競走部

2014.05.04

第30回静岡国際大会 5月3日 静岡県小笠山総合運動公園エコパスタジアム

おのおのに修正点見つかる

 国内各地で行われている日本グランプリシリーズの第4戦・静岡国際が3日開催された。毎年200メートルや400メートルなどで好記録が続出するこの大会で、自己新記録を狙いにいったワセダ勢だったが、更新者はわずかに一人。さらに、200メートルでは決勝進出者無しと、織田幹雄記念国際(織田記念)で九鬼巧主将(スポ4=和歌山北)がつくった良い流れを加速させることはできなかった。また、開催地の静岡出身ということで注目を集めたスーパールーキーの加藤修也(スポ1=静岡・浜名)は万全ではない状態ながら46秒台の前半をマーク。潜在能力の高さを見せつけた。

(記事 石丸諒)

★竹下、予選敗退で新たな課題見つかる

20秒代のタイムながら決勝進出を逃した竹下

 男子200メートルはA組に竹下裕希(スポ4=福岡大濠)と徳山黎(スポ1=神奈川・相洋)、B組に愛敬彰太郎(スポ2=三重・桑名)と木村賢太(スポ3=大分・杵築)の4人が出場した。先日行われた織田記念で思うような結果が残せず、この静岡国際をタイムと順位の両方を狙う大会としていた竹下は決勝への進出を期待され予選2組に登場。同組には実績のある飯塚翔太(ミズノ)や高平慎士(富士通)らも出場し、ハイレベルな争いが予想された。しかし、惜しくも後半にタイムが伸びず予選敗退となる。織田記念での自身の走りに対して、足の挟み込みの動作についての課題をあげていた竹下。今大会までは短い期間であったが、修正することができたようだ。レース後には「前半からしっかりいこうと思っていたが、うまく後半に切り替えることができなかった」と新たな課題も見つかった。関東学生対校選手権(関カレ)までの練習でどこまで修正できるか。

 予選B組で走った木村は自己ベストを更新したものの決勝には行けず、200メートルでは全体的に納得のいくレースはできなかったワセダ勢。関カレまで残り2週間を切り、リレーで優勝を狙うワセダにとっては厳しい結果となった。

(記事 戸田郁美、写真 加藤万理子)

★ルーキー加藤 次につながる走り見せる

スタート100メートル付近の加藤。前半の走りに課題が残った

 400メートルタイムレースにはワセダから3人の選手が出場。1組で木村賢太(スポ3=大分・杵築)と佐藤拓也(スポ3=埼玉・越谷西)が3着と4着でレースを終えると、3組には期待の新鋭、加藤修也(スポ1=静岡・浜名)が登場した。先月行われた東京六大学対校大会の4×400メートルリレーで優勝を飾り、堂々のエンジデビューを果たした加藤。入学後初の公式戦個人種目での出走に注目が集まった。レースは序盤からハイペースな戦いに。加藤は同組の金丸祐三(大塚製薬)ら有力選手にのまれ、徐々に順位を落とす。一時は7位まで沈んだものの、後半、キレのある走りが光った。ラスト50メートルで一気に前方の選手を抜き去ると、勢いのまま4着でフィニッシュ。前週に引いた風邪の影響もあり万全でないコンディションの中、46秒21を記録し及第点の走りを見せた。それでも加藤は、「周りの方々が早かったので直すべきところをもう一回見つけて、やっていきたいです」と結果には満足はしていない。400メートルで高校歴代2位のタイムを誇る実力を、大学でも爆発させることはできるか。目標である世界ジュニア選手権に向け、まずは目前に控えた関カレで栄冠を目指す。

(記事 副島美沙子、写真 管真依子)

★社会人となった野澤が出場

ラストで粘りの走りを見せる野澤

 200メートルや400メートルと同じく日本トップクラスの選手たちが集結した400メートル障害。この種目には、ことし早大を卒業した野澤啓佑OB(平26スポ卒=現ミズノ)が出場した。一番内側の1レーンという不利な位置から出走となった野澤。スタートから1台目のハードルまでの歩数が合わず、1台目を超える際に体勢を崩してしまう。「そこ(1台目)でレースを崩してしまった感じ」と悔やんだ。それでも、中盤から立て直したのは実力がある証拠。そこからは普段通り、ハードル間を14歩でカバー。終盤は15歩になってしまったものの、苦しい場面を粘り切り5着でフィニッシュ。「まとめて走り切ることができたのでよかった」と自らの後半の走りには一定の評価を与えた。次なる標準は日本選手権。アジア大会出場が懸かる非常に重要な戦いだ。『ワセダから世界へ』を体現するために――。社会人1年生・野澤の挑戦は続く。

(記事 井上義之、写真 副島美沙子)

