野球部
2014.10.20
秋季リーグ戦 10月19日 神宮球場
打で圧倒!優勝への望みつなぐ/立大2回戦
立大2回戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
立大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 |
早大 | 6 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | × | 8 |
(早)○大竹、柳澤、黄本-土屋
◇(本塁打)土屋2号2ラン(三塁打)中村(二塁打)茂木 |
---|
負ければ優勝の可能性が消滅するという重要な一戦。早大は56年ぶりの開幕7連勝と波に乗る立大との2回戦に臨んだ。打線は初回、2本の適時打と土屋遼太副将(教4=東京・早実)の2点本塁打で一挙に6得点。早々に試合の主導権を握った。投げては大竹耕太郎(スポ1=熊本・済々黌)が7回1失点と先発の役目を十分に果たし、8-1と快勝。立大に初黒星を付け、優勝へと望みをつないだ。
「やるしかない」(中村奨吾主将、スポ4=奈良・天理)。背水の陣で挑んだ早大打線が奮起し、立大へと襲い掛かかった。初回、制球が定まらない相手先発・藤田凌司から3つの四球を選び、1死満塁の絶好機を演出。ここで打席に向かうは5番・小野田俊介(社4=東京・早実)。カウント3-1から鋭い当たりが三遊間を破り、2者が生還。チームトップの打点を挙げる小野田が、打撃陣に勢いをもたらす。1死一、三塁と得点機は続き、茂木栄五郎(文構3=神奈川・桐蔭学園)の適時二塁打で2点を加え、藤田をマウンドから引きずり下ろした。投手の交代後も早大は攻撃の手を緩めない。初球、8番・土屋が振り抜いた打球は、弧を描き左翼スタンドへ。この回打者9人で6得点の猛攻で、立大投手陣を攻略。5回にも中村のフェンス最上部への適時三塁打と犠飛でダメ押しの2点を奪い、拙攻に終わった前日の借りを返した。
今季第2号の2点本塁打を放った土屋
ルーキーながら大車輪の活躍を見せている大竹。この日は低めへのコントロールがさえた。初回、先頭打者の大城滉二に安打を許すが、続く打者の初球で土屋が大城の盗塁を阻止。ここから波に乗った大竹は、リズム良く投げ込み凡打の山を築いていく。6回まで毎回、打者を3人に抑える完璧な投球を披露。走者を出しても狙い通りの内野ゴロで2度併殺に打ち取り、無失点を続ける。この試合初めて連打を浴び、犠飛で失点した7回も、中軸を空振り三振、二飛に切って取り最少失点で切り抜けた。以降は救援陣が試合を締め、大竹はリーグトップタイの4勝目。「納得できる投球だった」(大竹)と自身も太鼓判を押す好投で、追い詰められていたチームを勝利へと導いた。
勝負どころで好投し、リーグトップ4勝目を挙げた大竹
投打がかみ合い、大勝を収めた早大。8安打8得点と効率よく得点を重ね、打線の調子は上向きだ。しかし、優勝に向けて非常に厳しい現状に変わりはない。あすの立大3回戦は、1回戦で苦しめられた澤田圭佑の先発が予想される。この日の勢いそのままに好投手を打ち崩せるか。勝ち続けること、それが早大に残された唯一の道。総力を挙げ、あすの一戦に挑む。
(記事 谷田部友香、写真 田島光一郎、建部沙紀)
★小野田が三冠に躍り出る!
