競走部

2013.08.11

第14回世界選手権 8月10日 ロシア・モスクワ ルジニキスタジアム

大迫、世界との差痛感

 ロシア・モスクワで開幕した世界選手権。大会初日に行われた男子一万㍍に、大迫傑(スポ4=長野・佐久長聖)が出場した。昨年、おしくもロンドン五輪への出場権を逃しため、これが世界を相手にする初の大舞台。日本学生長距離界の枠を越え、常に世界を見据えて戦ってきた大迫にとっては待ちに待った機会だ。トップランナーを相手にどこまで自分の力が通用するのか。高まる鼓動を抑え、大迫は緊張した面持ちでスタートラインに立った。

世界選手権に出場した大迫

 ペースの変動が激しく、力のない者は容赦なく振り落されていくハイレベルな戦い。レース序盤、大迫は集団の中盤に位置し、佐藤悠基(日清食品グループ)、宇賀地強(コニカミノルタ)と共にレースを進める。位置取りが難しく、外側へ追いやられてしまうこともあったが、臆することなく果敢に立ち向かっていく。3000メートルは20位あたりで通過。日本選手権優勝の佐藤が最後尾まで順位を落とす中、大迫はしっかりと集団につけてペースアップに備える。5000メートルの通過は13分53秒。自己ベストと比べるとやや遅いペースだ。

 現役早大生として世界選手権で男子一万メートルを走ったのは歴代三人目。その実力は誰もが認めるところだが、ただ日の丸を背負って走るだけで満足することはない。目指すのは世界のトップランナーと肩を並べ、対等な勝負を繰り広げることだ。入賞ラインに遠く及ばない21位という結果は世界との差をはっきりと表した。加えて、日本選手権3位の宇賀地が大迫を大きく上回る27分50秒79という好タイムで走り、日本代表の中では頭一つ抜けた力を持っていた佐藤が途中棄権となったことからも分かる通り、国際大会で実力を発揮しきることは難しい。世界の強豪と戦うには速さだけでなく激しいペース変化にも動じない強さが求められる。明らかになった現時点での実力。だが、まだまだ発展途上であることを考えれば、今回の経験は必ずや成長の糧となるだろう。日本陸上界において、世界大会でトラック競技のメダル獲得は難しい状況にある。そんな『世界のカベ』を壊すべく、大迫の挑戦は続く。

(記事 中澤佑輔、写真 西脇敦史)

※写真は、日本選手権で1万メートル決勝を走る大迫

結果

▽男子1万メートル決勝

大迫傑 28分19秒50(21位)

宇賀地強(コミカニノルタ) 27分50秒79(15位)

佐藤悠基(日清食品) 途中棄権