お知らせ
2014.06.05
粘りの野球で3位を死守
3位決定戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
立大 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 |
早大 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1× | 3 |
(早)吉野和、○黄本-吉見
◇(二塁打)宇都口、小形 |
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追いつかれた直後の9回裏、若きワセダ戦士が意地を見せた。ここまで粘投を続けていた投手陣に応えるべく、2死三塁の好機をつくり出すと、立花玲央(人2=千葉英和)が鋭い打球を中前にはじき返す。サヨナラの走者が生還し、ナインが歓喜に沸いた。何とか3位を守ったワセダ。新人戦でチームをけん引する2年生の意地がチームに勝利を呼び込んだ。
先発は準決勝に続き吉野和也(社2=新潟・日本文理)。5回途中2失点で試合をつくれずに降板した前日の雪辱を果たすべく、「きょうはゲームをつくって勝ちたい」と意気込んだマウンドだった。初回に2点の援護を受けると、毎回のように走者こそ出すものの決定打を許さない。アンダースローから繰り出される緩やかに大きく曲がる変化球がさえわたり、8回を終えて1失点。昨秋新人戦以来の完投にも期待がかかった。しかし、その夢も一打で破られた。9回、1死後に迎えるは高田涼太。2回にも適時二塁打を許していた強打者に左翼席に突き刺さる同点本塁打を浴びる。続く代打にも二塁打を浴びたところで無念の降板となった。
9回途中2失点と好投した吉野和
逆転の危機で、直原大典新人監督(人4=高知・土佐)は黄本創星(スポ2=千葉・木更津総合)に託した。3連投で疲労もある中での決断。だが今大会で主戦格の働きを見せる快速右腕は「気持ちで投げた」と語るように自慢の速球で後続を断ち、ピンチでの抜てきに応えた。二人の2年生投手の踏ん張りに応えるべく、打者も黙ってはいられない。9回裏、先頭が四球で出塁すると犠打と盗塁で2死三塁に。最後は1番に座る立花が甘い球を逃さず鋭く二遊間を破った。
サヨナラ打を放ち、拳を突き上げる立花
2008年(平20)秋以来遠ざかっている新人戦での優勝は、今季もかなわなかった。だが、栄冠はつかめなくとも3位を守った1、2年生たちに直原新人監督は「練習ではぼろぼろだったのに、この3日間でまとまってくれた」と実戦を通しての成長に目を細めた。レギュラーとは力の差はあるが、秘めたる実力、そして団結によるチーム力を見せることができた。新人戦を通して得た経験を糧に再び神宮で輝くことができるか。若武者は栄冠へ向け再び歩み始める。
(記事 盛岡信太郎、写真 荒巻美奈)
早大打者成績 | |||||||||||||||
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 | 率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
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1 | (右) | 立花玲央 | 3 | 1 | 1 | .250 | 四球 | 三飛 | 四球 | 二ゴ | 中安 | ||||
2 | (二) | 宇都口滉 | 3 | 2 | 1 | .429 | 右2 | 空振 | 中安 | 死球 | |||||
3 | (中) | 八木健太郎 | 3 | 1 | 0 | .333 | 右飛 | 四球 | 投併 | 左安 | |||||
4 | (遊) | 石井一成 | 4 | 2 | 0 | .500 | 中安 | 二ゴ | 空振 | 右安 | |||||
5 | (左) | 小形和義 | 4 | 1 | 0 | .250 | 空振 | 左2 | 空振 | 空振 | |||||
6 | (一) | 大森雄介 | 3 | 0 | 0 | .222 | 空振 | 遊ゴ | 四球 | 投直 | |||||
7 | (三) | 木田大貴 | 2 | 0 | 0 | .200 | 三ゴ | 四球 | 空振 | 左安 | 死球 | ||||
走 | 相馬弘季 | 0 | 0 | 0 | .000 | ||||||||||
