田選手が1勝してから鶴岡選手に回ってきました

    鎌田が1本を取って良いペースを作ってくれました。3戦目の石田(咲子、法4=東京・大妻)がその前の試合(個人3位決定戦)で負けていたので、自分も技を取って調子づけてから石田に渡したいなと思っていたのですが、技を出せずに終わってしまったので少し惜しいなという感じがします。

    ――大久保選手(華子、文構2=東京・雙葉)と組んで行った演武はいかがでしたか

    きのう監督に見ていただいたときに、良くはないということを前日になって言われてしまって、これはまずいと思って3時間ほど居残り練習をしたのがちょっと効いたかなと思います。

    ――思い通りにできましたか

    ややミスはありましたが、練習中に引っかかっていたところでは引っかからなかったので、それは本当に良かったです。

    ――最高学年としてチームを引っ張ってきたと思いますが、振り返っていかがですか

    私と石田がタイプの違う同期だったので、上手く切磋琢磨してできたかなと思います。

    ――合気道部として活動した4年間を振り返っていかがですか

    合気道が奥深すぎて、やればやるほどわからなくなっていくというか、やればやるほど自分の未熟さを知るというか、結構しんどいときもありましたが、OBや監督、同期、先輩に助けられて成長させてもらいました。本当に感謝しています。

    ――後輩へのメッセージをお願いします

    力づくではなくて、綺麗な技、良い姿勢、良い試合で、これからも強くなっていってほしいです。