レスリング部

2014.08.31

全日本学生選手権 8月29日 岐阜メモリアルセンター

前川、圧巻のインカレ初V!

 連日白熱した戦いを繰り広げる全日本学生選手権(インカレ)。大会最終日のこの日はグレコローマンスタイル(グレコローマン)の準決勝、決勝と女子の試合が行われた。グレコローマンで唯一勝ち残った130キロ級・前川勝利(スポ4=茨城・霞ケ浦)は決勝で相手を寄せ付けず快勝し、インカレ初タイトルを獲得。女子では53キロ級・田中亜里沙(スポ4=埼玉栄)が2位、同階級の金子和(社3=群馬・大泉)が3位と2選手が表彰台に登った。

組み手でボルチン(山梨学大)を攻略した前川

 ここまで圧勝で勝ち上がってきた前川だったが、準決勝では苦戦を強いられた。階級変更のための減量中により、現在の体重は110キロ前後。130キロ以上ある相手との体格差も響き、1ピリオド(P)は連続してポイントを奪われる苦しい展開となった。だがこのままでは終われない。2P中盤、押し出しで同点に追い付くと、畳み掛ける攻撃でバックポイントを取りそのまま一気にフォールへと持ち込んだ。決勝の相手はフリースタイル125キロ級の準々決勝で1ポイントも奪えず敗北を喫した、宿敵ボルチン・アレッグ(山梨学大)。「いつもやられているところを倍返しという気持ちでやってやろう」。思惑通り、圧巻の試合運びだった。1Pで投げ技を決めると、2Pでは立て続けに得点を挙げ9-0でテクニカルフォール勝ち。「100点満点の試合内容」(前川)と完勝を収め、専門種目で見事リベンジを果たした。

優勝を逃し悔しさをにじませた田中

 女子53キロ級の金子は準決勝で入江ななみ(九共大)と対戦。金子は積極的に攻撃を仕掛けるが、かわされ得点につながらない。攻めに入ったところからバックを奪われ、追いかける展開に。最後まで前に出る姿勢を貫いたが、あと一歩及ばなかった。一方、順調に勝ち進んだ同階級の田中は決勝で入江との一戦に挑んだ。最後のインカレを優勝で飾りたいところだったが、相手のペースにはまり持ち味を発揮することができない。次々とバックやローリングを決められ、開始2分半にフォール負け。試合後、「いままでやったきたことが出せなかった」と悔しさをあらわにした。この思いを糧に、全日本女子オープン選手権での逆襲を図る。

 優勝者2名を輩出し、幕を閉じた今大会。続く全日本大学グレコローマン選手権、内閣杯全日本大学選手権は団体戦を兼ねた試合であり、目標とする団体優勝にはそれぞれがベストパフォーマンスを発揮することが不可欠となる。今回手にした課題や収穫をいかに自分の力に変えていけるか。名門・早大レスリング部の底力に期待がかかる。

(記事 谷田部友香、写真 三尾和寛)

前川はグレコローマン優秀選手賞を獲得

結果

男子グレコローマンスタイル

▽130キロ

前川                  優勝

女子

▽48キロ

須崎麻衣(スポ1=千葉・鎌ケ谷) 2回戦敗退

▽53キロ

田中                  2位

金子                  3位

▽60キロ

香山芳美(スポ1=東京・安部学院)1回戦敗退

コメント

山方隆之監督(平4人卒=福岡・築上西)

――前川勝利(スポ4=茨城・霞ケ浦)選手がフリースタイル(フリー)で敗れたボルチン・アレッグ選手(山梨学大)にリベンジを果たして優勝されました。振り返ってみてどうですか

差して相手の苦手なかたち、自分でも練習しているかたちに持ち込んで最後に本当に良い試合をしてくれたと思います。フリーで負けていたというのもあるんでしょうけど、試合中に絶対に勝つという姿勢が表れていた試合だったと思います。

