ラグビー部

2013.11.05

関東大学対抗戦 11月3日 東京・秩父宮ラグビー場

進化した慶大 昨年王者に勝利!

 暦はついに11月に入り、関東大学対抗戦(対抗戦)も佳境を迎えようとしている。ここまで3勝1敗の慶大は昨年王者の明大と対戦。対抗戦優勝のためには負けられない試合に、ケガ人も復帰し現状のベストメンバーで挑んだ慶大だったが、序盤は相手のFW陣に圧倒されリードを許してしまう。しかし後半開始早々にトライを決めるとペースは慶大に傾く。そのまま一気に逆転し、明大の攻撃をしのぎ切った慶大は大事な一戦で貴重な勝ち星を挙げた。

 きょうの試合では、これまで戦線離脱していたSO宮川尚之主将、WTB児玉健太郎、プロップ三谷俊介がスタメン復帰した。前半は明大キックオフでスタート。開始早々、自陣での相手ボールスクラムから展開されると右サイドの空いたスペースを抜かれ、先制点を許してしまう。その後も自陣ゴール正面でPGを献上してしまうなど要所要所でペナルティーを犯し、相手にゲームの主導権を握られる。慶大も反撃を試みるが接点で相手に競り負け、逆に慶大のお株を奪うような精度の高いキックで押し戻されてしまう。だが前半終了間際、慶大が意地を見せた。ハーフライン付近でラインアウトからモールを作ると一気にゲイン。39分に児玉がハイパントキックしたボールをFB下川桂嗣が見事キャッチし、テンポの良いパスでつなぐ。最後はWTB服部祐一郎が左隅にトライし、7―15で前半を折り返した。

悪い流れを断ち切った服部

 後半開始3分にチャンスはやってきた。児玉のキックでエリアを取るとラインアウトから隙を突いたCTB石橋拓也が中央突破しインゴールに飛び込んだ。その後も立て続けに追加点を奪い、流れは慶大へと傾いていく。前半は明大にディフェンスの穴を突かれタテに抜かれるシーンが多くみられたが、後半はしっかり修正して相手に食らいつく。攻撃でも普段から練習していたというキックを有効に活用するシーンが目立った。しかし21分、相手のPGを許し6点差まで迫られると以降は守りの時間に。明大の波状攻撃にあうが、低いタックルで粘りのディフェンスを見せる。ラストワンプレー、相手にとって絶好の位置でのラインアウトとなるが見事スチールし、試合はノーサイド。最後まで気を抜かなかった慶大に軍配が上がった。

石橋のナイストライに喜ぶ慶大

 『一戦必勝』。今回の戦いは和田康二監督のこの言葉に集約される。実力では拮抗(きっこう)していた両チームの明暗を分けたのは気持ちだったと宮川主将も語る。1万人を超える観衆を集めた今回の一戦で昨年王者を撃破したことにより、進化した慶大の力を広く知らしめることとなった。今後の試合結果によってはまだ優勝の可能性も残されている。この後残る2試合はいずれも強敵相手ではあるが、きょうのような粘り強いプレーに期待したい。

(記事 高柳龍太郎、カメラ 山口智子、加藤千暁)

関東大学対抗戦
慶大 スコア 明大
前半 後半 得点 前半 後半
17 15
24 合計 18
【得点】▽トライ 青木、服部、石橋 ▽ゴール 宮川(3G・1PG)
※得点者は慶大のみ記載
コメント

和田康二監督

――きょうの試合を振り返って

慶大は崖っぷちの状態で、もう負けられない一戦でしたので、後先のことは考えずに一戦必勝で挑もうという思いでやってきました。15点リードされる苦しい展開だったんですけれども、最後には自分たちが走り勝つというイメージを選手たちがあきらめずに体現してくれたのでこの結果となりました。

――ハーフタイムにはどのような指示を出しましたか

前半は15点差がついていたんですけれども、終了間際にとにかく1スコア返すというのを指示しました。選手たちも同じ思いでプレーをしてくれて1トライを取ることができたので8点差で前半を終えられました。トップリーグの試合などでも逆転勝ちというケースは多く経験していますので、焦る必要はない、こういう展開は十分にあるし、後半20分で粘って走り勝っていこうという指示を出しました。

SO宮川尚之主将

――きょうの試合を振り返って

和田監督もおっしゃったように、きょうの明大戦は僕たちにとって負けられない一戦でした。試合前には部員たちに「たった80分間の試合だけれども、自分たちのなかで一番濃い80分間にしよう。最後の勝敗を分けるのは自分たちの夢を叶えたいという心。その思いが強い方が勝つ」と言って試合に臨んだ結果、僕たちの方が思いが強くて勝てたのかなと思います。

――試合終了間際のディフェンスの時間、選手たちにどのような声掛けをしましたか

一言だけです。常々監督から言われていることなんですけれども、「僕たちは普段の練習から厳しいフィットネスや走り込みを行っているのだから、最後の20分にもう一度自分たちの時間が来る。だからここは厳しいけどしっかり耐えよう。」という言葉を掛けました。

――逆転直後、ショットではなくタッチキックを狙ったのはなぜですか

インゴールまで行ってFWで取り切れるという自信がありましたので、和田監督も含めた全員がインゴールまでキックで蹴って、自信のあるFW勝負でいこうと話していました。誰一人としてPGを狙おうとは言いませんでした。