レスリング部

2013.12.25

天皇杯全日本選手権 12月23日 東京・代々木第2体育館

大坂が3位入賞を果たすも、レベルの違いを見せつけられる

 2013年を締めくくる最高の舞台、天皇杯全日本選手権(天皇杯)。最終日には早大から男子5人の選手が出場。グレコローマンスタイル(グレコローマン)96キロ級の大坂昂主将(スポ4=秋田商)が3位入賞を果たし健闘した。一方、その他の選手は苦戦を強いられ、レベルの違いを見せつけられる結果となった。

斎川にも積極的に攻めていった大坂

 大坂の照準はロンドン五輪代表・斎川哲克(両毛ヤクルト販売)に当てられていた。1回戦、2回戦ともに有利な展開で、第1ピリオド(P)のうちに試合を終わらせて勝ち進んでいく。迎えた準決勝で斎川と対戦。前半は相手に押されてしまい、警告を2回受けてしまう。グラウンドポジションからローリング2回、加えてバックポイントを立て続けに取られ、ポイント差が広がっていった。その後も相手の上体を崩そうと前に出たが、2分30秒、右を差されたところからクラッチを組まれ、5ポイントのそり投げを決められて試合終了。斎川への挑戦は敗北に終わった。しかし大坂は「自分からプレッシャーをかけられたこと」に手応えを感じている。そして学生最後の試合となった3位決定戦。相手は日体大の米平安寛。第2Pまでに2ポイント差をつけられていたが、相手が2回の警告を受けチャンスを獲得。グラウンドポジションからローリングを決め逆転勝利を収め、3位入賞となった。

 グレコローマン66キロ級・中井堅太(社3=南京都)は1回戦をテクニカルフォールで勝利。2回戦は第1Pを0-0で折り返す。第2Pに試合は急展開を見せ、開始45秒でバックポイントを先制されて相手に流れを持っていかれてしまう。その後は相手に場外やバックポイントで着実にスコアを重ねられ完封負けを喫した。一方、フリースタイル(フリー)66キロ級の保坂健(スポ3=埼玉栄)は同点で迎えた第2Pにカウンターからバックポイントを献上。「いいところなく終わった」と振り返るように反撃を試みるも追いつくことはできず、苦しい試合となった。

学生二冠の保坂は初戦敗退となった

 全体を通して入賞が3つと厳しい内容に終わった早大レスリング部。しかし今大会を振り返ると新たな課題を見つけられたようだ。大坂をはじめ引退する4年生の抜ける穴は大きいが、来季に向けて内閣杯全日本大学選手権後に新体制が発足した。実力をつけてきている保坂を主将、今大会グレコローマン120キロ級で優勝した前川勝利(スポ3=茨城・霞ヶ浦)を副将に据えて、早大レスリング部は学生三冠に向けて始動する。

(記事 高畑幸、写真 荒巻美奈、末永響子)

★2日連続でOBが優勝

 2日目のフリー96キロ級・山口剛(平24スポ卒=現ブシロード)に続き、最終日はフリー66キロ級で石田智嗣(平24スポ卒=現警視庁第六機動隊)が優勝。決勝でことしの世界選手権代表・井上貴尋(東京・自由ヶ丘学園高教)に逆転勝ちを収めた。これで石田は天皇杯2連覇となった。

世界選手権代表を破って優勝した石田

結果

▽グレコローマンスタイル

66キロ級 中井               2回戦敗退

96キロ級 大坂               3位

▽フリースタイル

96キロ級 大坂               3位

66キロ級 保坂               2回戦敗退

      多胡島伸佳(スポ1=秋田・明桜) 2回戦敗退

コメント

山方隆之監督(平4人卒=福岡・築上西)

――大会全体を振り返って、まず優勝した前川選手(勝利、スポ3=茨城・霞ヶ浦)はいかがでしょうか

優勝したことはよくやったと。内閣杯全日本大学選手権(内閣杯)で足を痛めたので、練習が不足していたなかでいったのはほめる点かなと思います。ただ、試合内容に関しては、ここで勝つことを目標にしている選手ではないので物足りなさを感じました。最上級生になるので、いかに自分を追い込んでいけるのかを一生懸命考えないと世界では勝てないのかなと感じた試合でした。

――その他の3年生は

保坂(健、スポ3=埼玉栄)には期待していたのですが、本人と話してみるといまいち気持ちがのっていなかったのかなと。本人も気持ちがということを言っていたのですが、彼も五輪を目指すというところでそんなことは言ってられないよと。彼なりに感じたところもあったらしいのでそれはそれで収穫はあったのかなと思いました。中井(堅太、社3=南京都)に関しては実力差があって、中井のスタイルが上になると通じないことは彼もわかったと思うので、もっと体力をつけないといけないということを彼も感じていると思います。それを日頃の練習でいかにやっていくかというところですね。

――大坂主将(昂、スポ4=秋田商)は準決勝で敗れましたが、最後の試合で勝つかたちになりました

斎川(哲克、両毛ヤクルト販売)に負けても得るものはあったと本人も言っていましたし、3位決定戦の米平(安寛、日体大)に関しても内容は厳しいものがありましたが、連敗していたということを考えると少しずつでも成長して、考えながらやっているなというのは感じました。