――準決勝では少し苦しい展開となっていました

レスリングの相性とかはあるので。実力的には上なので、慌てなければ大丈夫だろうと思っていました。そこは特に問題とは思っていませんでした。

――2位となった田中亜里沙(スポ4=埼玉栄)選手についてはどうでしょうか

最初に自分の組み手やかたちに持っていくことができなくてそのまま相手のペースにはまってしまったと感じました。気持ち的に乗っている、乗っていないことも含めて試合開始からあのようなかたちになってしまったんだと思います。

――今大会全体を振り返ってどうでしょうか

フリーで1人、グレコローマンで1人、女子で1人優勝するというのが最低限の目標でしたがそこを考えるとちょっと残念な結果に終わりました。全般にしては次にどうつなげていけるか、足りない部分はどこかをまた考えるきっかけとなる試合になったと思います。

太田拓弥コーチ

――前川選手が優勝されました。試合を振り返ってどうですか

相手が前半に前さばきで注意を受けてそこから胸を合わせてくれるようになったので試合がやりやすくなりました。相手の苦手なパターンが分かったていたのでそこを攻めて組んで投げろと言っていました。組み手がうまくいってフリー(フリースタイル)のリベンジをして優勝できたことは良かったと思いますね。ただ準決勝は強引に技を掛けにいってしまって今までだと負けるケースだったんですけど、後半に修正して前川のペースに持っていけたのでそこは評価できますね。

――田中選手は決勝で攻めきれなかった印象があります

気持ちの面で問題があったのか、プレッシャーがあったのか積極的に前に出る姿勢が出ていませんでした。逆に金子(和、社3=群馬・大泉)のほうが前さばきで追い込まれましたが前に出て勝負しにいっていたので試合内容を評価できます。たらればを言えばアクションタイムで強引にいったところを返されて結果として決勝点につながったわけですが、十分にこちらにもチャンスはあったということなので。

――今後の大会に向けて一言お願いします

秋以降の試合に関してはまずは1か月後のグレコ選手権(全日本大学グレコローマン選手権)が間近で特に重要になりますね。個人戦もありますけどグレコなので今の状態だとまだまだ厳しいのですね。駒はそろっているんですけど総合優勝はまだまだ遠いので、今回の大会で見つかった課題をふまえてそこに向けて向かっていきたいと思います。

前川勝利(スポ4=茨城・霞ケ浦)

――優勝おめでとうございます

ありがとうございます。

――大学4年間で初めての全日本学生選手権(インカレ)優勝となりましたが、感想をお願いします

インカレで優勝できたということはうれしかったんですけど、正直な気持ちでいうと、本来であればこの大会に出られないほうが良かったなというのがあります。世界選手権の調整で出られないということは全日本(明治杯全日本選抜選手権)の王者ということなので、そういう年にしたかったので、ここにいるというということは代表落ちをしてしまったという事実なのでやっぱり悔しい気持ちが大きいですね。

――準決勝では相手に苦戦を強いられましたが、振り返っていかがですか

過去2回対戦したことがあって、どちらもその時はテクニカルフォールかフォールで勝ったんですけど、そり投げ得意な選手で一発ある選手ということで、特にグレコ(グレコローマン)の重量級にとっては投げられたら試合がひっくり返る場面が多いので、そういうことを考えると、嫌な選手だなとずっと警戒していたのでそこが出てしまいました。相手に取られてしまった点数ではないんですけど、そういう部分が一番あってしまって、結果的にはフォール勝ちすることができたんですけどまだまだ課題が見つかったかなと思います。

――決勝ではボルチン選手に1ポイントも与えず完勝でした。振り返っていかがですか

フリー(フリースタイル)でいつもぼこぼこにされている部分があったので、やっぱりグレコは僕が本業なので、そこはいつもやられているところを『倍返し』という気持ちでやってやろうと思っていたので、本当にその通りになって1ポイントも与えずに勝つことができたので、自分の中でも納得のいく100点満点の試合内容だったなと思います。

――減量中ということで体格差の面で苦労はしましたか

明治杯の時は120キロ前後だったのでまだ体格負けはしていなかったんですけど、最近は110キロくらいになっているので相手がちょっと大きいかなという気持ちがあって、戦った時も投げきれない部分があったので、そういうところで体格差で相手が大きいなと思いましたね。

