ラクロス部

2013.11.05

第26回関東学生リーグ戦ファイナル4 11月2日 東京・大井ふ頭中央海浜公園第二球技場

驚異の逆転劇!東大を下しファイナル進出

1Q 2Q 3Q 4Q
早大 14
東大
▽得点者
柳田3、倉田3、岸本2、伊藤大2、須賀、忠平、大場、畑田

 屈辱から1年。昨季は涙をのんだ大一番に、強くなった早大が帰ってきた。関東学生リーグ戦ファイナル4、東大戦。Aブロック1位通過の早大は序盤から失点を重ね、第2クオーター(Q)には一時5点ビハインドという窮地に立たされる。しかし後半から猛攻を仕掛けると、第3QにMF忠平裕司(スポ4=埼玉・松山)の得点により勝ち越し。最終的には14-9にまで突き放すゴールラッシュで快勝し、2年ぶりのファイナル進出を勝ち取った。

得点を決めガッツポーズをするAT柳田

 8月のリーグ開幕戦では王者・慶大を撃破し、そのままブロック戦5連勝と波に乗る早大。対する東大は、綿密な戦術を準備してこの一戦に臨んできた。早大ゴール裏でじっくりとボールをキープし、DF左官佑樹主将(スポ4=千葉・市川)に対して繰り返し1on1を仕掛ける――。守備のキーマンとなる左官主将を徹底的に突くことで、体力を削る狙いであった。立ち上がりから成す術なく3連続失点。DF藤岡憲二(政経4=東京・早大学院)をリーダーとする守備陣は、ここで一つの決断を下す。「引いて守ろう」(藤岡)。マンツーマンディフェンスから「あまり練習はしていなかった」(藤岡)というゾーンディフェンスへ切り替え、守りのテコ入れを図った。しかし第1Qを1-4で終えた後、第2Qの立ち上がりも2失点。ついに5点差という厳しいビハインドを突き付けられた。

 負ければ4年生は引退、遠のくファイナルの舞台。だが「DFを信じて流れが来るのを待っていました」(AT柳田諒、社4=東京・早実)と選手たちは冷静に反撃のチャンスをうかがっていた。ゾーンディフェンスが徐々に機能し始め、ようやく早大ボールの時間帯がやってくる。「あとはATが点を取ってくれると信じていました」(藤岡)。MF伊藤大貴(教3=東京・早実)、AT須賀航平(先理4=宮城・仙台二)の得点で追いすがるとドラマが待っていたのは第3Q、ここで4年生の意地がさく裂する。まず魅せたのはエース・柳田。3-7で迎えた場面でこの試合初ゴールを決めると、ゲームの流れは一気に早大へ。1on1から再びショットを成功させ1点差、さらに直後のフェイスオフからパスを受け、同点弾を突き刺した。エースの3ゴールでつかんだ勢いは止まらない。続いて躍動したのは副将・忠平だ。豪快なミドルショットを叩き込み、ついに逆転。忠平は全速力でスタンドの部員へ駆け寄り、喜びを爆発させた。その直後にはMF倉田將史(スポ4=愛知・明和)がフェイスオフをマイボールにすると、自らそのまま持ち込んでゴールを奪う圧巻のプレー。後半に入ってから次々とフェイスオフを制してきた倉田はショットもさえ渡り、第4Qにも得点。3ゴールという大活躍を見せた。最終Qも華麗なパス回しから得点を重ね、終わってみれば14ゴールの快勝。前半6失点を喫した守備も、後半は3失点としっかり修正を施し勝ち切った。

3得点を挙げたMF倉田

 東大相手に5点差を付けられる絶体絶命の状況。それでも早大は己を信じ、仲間を信じ、大逆転に成功した。主将、副将に加えてATリーダーやDFリーダーなど幹部陣の4年生が中心となってコミュニケーションを重ね、築き上げてきたチーム力。試合途中で守備のシステムを変更するという賭けも、その信頼関係なくしては実を結ばなかったであろう。続くファイナルでは今季ブロック戦で対戦し、11-7で勝利を収めている明大と相まみえる。「全てをぶつけて勝ちたい」(左官主将)。「通過点だと思って相手を潰したい」(忠平)。真の日本一へ向けて、圧倒して勝つ。早大にもはや死角はない。

(記事 佐藤拓郎、写真 佐藤匠、荒巻美奈)

コメント

嶋田雄二ヘッドコーチ(平7政経卒=神奈川・桐光学園)