★リオパラリンピックを目指し、再スタート

2着に入った芦田

 特別種目として行われた障害者男子100メートルに、早大陸上競技同好会から芦田創(政経3=大阪・早稲田摂陵)が出場した。2年後のリオデジャネイロパラリンピックを目指すトップ選手が集まった今大会。11秒91で2位となる結果に、レース後は「調子が良かったのに力んでしまって。全然不合格ですね」と反省の言葉を口にした。今回の結果は思わしくなかったが芦田の考え方は常に前向きだ。右上肢に機能障害を持つ芦田は高校卒業を機に、障害者陸上に挑戦。そして昨年、フランス・リヨンで行われたIPC世界選手権男子400メートル、男子4×100メートルリレーに出場するなど、世界の舞台へ駆け上がった。そこで感じたのは「陸上に対する姿勢が甘かったなと思ったのでよりストイックに競技と向き合っていかなければ勝てない」ということ。新たな取り組みとして、この日走った100メートルの他にもことしから走り幅跳びや三段跳びにも挑戦している。パラリンピックでは、自分の得意とする種目が突然実施されなくなってしまうことが十分考えられるからだ。現状に満足することなく自らの可能性を広げ続ける芦田の姿はアスリートそのもの。「障害者スポーツはまだマイナーなので、自分が活躍して普及させていけたらなと思います」。パラリンピックという夢の舞台に立つため、障害者スポーツの未来を変えるため、芦田はこれからも走り続ける。

(記事 中澤佑輔、写真 高畑幸)

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注目の大会で九鬼主将が2位/織田幹雄記念国際(4/30)

結果

▽男子200メートル

A予選

徳山黎(スポ1=神奈川・相洋) 21秒31(+1.7)(1組6着)

竹下裕希(スポ4=福岡大大濠) 20秒93(+1.7)(2組5着)

B予選

愛敬彰太郎(スポ2=三重・桑名) 21秒31(-0.6)(1組4着)

木村賢太(スポ3=大分・杵築) 20秒89(+2.0)(2組2着) 自己新記録

▽男子400メートル

木村賢太 47秒41(1組3着)

佐藤拓也(スポ3=埼玉・越谷西) 47秒51(1組4着)

加藤修也(スポ1=静岡・浜名) 46秒21(4位)

▽男子400メートル障害

野澤啓佑(OB) 50秒89(3組5着)

▽男子障害者100メートル

T46

芦田創(早大陸上競技同好会、政経3=大阪・早稲田摂陵) 11秒91(+0.6)(2位)

コメント

竹下裕希(スポ4=福岡大濠)

――今日のレースを振り返っていかがでしたか

今年初の200(メートル)で、今回のレースは前半からしっかりいこうと思っていたのですが、うまく後半に切り替えることができませんでした。

――課題は後半に切り替えることですか

そうですね、これから次の試合まで2週間ないのですが、そこを中心に改善していきたいです。

――織田幹雄記念国際大会(織田記念)であげた課題についてはいかがでしたか

足の挟み込みについては今回の試合に向けて少し改善してきて、織田記念よりは改善できたレースだったと思います。

――関東学生対校選手権(関カレ)に向けて目標をお願いします

関カレでは1点でも多く点数が取れるように、自分の走りを追求していきたいです。

愛敬彰太郎(スポ2=三重・桑名)

――きょうのレースを振り返っていかがでしたか

まだ2戦目なのですが、自分の持っている課題がクリアできていないです。

――課題というのはどのあたりですか

あまりスピードがないのでコーナーを出たときにどれだけほかの選手と詰められるかというところです。後半詰めるためにコーナーでスピードに乗ることができませんでした。

――その課題を関カレに向けて改善していこうと考えているのですか

そうですね、関カレはまず身近な目標で、秋ぐらいにちゃんと走ることができればという感じです。

――最後に関カレに向けて目標をお願いします

今年は入学してきた1年生もレベルが高いのでまずは試合に出ることです。もちろん試合に出るだけではだめなので、関カレでは3位以内もしくは優勝できるようにこれから体を作っていきたいです。

加藤修也(スポ1=静岡・浜名)

――試合を振り返っていかがですか

自分が最大限の力を出せたとは思ってないです。レース環境もすごい良かったんですけど、万全の状態を作れていないというのがありました。でもこの時期でも45秒4台を出す金丸さん(祐三、大塚製薬)の強さを感じて、もっと自分が強くなる必要があると感じました。

――走りで良かった点は

レースの展開とか走りのかたちは悪くなかったと思います。あとは加速局面とかの部分的なところですね。

――万全な状態でないというのは

先週に風邪をひいたというのがあります。38度後半くらいまで出たので。あと慣れない寮生活とか、2月にオーストラリアとかポーランドに行ってそこから休む期間が短かったというのもあります。

――きょうははどのあたりに目標をおいていたのですか

体が疲れていたので、自分の中で一つの目標として46秒半ばあたりが出れば良いほうかなと思っていました。

――それでは46秒21というタイムは設定通りなのですか

結果そんな感じですけど、周りの方々が早かったので直すべきところをもう一回見つけて、やっていきたいです。

――いつもよりスタートがゆっくりでしたが

ちょっとスタートを調整でやってなかったんで、それが原因かなと思いますけど、ちゃんとビデオ見ないと正確には分かりません。

――大学に入ってから練習環境はどう変わりましたか

高校は全力とか根性とかそういう言葉のような感じでしたが、大学はそういうことじゃなくて、体をいたわるときと、追い込むときのめりはりをつけるイメージです。

――ことしの最大の目標は

世界ジュニアです。

――リレーのナショナルチームにも選ばれていますが

選んでいただいて、幸運なことだと思っています。

――今後やっていかないといけないことは

やることはだいたい、これからスピードの強化とか体のキレを出していくことです。関カレとかでは試合感覚を取り戻して、その次の目標とするところにつなげて行きたいです。日本選手権とかももちろん目標の一つですが、それよりも体を作るというか慣らすことを大事にしていきたいです。長い目で見て未来の自分がいい走りができるようになれば良いですね。