――優秀選手賞も獲得されていましたが、その点についてはいかがですか

光栄なことなんですけど、最後の一番大きいやつ(文部科学大臣杯最優秀選手賞)が欲しいなという気持ちもありました(笑)。同期の国士舘大の嶋田(大育)選手が獲ってくれたのでまあいいかなという気持ちがあります。

――次の大きな大会は全日本大学グレコローマン選手権となりますが、そこに向けての意気込みをお願いします

その戦いには園田(新、拓大)選手も出てくると思うので、いまよりは体重が落ちているかもしれないんですけど、学生の中でも最後の戦いになると思うので、出るからには絶対に優勝、リベンジをしたいです。団体戦にも関わってきますので、ワセダはまだ全グレの団体優勝は1回もないので、何としても僕たちの代で成し遂げたいと思います。きょねんは内閣(内閣杯全日本大学選手権)で初優勝だったので、ことしは全グレ初優勝をしたいです。同期の中井(堅太、社4=南京都)も全グレで優勝していますし、桑原(諒、スポ4=静岡・飛龍)も今回よくやってくれたと思うので、決して不可能ではないと思っているので、僕たちが取るところをしっかり取って団体優勝したいです。まず1番は団体優勝ですね。そして個人優勝をしたいなというのが大きいです。

田中亜里沙(スポ4=埼玉栄)

――2位という結果についてどうですか

最後のインカレ(全日本学生選手権)だったので優勝を狙っていたんですけど、そんなうまいことはいかず相手も強い選手で、内容的にも結果的にもボロボロに負けてしまったなという印象があります。今までやってきたことが出せなかったので悔いが残る試合となりました。

――決勝の入江ななみ選手(九共大)との対戦で見えた課題などはありますか

課題以前に今までやってきたことが出せずに終わるかたちで慎重になりすぎて守りになってしまったので、もっと積極的に練習通りにいけたらよかったと思います。

――準決勝で入江選手と対戦した金子和(社3=群馬・大泉)選手から戦術などは聞きましたか

これまで入江選手とは何度も対戦したことがあるので、私も金子もお互い普段の練習で競った練習をしているんですがその練習というのが同じ相手に対して金子も私もできなかったと。金子のほうが良い試合はしていたんですけど。お互い一緒の課題を持っているので入江選手問わず、もっと練習通り攻める内容での試合ができたらよかったと思います。

――次の全日本女子オープン選手権に向けて目標をお願いします

インカレで負けてしまって悔いの残る結果に終わりました。レスリングの試合自体この思いで終わりたくないなと思います。結果もそうですが集大成として今までやってきたこと、持っている実力を全て出せたらいいなと思います。結果的にも内容的にもこのままでレスリングを終わりたくないので今までやってきたこと、最後にしっかり思い切りのある自分らしいレスリングができて終われたらいいかなと、それが結果につながればなおいいと考えています。

金子和(社3=群馬・大泉)

――準決勝では全日本社会人選手権(社会人オープン)でも対戦した入江ななみ選手(九共大)でした。何か意識したことはありますか

社会人オープンの時に腕をとられてポイントを取られてしまった場面があったので、腕をとられた時は気をつけました。

――全日本学生選手権まではどのような練習をしてきましたか

組み手で相手を追い込む練習をしてきましたが試合ではあまり出せませんでした。練習でやったことを出し切れなかった大会でした。

――積極的に攻める姿勢が見られましたが、ご自身ではいかがですか

最初は見合っていたかなと思いますが最後の点を取れば勝ちという場面で最終的に取りきれず、あのような試合になってしまいました。あそこでしっかりポイントが取れれば勝てたかなと思います。

――今回見つかった課題はそのようなことですか

タックルに入っても遠かったり、自分の位置でできていないのでそこを直していきたいと思います。

――今後の目標をお願いします

一番近い大会が全日本女子オープン選手権で同じ相手がまた出てくると思うので、今回は負けてしまったので勝ちにいくことです。そのあとに天皇杯全日本選手権があるので練習したことをしっかり出して勝ちたいです。