野球部

2013.11.02

秋季リーグ戦 11月2日 神宮球場

エースの快投と1、2番の活躍で早慶戦先勝!/慶大1回戦

TEAM
慶大
早大 ×
○有原―土屋
◇(二塁打)河原2、重信2

 互いに優勝はなくなった。それでも4年生を勝利で、笑顔で送りだしたい。後輩たちに背中で、プレーで示したい。それぞれが「負けられない」思いを胸に秘め、この晩秋決戦を迎えた。早大は3回に重信慎之介(教2=東京・早実)の適時二塁打で先制すると、5回にも重信が右中間へ弾き返す。これが貴重な追加点となり、2点のリードを奪う。この2点を先発の有原航平(スポ3=広島・広陵)が守りきり、9回を1安打に抑えての完封勝利。早大がエースの快投で先手を取った。

 若き韋駄天(いだてん)は塁上で力強く手を叩き、ベンチに向かって喜びを表現した。早大は3回、1死から1番・中澤彰太(スポ1=静岡)が安打で出塁すると、相手投手の暴投もあり二塁へ進む。ここで打席には2番・重信。追い込まれる前にバットを振り抜くと、ふらふらと上がった打球は中堅手と内野の間にポトリと落ちた。この間に中澤彰が二塁から生還し1点を先制。重信も一気に二塁を陥れる。さらに5回にも中澤彰が内角をうまく中前に運び出塁する。1死二塁となり、またも得点圏で重信に打席が回わってきた。すると、今度は直球を強く捉え右中間への適時二塁打。チャンスメイクの役割をしっかりと果たした中澤彰と、「積極的にやるだけだと思っていた」と語る重信の1、2番コンビが足で、バットで躍動した。

2打点を挙げた重信

 「圧巻」だった。早大先発は有原、対する慶大は先日のプロ野球ドラフト会議で北海道日本ハムから6位指名を受けた白村明弘(4年)。有原は初回から150キロを超える直球と緩い変化球を自在に操り、ゴロの山を築いていく。2回に四球で走者を出すも、続く打者を併殺打に打ち取り流れを切る。3回にバントヒットを打たれたが、許した安打はこの1本のみ。4回以降は1人の走者も出さない完璧な投球を見せた。6回は直球で押し切り、圧巻の三者三振。エースとしての威厳を見せ、まさに快刀乱麻の投球で慶大打線に付け入る隙を与えなかった。9回を打者28人、わずか87球での完封勝利。それでも試合後、有原はきょうの投球を「85点」とした。とどまることなく進化し続ける剛腕が、来春こそ早大を王者へと導く。

完璧な投球で封じた有原

 両校の華麗な守備も試合を彩った。6回の早大の攻撃。武藤風行(スポ3=石川・金沢泉丘)の三遊間への打球を慶大・山本泰寛(2年)が滑り込んで捕球し、即座に一塁へ投げる。判定はアウト。早大の遊撃手・東條航主将(文構4=神奈川・桐光学園)も魅せる。難しい当たりを逆シングルで上手くグラブに収め、好スローイング。こういったプレーのたびに大きな歓声が上がった。意地と意地がぶつかり合うからこそ生まれる最高の瞬間。あすも全身全霊のプレーで、素晴らしい試合を見せてくれることだろう。

(記事 市川祐樹、写真 高田麻里、川口真由)

★早慶戦全勝なるか

 ことしは3月の全早慶戦にはじまり、ここまで5試合全ての早慶戦で勝利している。リーグ戦だけに限っていえば、春秋連続で早慶戦において勝ち点を挙げることは2008年(平20)以来。負けなしの全て連勝で勝ち点を挙げることは2003年(平15)以来と10年ぶりとなる。それだけ両校はし烈な争いを繰り広げてきたということでもある。連勝し、宿敵に「負けない一年」で終えることができるのか。

連勝で「早慶戦に負けない一年」を目指す

コメント

岡村猛監督(昭53二文卒=佐賀西)

