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体操部

2014.07.09

第68回全日本種目別選手権決勝 7月6日 千葉ポートアリーナ

全日本王者小倉、念願の2連覇達成

 ついに運命の幕が開けた。5日の予選を見事突破した全国の強豪8人が集う今大会。跳馬の予選を1位で通過した小倉佳祐(スポ3=千葉・習志野)は他の選手が14点台にとどまるなか、15.325というハイスコアをたたき出し優勝を決め大会2連覇を達成。一方、床で予選7位に食い込んだ佐藤紘翔主将(スポ4=岡山・関西)は、日本のトップ集団の厚いカベを破ることはできず、8位という結果となった。

 ゆかには佐藤が出場した。自身初の決勝進出を決めたことへの喜び。そして今までの試合とは明らかに異なる重圧による不安。その上、今大会の全競技者の中のトップバッターという大役を務めることに。様々な葛藤のなか決勝の初舞台を迎えることになった。演技開始前に設けられる30秒間を目いっぱいに使い、心を落ち着かせることに努める。しかし、「不安よりも、流れができていないから(トップバッターは)嫌だった」と語るように、いつもよりも硬い表情で演技が始まった。序盤は着地が乱れ、さらに大きくしりもちをついてしまう。この失敗で気持ちが吹っ切れた。微動だしない着地で、演技をまとめて見せる。結果は奮わなかったものの、最初の不安定な精神状態からワセダを背負う意地により、最後は本来の佐藤らしい演技をすることが出来た。

意地の着地を見せた佐藤主将

 ライバルの選手たちが次々と決勝という雰囲気にのまれ失敗していくなか、昨年の跳馬覇者・小倉が見せた。「2連覇を意識せず、楽しむ」と語っていた通り、演技前は他の選手と言葉を交わすなどリラックスした様子であった。念入りにコースを確認すると、会場からの大声援に応えるように大きくうなずき1本目がスタート。助走からすでに気迫に満ち溢れる。躍動感ある演技を見せ、着地も一歩に収めた。そして迎えた運命の2本目。深呼吸をして気持ちを整えると、跳馬台に向かって真っすぐに駆け出す――。他の選手との圧倒的な差。迫力だけでなくそこには美があり、見る人をとりこにした。着地直後に見せたガッツポーズ、そして笑顔。会場を歓喜の渦に包みこんだ。ついに全日本2連覇を成し遂げた。

圧巻の演技で全日本2連覇を果たした小倉

 昨年は、緊張や不安といった言葉を口にすることが多かった小倉。しかし今大会は「楽しむ」といった前向きな姿勢で臨んだ。そのような精神面でのコントロールが、2年前に達成できなかった全日本2連覇につながったのだろう。今後の抱負を尋ねると、「他の種目にも力をいれている」という頼もしい言葉が返ってきた。目標を見事達成した彼の視線は、『全日本王者』から『世界』を見据えている。小倉の飽くなき挑戦はまだまだ終わらない。

(記事 中村ちひろ、写真 末永響子、三上雄大)

結果

跳馬
選手名 1回目 2回目 平均(順位)
小倉佳祐(スポ3) 15.300 15.350 15.325(1位)
選手名 結果(順位)
佐藤紘翔(スポ4) 12.850(8位)

表彰式後、メダルを手にとる小倉

コメント

佐藤紘翔主将(スポ4=岡山・関西)

――きょうの試合に向けてきのうからの改善点は

きのうは着地で動いてるところが多かったので、そこを改善すれば順位を上がると思うので、そこを一番意識して改善しようとしていました。

――その中で、挑んだ決勝の舞台はいかがでしたか

今までやったことのなかった状況での演技だったので、いつもとやることは変わらないと言い聞かせていましたが、体はとても正直でした。やはり緊張してしまい、思うように演技ができませんでした。どんな状況の中でも試合に挑める心の強さを持たなければいけないと思いました。

――決勝の大舞台で、トップバッターでの演技でした。不安はありました

不安というよりも、流れができていないなかでの演技ということで、嫌な部分がありました。

――しりもちをついてしまう場面がありましたが、要因は

練習でもミスがまったくない場所だったので、こういった大舞台の場の空気にのまれてしまいました。

――しかし、最後には完璧な着地が見られましたね

失敗したことによって、吹っ切れたということもありましたし、最後までグダグダな演技をしてしまったら、ワセダの名を背負っているにもかかわらず、格好悪いと思い、最後はしっかり決めようと思い挑みました。

――今大会での収穫と課題を教えてください

全日本種目別選手権決勝という大きな舞台で演技できたことが何よりの収穫だと思います。改善点は、やはりどんな状況でも自分の演技ができるという強さが自分のはまだまだ足りないと思うので、そこが改善点です。

――次の舞台はインカレですが、個人としての抱負は

東インカレ(東日本学生選手権)では良い結果を残すことができなかったので、東インカレでの失敗に意味を持って、インカレでは改善した良い演技ができれば良いと思っています。

――チームとしては

才能あふれる人材ばかりなので、一人一人が良い演技ができれば結果はついてくる思うので、チームで盛り上げていきたいと思います。

――インカレまでにどのようなことを強化していきたいですか

今季失敗が多いので、何よりも失敗のない演技ができるようにしていきたいと思います。

小倉佳祐(スポ3=千葉・習志野)

――2連覇本当におめでとうございます

ありがとうございます。

――今の気持ちは

1年の時に同じように2連覇がかかっていて、達成できなかったので、素直にうれしいです。

――きのうは、楽しむということを意識すると聞いていましたが、楽しめましたか

楽しむようにはしていたんですけど、結構緊張していてたのと、前の3人が失敗していて…。でも楽しめたことには楽しめました。

――自分の演技に入る前に、リラックスしている様子が見れましたが

いつも種目別に出るときは結構同じような選手でいるので、談笑したりして緊張はその間はほぐれていました。

――他の選手がプレッシャーでどんどん押しつぶされていくなか、どのように気持ちを切り替えましたか

みんなに応援されて、そこでミスをして失敗するよりは、思い切ってやろうという気持ちでなんとか乗り切りました。

――1本目の演技について振り返って

1本目はアップから調子がよかったので、昨日よりは高さも出せたし、距離も出せているから、自分的には納得しています。

――1本目から2本目に行くときの気持ちの切り替えはどのようにされましたか

2本目を立てれば優勝という感じだったので、予選と同じときみたいにリラックスしていつも通りやろうという感じでした。

――2本目の演技について

2本目はいつもより入りがよかったので、高さも出て着地も余裕があったので、そっちも自分的には納得しています。

――2本目着地したあとのガッツポーズが印象的でした

そうですね、うれしかったというのと、優勝したらやってねというのを周りから言われていたので(笑)。宣言通りできて良かったです。

―今回の試合での収穫は

やる前はずっと不安だったで、緊張していて自信がなかったところがあったのですが、今回の大会で大きなミスをせず、うまくまとめることができたので、そこは自信に繋がると思います。

――今後の抱負について教えてください

まだまだですが、他の種目も鍛錬しているので他の種目も頑張ります。