適時打に犠飛とこの日1安打3打点の小野田が打率、本塁打、打点の3部門でリーグ首位に立った。いずれも2位以下との差は僅差で油断はできないが、調子が上向きであるだけに杉山翔大(平25スポ卒=現プロ野球・中日)以来の三冠王も十分に期待できる。
適時打を放ち、塁上でタッチを交わす小野田
早大打者成績 | |||||||||||||||
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 | 率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
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1 | (左中) | 重信慎之介 | 3 | 0 | 0 | .344 | 四球 | 見振 | 右飛 | 遊ゴ | |||||
2 | (遊) | 河原右京 | 3 | 2 | 0 | .321 | 三犠 | 遊安 | 右安 | 三飛 | |||||
3 | (二) | 中村奨吾 | 3 | 2 | 1 | .290 | 四球 | 遊飛 | 中3 | 右安 | |||||
4 | (一) | 武藤風行 | 3 | 0 | 0 | .222 | 四球 | 左飛 | 空振 | 三ゴ | |||||
5 | (右) | 小野田俊介 | 3 | 1 | 3 | .424 | 左安 | 二飛 | 中犠 | 中飛 | |||||
右 | 三倉健 | 0 | 0 | 0 | .— | ||||||||||
6 | (三) | 茂木栄五郎 | 3 | 1 | 2 | .524 | 中2 | 左飛 | 遊ゴ | ||||||
打 | 石井一成 | 1 | 1 | 0 | .545 | 中安 | |||||||||
走 | 武居直宏 | 0 | 0 | 0 | .— | ||||||||||
三 | 木田大貴 | 0 | 0 | 0 | .— | ||||||||||
7 | (左) | 八木健太郎 | 3 | 0 | 0 | .000 | 左飛 | 右邪 | 二飛 | ||||||
中 | 中澤彰太 | 1 | 0 | 0 | .115 | 二ゴ | |||||||||
8 | (捕) | 土屋遼太 | 4 | 1 | 2 | .241 | 左本 | 中飛 | 二ゴ | 三ゴ | |||||
9 | (投) | 大竹耕太郎 | 3 | 0 | 0 | .214 | 遊ゴ | 二ゴ | 遊ゴ | ||||||
投 | 柳澤一輝 | 0 | 0 | 0 | .000 | ||||||||||
投 | 黄本創星 | 0 | 0 | 0 | .000 |
早大投手成績 | ||||||||||
名前 | 試 | 勝 | 敗 | 回 | 安 | 四 | 振 | 責 | 失 | 率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
大竹耕太郎 | 6 | 4 | 1 | 7 | 4 | 0 | 2 | 1 | 1 | 1.97 |
柳澤一輝 | 6 | 1 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3.12 |
黄本創星 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 5.79 |
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コメント
岡村猛監督(昭53二文卒=佐賀西)
――きょうは先攻してリードしながら戦うことができましたがいかがでしょうか
やはりリードしながらゲームを進められればこっちのペースで試合を運べますね。でも何点あっても安心はできないので、9回で6点取っていればいいけど、初回で6点だとまだまだ安心できないですね。追加点を中盤の欲しいところで取れたので少し余裕はできましたが。
――きのうからさらにメンバーを変更して臨まれたのが吉と出たということでしょうか
きのうのままだと負けてますからね。メンバーも変えてオーダーも変えてチーム内を活性化したつもりです。
――先発の大竹耕太郎投手(スポ1=熊本・済々黌)は6回まで全ての回を3人で抑える好投でした
初回に大城滉二君にヒットを打たれたけど、土屋(遼太、教4=東京・早実)がよく盗塁を刺してくれたので、リズムに乗れたと思います。
――土屋選手は今季に入って盗塁阻止率がかなり改善されましたが、監督から何かノルマを課すなどしているのでしょうか
やはり春は走られたからしっかり練習して準備をして臨んでくれているので、いい結果につながっているのでしょうね。
――夏の間から積み重ねた練習の成果だと
そうでしょうね。
――大竹投手は変化球の方もしっかり決まっていましたが、首位の立大打線を抑えられた要因は何でしょうか
低めに丁寧に投げたからだと思います。
――あすの試合、立大は第1戦と同じく澤田圭佑投手の先発が予想されますが、攻略の策はありますか
いいピッチャーなのでチャンスもそんなにつくれないし、得点も入らないと思いますが、3点差以内で終盤に入ればこちらにも勝機が出てくると思います。
中村奨吾主将(スポ4=奈良・天理)
――前日に敗れてのきょうの試合でしたが
もうやるしかないと。それだけでした。
――1回戦の最終回に2点を返し、初回からいい流れが続いていました
