競走部

2014.11.04

第98回日本選手権リレー 10月31~11月2日 神奈川・日産スタジアム

3年連続二冠はならず

 九鬼巧主将(スポ4=和歌山北)を始めとする4年生にとって早大競走部での最後となる大会・日本選手権リレー。高校生から実業団の選手まで出場しリレーの日本一を決めるこの舞台で、早大は4×100メートルリレー(4継)と4×400メートルリレー(マイル)の大会三連覇を目指した。

★オール4年生で挑んだ最後のレースは2位

チームを支え続けた4年生。左から竹下、九鬼主将、三原、欠畑

 今季未だに男子4×100メートルリレー(4継)でタイトルを獲得できていない早大。今大会で引退となる4年生が今季初タイトル、そして大会3連覇を懸け4継決勝に挑んだ。

 1走を任された竹下裕希(スポ4=福岡大大濠)と2走の九鬼は、序盤から大きく前に出た法大にリードを許しながらも順調な走りを見せる。3走を務めた三原浩幸(スポ4=千葉東)が先頭との差を縮めると、優勝争いは法大とそれを追う早大、住友電工の3チームに絞られた。勝負の行方を託された欠畑は「やはり勝って終わりたい」と強い思いを胸に必死に前を追ったが、大会新記録を出した法大の背中を捉えることはできず2着でフィニッシュ。惜しくも学生生活最後のレースを優勝で飾ることはできなかった。

「最後に勝って競走部での4年間を締めたかった」(竹下)。選手たちは皆レース後、悔しさをにじませた。自分たちが果たせなかったリレー三冠、そして早大記録の更新。これから新たに早大の歴史を作っていく後輩たちへ、その思いは引き継がれることとなった。

(記事 尾澤琴美、写真 目良夕貴)

★マイル3連覇達成!笑顔で今季を締めくくる

アンカーの加藤は笑顔でゴールラインを駆け抜けた

 4継では惜しくも逃した3連覇。この雪辱を晴らすべく強い気持ちで挑んだマイルチームは、終始トラックを独走し勝利を飾った。

 予選から危なげないレースで組1位通過と好調を見せていた早大。マイル3連覇の期待が高まる中、まずは1走を任された愛敬彰太郎(スポ2=三重・桑名)が号砲とともに飛び出した。バックストレートでは一つ内側のレーンを走る法大に迫られる場面もあったが、落ち着いた走りで最終コーナーからしっかりとトップに立つ。バトンはそのまま首位で2走木村賢太(スポ3=大分・杵築)へ渡った。木村は序盤から攻めの走りでライバル校をどんどん突き放していき、2位とはほぼ2秒差で3走中野直哉(スポ2=長野吉田)へバトンパス。さらにリードを広げた早大はアンカー加藤修也(スポ1=静岡・浜名)が持ち前の大きなストライドと伸びやかなフォームでトラックを独走しフィニッシュ。圧勝で日本選手権リレーを締めくり、笑顔でスタンドに向かって一礼。仲間と喜びを共にした。

タイムこそ9月に行われた日本学生対校選手権(全カレ)でたたき出した早大記録には届かなかったものの、見事日本選手権リレー3連覇を成し遂げた。笑顔で今季ラストランを終えたマイルメンバー。この若い力は冬を超え、来春さらなる進化を見せてくれることだろう。

(記事 田々楽智咲、写真 佐藤亜莉沙)

結果

▽男子4×100メートルリレー

予選

早大(竹下ー九鬼ー三原ー欠畑) 39秒32(1組1着)

決勝

早大(竹下ー九鬼ー三原ー欠畑) 39秒02(2位)

▽男子4×400メートルリレー

予選

早大(愛敬ー石田ー中野ー加藤) 3分08秒22(2組1着)

決勝

早大(愛敬ー木村ー中野ー加藤) 3分05秒83(1位)

コメント

九鬼巧主将(スポ4=和歌山北)

――競走部最後のレースを終えましたいまのお気持ちは

悔しいです。やっぱり勝ちたかったので。そこで勝ち切れなかったというのは個人としてもチームとしてもまだまだ課題が多いんだろうなと思います。

――レース振り返られていかがですか

メンバーとしては4年生で組みましたけど、思い出づくりだとかではなくて全体の調子を見てベストの布陣を組みました。その中で38秒台を目指して、決勝走ろうと考えていました。バトンも悪くなかったのですし、タイムも目標に近いものなのでやるこはやったと思います。なので法大が一枚も二枚も上手でした。