――勝利おめでとうございます。振りかえってみて一言お願いします

有原(航平、スポ3=広島・広陵)が頑張ってくれました。まあ一言は、有原!ということですね。

――安打は3回表のバントヒットの1本のみでした

(バントヒットは)仕方ないでしょう。それ以外は完璧でした

――攻撃では、中澤彰太選手(スポ1=静岡)、重信慎之介選手(教2=東京・早実)の1、2番が法大戦では機能しなかっただけに、きょうの活躍はどうでしたか

あの左バッターが3人、よく打ってくれたと思います。

――やはり監督としても、この二選手に河原右京選手(スポ2=大阪桐蔭)を含めた左打者から攻撃を仕掛けるつもりでいたのですか

まあね、左がなんとか頑張ってくれることを期待していたんですけど、その期待通りに彼らが働いてくれたので非常に良かったです。ただもうちょっと点数欲しいところでクリーンアップがあと2、3本打ってくれないといけないかなと思います。そうすれば有原をもう少し楽に投げさせられたんですけどね。まあ、でもきょうは2点あれば十分だったかも分からないですね。

――では、あすに向けて一言お願いします

あすも勝ち点取って、4年生を早慶戦で勝利して送り出したいと思います。

東條航主将(文構4=神奈川・桐光学園)

――まず一勝となりました

有原さまさまだなという感じでした。

――チームにどう声をかけましたか

試合前に、この早慶戦の雰囲気はなかなか味わえないと思うし、これに押しつぶされるんじゃなくて楽しんでやってほしいという話はしました。

――チームの雰囲気は良かったですか

そうですね、きょうは悪くなるところがなかったと思うので、ピンチもそうなかったですし、ピンチになってもすぐ一球で終わったり本当に有原がリズムと空気を作ってくれたと思います。

――有原投手の好投を後ろから見ていてやはりすごかったですか

そんなに調子は良くなかったと思うんですけど、逆にちょっとボールが荒れてたというのが向こうにとっては打ちづらくて絞りづらかったのかなという風には思います。

――何か有原投手に声はかけましたか

とにかく高さだけ間違えないように、あとカウント有利に進めていけばそんなに打てないと思うので、カウント有利、カウント有利という風には言いました。

――きょうは東條選手は3回先頭打者として回ってきて2度出塁しました

そうですね、土屋(遼太、教3=東京・早実)がたぶん気を利かして東條さん1番の気分で、ということだと思うんですけど(笑)。白村にしても自分に対して投げにくそうにしていたので、それは前の対戦からとかあったのでとにかく嫌らしい仕事をしてやろうと思っていました。

――倍返しはできましたか

結果ヒットが打てていないので…倍返しまではいってないですけど、とにかく勝てて良かったなと思います。

――「早慶戦で見せたいプレー」とおっしゃっていた逆シングルでの守備機会がありましたが

ありがとうございます(笑)。やっと出ました。ノックみたいな打球が来たんで。うれしかったです。

――完璧でしたか

はい。一緒に練習してきた学生コーチの中野裕介(スポ4=埼玉・早大本庄)としっかり握手して喜びました。

――きょうは守備も固く、投手を中心にした守りきる野球ができたのではないですか

そうですね、本当にこの一年間目標としていた野球ができて、有原の気持ちが伝わってきてそれを野手がしっかり受け止めてしっかり守り切ったという試合だったと思います。

――早慶戦の雰囲気は楽しめましたか

最初は観客が少なくてちょっと寂しいなと思ったんですけど、応援部などがいろいろ企画して集めてくださったので本当にいい空気ですごく楽しかったです。

――「チーム一丸力」というのは感じられましたか

かなり感じましたけどまだ成長できるなと思うので、あした本当に最後の試合のつもりで出し切って、チーム一丸力を掲げてやってきたのでそれを満足できるような試合にしたいなと思います。

――最後にあしたへの意気込みをお願いします

寂しいんですけどあした最後にして、勝って終わりたいと思います。

有原航平(スポ3=広島・広陵)

――きょうの試合を振り返って

きょうは早慶戦で、4年生とできる最後の試合だったので、絶対負けられないと思いました。スタンドを見たら雨のなかでもお客さんが応援してくれていたので、絶対勝とうと思って投げました。