8 | (捕) | 吉見健太郎 | 3 | 0 | 0 | .111 | 遊飛 | 遊ゴ | 空振 | 投犠 | |||||
9 | (投) | 吉野和也 | 3 | 0 | 0 | .200 | 見振 | 遊直 | 空振 | ||||||
投 | 黄本創星 | 0 | 0 | 0 | .500 | ||||||||||
打 | 江間拳人 | 1 | 0 | 0 | .000 | 空振 |
早大投手成績 | ||||||||||
名前 | 試 | 勝 | 敗 | 回 | 安 | 四 | 振 | 責 | 失 | 率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
吉野和也 | 2 | 0 | 0 | 8 1/3 | 8 | 2 | 4 | 2 | 1 | 2.03 |
黄本創星 | 3 | 2 | 1 | 2/3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1.29 |
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コメント
直原大典新人監督(人4=高知・土佐)
――サヨナラ勝ちで新人戦を締めくくることができましたね
本当に気持ち良かったです。
――きのうの敗戦を踏まえてチームとして変えてきたところは
特にはないのですが、きのうも「どんどん攻めていこう」ということで臨んでいたので、きょうもそれを試合前に言ってみんなが思い切り良くやってくれた結果が出ました。
――気持ちとして切れた部分はありませんでしたか
自分としては優勝できなかったので結構ショックだったのですが、選手としては3位決定戦があるということで、きのうの試合が終わってからもきょうに向けて気持ちが入っていたので選手としては気持ちは切れていなかったですね。
――先発の吉野和也選手(社2=新潟・日本文理)は2試合連続の先発となりました
早い段階でピッチャーをつぎ込んでいこうという気持ちだったのですが、何とか抑えてくれていたので良かったです。
――球数などのめどは
とらえられたら代えるという考えでした。7回くらいに入って、試合勘とかの部分もあって任せました。捕手の吉見(健太郎、教1=東京・早実)の方からも「きょうはきのうと違って変化球が結構曲がっていて、いい緩急になっている」という報告があって、捕手にも聞きながら継投のタイミングは考えていました
――9回にここまで唯一捉えられ続けていた高田涼太選手に一発を浴びました
あそこは代えておけば良かったなというのが反省なのですが、その前の攻撃の無死満塁から点を取っていれば楽だったかなというのは思います。
――黄本創星選手(スポ2=千葉・木更津総合)は3連投でした
吉野も黄本も田中(龍之介、人2=兵庫・滝川)も2年生はみんな気合が入っていたので、誰を使っても抑えてくれると思っていたのですが、やはり最後は黄本かなと思ったので、黄本で行きました。
――新人戦を終えての収穫は
練習ではぼろぼろだったのに、この3日間でみんなまとまって、こんな必死な姿を見たことがなかったので、もっと練習の時からこの気持ちを忘れずに次は秋に向けてやってほしいと思います。
――経験も少ない選手が多い中での好結果でした
実力としては(ベンチ入り)メンバークラスに食い込んでいけない選手ばかりだと思うので、またここから必死に練習して秋のリーグ戦にここから一人でも多くのメンバーが入って活躍できればいいなと思います。
――では秋に向けてチームとしてどのような夏の練習にしたいですか
夏は厳しい練習を乗り越えて秋に向かうと思うのですが、4年生にとってまた春とは違うリーグ戦になると思います。やはり違う部分というのは4年生が最後のリーグ戦に懸ける思いが強いところが勝つと思うので、リーグ戦に入ってからではなく、いまの時点から4年生が最後に天皇杯を中村(奨吾主将、スポ4=奈良・天理)に持たせるという強い気持ちを持って練習に臨めばいい練習になると思いますし、それが試合の結果につながると思うので、今季ケイオーに負けた分、優勝決定戦でケイオーを完膚なきまでにやってやりたいなと思います。
黄本創星(スポ2=千葉・木更津総合)
――3連投となりましたがどのような気持ちでマウンドへ向かいましたか
疲労もあってあまり球が走っていなかったのですが、どうしても勝ちたい試合だったので気持ちで投げました。
――前日は不運な安打もあり負けてしまいましたが