――オール4年生で挑まれましたが、今の4年生はどんな存在ですか

心強かったですね。特にことし1年は4年生としてチームを引っ張るという部分があったので。普段から仲が良いというよりも絆のある同期でした。やるときはやるで、すごくスイッチが入りました。

――今季、4継では悔しい部分が大きかったと思うのですがいかがですか

勝ちが1つもなかったですし、関東学生対校選手権(関カレ)から失敗したりだとか、負けたりして、早大記録も更新できませんでした。何かそこは課題が多くあったのだと思います。ワセダのリレーとしてやるべきことはできませんでした。

――九鬼選手は4年間、ワセダの4継を走られました。振り返られてられていかがですか

ほとんど全ての大会で走らせて頂きました。勝った時も負けた時もいろいろありましたね。エンジのWを着て勝利を義務づけられているチームだったので高校の時よりも4継での勝ちにというものを貪欲に突き詰められましたし、ワセダの4継に対する思いも強くなっていきました。そういう意味でもエンジのWというのは大きくて重いものでした。

――思い出に残っているレースなどはありますか

2年生の時に4継とマイルで三大大会制覇、六冠できたというのですかね。そこがすごく思い出に残っています。1年を通してワセダのリレーを見せつけられたので印象的です。

――これで引退となりますが主将として引っ張ってきた1年はどのような年でしたか

1年間やってこさせてもらってほんとに感じたのは個が組織を作るんじゃなくて組織が個を作るということです。僕らは早大競走部という組織で活動することにより、いろんな面で意欲的になれました。また主将としてチームをけん引してきましたが周りを見れば同期や幹部、後輩も助けてくれました。僕一人の力では何もできなかったので、すごくみんなの存在は大きかったです。

――競技を続けられますが、卒業された後の目標などはありますか

次は社会人になりますが、もちろん狙うところはワセダの時と同じ五輪です。2年後、6年後ありますからそれに対してどう取り組んでいくかですね。これから1年1年が勝負になります。それとワセダを拠点にするので、ここで学んだものをOBとして伝えながら、1から世界を目指します。

――後輩へのメッセージがありましたらお願いします

リレーに関して、初めは僕らが抜けることで心配したのですが、力的には変わりないですし戦えるチームです。3年生以下は仲が良かったりわいわいできるいい部分もあるので、そういうの部分を生かして、101代目として新しい歴史をつくっていって欲しいです。

欠畑岳(スポ4=岩手・盛岡第一)

――きょうのレースを振り返っていかがですか

勝てなかったのがまず悔しいです。ことしタイトルを取れていなかったので、懸ける思いは強かったのですが、そこで2位になってしまったことが自分たちの弱さだったのかなと思います。

――法大に勝てなかったということについては

相手の第1、2走に大きく出られてしまって、そのままずるずるいってしまった感じでした。自分たちのかたちが出せなかったのは悔しいですね。

――4年間の締めくくりとなるレースでしたが

メンバーが全員4年だったというのもあって、最後やはり勝って終わりたいという気持ちはありました。それは4年間やってきたからこその個人的な感情ですが。下の選手たちに結果で示せなかったのが本当に申し訳ないです。絶対勝とうとやってきた中でこのような結果になってしまったので、やはり悔しいですね。

――4年生で組んだことで何か強みは出せましたか

きのうの予選よりも修正できたので、自分たちのいまある力は出せたのかなとは思います。ただそれが法大に及ばなかったということだけのかなと思います。

――選手と主務として兼任を果たした1年間でした。苦労した点は

1年前のことを思い返してみると、主務という仕事は右も左も分からない状態で始まったのですが、それでも周りに助けられたかなと思います。それは同期なりマネジャーの仲間なり、そして九鬼であったり、みんなに支えられた1年だったなと思います。苦しいとかそういう気持ちはありませんでした。

――むしろ良かった点の方が多かったと

1年やって振り返って、本当にやって良かったなと思います。

――兼任というのは競走部としても新たな取り組みだったと思いますが

自分の役割が偶然そうだっただけで、別にかたちにとらわれるものではないと思うので、やって良かったなとは思います。どういうかたちであれ、うまくいくのであればやっていくことが大事かなと。プレイングマネジャーとしてたまたまやらせていただきましたが、選手メインでやらせてもらえたのは何度も言うように、周りのみんなのおかげだったので感謝したいです。