それは良かったです。四球からのチャンスだったのですが、いいところでタイムリーが出てくれました。
――中村主将自身もチャンスでようやく一本が出るなど、鋭い打球が増えてきました
同じようなかたちでの凡退(フライアウト)が続いていたので、しっかりたたくことを意識しました。上からたたく意識は持っていたのですが、やはりバットが下から出ていたので。極端に、上からたたく意識を持ちました。
――ドラフト前最後のアピールの場ということですが、特別な意識などはありますか
それは特にないですね。
――あすは1回戦と同じく澤田圭投手との対戦が予想されますが、攻略のポイントはありますか
しっかりとボールは低めに決まっていて、やはりピンチになるとより投げミスがなくなってきて、ギアが上がって来るので。きのう150球以上投げていて疲れもあると思うので、甘い球が来たらしっかり打っていきたいと思います。
土屋遼太副将(教4=東京・早実)
――第1打席は見事な本塁打でした。感触はいかがでしたか
(スタンドに)入るとは思っていなかったので、いつも通り全力で走っていました。
――打った球は
高めの直球ですかね。
――法大2回戦での本塁打同様に初球を左翼スタンドに運ばれました。そういった打撃のイメージがあるのでしょうか
特別に初球を狙ってというわけではありませんが、反応できたときにはそういった結果になっているのかなと思います。
――1回表には先頭打者に出塁を許すも、すぐに盗塁阻止で相手の攻撃の芽をつみました。きのうの試合でも2度の盗塁刺がありました。好調の要因や工夫していることなどはありますか
特にここにきて意識していることはありませんが、いままでやってきたことをそのままできているのかなという部分です。
――先発の大竹投手は7回を1失点にまとめました。安定して打たせて取る投球ができていたと思いますが、いかがですか
点差があったので、どんどん攻めていけたかなとは思います。
――リード面において、きょうの試合で意識していたことは
相手の打者が思っていたよりも直球に詰まっているように感じたので、初回などは(直球で)押していこうかなと。リードを奪ってからはとりあえずストライクで勝負できる球を選びました。そこは他の投手と変わりないです。
――勝ち点獲得に向けて意気込みをお願いします
負けたら優勝がなくなってしまうので、早慶戦を優勝決定戦もしくは(ワセダの)優勝がかかった試合にできるようにあしたも頑張りたいと思います。
小野田俊介(社4=東京・早実)
――無敗だった立大から勝ち星を挙げましたが、いまのお気持ちを教えてください
相手がどこであろうと自分たちは勝つしかないので、きょうのように目の前の試合に本当に集中して、これからも戦っていきたいと思います。
――東大戦から2週間が空きましたがどのような調整を行ってきましたか
東大戦でやっと少し立て直すことができたので、それを維持するということを一番の目標にやっていました。
――その成果は出ていますか
きのうはラッキーヒットのようなものも多かったですし何とも言えないですが、ただバット自体は振れているので悪くはないのかなと思います。
――初回に先制2点適時打を放ちましたが、打席ではどのようなことを意識していましたか
カウントが有利だったので、そこで思い切りというか、当てにいったり中途半端なことはしないようにと思っていました。
――相手の投手は制球が定まっていませんでしたが、消極的にはならなかったということですね
そうですね。やっぱり満塁になって余計ストライクを取りにくると思ったので。そこを外野フライでもいいと思いつつ、思い切って強く振ることができました。
――6回にも犠飛を放ち3打点を挙げましたがきょうの打撃を振り返って
積極的にいった結果として、そういういい結果が出ていると思います。ただ他の打席で、早いカウントから厳しいボールを振って凡打というもったいないパターンがあるので、その辺りの精度というかメリハリをもっと持ってやっていきたいです。
――現在打撃3部門でトップを狙える位置にいますが、タイトルについてはどのように考えていますか
なるようにしかならないと思っています。きのうのようなラッキーなヒットもありますし、もちろん集中はしますが、(結果は)シーズンが終わった後の自分しか分からないのかなと思います。
――リーグ戦も終盤に差し掛かっていますが、疲れはありますか
疲れ自体はありますが、毎シーズンの感じですね。いままでの6シーズンで慣れてきた部分もあるので、その対応、調整の仕方というのも含めて経験を生かしてやっていきたいです。
――勝ち点獲得に向けあすへの意気込みをお願いします
立大はずっと勝ち点を取ってきていますが、まずはそれをワセダが落とさせるということに対して、自分がきょう以上の打点を挙げて勝ちたいなと思います。
河原右京(スポ3=大阪桐蔭)
――2番でのスタメンになりました。意識した部分や気持ちを変えて臨んだ部分はありますか
打順は自分の中では関係ないので。任された打順で自分の役割を果たすだけだと思っているので、全然意識はしていなかったです。
――1回の打席は無死一塁からしっかりと犠打を決めました
バントはチームの流れを左右すると思うので、あそこは絶対1球で決めようと思っていたので。決められて良かったです。
――ネクストバッターズサークルで踏み込みやバットの出先を気にしながら入念に素振りを行っている印象があったのですが、その辺りは意識していますか
そうですね。いま意識していることを、ネクストでも意識しておいてバッターボックスでもそれができるように、というのは気を付けています。
