山岳部

2013.09.07

夏山合宿 8月4日~17日 富山・剱岳、飛騨山脈

剱岳、飛騨山脈を舞台に夏山合宿をやり遂げる

※この記事は9月4日に行った取材をもとに執筆いたしました。

 山岳部が毎年、1、2年生を鍛えるために行う夏山合宿がことしも行われた。場所は山岳部で恒例となりつつある剱岳と飛騨山脈。合宿は技術面重視の剱岳登山と体力面重視の飛騨山脈縦走※という2部構成で行われ、『全ての計画をこなす』という目標を掲げ臨んだ。山岳部は天候にも恵まれ見事、目標を達成。また未経験者がほとんどである1年生も無事に合宿を乗り切り、充実した合宿を終えた。

越中沢岳に到着した山岳部

 合宿は最初の7日間で行う剱岳登山からスタート。一定の場所にテントを張りそこから毎日、いろんなアプローチで剱岳に挑む「定着」の形で行われた。この剱岳登山の目的は3人の1年生に高度な技術を習得してもらうこと。頂上を目指すことは必ずしも目的ではない。主に学んだのは岩登りの技術。今回は200メートルもあるような巨大な岩に挑戦した。ロープや杭などを上手く使いながら登っていくのだが、ここで大事になるのが万が一手足を滑らしたときに身を守る「確保」と呼ばれる技術である。こういったものを上級生が初体験となる1年生に一から指導しながら登っていった。他にはアイゼンと呼ばれるスパイクを使用した雪山の歩き方なども剱岳で習得。途中で落石によってピッケル※が曲がってしまうなどのアクシデントがあったものの7日間の訓練を経て「ことしの1年生は出来が良かった」と小寺凱主務(人4=東京・国立)が太鼓判を押すほど上達した。

 剱岳登山を終え1日の休憩を取り、続いて行われたのは飛騨山脈縦走。小寺主務がもともと足を痛めていた影響から縦走は断念し、貴重な4年生を欠く中での出発となった。ことしの目的地は「日本最後の秘境」と呼ばれる雲ノ平に行くこと。ルートは雷鳥沢をスタートし薬師岳などを経て目的地、雲ノ平へ向かう。そして鷲羽岳や笠ヶ岳、槍ヶ岳を登り下山するというもの。山岳部はテントや食事などを含んだ30キロの荷物を背負い6日間かけて飛騨山脈を進んでいった。毎日の起床は朝の3時、そこから朝食を作り、テントを片付け、日の出と同じ4時半から歩き始める。休憩を入れながら8時間半歩き続け13時にその日泊まるテントサイトに到着する。その後、テントを建て昼食や夕食を作り、辺りが暗くなると就寝。このような生活サイクルを6日間続けた。天候に恵まれるなど運も味方した山岳部は終始いいペースで進み、ことしは完璧に計画を遂行することに成功。「完璧にこなせたのは今後に向けても良かった」と佐藤主将も手応えを感じた。

鷲羽岳に到着した山岳部

 1、2年生の技術や体力面の向上が見られるなど収穫の多かった夏山合宿。しかし、ことしのやり方では上級生のレベルアップにあまりつながらないなど合宿の行程にはまだまだ改善の余地がある。山岳部の最大の山場は厳冬期に敢行する冬山登山。「夏山合宿は冬のためのステップ」(佐藤主将)であり、この合宿の先にまだ見ぬ「頂き」を見据える。今後は個人で行う登山などで経験を積んでいく山岳部。「冬に頂上に立ちたい」(佐藤主将)全てはこの目的を果たすために――。

(取材・記事 石丸諒、写真 山岳部)

※縦走 尾根伝いに歩き、いくつもの山頂に登ること
※ピッケル 主に雪山を登る時に使用する杖のような道具

コメント

佐藤貴史主将(文4=東京・早実)

――ことしの夏山合宿の感想をお願いします

自分達のメインフィールドは冬山であって、夏山合宿は冬のためのステップですので当然、完璧にやらなくてはいけません。そういった中で、完璧にこなせたのは今後に向けても良かったです。

――今回、山頂に着いた時はどんな気持ちでしたか

これは何で山を登るのかということにつながってくるのですが、自分は頂上に立つことよりも、頂上に着く10分前くらいの高揚感を楽しんでいますね。

――印象に残った出来事は

剱岳は毎年登っていてことしで4回目なのですが、同じルートでも簡単だと認識していたとこが実は難しかったというような新たな発見がありましたね。

――合宿を通して難しかったことは

基本的に夏山合宿は1年生に合わせていて、自分らにとっては簡単なものです。ただ1年生をケガなく安全に登らせることは気を使うので難しかったですね。

――今後の目標は

やっぱり、冬に頂上に立ちたいですね。