バスケットボール部

2012.06.13

第70回早慶定期戦特集―選手篇―

 (早大)大塚勇人主将・河上宗平×(慶大)桂竜馬主将・蛯名涼副将

 6月2日。この日、野球の早慶戦で神宮の杜が歓喜に沸いていたころ、代々木の地においてももう一つの早慶戦が繰り広げられていた。ことしで70回目を迎えたバスケットボールの早慶戦だ。そしてその本番を迎える一か月ほど前に、早大からG大塚勇人主将(スポ4=福岡大大濠)とF河上宗平(人3=京都・洛南)、また、慶大から桂竜馬主将と蛯名涼副将に集まっていただき、それぞれが思う早慶戦の展望を語ってもらった。

※諸事情により掲載が早慶戦後となりました。

――早慶戦を一か月後に控えて今どのような心境でいますか
大塚 特にどういう感じというか、ただ単に勝つっていう感じでやっていきたいなと思います。勝ちにこだわります。
 春シーズン最大のイベントだと思うので、目の前の試合ももちろん目標としたいのですが、早慶戦は絶対に勝ちたいなというのはあります。

――上級生になってみて昨年までと気持ちの面で変化した部分はありますか
大塚 いや、特には。
河上 いつも通りですね。
 そうですね。4年生になったからと言ってやることが変わったわけではないかなと思います。

――それぞれ選手の部内での印象を教えて下さい
河上 大塚さんは本当に信頼されていて、大塚さんが言うことはみんなが信頼しているみたいな。つまり、早大は大塚さんのチームです(笑)。ミーティングもきょねんの倍ぐらい多くて、コミュニケーションでもリーダーシップをとってくれるし、みんなが話せる場を作ってくれているのですごくいいです。
大塚 河上くんは早大のエースです。攻守ともにエースです(笑)
河上 きょうの試合へっぽこでしたけどね(笑)
大塚 部活中はサボるところはサボって、うまくやっています。
河上 (笑)
蛯名 慶大ってだいたい4年生が引っ張るっていう意識が強いんですけれど、昨年振るわなくて、ことしはその分色々な意見を取り入れようということで、ことしの4年生は桂さんを中心に下級生からの意見を取り入れようとしてくれています。フランクな関係ですかね。
 4年生だからとか上級生だからとかは無くさなきゃいけないのかなと。蛯名は後輩ですけど本当に頼れる存在で、厳しいところは厳しく言いますし、その場に応じて必要なことを行動してくれるので見習うところはすごく多いです。

――思い出に残っている早慶戦をそれぞれ教えていただけますか
河上 僕は2回しかやっていないのですが、やっぱり勝ったきょねんの方ですね。
蛯名 考え方次第ですね。2回しかやっていない中でいい思い出だったのは勝った方だし、悪い思い出なのは…。
河上 逆に悪い思い出としては負けた方なので。
蛯名 日経の別冊に昨年の早慶戦が取り上げられていたんですけど、そこに「史上初の百点ゲームで大敗を喫した慶大」みたいに書かれていて、普通に萎えました(笑)
一同 (笑)
大塚 きょねんのはそこまででもないですね。どちらかと言ったら1年生の頃の勝ちも嬉しかったけど、2年目で自分が出て負けた時の方が印象に残っています。ガードで出ていたので先輩への責任も感じましたし、二ノ宮さん(康平、平23慶大卒=現トヨタ自動車アルバルク)とやるのも最後だったので勝ちたかったんですけど。とにかくうまくて、あの時は何もできなかったです。
 きょねんは負けて悔しい思いであったり、一昨年は勝ってうれしかった思い出もあるんですけど、1年目は春に2回電鉄杯(京王電鉄杯)とかトーナメント(関東大学選手権)で試合して20点差ぐらいで慶大が勝っていたのに、早慶戦になったら負けちゃったんですよね。早慶戦って実力だけじゃなく独特の試合感があって、ただ単に実力勝負じゃないんだなって思い知らされた1年目は思い出に残っています。

――昨季は早慶戦を機にその後の両チームの明暗が分かれたようにも感じたのですが、いかがでしょうか
河上 もちろん勝つことは大事なことだし、やっぱり勝ってこそ意味があるというのは思いますけど、僕らは毎試合一生懸命取り組んだ結果がああいうかたちになったので、勝つためにみんな練習も頑張っていて成果としてそういうふうに出るのはいいことだと思います。
大塚 その通りです。
 早慶戦もその前のトーナメントから勝つ経験は少なかったので、負の連鎖のようなことが起きていたかなと思います。接戦を落とす場面も多かったですし、今思えば引きずってしまった部分も無くはなかったのかなと。毎試合、毎試合区切ってやろうというのはあったんですけど。
蛯名 もう大敗だったので、その後の試験に響きました(笑)

――早慶戦というのは自分の中でどのような位置付けですか
大塚 早慶戦だけに合わせるというのはないですね。公式戦にも合わせなきゃいけないし、まあちょっと時間が空く中でという感じです。公式戦ではないと思いますが、モチベーションを持っていきにくくはないです。
河上 やっぱりあれだけ人が入るので、楽しみですね。そういう雰囲気を楽しみたいです。1年間で一番注目される試合というか、あれだけ観客が入る試合はないのですごく貴重な経験だし、頑張ろうというモチベーションにつながります。他の試合にも気合いは入れてるつもりですけど(笑)
蛯名 全部一緒に見ようと思うと区別はできないですね。定期戦も公式戦も同じくらい重要ですけど、そこで区切って見てみると普通の試合とは違うので、士気は高まるなという感じです。
大塚 うまくまとめてくれたね(笑)