――今季は安打の半数近くが内角の球を安打にしています。その辺りは感覚としていかがですか
状態としては全然悪くないので。来た球に身体が反応できているなという感じです。
――打席での粘りも出ていますね
やはり簡単に終わったら流れが向こうに行ってしまうので。できるだけピッチャーに投げさせるように、わざとカットしたりはしています。
――久しぶりの2安打、いい当たりも多く出ています。最近のバッティングの調子はいかがですか
当たりは結構いいのですが、野手の正面を突いてしまう打球もあって不運な面もあるので、きょうはいいところに飛んで良かったです。
――守備では3回にトンネルがありました。一方で、その後の5回には難しい打球を併殺にする送球もありました。守備面でのリズムはいかがですか
守備は自分では自信を持っているので。あそこではイージーミスをしてしまって、大竹に迷惑かけたので、その分難しい打球も全部捕ってやろうという気持ちでいました。
――きょうの2安打で打率が3割に乗りました。打率への意識はありますか
意識していないことはないですが、ここからあしたと早慶戦もあるので。もっと打率も上げられるように、粘って粘ってしぶといバッティングをしていきたいです。
――きのう有原航平投手(スポ4=広島・広陵)が先発復帰した中で敗戦してしまいました。追い込まれた中できょうは初回から気合が入っていた印象があるのですが、チーム全体の雰囲気はいかがですか
きょうも絶対負けられない試合だったので。初回からみんな気合いが入っていました。先制点取れたので多分大竹も投げやすかったと思いますし、その点では良かったかなと思います。
――あすの試合も負けられない試合になると思います。高校の後輩でもある澤田圭佑投手との対戦への意気込みを聞かせて下さい
澤田はワセダもそうですし他のチームもあんまり打ち崩せていないので、あしたも絶対負けられないですし、絶対に澤田を打ち崩して絶対に次につなげたいと思います。
茂木栄五郎(文構3=神奈川・桐蔭学園)
――きのうの悔しい試合から一転、きょうは快勝しました
そうですね。負けたら優勝がなくなってしまうので、勝てて良かったと思います。
――きのうの最終回に追い上げを見せて、勢いそのままというような初回の猛攻でした
あのまますんなりと終わらず粘りを見せることができたのが、きょうの初回のいい結果につながったのかなと思います。
――相手投手の印象は
きょうはおそらく本来の調子ではなくて、四球も多く、苦しい中での投球だったのではないかなと思います。甘いところにいった球を打たれて彼自身も悔しい結果だったのではと思います。
――第1打席、1死一、三塁の好機で初球をたたきました。早いカウントから狙っていたのでしょうか
基本的に自分は初球からどんどん打つようなバッターなので、いつも通り打とうと思って打席に入りました。
――打った球は
高めのスライダーだったと思います。いいところに飛んでくれてよかったです。
――きのうは何度も好機を演出して、きょうは得点機でタイムリーが出ました。ご自身の打撃を振り返って
いままで練習でやってきた成果が試合でもそのまま出ているので、それがいい結果につながっているので良かったです。
――打撃好調の要因は
練習通りに試合で打てているということが一番の要因かなと思います。
――先々週の東大戦は欠場しましたが、この立大戦に焦点を当てて調整を行っていたのでしょうか
そうですね。正直間に合わないと思っていて、しっかりやってきたつもりなのですが、ギリギリになって監督も使ってくださったので、そこで結果も出たのでホッとしています。
――あしたの先発は第一戦と同じく澤田圭投手が予想されます
相手もいいピッチャーなのでチャンスも少なくなると思うのですが、あしたはしっかり粘って、いいところで一本打って勝ちたいなと思います。
大竹耕太郎(スポ1=熊本・済々黌)
――きょうの投球を振り返っていかがでしたか
東大戦からしばらく期間が空きましたが、土屋さんと話し合い、コースだけではなく、高さも意識して投げました。
――高さという面ではきょうの投球は満足できるものでしたか
ボール球はありましたが、ワンバウンドなど低めに外れた球が多かったので、個人的には納得できる投球でした。
――相手は連勝しているチームでしたが
やはり勢いがありますし、めったに打たれない有原さんがきのう打たれているのを見て、怖い打者が多いという印象はありました。自分なりの投球をすれば抑えられないこともないかなとも思っていました。
――初回に許した走者をすぐに盗塁阻止したのは大きかったのではないでしょうか
いつも盗塁を刺して頂いているので、投手としては楽ですね。
――その後3回、5回と併殺打で切り抜けました
併殺打を取るような高さ、配球で投げていたので。三振よりも併殺打を取るための組み立てでした。
――7回に連打を許したときはどのように切り替えましたか
高校のときから走者を出すのは日常茶飯事のことだったので、そこから点を取られても最小限でということを意識していました。あの後切り替えて、三振を奪えたことは大きいと思います。
――最後は力も入っていたように見えましたが
力を入れるというよりは、より腕を振るという意識で、力を抜きながら腕を振って投げました。
――あすも投げると伝えられているのでしょうか
常に中継ぎ待機を監督さんから言われているので、3戦いずれも同じような心持ちで臨めるように準備していきたいです。