競走部

2013.10.20

第14回所沢市選手権 10月20日 埼玉・早大織田幹雄記念競技場

1年生の好走光る

 10月6日の早大長距離競技会では、出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲)のエントリーメンバーに入りながらも、現地に赴くことがかなわなかった平和真(スポ1=愛知・豊川工)、佐藤淳(スポ1=愛知・明和)ら下級生がこぞって好タイムを叩き出した。しかし一週間後の出雲では、浅川祥史主務(スポ4=兵庫・長田)らの口から「(所沢に)置いてきた選手たちに負けるわけにはいかない」という気負いもうかがえたものの、表彰台を逃す4位。悔しさが残った。

 2週間後に控える全日本大学駅伝対校選手権(全日本)に向け、気持ちを一新すべく迎えた所沢市選手権男子1万メートル。早大競走部特別レースと銘打って行われた、言わば全日本選考レースだ。「選考の最後の決め手、ある程度の確認だと思う」(高田康暉、スポ2=鹿児島実)と選手が語るように、駅伝メンバー選考の重要な役割を担う。疲労を抱えながらも調子を整えたという選手たちが、自己アピールのため、チームを奮い起こすために、一斉にスタートを切った。

ラスト1周を疾走する高田

 冷たい雨が降りしきる中、まずその先頭に立って集団を引っ張ったのは山本修平(スポ3=愛知・時習館)。箱根のエントリーメンバーを想起させる14人程度の集団をしばし引っ張る。しかし出雲の疲れもあったのか、6000メートルを過ぎて高田が前に出ると、反応せずに後退。高田についた平、武田凜太郎(スポ1=東京・早実)の3人との差は、7000メートルまでで30メートルほどに開いた。

 この1000メートルこそ2分51秒と若干のペースアップはあったものの、その後3人は、1000メートルあたり2分55秒程度の安定したラップを刻む。最終的にレースが動いたのはラスト1000メートルを切ってから。高田が一気に仕掛けて独走状態に。完全に動きを切り替えた高田が自己ベストの29分4秒47でゴールし、その約7秒後には1年生2人が激しく競り合いながらフィニッシュした。その後も経験豊かな実力者に混じり、5番手と7番手には井戸浩貴(商1=兵庫・龍野)、佐藤がつけるなど1年生が大健闘。早大長距離競技会に続き下級生が目覚ましい成長を遂げている様子が見て取れた。

レースの最後までつばぜり合いを繰り広げた平(右)、武田

 勢いのある1年生はチームにとって貴重な材料ではあるが、ひとつの失敗が命取りになりかねない駅伝において、1年生の多用はまさに『賭け』。今後のチーム上昇には、出雲で補欠入りを果たした田中鴻佑(法4=京都・洛南)、臼田稔宏(基理3=長野・佐久長聖)を始めとする上級生の力添えも、欠かせない条件だろう。新旧勢力が相まってこそ、目標とする順位は見えてくるはずだ。

(記事 深谷汐里、写真 中澤佑輔、松田萌花)

★主将としての最終レース

学生最後のレースを駆け抜ける早川

 「全てを象徴するようなレースだった」。大雨が降り注ぐなか行われた110メートル障害。後輩たちが見守る中、学生最後のレースに早川恭平主将(スポ4=長野吉田)が出場した。
 序盤からOBである飯田将之(平22スポ卒=ミズノ)に先行を許し、そのまま2着でフィニッシュ。レース展開、天候など全ての面において「詰めの甘さを感じる1年」と評したが、仲間の応援を背に締めくくれたことに喜びを噛みしめる様子がうかがえた。ワセダの誇りを胸に戦ってきた4年間。そして主将として挑んだ1年。真摯(しんし)に競技と向き合ってきた早川は新たなステージを確かに見据えている。

(記事、写真 目良夕貴)

結果

▽男子100メートル
木原博OB(平22スポ卒) 11秒80(3着)
玉井修平(人1=大分舞鶴)11秒04(1着)

