ヨット部

2014.09.26

第23回全日本学生女子選手権 9月21~23日 神奈川・葉山沖

総合優勝ならずも、勇姿を見せる

 女子の大会としては、ことし最後となる全日本女子学生選手権。早大からは470級、スナイプ級から共に1艇ずつ出場した。470級は1位を幾度も取るものの、序盤でのミスが足を引き8位という結果に終わる。またスナイプ級も風に影響され6位に。総合順位でも4位と、総合優勝を目指していた早大にとっては悔しい結果となったが、要所で意地を見せ次につながる大会となった。

 470級の山口優副将(スポ4=佐賀・唐津西)・永松瀬羅(スポ2=大分・別府青山)組は第1レースでリコールを取られる最悪のスタートとなった。それでも第2レースで5位に食い込むと、第3、4、5レースでは3連続でトップフィニッシュを決める圧巻のレースを披露。「できることにベストを尽くすことだけ」と山口も語るように、失敗を引きずることなく自分たちのレースを展開した。しかし最終順位は8位。第6、8レース以外は好調だっただけに「優勝といったところから遠ざかってしまった」(山口)、「自分の判断のミスがすごく悔しい」(永松瀬)と、勝負が決した第1レースを悔やんだ。

苦戦を強いられた山口副将・永松瀬(手前)組

 

 一方で第1レースをトップで終え、好調の出だしをみせたスナイプ級の高橋友海(教3=神奈川・桐蔭学園)・溝口芽(教4=アメリカ・Paul Laurence Dunber)組。その後はやや順位を落とすも、第4レースでは再び1位に返り咲いた。しかし2日目、風向きが大きく変わったことに対応しきれず、11位、14位、10位と優勝から遠ざかってしまう。最終日のラストレース、それはこのペアで戦う最後のレースでもあった。「最初は古い艇でしか練習できなかった」(高橋)。大学からヨットを始めた先輩と経験者の後輩ペアゆえに、度重なる葛藤の中でぶつかり合い、互いに苦しんできた。だが着実に成長してきたのも事実。そして最後の大会、優勝を目指せる位置まできていた。「最後のレースは絶対に1位でゴールする」(高橋)、「トップフィニッシュして4年間のヨット生活を終えたい」(溝口)。思いは実を結んだ。スタートダッシュに成功すると、中盤での争いを制しそのままフィニッシュ。申し分のないレース展開を見せ、最終レースを1着という最高の形で終えた。

最終レースでトップフィニッシュを果たした高橋・溝口(手前)組

 選手たちがさまざまな感情を抱いて戦い抜いた3日間。クラス優勝、総合優勝という共通の目標は見据えているものの、この大会で感じたものはそれぞれに違っていたはずだ。それぞれの海路へ舵を切ったエンジのセーラーたちは、これからも挑戦し続けてゆく。

(記事 菖蒲貴司、写真 近藤廉一郎)

集合写真

結果

▽470級
山口優・永松瀬羅組:67点(8位)
▽スナイプ級
高橋友海・溝口芽組:52点(6位)
▽総合順位
早大119点(4位)

コメント

470級スキッパー山口優副将(スポ4=佐賀・唐津西)

――レースの総括をお願いします

総合とクラスでの優勝を目指していた中で第1レースでリコールを取ってしまったところでそのあとの展開が苦しくなっていきました。リコールを取ってしまうとカットレースがない分、優勝といったところから遠ざかってしまったのでそこが一番反省すべき点だと思います。

――第1レースでリコールを取ってしまったことは気持ちの面でどのように影響してしまいましたか

第1レースで取ってしまうとあとがないので、かなり自分たちを追い込まないといけない状態を自ら作ってしまいました。1レースも崩すことができない状況でプレッシャーをとても感じていました。

――プレッシャーのかかった場面でどのように修正を図りましたか

リコールを取ってしまったことを気にしていてもあとが悪くなるだけなので、悪くなったことをあんまり考えないで自分たちのできることにベストを尽くすことだけと思って目の前のことをこなすことだけを考えてやっていました。

