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ラグビー部

2014.07.13

春季総括&他校情報

◆早大春季総括 『一歩ずつ確実に進歩』

 ロック大峯功三主将(スポ4=福岡・東筑)、フランカー布巻峻介副将(スポ4=東福岡)、SO小倉順平副将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が三位一体となってスタートを切った早大。開幕当初から対戦相手に関係なく、試合で浮き彫りになった己の課題と真摯(しんし)に向き合ってきた。その結果は7勝2敗。明大と帝京大には負けてしまったが、着実な成長が感じられる春となった。

 シーズンが始まると、早大は傑出した得点力で大勝を収めていく。その象徴は何と言ってもWTB荻野岳志(先理4=神奈川・柏陽)だろう。以前よりフィニッシャーの能力を開花させていたこの男だが、今季はより一層すごみを増した。「ボールタッチを増やせている」と自身でも言うように、積極的に多くのプレーに参加。出場した8試合で計13トライを挙げるなど、1人で数的不利の状況を打開できるだけの力を持ち合わせている。その他にもBKは昨年のメンバーが多く残っていたため、小倉を中心に息の合ったアタックで点を量産してきた。しかし、個々の能力で上回られた明大戦は攻め切れない場面も目立つ。帝京大戦では守備が整備された相手に対し、突破口を見出せなかった。今後は個の戦いでも敗れず、堅固な組織にも屈しないオフェンスをチームとして形成しなければならない。

春季の活躍が認められ日本代表育成選手になった荻野

 一方の守備面では開幕当初から試行錯誤の日々が続く。ディフェンスラインを素早く押し上げることをテーマにしてきたが、重なる失点をなかなか抑えられない。成果を出すには時間を要したが、努力が結実してきたのが第6戦目の流通経大戦ごろ。続く中大戦も含め、相手をノートライに抑えたのだ。試合によって少々の上下があるので、現段階で完全に仕上がっているとはいえないが、目指していくべき道筋は見えてきた。

 春季の大半で固定化されていたAチームのスタメン。そこに新鮮な色が付け加わった。SH杉本頼亮(スポ1=京都・桂)とFB黒木健人(人1=宮崎・高鍋)。2人は帝京大戦で初めて赤黒を身にまとうと、持ち味を遺憾なく発揮。特に黒木はビックタックルを見せるなど、大きな体を生かしてピンチを救った。4年生が下級生のプレーしやすい土壌づくりを目指してきた今季。これからもレギュラーを脅かせるような選手が台頭し、選手層に厚みを増していきたい。

ポジション争いが激しいSHの1番手に名乗りを上げた杉本

 「まだまだ足りていないことが分かりました」(大峯)。ここまで比較的順調な成長曲線を描いてきたが、王者と体を当ててみてまだ差があることを実感できたようだ。7月の間にいま一度フィジカルの強化をして、約1カ月間の合宿に向かう早大。勝負の秋で結果を出すために、この夏も自身の課題克服に重点を置いていく。

(記事 御船祥平、写真 目黒広菜、栗田麻里奈)

★他大学情報
◆帝京大 『全勝優勝で王者の貫禄示す』

 全国大学選手権(大学選手権)5連覇中の王者は、今季も他の追随を許さない絶対的な力を見せた。関東大学春季大会は全勝でAグループ優勝。Eチームまでの全チームを合わせても15人制では2敗を喫したのみで層の厚さもうかがえる。中村亮土(現サントリー)などの主力が抜けた現在も、主将のSH流大を筆頭とする能力ある個々、そして高い組織力によってその勢いは顕在だ。ブレイクダウンでの強さは圧巻。安定したセットプレーも武器であり、スクラムやモールからも好機を演出した。しかし最も注目すべき点はその全くの隙のなさだ。ミスを最小限に抑え、相手につけ込む場を与えない。チャンスは無駄にせず必ず得点に結び付ける。早大との一戦でも、最後まで集中力を切らさなかった帝京大に軍配が上がった。ペナルティーの少なさや80分を通しての我慢強さは賞賛すべきところだ。帝京大は『打倒トップリーグ』という高い水準を掲げ大学界では頭一つ抜きん出ている。大学選手権6連覇という新たな伝説をつくれるのか。ことしも帝京大は追われる立場で秋を迎える。