▽男子1万メートル
高田康暉 29分04秒47  自己新記録
平和真 29分11秒26 自己新記録
武田凜太郎 29分11秒95
山本修平 29分20秒60
井戸浩貴 29分29分48 自己新記録
田中鴻佑 29分30秒94
佐藤淳 29分37秒08 自己新記録
相原将仁(教4=東京・早実) 29分44秒10 自己新記録
浅川倖生(スポ1=兵庫・西脇工) 29分49秒32 自己新記録
中村信一郎(スポ2=香川・高松工芸) 29分55秒75 自己新記録
臼田稔宏 29分59秒33
三井泰樹(人2=山形東) 30分11秒19
高橋広夢(スポ3=東大付) 30分22秒91
山田侑矢(スポ3=三重・伊勢) 30分33秒04 自己新記録
徳留駿(法3=埼玉・早大本庄) 30分33秒19 自己新記録
藤澤怜欧(スポ2=神奈川・多摩) 30分46秒22 自己新記録
関口直人(商4=埼玉・浦和) 30分48秒67 自己新記録
藤岡孝彰(商2=東京・早実) 30分53秒85 自己新記録
鈴木洋平(スポ1=愛媛・新居浜西) 30分55秒27 自己新記録
三浦雅裕(スポ2=兵庫・西脇工) 30分58秒08
今井開智(スポ1=神奈川・桐光学園) 31分31秒07 自己新記録
中村駿介(社2=愛知・岡崎城西) 31分33秒63 自己新記録
改発智也(人1=兵庫・明石城西) 31分47秒54 自己新記録
柄本勲明(スポ1=早稲田佐賀) 31分55秒61
柳利幸(スポ2=埼玉・早大本庄)DNF
※1万メートルの結果は着順で記載しております。

▽男子110メートル障害
飯田将之OB 14秒22(1着)
早川恭平 14秒42(2着)
竹吉大記(スポ1=千葉・市船橋) 14秒94(3着)

▽男子走高跳
中野遼(創理1=福岡・京都) 1メートル80(3位)

▽男子走幅跳
渡辺翔大(スポ4=静岡・沼津東) 6メートル73(1位)
早野雅人OB(平23教卒) 6メートル64(2位)

▽女子走幅跳
中澤希緒(政1=埼玉・早大本庄) 5メートル21(1位)

コメント

早川恭平主将(スポ4=長野吉田)

――学生最後のレースでしたがいかがでしたか

僕の4年間が出たレースだったかなと思います。コンディションの面でもそうですし、最後の最後で競走部の先輩に負けてしまう、詰めが甘いと感じる1年でした。全て象徴するようなレースだったかなと思います。

――後輩たちが見ていたなかでのレースでした

天候には恵まれませんでしたが、1年間主将を務めさせていただいて、1年間ついてきてくれた同期後輩のなかで最後の試合ができたというのは嬉しかったですね。

――主将として引っ張ってきた1年間はいかがでしたか

自分自身の競技の面に関しては大学、競走部に関してもですが、全日本インカレのような対校戦や、自分自身の戦い、日本選手権などであと一歩上に結果を残せたのではないかなという部分がすごくありました。そういった部分で結果が残せなかったというのは、先程言ったような何か自分の中で詰めの甘さなんかがあったのではないかとやはり思いましたね。主将として、チームを率いてきたという言い方は好きではありませんが、みんなが付いてきてくれたチームだったと思います。そういった中で1年間、後輩たち同期含めて付いてきてくれて嬉しかったなというのが素直な気持ちです。非常に苦しいときもありましたけど、最後の最後、全部終わって、きょう試合して思ったのは、色んな思いを含めて楽しかったなということです。みんなにありがとうと言いたいですね。

――今後も競技は続けられますか

続けます!ただ、実業団で続けるわけではありませんし、甘い世界ではないということは自分自身よくわかっています。単純に自分の続けたいという意思だけでは成り立っていかないと思いますが、まだ諦めきれない部分がありますので、見つめ直して学生気分ではなく社会の一員としての自覚を持って、来年からも競技に取り組んでいきたいなと思っています。

――チームに向けて一言お願いします)

僕自身が言葉だけじゃなくて、エンジのワセダのユニホームっていう伝統、重さというのを感じながらずっとやってきた4年間でした。最初はそんなことわかりませんでしたが、段々わかってきて、言葉だけじゃない意味で理解できたのではないかなあと思います。そういった伝統や、早大競走部の誇りというものを重いと感じるだけではなくて、しっかりとした自分の中での自信、自覚誇りなどという風に感じてやってもらいたいなと思います。あとは、4年間は本当に短いので1分1秒たりとも無駄にせず、陸上競技に没頭できる時間は没頭してほしいなと思いますね。