――北村選手(公平、教4=京都八幡)に関しては

最後、逆転で負けたということを考えると気持ちの面が出たのかもしれないですが、もっと厳しさが必要で、守る気持ちというのが結果に表れたのかなと思いました。

――来シーズンへ一言お願いします

4年生が抜けたなかでどういったチームづくりをということですが、3年生がもっと自分たちのチームなのだと、監督コーチがつくるのではなくて学生がつくる、新4年生がつくるチームなのだともっと意識して、後輩を引っ張っていってほしいですね。勝ちを目指してやっていきたいです。

太田拓弥コーチ

――大坂主将は斎川選手に勝つことはできませんでした

まだ当たった時に当たり負けしていますね。ただ6月の明治杯全日本選抜選手権の時よりは距離は縮まったのかなと思います。最後のそり投げにいったところは、大坂が一年間一番やってきたところだったので投げてほしかったです。投げて負けるのであれば、彼も僕も納得して負けられたのかなとおもったのですが。

――その後の米平選手との3位決定戦は

グラウンドで返されちゃう場面とかもあったのですが、ここずっと分が悪いなかでよく勝ってくれたかなと思いますね。

――3年生の2人は残念な結果に終わってしまいました

体重調整などいろいろあったとは思いますが、それは言い訳になってしまいますし、全日本とのレベルの差を感じて、もう1回やりなおすきっかけになったかと思います。

――来期に向けて

階級変更などもあるので、今のメンバーでどの階級にというのは決まっていない状態なのですが、今回の反省を踏まえて、ポイントは組手で追い込んでからの流れと、コンタクトしてからのタックル、グラウンドで返すことといったものがまだまだできていなかったので、もう1回体をつくりなおして団体三冠目指して頑張らせたいと思います。

大坂昂(スポ4=秋田商)

――3位入賞の結果を振り返ってみていかがですか

最低限の成績かなと考えています。早スポの事前取材で、準決勝で敗れた斎川選手に勝つと言っていたのですが、それができなくて目標達成はならなかったです。斎川選手はずば抜けて強く1ポイントも取れずに終わってしまったのですが、1年前の天皇杯で斎川選手と対戦した時に比べたら全然手応えがあるな、実力も追いついているのかなと自分では思っていました。それでもまだ課題が見つかったので、その部分を詰めて斎川選手に勝利し、日本一になりオリンピックにつなげたいと思います。

――斎川選手との対戦で悪かった点はどこですか

僕はいつも試合前、体が固いまま試合に出てしまうのですが、斎川選手はいつもそこを上手く流して自分がバテてしまうのでこの部分が反省点かなと思います。相手が押してきたこところを流すことができればもっと試合展開も楽になるとも思います。それでも悪かった点もあまりなかったですね。逆に評価できる点は自分からプレッシャーをかけられたことです。自分から攻めて組みにいったところを投げられたので、守って投げられるよりかえって攻めてやられた方が良かったと思います。斎川選手に近づいている部分の方が多いかなと感じます。またそこの点を加えてやるしかないと思います。

――1年前の天皇杯と比較してみて成長した点はどこですか

1年前は自分がプレッシャーをかけたら、引かれて頭を下げられただ自分がバテてしまうだけでした。きょねんはやられてばかりでしたが、今回は自分から攻めていけたのでそこが収穫です。

――3位決定戦は米平選手との対戦でした。どのように試合に臨まれましたか。

今までに4回対戦したことがあったので、同学年でもありますし絶対に負けられないと思っていました。今後もオリンピックを目指す上で対戦していく選手だと思っています。米平選手にも余裕で勝たなければ斎川選手には勝てないと思います。試合内容は良くなかったです。投げた後、押さえられてしまったりした点は悪かったです。 相手も試合数をこなしている割に押され気味だったのはよくないことだと思います。もともと、パワーのある選手なのでやりにくいとは感じていました。

――後半はバテてしまいましたか

はい。後半は体力が持ちませんでした。パワーと体力はこれからもやっていかなければいけないと思います。

――今後に向けて一言お願いします

日本で一番強い斎川選手に勝って、世界の舞台、オリンピックを目指します。

保坂健(スポ3=埼玉栄)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

良いところなく終わってしまったなという感じです。

――具体的にはどういったところですか

試合に気持ちが入っていなかったことですかね。

――そうなってしまった原因などはありますか

減量を終えて燃え尽きちゃった感がありました。減量がうまく行き過ぎて、それがゴールになってしましました。減量することで終わってしまった感じがありました。

――チーム全体として、きょうの出来はいかがでしたか

僕以外はみんな良かったんじゃないですかね。自分の技とかも結構出ていたと思うので。

――来期は主将としてチームを引っ張っていくことになります。意気込みと抱負をお願いします。

来シーズンはもう階級が変わって65キロですが、僕は多分(体重が)落ちないので階級変更してどうなるかなと。変わったら変わったで、一生懸命やることには変わりないので。それなりに頑張ろうかなと思います。

中井堅太(社3=南京都)

――きょうは目標の3位には届きませんでしたがいかがですか

弱くない相手だったので悔いはないですけど、課題だった体力のほうは改善できてなかったかな、とは思います。

――泉武志選手(ウィンコンサルティング)との試合を振り返って

差がすごかったですね。基礎体力と筋力が全然足りていなかったと思いました。

――きょうは今シーズン最後の試合でしたが、1年間を振り返って

まあ、よかったんじゃないですかね。2年の時と比べて成績も上がったし、勝負できたので、最後は2回戦で負けてしまいましたけど、1年間を振り返ったら結構充実していたとは思います。

――来シーズンはどんなシーズンにしたいですか

最後の年になるので、全日本学生選手権、全日本大学グレコローマン選手権を取りたいと思います。