剣道部

2013.11.20

第78回早慶対抗試合 11月17日 早大記念会堂

伝統の一戦で惜敗

 ことしで七十八回目となる男子早慶対抗試合が早大記念会堂で行われた。試合は勝ち抜き戦となっており、先鋒の森本翼(社1=京都・龍谷大平安)が4人抜きという活躍を魅せるも、慶大・河村が7人抜きを達成したことで序盤から大きくリードを許してしまう。その後も2、3年生が振わず、後を託された4年生が意地をみせたが、思いもむなしく慶大を相手に9-12と連敗を喫した。

 試合開始から延長に持ち込む粘り強いプレーで森本が4人抜きを果たすも、ここから慶大が怒涛(どとう)の7人抜きで逆転。早大は連続で抜くことができず、慶大を追う展開が続く。3人差をつけられ負けは許されない場面で試合は松宮大樹(商4=東京・国学院久我山)に託された。これまでの悪い流れをかき消すようなきれいなメンが決まった。「ことし初めての試合がこの早慶戦」と話す松宮は後輩の見守る前で次々とメンを決めていく。守りに入らず、勢いに乗って前へ前へと攻めていく姿勢は後輩だけでなく観客の目にも焼き付いたことだろう。ここで勝てば同点となる慶大・村越との一戦は、最後まで粘り、延長へもつれ込んだがツキを決められ惜しくも敗退。1人差まで詰め寄りこのまま良い流れに乗ると思われたが、ここから慶大・藤野が5人抜きを果たし、早大は実力を発揮できないまま、ついに大将が登場することとなった。

大将として意地を見せる青木主将


 この試合に負けたら引退という後がない状況で、大将を務める重圧はどれほど大きなものだろう。皆の期待を一身に背負い戦う青木祐喜主将(スポ4=茨城・水戸葵陵)の姿を、会場中の人々が食い入るように見つめていた。竹刀のぶつかり合う音だけが鳴り響き、両者譲らぬ攻防戦が繰り広げられる。慶大・宮井にメンとコテの二本を決めて勢いに乗ると、続く試合は一本の守り勝ち。その後は試合開始後いきなり飛び込んで打つなど、攻撃の幅を感じさせる。気迫のコテがさえわたる3人抜きで慶大にプレッシャーを与えるも慶大・古田とは延長にもつれ込み、あと一歩のところで隙を突くメンを決められ惜しくも敗戦した。

慶大に敗れ肩を落とす選手たち

 相手のペースに押され気味の序盤とは打って変わって、終盤に入ってからは、この日を持って引退する4年生の活躍が光る試合だった。早大男子剣道部は、主将を除いてレギュラーメンバー全員が残るため、今後も安定した戦力を確保できるだろう。敗戦に涙した先輩の悔しさを胸に、この経験をバネにして、「ことし一年やってきた中でいいところをさらに磨いて、いい代にしてほしい」という主将の言葉通り、来季からの飛躍を期待したい。

 

(記事 安藤愛奈、写真 高崎哲次郎)

結果

●早大9-12慶大

優秀選手 青木主将、松宮、森本

コメント

青木祐喜主将(スポ4=茨城・水戸葵陵)

――どういう思いでこの一戦に臨みましたか

絶対勝とうと。今季、そして4年間の集大成としていい結果で終わろうという思いで臨みました。

――試合を見てる間はどのようなことを思いましたか

後輩がほんと頑張ってくれたんで。結果は負けてる状況で回ってきたんですけど、本当に良くやってくれたと思います。

――負けてる状況で回ってきましたがどういう思いで試合に臨みましたか

あと7人相手が残っていて、まあ一人目は気楽にやろうと。後はどうにかなるだろと思って臨みました。

――3人抜きを達成しましたが

ただ大将が負けたら終わりだったので、4人抜こうが6人抜こうが結果負けなので悔しいです。あと4人抜きたかったです。

――試合後どういう言葉お交わしましたか

申し訳ないっていうのだけですね。これから後でいろいろあると思うので、そこで話したいと思います。

――主将としての1年間を振り返って

4年目が一番短いってよく言われるんですけど、自分は一番長いなと感じました。主将として同期だったり部員だったりをまとめて引っ張ってかなくちゃいけない立場で、自分はそういう性格じゃないんですけどいろいろ考えてやってきた1年でした。

――4年間を振り返って

前に1年生のときに早スポさんに取材させてもらって、その中で日本一になりたいだとか、早慶戦に勝ちたいだとか言ってたんですけど、そう甘くはないなと痛感しました。ただやることはやってきたので、あとは運なのかなと思いますね。

――今後剣道は続けますか

もちろん続けます。剣道も頑張り、仕事も頑張りたいと思ってます。

――同期に向けて一言

ことし1年、自分がこういう性格なのでサポートしてもらいましたし、本当に感謝の言葉しかないです。

――後輩に向けて一言

来年や再来年、その次の代はは期待されてる代ですので期待してます。私たちがことし1年間の中でいろんなことやってきたんですけど、その中でいいところをさらに磨いて、いい代になっていってほしいと思います。

