競走部

2011.11.20

第24回上尾シティハーフマラソン 11月20日 埼玉・上尾運動公園陸上競技場

箱根路へ、主力の奮闘も課題残る

 東京箱根間往復大学駅伝(箱根)のメンバー選考において重要なレースとなる上尾シティハーフマラソン。主力選手も出場し、前田悠貴(スポ3=宮崎・小林)が4位、矢澤曜(教4=神奈川・多摩)が5位とまずまずの走りを見せる。その半面、出場選手13人中64分を切る選手が前田、矢澤の二人のみとチーム全体としては不満の残る内容となった。

好調をうかがわせた前田

 「ポイント練習での捻挫で少し不安があった」と話した前田。そんな不安を払拭するかのように、最初の10キロを29分10と速いペースではいる。10キロすぎで先頭からは離されるものの自分のペースを守り抜き、最後は矢澤をかわして部内トップの4位でゴールした。全日本大学駅伝対校選手権(全日本)で復調の兆しを見せた矢澤も「調子が上がってきている状態の確認」と、残り1カ月の練習でもう一段階ギアを踏み込めそうだ。渡辺康幸駅伝監督(平8人卒=千葉・市立船橋)は二人に関して「走って当然」とコメントしたように、主力にかかる期待は大きい。

 一方で全日本では区間2位の好走を見せた三田裕介(スポ4=愛知・豊川工)は「全日本から練習が飛び飛びになっていた」(渡辺監督)影響か、レース序盤こそ先頭を引っ張るも15キロ過ぎから失速してしまう。同じく4年生の大串顕史(スポ4=茨城・水戸一)、安永陽(スポ4=東京・早実)はそろって64分台で自己新記録を出したが「今回63分台を出せなかったのは調整不足」(大串)と課題を残した。安永も「15キロ以降は足が止まってしまった」と語ったが、今後の集中練習でどこまでカバーできるかがポイントとなる。「4年生の走りがチーム全体の勢いにつながってくる」(大串)と、4年生が大きなカギを握ることは間違いない。

課題は残るも自己新記録でまとめた大串

 「出来不出来が激しかった」(渡辺監督)というように収穫、課題ともに見つかった今回のレースを踏まえ、残された期間集中練習でどこまで仕上げることができるか。箱根二連覇のためには故障者の復活、たたき上げの選手の踏ん張り、そして4年生や主力の好走が不可欠だ。『三強』と言われながら出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)、全日本ともに東洋大、駒大に水をあけられてしまったワセダだが、三大駅伝最後の箱根で底力を見せてくれることを期待したい。昨年度王者の箱根路での逆襲に注目だ。

★箱根路で復活へ…志方、再始動

箱根へ向け、実戦復帰を果たした志方

 上尾シティマラソンと同日に行われた日本体育大学長距離競技会(日体大記録会)に、ワセダから11人の選手が参加した。中でも注目が集まったのは、25組に登場した志方文典(スポ2=兵庫・西脇工)。今大会が膝の故障からの復帰レースとなった。志方は同組の田中鴻佑(法2=京都・洛南)と共に序盤から集団を引っ張り、中盤からは完全に独走状態に入る。「3000から4000メートルのところでペースが落ちてしまった」(志方)と語るも、他を寄せ付けず1着でゴール。タイムは14分37秒19と復帰戦としては上々の内容だった。

(記事 松岡文、松波葵、カメラ 大賀慎也、谷口奈津希、浜雄介)

結果

前田悠貴 1時間3分16秒(4位)
矢澤 曜 1時間3分33秒(5位)
大串顕史 1時間4分23秒(21位)自己新記録
安永 陽 1時間4分51秒(31位)自己新記録
井上太郎 1時間5分07秒(43位)自己新記録
三田裕介 1時間5分20秒(56位)
臼田稔宏 1時間5分24秒(61位)自己新記録
相原将仁 1時間5分52秒(78位)自己新記録
柴田聖也 1時間6分19秒(103位)自己新記録
萩原 涼 1時間6分29秒(118位)
田口大貴 1時間8分44秒(231位)自己新記録
山下良祐 1時間9分51秒(274位)自己新記録
亀山翔平 1時間10分37秒(299位)

コメント

渡辺康幸駅伝監督(平8人卒=千葉・市船橋)

