庭球部

2013.11.11

第88回ニッケ全日本選手権 11月7・9日 東京・有明コロシアムほか

注目の田川、ベスト4で現役を引退

 テニスの聖地・有明のセンターコートに立つことが許された4人。その中に、田川翔太(教4=神奈川・湘南工大付)の姿があった。大会第7日を迎え、いよいよ大詰めとなったニッケ全日本選手権(全日本)。男子シングルス準々決勝を6-4、6-3のスコアで勝利した田川が、今大会第3シードの伊藤竜馬(北日本物産)と対戦した。初の決勝進出が期待されたものの、結果は5-7、3-6。ベスト4で全日本を終えた。

田川のフォアハンドは世界でも通用すると言われる

 大会第5日に行われた準々決勝。田川は今大会で共にダブルスを組む井藤祐一(ライフ・エヌ・ピー)に挑んだ。お互いの手の内を知る状況での一戦。序盤は両者キープを重ねて拮抗(きっこう)した試合を展開するが、徐々に田川が勢いをつけ流れをつかみ始めた。第5ゲームでは得意のフォアハンドが試合を動かすカギとなる。15-30とリードを許した状態から井藤のダブルフォルトで同点に追い付くと、続くポイントでも相手を前後に動かし翻弄(ほんろう)。3-2とブレークに成功した後は慎重に試合を運び、6-4で第1セットを終えた。第2セットでは緩急をつけたショットで相手の隙を攻め、勢いそのままに第5ゲームをブレーク。最後はラリー戦からフォアハンドが決まって第9ゲームを奪取し、ストレートで準決勝進出を果たした。

 迎えた準決勝の相手は全日本3度の2位を誇る伊藤竜馬(北日本物産)。デビスカップにも出場し、日本のワールドグループ復帰に大きく貢献した強豪だ。共に強打を得意とする2人であったが、この試合では田川が力みからフォアハンドの精彩を欠く。1ブレークで2-4と離されると、さらに勢いを増す伊藤に対し反撃を仕掛けられない。鋭いサーブを繰り出した第10ゲームでタイに持ち込むものの、続く2ゲームを連続で落としてしまった。流れを一新したい田川は第2セット初めに3-1とリード。しかしここでも伊藤の緩急をつけたテニスが功を奏し、要所で相手に軍配が上がった。勝利のためには絶対に落とせない第6ゲーム、第8ゲームもわずかなチャンスをものにされブレークとなる。「僕の爆発力は見せられた」(田川)と世界でも通用すると称されるフォアハンドを披露したが、あと一歩及ばなかった。

有明で数多くの雄たけびを上げてきた田川

 今大会をもって現役を引退する田川は、「寂しい気持ちだが、やり切った感はある」と自らの戦いぶりを振り返った。これまで全日本学生選手権での男子シングルス3連覇、全日本での2度の準決勝進出と数々の偉業を達成し、日本テニス界に大きな影響を及ぼしてきた実力者。そのトップクラスの力を持つ精鋭の引退を惜しむ声は多いが、この経験を糧に次なる舞台でも大いに活躍してほしい。

(記事 久良佳菜子、松下優、写真 松下優、井上雄太)

☆混合ダブルスで初優勝!

 田川は今大会で男子シングルス以外にも2種目に出場した。井藤と組む男子ダブルスでは2回戦をストレートで下したが、続く準決勝で早大出身の片山翔(平24スポ卒=現イカイ)・佐藤文平(平20スポ卒=現ライフ・エヌ・ピー)組を前に惜敗。前回大会で優勝を経験した田川にとっては悔しい結果となった。しかしことしは混合ダブルスにもエントリー。今西美晴(島津製作所)と組んだダブルスは順調に初戦を突破し、準決勝もストレートで勝利した。大会最終日に行われた第1シードの奥・宮村美紀(ミヤムラテニスセンター)組との決勝。決勝戦にふさわしく一進一退の攻防が続いたが、最後は田川のサービスウィナーでゲームセット。田川は正真正銘の引退試合で全力を尽くし、有終の美を飾った。

結果

▽男子シングルス

準々決勝
○田川翔太(6-4、6-3)井藤祐一
準決勝
●田川翔太(5-7、3-6)伊藤竜馬

▽男子ダブルス

2回戦
○井藤祐一・田川翔太(6-3、6-4)奥大賢・長尾克己
準決勝
●井藤祐一・田川翔太(6-4、3-6、5-7)片山翔・佐藤文平

▽混合ダブルス

準々決勝
○田川翔太・今西美晴(3-6、6-2、10-7)片山翔・牟田口恵美
準決勝
○田川翔太・今西美晴(6-0、6-2)ロンギ正幸・瀬間友里加
決勝
○田川翔太・今西美晴(6-3、6-4)奥大賢・宮村美紀

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コメント

※11月9日終了時のコメント

田川翔太(教4=神奈川・湘南工大付)

――きょうの試合を振り返って

自分の持てる力は出したつもりだったんですけど、力が及ばなかったです。悔しい試合にはなったんですけど、最後センターコートで竜馬さん(伊藤竜馬、北日本物産)とやれて、部員のみんなも応援に来てくれて、土橋さん(土橋登志久監督、平元教卒=福岡・柳川)も見に来てくださって、すごく良かったのかなと思います。

――「最後だ」という特別な思いはありましたか

そんなにはなかったですけど、最後の方になるにつれて追い込まれた時に、これで「最後か」という思いは多少ありました。

――伊藤選手はどのような点が良かったと思いますか

多少の緊張はあったと思うんですけど、余裕があるような感じがしました。自分は最初からエンジンをフル回転させてやっていましたけど、際どいところで一発打たれたりして、キープされたりブレークされたりして。力の差はあったんじゃないかなと思います。

――自分の力が通じた部分というのは

全く通じなかったというわけではないと思っていて、スコア的にも競れたと思っています。やっぱりでもその試合慣れというか、僕よりは絶対に試合数をこなしているので、大事なところでの取り方ですね。ただ僕の爆発力は見せられたと思います。2年前に準決勝で戦ったときよりは確実に成長したのかなと思います。

――試合が終わってどのような気持ちでいますか

寂しい気持ちがいっぱいですし、あさってから本当にテニスやんないのかなと思うと寂しい気持ちがありますけど、やり切った感はあります。

――いままでのテニス人生の中で、一番印象に残っていることは何ですか

土橋さんに毎日のように怒られたことは印象に残っていて、あれが無かったら僕はここまで来られてなくて。土橋さんが言っていたことは自分の財産になりましたね。