――2日目の北から南に風が振れた中でのレースでしたが

自分は北風の方が得意ということもあって北風でのレースでは挽回や自分の走りができたんですけど、北から南に風が変わったということで戦い方も変えなければいけないという点で、途中まで良くても最後の上マークアプローチのサイドを間違えてしまったりしまいました。どんどん外に出ていかなければいけない場面でタックの場所を間違えたりして南風のときに順位を崩してしまうレースがあったので、戦い方の切り替えであったり、とにかく外に出て風を取らなければいけないということが今回ポイントになったのかと思います。

――最終日、スタートは良かったですが、その直後同大の艇に被せられたりしてレース展開の中で苦戦しましたが

トップを取る気持ちで最終レースに臨んだんですけど、同大にやられてしまったこともありスタートの時点から苦しくなってしまいました。そこでクルーも自分も視野が狭まってしまいきました。そこでもっと艇団の動きを見ていればもう少し違う判断ができていたのかなと思います。自分たちの前にあるブローであったり目の前のことだけを考えていたので、スタート直後に苦しくなった状況でこそ視野を広く持たないといけないなと、とても感じました。

――今後一番に修正すべき点はどこですか

ボートスピードはだんだん安定してきているので、スタートでの引き込みであったり失敗したあとのリカバリー、上マークアプローチでどっちのサイドを使うかという点であったりをクルーともどういう状況で艇団の動きが変化していっているのかをもっと会話をして、いかに自分たちが有利な位置に持っていけるかを考えていかなければと思っています。

――残すは関東学生秋季選手権(関東インカレ)、全日本学生選手権(全日本インカレ)となりましたが意気込みをお願いします

全日本学生女子選手権では470級でのクラス優勝、総合優勝を狙っていたんですけどとても悔しい結果になってしまったので、この悔しさを忘れずにまた全員で関東インカレ総合優勝、全日本インカレ総合優勝を目指して、今回得た反省を生かして、やってはいけない同じミスを繰り返さないようにこれからの大きな2つの大会へ向けて全員で取り組んでいきたいと思います。

スナイプ級クルー溝口芽(教4=アメリカ・Paul Laurence Dunber)

――トップフィニッシュ、感触としていかがでしたか

私はレギュラーではないのでレースに出られる今日が現役引退のレースだったので最後のレースはトップフィニッシュして4年間のヨット生活を終えたいなと思っていたんですけど、そうなると自分にプレッシャーになるなと思ってあまり他の人には言ってなかったんです。最初のスタートした時点で結構良い感じに出られていたのでこれはきたかなと思って、最後にちゃんと抜いて1位フィニッシュできたときはすごく嬉しくて、スキッパーの友海ちゃん(高橋友海、教3=神奈川・桐蔭学園)が嬉しすぎて最後のリーチングで、もうめぐさん引退ですねって泣いてくれていてすごくいい形でヨット生活を終えられたなと思いました。

――具体的なレース展開は

きょうはきのう、おとといの反省を生かせて全部反省する点のないようなレース展開で終われたねという話をしていました。きのうとかおとといはやはり早めにエンドに出過ぎていたりだとか、上マークもある前に他の艇の影響を受けてるあまり風の入らないところに結構いて、自分たちが止まっちゃうことが多かったのでそれを1日、2日目はあまり上手くできてなかったんですけどきょうはそれを修正できてかなり良いコース展開ができたかなと思います。

――高橋さんと組むのが最後だったと思いますがいまの気持ちは?