――きょうのレースについて
出来不出来が激しかったのですが、主力に関しては合格かなと思いました。
――不出来とはどういった点でしょうか
 選手層がことしは少し薄いです。底上げがちょっとできなかったかなと。
――部内1位の前田選手の走りについては
 前田、矢澤は完全に主力ですので、走って当然です。それ以外の4年生がもう少し走れてほしかったです。
――上尾を見て、区間配置の構想もできあがってきていますか
 いえ、まだ区間配置については決めていません。決めていないというか、山上りであったりですとか特殊な区間は何となく構想はできているんですけど。これからの集中練習で故障者も出るでしょうし、大幅に区間を入れ替える可能性もあります。現段階ではこういったオーダーでいきたいというのは僕の中ではありますが、希望通りにいった例がないので。
――故障者や不調の選手が多い中でも、集中練習の質は落とさない
 はい。やはり生き残った選手を使うというスタイルは変えていませんので。
――八木勇樹主将(スポ4=兵庫・西脇工)の状態はいかがでしょうか
 八木の足の状態は思わしくなくて、現時点では箱根には間に合わないのかなと。
――たたき上げ組の調子はいかがですか
 一般入試の市川(宗一朗=スポ3、愛知・岡崎)、大串あたりは例年通りにメンバー争いに絡んできてくれるのかなと思います。
――三田選手は今大会はあまり調子が上がらなかったようですが
 三田はこうなる可能性があったので、というのも全日本の後は練習が飛び飛びになっていましたから。そういう心配もあり、15キロから失速しました。あとの集中練習で立て直さないと厳しいですね。
――きょうも東洋大の選手に先着をされてしまいました
 東洋大、駒大は強いですから。うちはもう現時点では3番手なので、そこから優勝を狙うとするならばこれからの1カ月ちょっとを完璧にやっていかなければならないと勝てないと思います。例年通りの流れで(集中練習を)やっていって、生き残った選手を10人使うということになると思います。

前田悠貴(スポ3=宮崎・小林)

――きょうのレースを振り返って
 最低でも3分台というのを目標にしていました。後半は少し思ったように粘れなかったんですけど、1時間3分16秒なのでまずまずです。
――レースプランは
 渡辺監督にはとりあえず先頭集団についていけ、と言われていました。行ける所まで行って、後はうまく自分で走っていければ良いと思っていました。
――1時間3分2秒の自己ベストに近い記録でした
 そうですね。でも、10キロ通過がベストの時よりも30秒近く早いタイムで入っていたので2分台も行けるかと思っていました。なのでやっぱり、後半に思ったように行けなかったですね。
――部内トップの4位でした
 矢澤さんと三田さんを目標にしていたのですが、三田さんがきょうはちょっと調子が良くなかったですね。最後に矢澤さんから逃げ切れたというのは自信になります。
――20キロを超す実戦は久々でしたが
 でも何となくハーフになれば走れるかな、という気がしていたので。とりあえず目標通りに走れました。
――良かった点は
 10キロが29分10秒だったのですが、そういう速いタイムでもしっかりついていけた、突っ込んだレースができたというのが良かった点ですね。
――逆に課題とする点は
 まだいまいちスタミナが足りていないなと思うので、これから1ヶ月しっかり取り組んでいきたいです。
――全日本後の練習は
 普通に練習を積んで、きょうに臨むという感じでした。
――事前の調子は
 水曜に最後のポイント練習で捻挫してしまって。1日休んだら良くなったのですが、少し不安がありました。でも、痛みも出なかったので大丈夫でした。
――今回のレースに手応えを感じましたか
 10キロ過ぎから一人になったのですが、一人でもそれなりに粘って走れたので、そこは良かったです。
――今後に関して
 出雲、全日本と思ったように走れなかったので、箱根は今季の最後なので、優勝を狙えるようにチーム皆で頑張っていこうと思います。

矢澤曜(教4=神奈川・多摩)