――試合を終えての感想をお願いします

素直にうれしいですね。ファイナル4で5点差を付けられてからの逆転勝ちというのは過去にもあるのですが、逆転して勝ち切れたというのは選手にとっても良い経験になったと思いますし、チームがまた強くなっていくきっかけになるのではないかと思います。過去に逆転したときは1点差での勝利でしたが、今回はそこからさらに突き放すことができました。地力の差を示すことができましたね。ブロック戦が終わってからの1ヶ月間で状況に応じた攻め方や守り方をやってきたので、選手たちは落ち着いていました。またこの期間でオフェンス力がかなり上がったので、それがしっかりと結果につながったと思います。

――東大は第1クオーター(Q)からゴール裏でポゼッションするオフェンスを徹底してきました。その点は想定通りだったでしょうか

早大に対して攻めてくるならあの形だろうというのは考えていたので、驚きはありませんでした。しかしずいぶんしつこくやってきましたね。特に左官(佑樹主将、スポ4=千葉・市川)のところを徹底して突いてきてこちらとしては嫌だったので、最終的にはマンツーマンからゾーンディフェンスに切り替えて対応しました。1Qの途中に切り替えて、そのまま最後までいきました。結果的にしっかりはまってくれたので良かったですね。

――失点を重ねた立ち上がり、早大として良くなかった点はどこですか

一つは同じ選手に連続して1on1を仕掛けられたので、体力的な消耗があったことと、ゴールの裏からの攻撃はやはり守りづらかったのだと思います。対策はしてきましたが、相手のボールキープ力が高く、やられてしまいましたね。

――リードを奪われる中、勝つのは厳しいのではないかと感じることはありませんでしたか

反則から失点を招く場面が2回ほどあったのでそれが続いたら嫌だなと思っていたのですが、選手たち自身は意外と冷静でした。4Qまでかけて戦えば何とかなると考えていました。

――そんな状況の中で選手に掛けた言葉はありますか

特にはなかったです。試合の中で幹部陣がしっかりまとめてくれていたので、僕の方から特に何かというのはなかったです。

――プレーの面でも、チームを救ったのは4年生の幹部陣ではないでしょうか

個々のレベルが高い選手がそろっているので、強引にシュートに持ち込んでくれていました。それが重要なポイントにつながりましたね。そこからチームが息を吹き返しましたから、頼もしい選手たちだと感じています。AT柳田(諒、社4=東京・早実)とMF忠平(裕司、スポ4=埼玉・松山)の立て続けのゴール、そして前半はなかなか取れなかったフェイスオフを後半は要所で取り切れるようになったことが大きく流れを引き寄せましたね。

――この試合から見えた課題は何でしょうか

やっぱりゴール裏からのオフェンスへの対応ですね。あそこはもう少し反則をせずにディフェンスしていかなければなりません。そして最後に重要になるのはクリアーです。ディフェンスからオフェンスのサイドへ、途中で取られずにボールを運んでいく点ですね。そこは80分間集中してできなければいけません。

――ブロック戦を5連勝し、きょうは大逆転勝利です。今季のチームに感じる手応えはいかがですか

左官主将や副将の忠平、ATリーダーの柳田、DFリーダーの藤岡(憲二、政経4=東京・早大学院)を始めとした幹部陣が例年以上にリーダーシップをとってチームをまとめ上げてくれています。4年生は相当追い込んでやってくれているので、下級生もそれを見ていますし、練習量も増えています。そういう意味では学生の中ではかなり高いレベルにあると思います。最終目標であるクラブチームを倒すため、日本代表レベルに勝つために上を目指してやっていきたいですね。

――ファイナルへ向けての抱負をお願いします

最後までワセダらしく、圧倒して勝ちたいと思います。法大も明大も久しぶり、もしくは初めてのファイナル4なので、7年、8年と出ている我々はしっかりと負けずに「こんなもんじゃないぞ」ということを示していきたいです。

DF左官佑樹主将(スポ4=千葉・市川)

――ファイナル4勝利おめでとうございます!試合を終えての感想はいかがですか

序盤、相手の特殊なオフェンスに対応できなくて、ゾーンディフェンスにした方がいいのではないかと思いました。結果、ゾーンディフェンスにして正解でしたし、オフェンスがしっかり形を作ってくれたので勝ちきれたのだと思います。

――ファイナル4に向けての調整は順調でしたか

そうですね。結構やり尽くしたというくらいでしたが、東大のオフェンスを想定しきれていませんでしたね。研究不足というか、そういう油断があったのかなと思います。

――第2クオーター(Q)までは最大5点の差が開くなど苦しい展開となりました

みんなが内心どのように思っていたのかわかりませんが、もうやるしかないというかゾーンディフェンスにしてちょっとずつ形になってきていて相手も攻めあぐねていたというか、相手がやろうとしていたことを封じることができたのであとはオフェンスを信じて一つ一つ攻めていくしかないと思っていました。

――そこから怒涛の攻撃で一気に逆転。このときのチームの雰囲気は

いや、もう最高でした(笑)!