友海が入部してきてすぐ1、2週間後くらいにレースを出たときから、女子のインカレは昨年の春以外はずっと一緒に出ていました。その中でも今まではずっと2番手だったりしてたんですけど、昨年、ことしと自分たちが前を走っていかなければいけないというのがあって、ことしは私はあまり練習できてなかったんですけど乗るたびに友海がかなり成長してうまくなっていたので、自分も頑張らなきゃなって気持ちはありました。そのことがあり少し焦りはあったんですけど、久しぶりに乗ってもコンビネーションとかは良くて、どんどん信頼できていたのでその点は問題なかったと思います。でも最後がちゃんと友海と乗れてよかったなと本当に思います。

――残り2つの試合、上級生としてどう支えていきたいか、チームとしてどういう風に挑みたいか

私は残りのレースは全部サポートでチームのサポートリーダーとしてレースに臨ませていただくんですけど、きょう優勝はできなくてぎりぎり入賞だったので、最後はいい形で終えられて笑顔で引退するってことのイメージが湧いてきたので、今回私たちが良くなかった点をちゃんと全員で共有していき、そこを部員全員もちゃんと改善していきたいです。自分も久しぶりに選手目線に立てたので、そのサポートをする面でも選手が求めているものを考えてとりあえずみんなが落ち込んだときにすぐ笑顔にできるようにしてみんなで楽しみながらこの後残り2つの大会をして11月に笑顔で引退できたらなと思います。

スナイプ級スキッパー高橋友海(教3=神奈川・桐蔭学園)

――3日間、8レースの振り返りをお願いします

目標はクラス優勝、総合優勝でしたが、まずしっかり自分がクラスで走って、総合優勝のことはあとから考えようと思っていました。だから2日目で崩してしまったことはとても悔しいのですが、3日間振り返って一度も後悔したことはなくて、いままでは周りの他艇がタックしたから自分たちもタックをするだとか、クルーがもう少しこうしてくれればと思うことはあったのですが、今回は周りの艇から離れて風を取りにいくことなど、周りに流されずに自分で判断し自分で決めて自分で失敗したことなので、失敗に関しては後悔していなくて、この3日間ですごく精神的に成長できたなと感じています。

――2日目は北風から南風に変わり、苦戦されていましたが

出艇前に風が北から南に変わっているので、走らせ方やコースの引き方も変えようということは話し合ったのですが、うまく頭が切り替わらずに、走らせ方やコースの引き方を変え切れなくて北風の走らせ方をしてしまったのと、あと初日はコースが長くて1レース1時間くらいあったのですが、5レース目は30分くらいしかなく、艇の技術によってレース展開が変わる470級とは違って、スナイプは艇速差がなくて、かつ風速3~4メートルという差が生まれにくい状況だったので、すごく混戦になってしまって、その混戦を抜けていけなかったところに自分の弱さがあると思いました。

――1日目に1位を2度取りながらも、2日目のレースでは下位に終わってしまいました。安定しなかった要因には何が考えられますか

まず自分が1位でフィニッシュできる要因として、スタートに絶対的に自信がありスタートした瞬間に完全に他の艇より前に出ていて、今回も8レース中5レースはスタート時に1位になれるような位置にいました。それでも1位になれなかったレースがあるのは、その後のちょっとしたタックポイントのミスであったり、ちょっとした背中の風の触れを見逃していたりと、そのような小さなミスで順位を落としてしまったので、それを改善していこうとクルーと話していました。

――そしてきょうの第8レースは1位という良い結果でしたが

自分の中で、1年生のときから女子レースではずっと組んできたクルーの溝口さん(芽、教4=アメリカ・Paul Laurence Dunber)と乗るのも最後なので、やはり最後のレースは絶対に1位でゴールするというのは、半年くらい前から自分に言い聞かせていました。いつも溝口さんとレース後に反省会をしながら次のレースではこうしようと話し合うのですが、もう最後で反省会もできないので、反省点のないような100点のレースをしようと心がけて、他艇が本線の上側にいるなかで、私はアウター寄りで待っていました。もう一度風が吹いた時も勇気を持って引き込んだので、他艇よりも優位な位置にいけたと思います。そのあともすごく混戦で抜いたり抜かれたりしたのですが、日大の持田さん(由美子、4年)とも勝負できるのが最後だったので絶対に負けたくないと思って、最後まで競って気を抜かず集中したので、トップでフィニッシュできたのだと思います。