――最後に今後に向けてお願いします

僕自身は来年からも、まだわかりませんが陸上競技に取り組める限りは、自分自身と向き合ってやっていきたいと思います。環境は変わりますけれど、自分のなかで変わらずに持っていたい思いもありますし、そういったものは貫きながらその環境のなかで自分自身をきちんと適応していきながらしっかりやっていきたいと思います。

高田康暉(スポ2=鹿児島実)

――きょうの結果を踏まえて感想をお願いします

ペース走感覚で取り組んだ試合で、後半余裕があったので、28分台が一つの目標でもあり、それを出せたらいいなと思ってやったのですが、まだそこまでいくような力はなかったですね。でも、いままで練習ができていてタイムだけがないというようなすっからかんの状態だったので、今回のレースは一つの自信になったと思います。

――出雲駅伝から1週間経っていない時点でのレースでしたが、疲労などは残っていましたか

やはり疲労というのはかなりあったのですが、試合に出る以上そういう疲労などは関係ないので、適度に調整していきました。

――では、現在の調子というのはいかがですか

ずっと調子というのは良くはなくて、ただ底力がついて走れているという感じで、やっときょうもそこそこの調子で走れて、体も季節と共に軽くなってきているので、その点では夏合宿のきつい中で耐えた効果が出てきているのではないかなと思います。

――来週に日体大の長距離記録会がありますが、あえて今週レースを行った理由は

再来週が全日本になるので、来週は試合に出られないということもありますし、毎年ここで走るというのがワセダの試合のやり方だとも思うので、毎年この流れという感じですね。

――今回のレースというのは全日本の選考も兼ねていたのでしょうか

監督しては最後の決め手という感じなのだと思うのですが、選考というかある程度の確認なのではないかと思います。

――それでは2週間後に全日本駅伝がありますので、意気込みを聞かせてください

どの区間で走っても戦えるように、他大と比べると個人としては1万メートルのタイムで言ったら1分くらい差があるのですが、少しでも大迫さん(傑、スポ4=長野・佐久長聖)に頼るのではなくて大迫さんを生かせるような走りができるようにしっかり皆で戦っていきたいと思います。

柳利幸(教2=埼玉・早大本庄)

――出雲駅伝を走り終えて、いまの率直な気持ちをお聞かせください

3度目の駅伝で2回目の1区でした。前回の全日本の1区では失敗してしまったのですが、今回の出雲でいい走りができたら今後の全日本、箱根につなげられるのかなと思って頑張りました。でも熱中症でラスト300メートルぐらいふらふらで、結局区間9位という順位で襷を渡すことになって、チームに迷惑をかけてしまいました。自分としてもそこまでは他の大学のエースと互角に渡り合えていたので本当に惜しいレースだったと思います。

――熱中症というのは想定外のことだったと思いますが、気温変化への対策はどう考えていますか

当日はすごく暑くて、走ってみないとわからない部分はあったのですが、環境にしっかり対応することと、日頃からの生活態度で体調管理をもっと気を引き締めてやらなければいけないと痛感しました。

――レース後、周りからはどのような声掛けをされましたか

救急車で搬送されて他のメンバーと話せたのはその日の夜だったのですが、みんなレースの内容よりも僕の体に気をつかってくれて、迷惑をかけっぱなしでした。次の日に渡辺監督、相楽コーチとお話しして、もう調整も始まっているし、今回の結果はこういう結果としてちゃんと捉えて、くよくよせずに次の全日本に切り替えていこうと言われました。今回は、チームの人に救われっぱなしで本当に頑張らなきゃなと思いました。

――きょうは5000メートルまでの出場でしたが、調子はいかがでしたか

今週の月曜日に倒れて2、3日はジョグもできないくらい体がきつかったのですが、きのう、おとといくらいからようやく体を動かし始めました。きょうもきつかったのですが、その中で他の人たちをしっかり引っ張れたし、自分としても調子が悪いなりにはいい走りができたのかなと思います。