――リードを奪ってからディフェンスとして意識したことは

オフェンスに14点も取ってもらって負けるわけにはいかないのでディフェンスはもう一回やることをやろうということは言いました。オフェンスが喜んでいるのに加わったりもしましたが、ワンプレーごとに修正もできたと思います。

――特に前半苦戦を強いられた東大。どんなチームでしたか

やっぱり頭がいいなと感じました。今季ワセダが特殊オフェンスに苦労してきた中で、東大も特殊オフェンスをしてきて1Qは完全に相手の思うようにやられてしまいました。ワセダのことをしっかり研究してきていたのだなと思いました。

――試合後の挨拶では感極まる場面も見られましたが、いまどんなお気持ちですか

泣きたくて泣いていたわけではないのですが(笑)、昨年はケガでファイナル4に出られませんでした。そういった悔しい思いもありましたし、幹部で試行錯誤しながらやってきて外から見たら結果が全てなのでチームとしては内容にこだわって勝とうという話をしていましたが、まず結果が出せてよかったです。

――再来週のファイナルに向けての意気込みをお願いします

一試合やるごとに課題が見つかって、それは自分としては良いことだと捉えています。今はそういう課題を一個一個潰していって、この時はこうするという確認の作業の時期だと思います。課題が出るとまだまだチームとしても個人としても成長できますし、ファイナルまでもやれることをやってそのときの全てをぶつけて勝ちたいと思います。

MF忠平裕司副将(スポ4=埼玉・松山)

――試合を振り返って感想はいかがですか

第1Qで相手に勢いに乗られてしまい、いい流れではありませんでした。そこでみんなで「落ち着こう」と声を掛け合ったことで逆転できました。昨季のファイナル4の教訓を生かせたと思います。

――試合前の心境はいかがでしたか

勝つことしか考えていませんでした。東大をぶっ潰そうとしか思っていなかったです。

――第1Qはかなり苦戦しましたが

相手がワセダの苦手とするオフェンスをしてきたので、そこでイライラしてしまい、相手に突っ込んで決められてしまいましたね。

――第3Qで逆転できた要因は

第3Qはこっちの攻撃だという意識を持つことができました。ディフェンスでもボールを奪ってオフェンスにつなげることを考えていたので、その結果逆転できたと思います。

――強烈な素晴らしいシュートも決めましたね

あの場面では、クオーターの残り時間が1分だったのでポゼッションでもよかったと思います。でも、残り1分で相手にボールが渡っても、失点する可能性は低いと思いましたし、ここで決めれば流れをつかめるだろうと思い、シュートを選択しました。

――ファイナルへの意気込みをお願いします

ファイナルも通過点だと思って相手を潰したいと思います。

MF倉田將史(スポ4=愛知・明和)

――試合を振り返って感想はいかがですか

前半は相手にペースを握られて大量失点してしまいました。そこで少し雰囲気は悪くなってしまいましたが、あきらめることなく逆転できたのでよかったですね。

――試合前の心境はいかがでしたか

きょうは通過点だと考えていたので、自分たちができるプレーをすれば負けることはないという自信はありました。

――第1Qで苦戦してしまった原因は

相手の雰囲気にのまれてしまったことと、オフェンスになった時にポゼッションできなかったことですね。

――第3Qではペースをつかみ逆転しました

チームがひとつになって、気持ちを切り替えたことで逆転することができました。

――きょうは3得点の活躍でした

リーグ戦の5試合で3得点だったので、たまっていた分をきょうの試合で発散できました。大事な場面で決めることもできたので、チームに勢いを与えることができたと思います。

――フェイスオフを振り返っていかがですか

東大の選手が強力な選手だと分かっていたので、事前に対策をしていました。それが勝因ですね。

――ファイナルへの意気込みをお願いします

ファイナルでも相手を圧倒して、その先のステージへ勢いをつけられればと思います。

DF藤岡憲二(政経4=東京・早大学院)

――試合を終えて、いまの気持ちを教えてください

1Qに4点取られてしんどかったですけれど、途中でゾーンディフェンスに切り替えて、それがうまくハマって勝ちきれたところはすごくうれしいです。ホッとしています!