――きょうのレースを振り返って
100点というわけには全然いきませんし、まだまだです。
――1時間3分33秒の5位という結果については
 1年時にこのレースで走った際の記録に2秒足りていないので、そういった点でも今の自分の力というか期待されているレベルには及んでいないと思います。
――このレースに出場された意味合いは
 僕自信は調子の上がってきた状態の確認というか、現時点でどこまでいけるかというのを知る意味で利用しました。夏を終えて、その時点でハーフマラソンで勝負できるような体ではなかったので、そういった意味でどこまで戻ってきているかを知ることはできたと思います。
――きょうのレースに関して渡辺監督や相楽豊コーチ(平15人卒=福島・安積)からの指示は
 「15キロまでしっかり走れれば良い。もしあと5キロ走れなかったとしてもそれはこれからの練習で何とかなるから、15キロ思い切って走れるように。」と言われていました。
――実際にはどのようなレース展開でしたか
 先頭集団は前半をおそらく29分10秒くらいで通過したんですけど、僕は前半少し怖がったところがあって若干痛みもあったので、(流れに)乗り切れなくて、少し後ろからのレースになってしまいました。
――レースプランや目標タイムはありましたか
 結果として15キロから先をしっかり走り切ることができたのは良かったんですけど、もっとガンガンいって、15キロまでの間にどこまで速いペースについていけるのかを試せても良かったのかなと思います。
――今後の取り組みについて
 これまで走ってきた出雲や全日本、このレースも引っくるめてステップにしたいです。現時点ではまだまだなので、さらに上を目指して、もっと自分の体を作っていく練習にしたいと思います。

大串顕史(スポ4=茨城・水戸一)

――きょうのレースを振り返って
 4年生として63分台を狙っていたので、出せなかったことが残念です。
――箱根の前哨戦という意味合いあったと思いますが、調整はうまくいっていますか
 だいたいうまくはいっているんですけど、10月の早大記録会や11月の全日本だったり決めるべきところで決められていなかったので、今回63分台を出せなかったのは調整不足かなと思います。
――具体的に課題としてはどのような点が挙げられますか
 課題としてはやはり…走り込みですね。
――これから集中強化練習に入りますが意識していきたいポイントは
 一本一本集中して走り込んで、4年生として三田や矢澤と一緒にチームを引っ張っていけるようにしたいです。
――4年生としての立場や箱根の経験者である点で、箱根でのご自身の役割は
 去年の箱根を見て分かる通り、箱根では4年生のチームの走りがチーム全体の勢いにつながってきます。4年生としてチームを盛り上げていかなきゃいけない存在ですし、しっかり要所要所で走れる選手でいなければいけません。チームを勢いづかせられるような走りをしなければいけないと思っています。
――箱根駅伝に向けての意気込みをお願いします
 自分自身、2年生のときに大きな失敗をしていますので、その失敗の借りを返さなくてはというのがまずあります。それ以上にチームに貢献して、最後に渡辺監督を大手町で胴上げしたいと思います。

安永陽(スポ4=東京・早実)

――きょうの走りを振り返って
思った通りの結果と言えば思った通りですが、後半特に15キロ以降は足が止まってしまったなという思いはあります。
――この大会で目標としていたことは
4年という立場の自分にとっては、今後は箱根があるだけで個人戦は今回が最後になるので、後悔だけはしないように心掛けて走りました。
――調整はいかがでしたか
部自体でこの大会に向けての調整というのは行っていません。練習の一環という位置付けだったのですが、とにかく気持ちは切らさないようにしました。
――渡辺監督や相楽コーチからは何か指示などは
とにかく15キロまでは先頭についていくということでした。残りの5キロに関しては、今後の集中練習でカバーする部分だということだったので、15キロまでの走りに重点を置きました。
――今後に向けた強化のポイントとしては
最後なので後輩をしっかりと引っ張っていくことができるような強い走りを目指します。あと、自分は安定感に欠けているので1つ1つの練習を大切にこなしていきたいと思います。
――早実高時代から数えてWのユニホームを着るのは7年目になります。集大成を飾りたい気持ちはいかがですか
昨季の箱根では北爪さん(貴志=平23スポ卒)も走っていますし、そういう意味では系属校の現役選手にも希望を与えられるような走りをしたいです。
――今後へ向けた抱負をお願いします
箱根まで期間は残りわずかしかないですけど、しっかりと練習をこなして自分が納得できるような結果を残して最後終われればと思います。

三田裕介(スポ4=愛知・豊川工)