「真剣に魅せるプレーを」

――ことしの話に移ります。両チームのキーマンを教えて下さい
大塚 キーマンは…。誰だろうね(笑)
河上 でも全員バスケを心掛けてやっているので、ゲームに出ている人だけでなく全体の雰囲気も大事だし、そういうところから見てほしいかなと思います。
蛯名 本橋(祐典、慶大のセンター)ですかね。やっぱり一番このチームで伸びしろがあると思うので。1年生もすごいんですけど、まあ1年生に期待してしまったら終わりだと思いますし、やっぱり本橋が成長しないと来年の僕らはないので。
大塚 慶大が本橋ならこっち二宮(弘憲、スポ3=福岡大大濠)で(笑)
蛯名 でも二宮うまくなってますよね。

――ことしのチームの特徴は何でしょうか
大塚 変わったのは久保田さん(遼、平24スポ卒=現パナソニックトライアンズ)だけですけど、やっぱり小さくなったので。インサイドが小さくなったのでどちらかと言うとアウトサイド中心になるかなとは思いますけど。でもその中でもきょねんから継続しているディフェンスのことだけしか言われていないというのが現状なので、ディフェンスには重きを置いています。
河上 ブレイクはたぶんきょねんよりも破壊力があると思うんですけど、ハーフコートのディフェンスがダメというか、まだ見えてこない感じですね。
 慶大も家治さん(敬太前主将、平24慶大卒)がいなくなって、ディフェンスでリズムを作って走ってうちの流れにするときはいいと思うんですけど、個人の得点力という点ではまだちょっと課題があるかなと思うので、一人で打開する力とかは今後伸ばしていかなくてはいけないなと思います。

――お互いのチームについてはどういう分析をしていますか
大塚 とりあえず走ってきますね。
河上 そうですね。ケガ人が多いのでなかなか見えてこないというのもありますけど、スタイルとしては前から仕掛けてくるトランジションのイメージがあります。そこは気をつけたいです。
大塚 逆に見えてこないからこそ、ハーフコートとかは怖いよね。
蛯名 僕らも桂さんが言ったように流れがいい時はいいけれど、でもそれ以上に早大の速攻が怖いです。中でも玉井(勇気、スポ3=福岡第一)が走ってきて、しかもリバウンド取る前とかに走り出して大塚さんがいいところにパスを通すので、あれは止められないですね。玉井をスピードに乗らせると本当に止められなくて、それで河上がリバウンド走ってきたらこっちの流れを止められるので。もっていかれないようにするにはオフェンスを組み立てるだったり、ディフェンスへの切り替えに常に集中しないと、本当に流れが怖いです。外のシュートも晃大(木村、スポ2=京都・洛南)とかめっちゃ入りますし。
 きょねんも序盤やられたのは立て続けに走られて、最初で10点差以上ついちゃったので、今回はそこを対応したいですね。

――最後に、早慶戦を観に来てくれる方々へのメッセージをお願いします
蛯名 野球の早慶戦とかぶっているのに来てくれるんですよね。
 バスケを選んでくれてありがとう。
一同 (笑)
河上 きょねんもそうでしたけど、ことしの早大もベンチを含めてすごい賑やかなので、そういう雰囲気も観客席で見てくれたら楽しめると思うし、チーム一丸となっているところを見てほしいです。
大塚 真面目だな(笑)河上が試合中に1つ面白いことをやってくれるので、期待しててください。
河上 何かやります(笑)大塚さんも何か面白いことやってくれると思います。
大塚 真剣に魅せるプレーをします。余裕があれば。
 学生スポーツらしい試合を見せられたらなと思うので、プロじゃ見せられないような、僕らの早慶戦という学生らしい泥臭さとか雰囲気とかで、観客のみなさんに感動を与えられたらなと思います。
大塚 妹と似てるか判断してくださいでいいじゃん(笑)(桂の妹は早大女子バスケット部に所属)
一同 (笑)
 家庭内での早慶戦ですね(笑)
蛯名 早慶戦は結構注目されているものなので、野球並みの盛り上がりを見せられたらなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 冨丘太朗、梁瀬智帆)

◆大塚勇人(おおつか・ゆうと)
 1990年(平2)4月6日生まれ。172センチ、67キロ。福岡大大濠高出身。スポーツ科学部4年。ポジションはガード。プレーでも気持ちでもチームを引っ張る本学の主将。その突出したバスケットセンスは大学屈指で、アシストから得点まで常に観客を魅了し続ける。ラストイヤーの早慶戦を勝利で終われるか!?

◆河上宗平(かわかみそうへい)
 1991年(平3)5月22日生まれ。190センチ、84キロ。京都・洛南高出身。人間科学部3年。ポジションはフォワード。早大が誇るエースフォワード。類いまれな身体能力を生かし、次々に得点を奪う。日韓学生大会である李相伯盃では大学日本代表に選ばれるなど、まだまだ進化を続ける大器から今後も目が離せない。

◆桂竜馬(かつら・りょうま)
1990年(平2)9月4日生まれ。194センチ、93キロ。東京・国立高出身。慶大4年。ポジションはフォワード。ことしの慶大をまとめる主将は一見おとなしそうな選手。しかし試合になるとその長身でシュートブロックやリバウンドを量産し、サイズの小さい早大にとって脅威となるのは間違いない。

◆蛯名涼(えびな・りょう)
1991年(平3)6月16日生まれ。180センチ、80キロ。京都・洛南高出身。慶大3年。ポジションはガード。3年生ながらチームの副将を任された頼れる選手。その冷静さとクレバーさは折り紙つきで、多くの場数を踏んできた経験値も武器。敵に回したら非常に厄介な存在だ。