負けてしまったのでショックな部分もあったのですが、3位決定戦ということで(ショックな気持ちを)引きずったまま投げるのはチームメイトに失礼だと思ったのでしっかり切り替えてきょう投げました。
――きょうも直球がいいコースに決まっていましたが手応えはありましたか
やはり真っすぐが自分の生命線なので、しっかりと投げました。
――何とか3位で終えることができたことについて
自分自身の記録として2勝が付いたのですが、自分のせいできのうは負けてしまったのでやはり悔しい思いがあります。
――投手陣では一番の投球を見せていたように思われますが
全部リリーフだったのですが、きょうも吉野(和也)が多く投げてくれて、自分の割合は少ないので。やはり今度は自分が先発してもっとしっかり試合をつくれるようにやっていきたいです。
――今後夏場で厳しい練習を積むことになると思いますがどのように成長したいですか
慶大の加藤君(拓也)のピッチングを見て、心に響く部分があったのですが、やはりあれくらいの真っすぐを駆使してこれからはピッチングをこれからもしていきたいと思います。
立花玲央(人2=千葉英和)
――きょうの試合を振り返って
前半は個人的には全然打てていなかったので、最後にあのようなかたちで終われてよかったです。
――9回の打席にはどのような意識で臨まれたのでしょうか
どんどん振っていこうという意識で、まっすぐ1、2、3で振り抜きました。
――それまでの4打席の内容はいかがでしたか
ちょっと力みがあったのでなかなかうまくバッティングができなかったです。
――全試合でスタメン起用された今回の新人戦を振り返って
初めてワセダのユニフォームを着て神宮の打席に立ったので緊張することもいっぱいあったのですが、それを踏まえて全部いい経験ができたと思います。
――この新人戦で見つかったものなど、秋に向けて夏に取り組みたい課題があったら教えてください
課題はバッティングにしろ、守備にしろ、走塁にしろまだまだ自分に足りてないものがたくさんあるので、全部パワーアップできるようにこの夏取り組んでいきたいと思っています。
――来季に向けての目標は何ですか
最後に勝てて良かったのですが、秋は1位を取れるように取り組んでいきたいと思います。
吉野和也(社2=新潟・日本文理)
――試合を終えての感想は
チームが勝てたので良かったです。
――きょうは9回途中までの登板となりました。ご自身の投球を振り返って
きのうも投げて連投だったので体としては結構きつかったのですが、勝ちたいという気持ちだけで投げました。
――9回に被弾した以外は素晴らしい内容だったと思いますが
そうですね。特に勝っているという感じがあったわけでもなく、甘い気持ちがあったわけではないのですが、9回は流れも悪かったので気持ちをもっと引き締めなければいけなかったかなとは思います。
――失投という感じだったのでしょうか
いえ、ボールカウントもワンツーでバッティングカウントだったので、腕をしっかり振って投げようと思いました。そんなに甘いコースではなかったのですが、バッターの方が上でした。
――相手の高田涼太選手から序盤から捉えられている打球もありましたが、合わせられている感覚はありましたか
それは結構ありましたね。ただホームランはないかなとは思っていたので…。
――きょうの登板では自らの手で勝利をという気持ちが強かったですか
そうですね。きのう先発をして、きょうも(先発を)任せてもらっていたので、それなりの責任を感じていましたし、きょうはゲームをつくって勝ちたいと思っていました。
――きのうから変えた点はありましたか
特に変えた点があったわけではないのですが、早慶戦を含めてきのうが4戦目で、投げない試合もブルペンでは体をつくっているので、結構数がいっていました。(新人戦で完封した)きょねんは体が結構楽だったので、その点で気持ちに余裕があったと思います。
――最終的に立花玲央選手の適時打で試合を決めて、3位を死守しました。春季新人戦を終えていかがですか
きのう自分がもっといいピッチングをしていれば、決勝にいけたと思いますし、それで優勝したいという気持ちが強かったです。次の秋の時には優勝できるように頑張りたいと思います。
――春季リーグ戦を含め、春のシーズンを総括して
1年生の時に比べたら、ことしは全然調子が良くなくて、バッターにもなめられていると思うので、この夏にはもう一つレベルアップして秋のシーズンに臨めるように今季の反省できるところは反省していきたいと思います。