――その中で特に感謝したい方は

九鬼主将だったり、4年生全員だったりですね。あと副務には本当に感謝しています。実務的な部分はほとんど任せてしまったので、そこは本当に助かりました。

――以前九鬼主将も欠畑選手に感謝の言葉を述べていました。部員からの信頼も厚かったのではないでしょうか

自分がどう思われているのかというのはなかなか分かりませんが、1年前とか2年前とか先輩たちの姿を見てきて、自分たちがいざその立場になって何か残せたかなとかは考えてしまいますね。本当にいい後輩たちでした。

――今後の競技生活は

これからスポーツ科学部の大学院に進むのですが、そこでも続ける方向で考えています。

――今後のワセダへメッセージをお願いします

短距離のことでいえば自分たちの代が達成できなかった全カレ(日本学生対校選手権)、関カレ(関東学生対校選手権)、そして今大会の三冠、さらにワセダ記録というのも十分狙えるチームです。自分も半分在籍し続けるようなものなので、温かく見守ってあげたいと思います。チーム全体としては3年生がいかに目立つ存在になれるかということを楽しみにしたいなと思います。

竹下裕希(スポ4=福岡大大濠)

――ワセダで走る最後のレースでしたがいかがでしたか

最後に勝って競走部での四年間を締めたかったのですが、2位という結果になってしまいました。ことしは1年を通して勝ちきれず、ワセダに何かあるのではないかと、終わった後にみんなと話しました。ですが、チームで団結して、選手権リレーを迎えることができて、勝負することができたので良かったと思います。

――四年生だけのメンバーでしたが特別な思いはありましたか

入学したときからみんなで練習をしてきたので、最後にこのメンバーで走らせていただけてありがたいですし、このメンバーで走ることができて良かったです。

――ことし勝ちきれない要因というのは何でしょうか

色々とあると思うのですが、個々の力だけではなくて、爆発力であったりだと思います。僕たちは引退しますが、これからまた振り返って、後輩たちが来年に活かして貰えればと思います。

――前回のインタビューで学生記録を目標にしたいと仰っていました

やはり38秒52は厳しかったですね…。だけどその目標があったからこそ、チームで全員でここまで戦ってこれて、練習もできたと思います。これから後輩たちがやってくれると思います。

――レース後欠畑選手と握手をしていたのが印象的でした

四年間、最後の引退するレースで、ありがとうという気持ちを込めての握手だったと思います。

――四年間を振り返っていかがですか

ワセダで陸上ができて良かったです。10年間陸上をやってきた中でも、この四年間は濃いものでした。高校の時以上に、辛い思いもしましたし、チームというものも感じることができた四年間だったと思います。このメンバーで良かったです。

――昨年まではマイルにも出場し、ワセダに貢献してきた四年間でした

きょねんはマイルも走っていたのですが、ことしは走らなくて。それでも、チームに貢献するという気持ちは変わっていませんでした。自分ができることを淡々と行って、その結果が得点というかたちになっていました。いまになって思うのですが、スタッフやOBの力が大きかったと感じています。みんなのサポートがあったからこそ、ここまで陸上に専念することができたので、感謝しています。

――実業団で続けて行かれますが目標を教えてください

これから学生ではなくなり、実業団で走ることになります。実業団はよりシビアになると思いますが、今度は企業に貢献していかなければなりません。目標としては日本代表になって、自分も企業も高めていかなければと思います。

――同期に一言あればお願いします

四年間ありがとう。

――後輩にエールをお願いします

僕らが100周年の代で、これから新しく101年目の競走部としてこれから活動していくと思います。伝統というものを引き継ぎながら、また新しい一歩を踏み出していってほしいです。これからはいちOBとして応援していきたいと思います。

三原浩幸(スポ4=千葉東)

――最後の試合を終えて、いまのお気持ちはいかがですか

4年間よくやってきたなっていう気持ちと最後は優勝で終わりたかったとい気持ちもあります。そこは後輩に託そうかなと思います。

――全カレでは中大に敗れましたが、今回は法大に敗れてしまいましたね

負けるべくして負けたというか、中大と法大はやっぱり勝つべくして勝ったんだと思います。ワセダは何かがたりなかったし、その何かがわからなかったからこそ負けたのかなと。きょうそれを後輩たちに感じ取ってもらって、その何かを見つけるためにらいねんは頑張ってもらいたいです。