――あらためて溝口さんとの最後のレースを振り返って

私はヨット経験者ですけど一般入試で入学したので、最初は古い艇でしか練習できなくて、溝口さんも未経験者で当時はまだ2年生で、2人で乗っても全然走れなくて、こんなに全日本学生女子選手権(全日本女子インカレ)で何度もトップフィニッシュできるなんて当時は思っていませんでした。うまくいかないときもあって、お互いにお互いのせいにしてしまうこともよくありました。それでもことしになってから、私は溝口さんに対して先輩なんだからもっと引っ張ってくださいだとか、また溝口さんも私に対して経験者なんだからもっとうまく乗れるだろうだとか思うのではなくて、しっかりお互いのことを思いやって、お互いのために何かをしようと思えるようになりました。こういう成績がとれたのもこのあたりのことだと思います。

――関東学生秋季選手権も近づいていますし、次のシーズンへの戦いももうすでに始まっていると思います。これからに向けて意気込みをお願いします。

いまはレギュラーではないので、このレースで結果を出して、最後まで諦めないでレギュラーを目指したいです。普段は2年の服部(勇大、基理2=東京・早実)と乗っているのですが、8月にすごくうまくなったと実感していてこの全日本女子インカレの結果はめぐさんだけじゃなくて、服部の力もすごく大きかったと思います。服部がずっと一緒に練習してくれていたので取れた結果だと思うので、また次の練習から服部と乗るのでいろいろ今回学んだことを共有して、服部もまた別のところで練習しているので、お互いに身につけたことを一緒に合わせていって最後まで諦めないで頑張っていきたいです。

470級クルー永松瀬羅(スポ2=大分・別府青山)

――最終日のレース展開は

最初、スタートのときは有利エンドから出ることができたのですが、その後に上の艇に被せられて自分の好きなコースを取れなかったということで順位を落としてしまって悔しい展開になってしまいました。

――初日の1レースでリコールしていましたが

スタートして自分たちが出ているなっていうのは何となく気づいてはいたんですけれど、そのときに戻らなかった自分の判断のミスがすごく悔しいというか。なんでもっとちゃんと考えて動かなかったのかなっていう。後々苦しい展開になるのを知っているうえで、戻らなかったというのは本当に自分のミスが大きかったなと思います。

――そのあと1位を連続で取っていましたが、切り替えがうまくいったのですか

そうですね。やはりリコールがあったというのでその次からのレースはうまいスタートで出られなかったんですけど。うまいスタートができなかった割にその後のコースでなんとか挽回して自分の思い通りのコース展開にすることができたのでその点が良かったのかなと。自分の気持ちの整理をきちんとしてペアと一緒に話し合いながらきっちりやることができたので。

――2日目は北風から南風になりましたがいかがですか

北風は陸からの風なので、振れが大きくてそれに対応していけたら勝てるし、その振れに対応できない人はどんどん落ちていくので挽回の可能性がすごく高いんですけど、南風になるとある程度安定した風が吹いてくるので挽回は厳しいレースになるんですけれども。それのせいで2日目の2レース目は11位を取ってしまったりとか、やはり厳しかったです。

――今日のスタートはよかったですが

はい、今日のスタートはよかったんですけど、そのあとタックのポイントが悪くて上の艇にかぶせられてというのがあって自分の好きなほうに行けなかったというのが苦しい展開の原因かなと思います。

――1日目は1位も取っていましたが、2日目は12位を取ることもありました。順位が安定していない点についてはどう思いますか

気持ちのコントロールもできていなくて、1位でハイになった部分を抑えることができなかったので、それが一番の原因かなと思います。そして自分が悪い順位を取った時に、いかに冷静になって次の展開を考えるかというのが必要ですけど、やはりそこも焦りからできていなかったというのがあって。それのせいで順位も安定しなかったのかなと思います。

――チームとして関東学生秋季選手権(関東インカレ)に向けてどう臨みたいですか

今回はすごく悔しい思いをしたのでこの悔しい思いを関東インカレで、たぶん今回のレースと同じ風が吹いてくると思うので、しっかり挽回していきたいなと思います。