――きょうのレースを振り返って
途中で足が止まってしまったんですが、それはそれで現実として受け止めて、また集中練習でしっかり立て直したいと思います。
――レースプランは
 ある程度突っ込みたかったのと、(箱根)本番も想定してやりたいなというのはありました。ただ、週末の練習で疲れが溜まってしまってできなかったこともあったので、その辺りがレースで出てしまったかなと思います。練習不足という訳ではなくて、疲れが取れずに、上尾へいい流れを持って来れなかったという感じです。
――全日本の後はどのような調整を行ってきましたか
 毎週水、土、日と練習がありました。上尾ハーフ自体も、それに出場するというよりかは練習の流れで出るというのがワセダのスタンスです。これからのことを考えれば、ここで走れた選手は現在調子がいいということ。走れなかった選手は、走れなかった理由をしっかり自己分析して、疲れを取って、集中練習に備えるのが大事だと思います。
――ご自身の調子は
 今シーズンはまあまあだと思っているんですが、きょうもですけどなかなか自分が思っているようには走れないですね。出雲、全日本と思ったように走れなくて。それを現状と受け止めつつも、自分ではまだまだいいパフォーマンスができると思っています。箱根には万全の状態で臨みたいと思います。
――ご自身が考える、良いパフォーマンスとは
 自分の持ち味を発揮しつつ、100パーセントの実力を出すことです。それは自分だけではなくて、メンバー1人1人の役割だと思っています。
――箱根に向けた意気込みを
 集中練習を皆で故障者ゼロで乗り切って、万全の状態で臨みます。出雲、全日本と3位で惨敗しているので、絶対に優勝します。

志方文典(スポ2=兵庫・西脇工)

――きょうのレースを振り返って
 故障上がりというのもあって今回はレースに出ること自体が目的だったので、満足しています。レース展開としては、3000から4000メートルのところでペースが落ちてしまったので、まだまだスタミナが足りないかなという感じがしました。
――今現在のご自身の調子は
 状態としてはいいんですが、故障明けなのでまだ練習が積めていないです。箱根に向けてだとすればまだまだだと思います。
――夏合宿で故障したとのことですが
 膝ですね。棚障害です。なかなか厄介でした。
――故障中は練習はできなかったのですか
 ほとんど補強運動ですね。トレーナーさんにメニューを考えてもらって、それをこなしていきました。
――くじけそうになったことは
 ありました。今回の故障は本当につらかったです。前回箱根を走れなかった時と同じぐらいつらかったです。
――本格的な練習はいつごろから再開しましたか
 出雲のころあたりからジョッグを始めて、10月の終わりごろからポイント練習に入りました。
――出雲駅伝は所沢でテレビ観戦したそうですが、どんな気持ちで見ていましたか
 まず、ここ(所沢)にいるべきではないと強く感じました。先輩方や同期が頑張って走っている中で自分だけがこっち(所沢)で何もできないという状況が歯がゆくて、自分に腹立たしささえ感じました。
――復帰に向けた練習にはどのようなことをモチベーションにして取り組みましたか
 昨季の箱根には出られなかったので、今年こそは出たいという思いは強く持っています。箱根を走って結果を残すんだというのをモチベーションにしました。
――つらいときに支えになったものは何ですか
 高校の恩師からの電話であったり、自分自身の「頑張らなきゃな」という思いであったり。主務の福島(翔太=スポ4、埼玉・早大本庄)さんといろいろお話をしたのも立ち直るきっかけになりました。
――福島さんとはどんなお話をしましたか
 今後どうしていかないといけないか、という話や、いま自分がやるべきことをやるしかないという内容の話です。
――全日本ではエントリーメンバーに選ばれていましたが、そのころの調子は
 ポイント練習にも入ってたので、ケガの状態としては全く問題なかったです。
――これからは集中練習が控えていますが
 去年は集中練習の最初のほうで故障してしまったので、今回は故障しないように乗り切ることが目標です。集中練習はこなすだけ、というか、無事に乗り切るのが大事だと思っています。常に一番を走るというよりは、メニューをしっかりこなしていきたいと思います。
――いま自分に求められているものは何だと思いますか
メ ンバーから遠い存在になってしまっているので、早く皆に追いつくことが一番求められていると思います。
――故障への恐怖はありますか
 二度あることは三度あるとも言いますし、正直怖いです。それでも、そこでびびっていてもしょうがないので、やるしかないですよね。故障しない努力をするのももちろんですけど、自分の体がもってくれると信じてやるのみです。
――箱根に向けて意気込みを
 ことしは出雲、全日本と3位に終わって、チームとしては非常に悔しいシーズンなので、箱根こそは自分もチームに貢献して優勝を目指していけるように頑張ります。