松宮大樹(商4=東京・国学院久我山)

――早慶戦ということでどういう気持ちで臨みましたか

選手としては今まで関東学生選手権や全日本学生選手権の選手でなかったため、あまり出場機会のない中で与えられた引退試合だったので、必ず活躍したいと思って臨みました。

――ことし初めて出場した試合でしたが何か気をつけたことはありますか

体力勝負なので体力をつけるような練習と、落ち着いた剣道ができるように心掛けていました。

――流れが厳しい状況で試合を引き継ぎましたが

負けている状況で自分に回ってきて、ここで3人抜けば同点に戻せることと、4人抜けば逆転できることから、4年の意地を見せるという意味でも4人抜きをしたいと考えていました。

――青木祐喜主将(スポ4=茨城・水戸葵陵)には何と声を掛けたのですか

青木主将とは同期で、試合に勝つためにお前のことは信頼しているぞと言いました。

――今後剣道は続けられますか

実業団の方に入る予定なので、そこで続けると思います。

――4年間を振り返って

選手としてはなかなか活躍できなかったのが非常に辛かったですが、そういった中で同期と切磋琢磨して、このように4年間成長できたこと自体はすごく良い経験だと思います。

――優秀選手賞を受賞した気持ちは

選んでいただいたことは光栄に思っていますが、試合で勝てなかったことは非常に後悔が残りました。

――後輩に一言お願いします

後輩たちには、最後の大会で負けて後悔することのないように、自らの責任をきっちり全うできるような剣道を心掛けてほしいと思います。

越智泰介(社3=愛媛・新田)

――きょうの試合を振り返って

情けないの一言につきます。

――相手選手の決め技はツキでした

ツキは技というよりも、気持ちでやられたという感じで、気持ちで向こうが勝っていました。やられちゃいました。

――相手選手の印象はいかがでしたか

相手は勝ちまくってたんですけど、それはあまり気にせずに試合に挑んで。むしろ自分も勝ち抜きまくってやろうと思っていたんですけど、気持ちが空振ってしまって…負けてしまいました。

――チームの雰囲気はいかがでしたか

4年生は最後の試合ということですごく頑張っていたんですけど、学年的に言えば3年生が情けなかった代ですね。チームの雰囲気としては3年生がもっと、1人につき3人くらい抜いて、いい雰囲気にしないといけない所を負けちゃったんで、それがチームの雰囲気を悪くしてしまいました。

――青木主将が3人抜きする姿にはどのようなことを感じましたか

やっぱり4年生の、主将の意地というのを見せてもらったんで。向こうの大将を引き出すまではいきませんでしたけど、この姿をちゃんと目に焼き付けたので、来年の早慶戦では、必ず勝ちます。

――引退する4年生への思いは

そうですね、4年生に対して引退ということで、毎年4年生が引退となると寂しいんですけど、1つ上の代ということで、そんなにまだ実感が湧かなくて。ずっと3年間一緒にやってきた4年生なんで、終わってから寂しくなるだろうなって思います。4年生の意思をしっかり受け継いで、僕達3年生がしっかりワセダの伝統を引き継げるように、これから一生懸命頑張っていきたいと思います。

――具体的にはどんなチームにしていきたいですか

他の大学と比べたら、まだワセダっていう色が弱い感じがするので、これがワセダだぞっていうのを他の大学にも見せつけるくらい、ワセダらしい剣道が出来るようにみんなをまとめていきたいと思います。

――来季に向けての個人的な目標は

目標は、個人も団体も全部日本一を取り、早慶戦で勝つことです。頑張ります。

西村慶士郎(スポ3=佐賀・龍谷)

――今日の早慶戦にはどのような意気込みで臨みましたか

勝つしかないので、早慶戦は。自分に回ってきたら大将まで抜くことしか考えてなかったです。

――厳しい状況で自分に回ってきましたが、どのような気持ちでしたか

目の前の相手に集中して、それだけですね。1人ずつという気持ちで行きました。

――大将の青木祐喜主将(スポ4=茨城・水戸葵陵)の姿を見て何を感じましたか

これまでキャプテンとしてチームをまとめてくれたので、なんとしてもいいかたちでつなぎたかったです。お疲れ様でしたという気持ちです。

――最上級生になる来季への抱負をお願いします

新人戦もまだ残っていますし、これから代が変わって今までよりもさらに強くなって、先輩たちに今よりも強くなった早稲田大学を見せられるようにしっかり頑張っていきたいです。

森本翼(社1=京都・龍谷大平安)

一年生ながらにして先鋒でしたが

学年問わず選手として出る以上チームに貢献して、十人くらい抜くつもりだったんですけど、半分くらいで終わってしまって自分としては不本意な結果になってしまってすごい悔しいです。

――四人抜きという快挙を成し遂げたことについて

特にないです。

――先輩達の試合を見て何か感じたことは

四年生最後の試合ということで自分も勝ちに貢献したかったんですけど、自分がもっと抜いてればという感じで悔しいです。

――新人戦が迫ってますが意気込みを教えてください

新人戦でも先鋒として出ると思うんで、全勝して優勝したいと思います。