――序盤は失点が重なりましたが、そのときはどのようなことを話しましたか

相手ATの3人が、ワセダのDFの主力である左官(佑樹主将、スポ4=千葉・市川)に対して、1対1を仕掛けて左官の体力を消耗させ、動けなくさせる作戦だったので、最初は(相手に)プレッシャーに行けって言っていたんですけれど、左官の体力が持たないと思ったので、引いて守ろうと(話しました)。あと、コーチ陣や監督からゾーンディフェンスの提案があって、練習ではあまりゾーンディフェンスの練習はしていなかったのですが、(ゾーンディフェンスを)取り入れてハマりました。

――では、思い切ってディフェンスシステムを切り替えた結果、後半戦の失点の少なさにつながったのですね

そうですね。相手もゾーンディフェンスが得意そうな感じではなかったので。あとは、ATが点を取ってくれると信じていたので、前半で点を取られたんですけど、これ以上は失点しないようにしようとDF陣では話しました。

――最大で5点ビハインドでしたが、そのときはどう思いましたか

正直、僕自身しんどかったんですけど、やっぱり勝つか負けるかの試合なので、ATを信じるしかなかったですね。そしたらATが点を取って流れを引き寄せてくれたので、これはいけるなと思いました。

――この試合の一番の勝因は何だと思いますか

信じることが出来たことだと思います。DFがATを信じたこともありますし、普段はゾーンディフェンスをやっていない自分たちが、出来るだろうと信じて初めて試合でやったゾーンディフェンスが成功したということが勝因だと思います。

――最後にファイナルに向けて一言お願いします

きょうみたいな試合はせず、圧倒してファイナルで勝ちたいです。そこで満足せず、12月15日に社会人に勝てるように、気を緩めずにあさってからまた練習を頑張っていきたいと思います。

AT柳田諒(社4=東京・早実)

――見事な逆転勝利となりましたが、いまの気持ちを教えてください

やはり負けたら終わりという試合だったので、勝つことでシーズンが続くことになり、本当にうれしいです。

――最大で5点ビハインドになった場面がありましたが、そのときはどのような気持ちでしたか

きょねん(のファイナル4)と同じかなということもよぎったのですが、きょねんと違うのはDF陣が(ボールを)奪いに行く姿勢を見せてくれたりして、ディフェンスとオフェンスで信頼関係を築いて1年間やってこられたので、きょうもDFを信じて流れが来るのを待っていました。

――この試合では3得点をマークしましたが、ご自身の攻撃面についてどう思いますか

流れを変えるプレーができたのはもちろんなんですけど、その後の追加点を周りの選手や下級生が尽力してくれて、頼もしい仲間だなと思いました。

――どのようなことがキッカケで試合の流れが変わったと思いますか

1Qと2Qは我慢しようということを話していて、3Qにしっかり攻めることが出来たというのは、こちらがやりたいことが出来た結果だと思います。

――ではゲームプラン通りだったということですね

そうですね。

――最後に、ファイナルに向けて一言お願いします

またきょうみたいな熱い試合をしていきたいと思うので、これからも応援よろしくお願いします!

G服部俊介(スポ3=東京・早稲田)

――試合を終えてのお気持ちは

試合途中はどうなるかと思いましたが、勝つことができて本当に良かったです。

――レギュラーとして初のファイナル4でしたが、どのような気持ちで臨みましたか

いつもと同じように一戦一戦やっていこうと思いながらアップをしていました。ただ実際に試合が始まって、連続失点してしまったところではどうしても焦ってしまいましたね。東大も作戦を練ってきていたので、してやられたという感じです。ああいったチームもいるので、もう一度ディフェンスを立て直していけたらと思います。

――前半、ディフェンスとしてはどのような点を突かれましたか

うちのキーマンである左官さん(DF左官佑樹主将、スポ4=千葉・市川)にばかり1on1を仕掛けてきていて、疲れさせる狙いだったと思います。東大はブロック戦の一橋大に対しても同じような作戦を仕掛けていました。やられかけたんですけど、そこでゾーンディフェンスに切り替える判断ができたのは、藤岡さん(DF藤岡憲二、政経4=東京・早大学院)や左官さんのおかげだったと思います。普段から試合の中で話し合って問題を解決していくことができているので、それを出すことができて良かったです。

――後半はご自身の好セーブもあり3失点に抑えました

前半はなかなか波に乗れませんでした。自分がパスミスをしてしまった時に、DFの3人から「お前がそんなんじゃ駄目だろ」と言われました。それが目を覚まさせてくれましたね。

――ファイナルへ向けて

ワセダが強さを示さなければいけません。圧倒的な勝利を目指します。