――高田選手や平選手が好結果を出すなど、チーム状態は良い方向に進んでいるのではないでしょうか

高田は、個人としては出雲から帰ってきてずっと僕のことを気にかけてくれて感謝しています。どん底まで落ちた僕に、高田とか修平さん(山本、スポ3=愛知・時習館)が、次があると元気づけてくれました。高田がきょうベストを出して、平など後輩たちも勢いがあって、チームの流れはすごくいいと思います。この流れを自分がどう後押しできるか、どう引っ張っていけるかというのが次の全日本の課題だと思うので、そこをしっかりやりたいです。

――柳選手ご自身としても次は4回目の駅伝で、もう失敗できないというプレッシャーもあると思います。全日本ではどういう走りをしたいですか

他校からすればもう自分も主力として数えられていると思うし、持ちタイム的にも準エースと言ってもいい立ち位置になっているので、その名に恥じない走りをしてチームに流れを持ってこれるように全力で頑張りたいと思います。

平和真(スポ1=愛知・豊川工)

――きょうのレースを振り返って

まず位置づけとしては、全日本のメンバー選考という意味合いが1番大きかったと思います。そこに向けて調整してきた甲斐があっての結果ですね。

途中、先頭でレースを引っ張っていましたが、狙い通りの展開でしたか

タイムも3分を切っていけていて、28分台を狙えるかなという感じだったので、少し余裕があるから行ってみようと思ったのですが、あまりタイムが上げられませんでした。結局そこの8〜9kmの1kmが響いてタイムが出せなかったので、無理にペースを上げて先頭に出たわけではないのですが、先頭に出た意味はあまりありませんでしたね。

――今回自己ベストが出ました。最近好調の様ですね。

体の調子や動きなどは2週間くらい前から良かったので、今回は自信を持って臨めました。

――今回、同学年の武田凛太朗(スポ1=東京・早実)に、大学入学後初めて競り勝ちましたね

彼は出雲駅伝を頑張ってくれたこともあって僕の方が体の状態は良いので、実力的に勝ったとはまだ言えません。でも、実際レース中はあいつを離そう離そうと思いながら走っていました(笑)。

――その出雲駅伝ですが、走れなかった悔しさはありましたか

そうですね。その悔しさを晴らそうという思いで走りました。

――以前「ロードの方が得意」とおっしゃっていましたが、きょうはトラックでの好成績でした。これは駅伝への自信にもつながりますか

はい。駅伝はもっと走れると思います。距離も長い方が自分にとっては良いですね。

――きょうの具体的な収穫はありますか

自分の成長がタイムに表れたということが嬉しかったですし、自信にもなります。フォームについても、夏合宿から走り込んで、だいぶ自分のものになってきたという感じはあります。

――逆に課題は見つかりましたか

やはり8〜9kmのタイムが落ちたところが悔やまれますね。もっと良いペースでいく力が無いと、ロードで15kmとかになったときに後半だれてしまうと思うので、もっと練習していきたいです。

――最後に今後への意気込みをお願いします

全日本駅伝と箱根駅伝では、チームのために、出られなかった出雲駅伝の分も合わせた3大会分の力をぶつけて、役割を果たしていきたいです。

武田凜太郎(スポ1=東京・早実)

――雨の中、出雲駅伝が終わって間もないレースでセカンドベストでしたが

1万(メートル)がずっと走れてなくて、レース前もちょっと不安もあったのですが、夏を越えて走れるようになってきたのかなと思います。

――不安があったというのは

関カレ(関東学生対校選手権大会)とホクレン(ホクレンディスタンスチャレンジ)で1万を走ってなかなか自分のものにできていなかったので、少し不安がありました。

――入学以来勝っていた平和真選手(スポ1=愛知・豊川工)に負けてしまいましたが

久しぶりに負けて、やっぱり強いなって思いました。僕の中では一番のライバルです。次は勝つという気持ちで走ります。

――出雲の時は夏の疲れが残っているという話でしたが、いまはどういった状況ですか

出雲の前は疲労が抜けなくて苦しかったのですが、徐々に走れるようになってきているのでケガに気をつけてやっていきます。

――全日本で走りたい区間はありますか

全日本の区間の距離とかはまだ把握していないので、任された区間を全力で走りたいです。

――全日本へはどういう気持ちで望みますか

出雲駅伝を経験して大学のレースの流れが分かってきたので、全日本では区間上位でタスキをつなぎたいです。