徳山黎(スポ1=神奈川・相洋)

――今日のレースを振り返っていかがでしたか

今は瞬発力がないということを言われていたので、200メートルではスタートからではなくて、自分の得意な後半の120メートルぐらいを意識して走りました。

――冬季はあまりスピード系の練習はできなかったのですか

冬季練習はあまりスピード系を入れませんでした。シーズンに移行するのが遅かったので、これから瞬発力をあげるような練習をしていきたいです。

――課題は前半にあるのですか

課題は前半ですが、弱点ではなく自分の良いところを伸ばすように言われています。自分の良いところを強みにできるようにしたいです。

――関カレに向けて意気込みをお願いします

関カレは出るか分からないですが、もし出られるなら多くの点数を稼げるようにしたいです。

――狙う種目は何ですか

やっぱり200メートルに出たいのですが、木村(賢太、スポ3=大分・杵築)さんが20秒8台を出していたので厳しいかなと思いました。4×100メートルリレーでも4×400メートルリレーでも何でも出られる種目があれば全力でやりたいです。

野澤啓佑OB(平26スポ卒=現ミズノ)

――きょうのレースを振り返って

1台目で足がうまく合わず、そこでレースを崩してしまった感じでした。1台目の最初の入りが上手くいかなかったことと、後半に続かなかったのが一番の課題です。

――日本のトップレベルの選手たちが集まる大会でしたが、どんなことを意識して臨みましたか

きょうは基本的に全体の流れやリズムを崩さずに走り切るということを目標としていました。前半で失敗してしまいましたが、まあしっかり最後の10台目までまとめて走り切ることができたので、よかったと思います。納得はできませんが、日本選手権に向けて、しっかり改善していきたいと思います。

――早大を卒業して、社会人としてレースに出場されましたが

学生と違って、社会人では企業の名前を背負ってレースに出場しているので、しっかり結果を出すことで、会社や卒業した早大への宣伝というか、「早大を卒業した野澤啓佑があるぞ」ということが示すことができるので、気持ちの面では全く違うものがあります。

――次の目標は日本選手権でしょうか

そうですね。アジア大会の選考もあるので、そこではしっかり結果を出して、代表になれるように頑張りたいと思います。

芦田創(早大陸上競技同好会、政経3=大阪・早稲田摂陵)

――きょうは専門の400メートルではなく、100メートルへの出場でした

たまたま静岡国際でパラリンピックの方の特別レースをしてもらえるということで、パラで活躍している選手が集まっているきょうの100メートルに出場することになりました。

――クラス分けなどはなくいろいろな選手が集まっているのですか

そうですね。膝上切断と膝下切断と腕の障害ということで三つのカテゴリーできょうはレースをやっていました。

――レースを終えていかがですか

うーん、練習で調子が良かったので、もうちょっと出るかなと思ったんですけど、やっぱり力んじゃって。全然不合格ですね。きょうはダメです。

――走り幅跳びにも取り組んでいると伺ったのですが、400メートルだけでなくいろいろな種目に挑戦しているのですか

パラの方だと急に種目がなくなったりするのでいろんな種目にチャレンジしておいて損ではないかなというのと、自分はバネがある方だと思うのでその長所を生かして走幅跳とか三段跳びもやっていこうかなというのが今シーズンの取り組みです。

――手応えはつかんでいますか

まだちょっと技術的に不十分なところがあるんですけどもう少し練習を積めば結構いけるんじゃないかと自分の中では思っています。でもまだまだ努力しないとダメですけど。

――昨年のIPC世界選手権以降はどのような練習をしてきましたか

毎年国際大会があるので、ことしはアジアで来年は世界選手権、そして2年後にはリオデジャネイロのパラリンピックがあります。毎年目標は違いますけど、それなりにパフォーマンスを出して自己ベストの向上を目指すというかたちで取り組んでいけば自然と結果は付いてくるんじゃないかなと思って練習しています。

――何か変わったことはありますか

やっぱりこれまでは陸上に対する姿勢が甘かったなと思ったのでよりストイックに競技と向き合っていかなければ勝てないなと思って、いま鍛錬中です。

――具体的にはどういった点でしょう

練習メニューをしっかり見直すためにも日記をつけたり、自分を見直せるようにして、ここが甘かったなと思うところがあれば改善してより質の高い練習をするように心掛けています。

――最後に早スポ読者に向けてメッセージをお願いします

障害者スポーツはまだまだマイナーなので有名になっていけるように、自分が活躍してパラスポーツを普及させていけたらなと思います。応援よろしくお願いします。