――最後の大会は4年生のチームで挑みました

結果的に4年生でしたけど、いま競走部で組めるベストメンバーがたまたま4年生ということでした。いままで4年間一緒にやってきた仲間と一緒に組めて良かったですけど、優勝で終われたらさらに良かったですね。勝ちたかったですし、タイムも満足できるものではないですけど、思い出にもなりますし、最後は4年生で組めて良かったです。

――レース後、メンバーとはどんなことをお話されましたか

おれたちはこういう結果で終わっちゃったけどらいねんどはもっとおれたちより力があるんだから、らいねんこそ、関カレ、全カレ、日本選手権リレーの三冠をやってくれよと僕たち4年生から後輩に伝えました。

――ことしの短距離チームは結果を残しながらも和気あいあいとした仲の良いチームですよね

そうですね(笑)。伝統で先輩たちが強かったっていうのもあるんですけど、そういうプレッシャーがあるからこそ、絶対走らなきゃいけないというふうにも思いますし、背負ってるからには生半可な気持ちで走れないというか。正直、1年生の頃とかは何がエンジだみたいな(笑)。言葉を変えると自分にエンジを着させているというか、たまたま着てるユニフォームがエンジ色だったという感じでやっていたんですけど、学年を追うごとにワセダの伝統の重さを知っていきました。学年が上がるにつれてだんだんそう感じるようになったので、きょう集合した時には4年生から勝つだけじゃなくて伝統をつなぐっていうのも僕たちの役目だよということを後輩たちに伝えました。

――エンジをまとって過ごした4年間はどのようなものでしたか

プレッシャーは他のチームに比べたら大きかったかなと思いますし、競走部はすごいOBさんとかもいらっしゃって支援も大きい分、結果も返さないといけないなと思う中で、4年目でやっと関カレで入賞できたりいいタイムが出て、4年間をいいかたちで終われたんじゃないかと思っています。

――最も印象に残っていることは何ですか

大学に入学してからずっと200メートルを専門にやってきたんですけど、200メートルで20秒台っていうのを一番の目標にしていて、1年間休んだ後、最後の関カレの予選で20秒79が出たときは満足がいったというか、そこで気持ちが切れたわけじゃないですけど、それが自己ベストですし、一番印象深いですね。その他ですと先日の早慶戦で後輩たちと一緒に日本記録を作れたことだったり、4年生で走ったレースはどれも比べ難いというか印象に残っています。

――今後競技は続けられるのですか

続けません。きょうで最後で一区切りです。なので有終の美を飾りたかったですけどこういう終わり方も自分らしいかなというか。2位で終わったからこそ後輩たちは気を引き締めて、らいねんこそ1位を取ってくれるんじゃないかなと思っています。

――競走部での経験は今後どのようなかたちで生かしていきたいと考えていますか

競走部に入って陸上の面ももちろんなんですけど、OBさんとかいろんな人との付き合いがあったりして、社会的な人付き合いを学ぶ場でもあると思いますし、そういうのが非常にきっちりしていて社会に出ても恥ずかしくない人間になれる場でもあると思います。競走部での経験がどう生きるかはわからないですけど、陸上だけをやりに来たわけじゃないのでそういった他の面で学んだことも社会に出て生かしていけたらと思います。

――らいねんの短距離チームには具体的にどのようなチームになってほしいですか

やっぱり須田隼人(スポ2=神奈川・市橘)と橋本晃志(スポ2=鹿児島・川薩清修館)がタイムも抜けてますし2年生が中心になると思うんですけど、そこに次最上級生となる北村拓也(スポ3=広島皆実)、永沼賢治(スポ3=大分舞鶴)は絶対に食い込んで引っ張っていかなきゃいけないですし、いまはケガをしてる徳山黎(スポ1=神奈川・相洋)も1年生唯一の短短なので、そいつもいずれ走らなくてはならなくなると思います。誰か一人におんぶに抱っこじゃきついと思うので、みんなで切磋琢磨(せっさたくま)しながら総合力でいいタイムを出して、リレーではワセダ記録の更新できると思うのでそれに期待したいなと思います。