――きょうの試合にどのような気持ちで臨んでいましたか

もう、絶対に負けられないというのが一番でした。

――1安打完封でしたが、その安打を振り返って

わりと最初の方に打たれたので、ノーヒットノーランも意識することなく、力も抜けて、逆に打たれた方がよかったのかなと思います。

――きょうの投球で良かった点はどこですか

ケイオーはどんどん振ってくるので、うまく低めの変化球を打たせることができて良かったです。

――特に良かった球は何ですか

きょうはツーシームとスライダーが良かったです。

――きょうはゴロでのアウトが多かったと思いますが

ゴロを打たせれば味方がしっかり守ってくれると思っていたので、ポンポン打たせていきました。

――ピンチらしいピンチはありませんでしたが、きついと思う場面はありましたか

いや、きょうは特に無かったんですけど、8回に東條さんから、「早慶戦は何かドラマがあるから気をつけよう」と言われて、意識していました。

――きょうの投球を点数付けすると何点くらいになりますか

85点くらいですね。真っ直ぐがそれほど良くなかったと思います。

――エースらしい投球ができたと思いますか

はい。なかなか良かったと思います。

――あすの試合に向けてひとことお願いします。

自分もピッチャーとして準備して、全員でしっかり勝ちたいと思います。

土屋遼太(教3=東京・早実)

――勝利おめでとうございます!今のお気持ちからお願いします

とりあえず初戦取れてほっとしています。

――早慶戦前はどういった心境でしたか

優勝が無くなったということで、それに対する気持ちは下がっていたんですけど、早慶戦は特別なので4年生を送り出そうと、みんなで盛り上がってここまできました。

――有原投手はきょうどこが特に良かったですか

調子自体は良くなかったんですけど、力抜いて7、8割で投げれていたので、相手のバッターも戸惑っていたかなと思います。

――結果的に許した安打は犠打安打1本のみでしたが、振り返ってみていかがですか

結果的に1ヒットだなというのはあるんですけど、ノーヒットできたかと言われたらそれはちょっと厳しかったかなという状況だったので、妥当な結果だと思います。

――ゴロアウトが多かったですが、その要因は何でしょうか

元々打たせてとる方が有原のピッチングだと思うので、これが本来のピッチングかなと思います。

――最後に2回戦に向けての意気込みをお願いします

あした勝って、あしたで4年生を気持ちよく送れるように頑張りたいと思います。

河原右京(スポ2=大阪桐蔭)

――きょうの早慶戦はどうでしたか

早慶戦では初のスタメンだったので緊張しました。守備や打撃では緊張しなかったですが、雰囲気で緊張しましたね。

――三遊間で声などは掛けたりしましたか

守備位置の確認や「体動かして行けよ」とか声を掛けたりしました。

――二塁打が2本飛び出しましたが

来た球を強く打つということを意識して、思い切って打ちました。

――同級生の重信慎之介(教2=東京・早実)も2安打でした

重信もずっとヒットを打っていて、2年生が活躍して嬉しいです。

――非常に早い試合展開でした

有原選手は非常に少ない球数で打たせてくれるので、テンポが良くて守りやすいです。

――あすへ向けて一言お願いします

あしたも勝って、4年生を送り出したいです。

重信慎之介(教2=東京・早実)

――2番起用ということになりましたがどのような事を意識して試合に臨みましたか

特別なことは無いですけど、積極的にやるだけだと思っていました。

――9番で結果を残していたと思うのですが

9番で思いっきりやれたというのはありますね。それで結果が出ていたので2番に上がっても変えずに思いっきり振っていくということが結果につながっていると思います。

――第2打席は好機でテキサス安打による適時打を打ちましたが振り返っていかがですか

リーグ戦通じてあまり得点圏で一打が出ていなかったのであの場面で点を取りたくて、甘い球来たら思いっきり振っていこうという気持ちで打席に入りました。ちょっと詰まったのですが振った分だけ間に落ちてくれて良い結果になりました。

――一方の第3打席は綺麗な適時二塁打でした

あそこでも変えずに、迷ったら打てないので積極的に行こうと思っていて、打ったら抜けてくれました。

――あしたへ向けて一言

勝つだけです。