(記事 大水渚)

◆筑波大 『主力の不在響き結果残せず』

 ことし創部90周年を迎え、昨季の関東大学対抗戦4位からの巻き返しに燃える筑波大。しかしWTB福岡堅樹が日本代表に招集されたほか、ケガなどで主力が欠場し、ここまで苦しいシーズンを送っている。関東大学春季大会では明大、東海大に敗れBグループ3位。特に東海大戦では後半で0-21と離された。招待試合の帝京大戦でも先行しながら後半の大量失点で試合をひっくり返され、ダブルスコアで敗戦。頑強なフィジカルを持つ相手には、終盤で力負けが目立った。それでも、明るい要素はある。法大戦ではわずか17分の間に3トライを挙げ逆転勝利を収めるなど、BK陣の爆発力は健在。ルーキーが台頭し、ロック中村大志、CTB鈴木啓太は既に先発出場を果たした。内田啓介前主将の抜けた9番争いにはジュニア・ジャパンに選出されたSH米村龍二が加わり、選手層に厚みを増している。SO山沢拓也、WTB竹中祥、福岡ら役者がそろった際の勢いは大学トップクラスなだけに、離脱しているメンバーの復帰も含め秋までにチームとして安定した力を備えられるか。SO松下真七郎主将の下、今季のスローガンである『こだわり』を持って強化の夏に臨む。

(記事 森健悟)

◆明大 『春季好調も、さらなる向上を』

 関東大学対抗戦(対抗戦)で5位に終わった昨季からの復活を期す明大は、『勝ちにこだわる』ことをテーマに春シーズンに臨んだ。結果は関東大学春季大会グループBで全勝優勝。社会人チーム、さらにライバルである早慶両校を倒すなど充実したものとなった。好調のカギは、FWとBKが一体となったプレーだ。プロップ勝木来幸主将率いるFWは、U20代表経験者がずらりと顔をそろえる総合力の高い布陣。ブレイクダウンの攻防で優位に立ち、力強い突進は相手の脅威となった。そんなFWを操るのが司令塔のSO田村煕だ。昨季はレギュラーに定着できなかったが、今季は日大戦を除く全試合に10番で先発。特に早明戦ではプレースキックをすべて決めるなど躍動した。同じく早明戦で活躍したWTB齊藤剛希、U20代表のWTB成田秀平ら両翼には決定力があり、どこからでも得点できるのが今季の明大の強み。しかし満を持して臨んだ帝京大戦では12-53と今春唯一の黒星を喫する。圧倒的な力を前に完敗した。この敗戦をどう生かせるか。一段とレベルを上げた強化を続ければ、2年ぶりの対抗戦制覇も夢ではない。

(記事 鈴木泰介)

◆慶大 『苦しい戦い続く』

 昨年、4季ぶりに全国大学選手権ベスト4入りを果たした慶大。今季は『打倒・帝京大、大学日本一』という目標を掲げ、さらなる躍進が期待されていたが春シーズンは苦戦を強いられた。関東大学春季大会の初戦では流通経大に逆転負け。さらには3戦目の大東大との試合では7-56でまさかの大敗を喫した。その後も強豪校相手に勝利を挙げることができず、昨季の好成績とは裏腹に春を2勝5敗で終える結果となる。この低調なパフォーマンスの原因はディフェンス。敗れた5試合中4試合で40失点以上と、白星を勝ち取れない大きな要因になっている。しかし苦戦の中で持ち味を発揮したのは、CTB石橋拓也やFB中村敬介を中心としたBK陣。特に石橋は早大戦で2トライを挙げるなど能力の高さを見せつけた。中村、WTB服部祐一郎、WTB浦野龍基のバックスリーの決定力も慶大の一つの武器。好調BK陣が慶大に復調の兆しを与えるか。シーズン終盤になるにつれチーム力が増していくのも慶大の一つの特徴だ。夏に課題を修正し、秋の躍動に期待したい。

(記事 東哲也)