競走部

2013.09.06

第82回日本学生対校選手権 9月6日 @東京・国立競技場

W入賞でワセダの底力示す(全カレ1日目)

 部の威信をかけて、全国の大学がしのぎを削る日本学生対抗選手権が開幕した。大会初日は男子やり投げのディーン元気(スポ4=兵庫・市尼崎)や男子1500㍍の池山謙太(スポ2=新潟・長岡大手)など多くの種目で入賞者を出すことに成功。男子対抗得点で暫定1位となる好成績を収め、男子対抗優勝そして部の目標である他種目優勝に向けて勢いをつける幸先の良いスタートを切った。

2人一緒にレースを展開し、見事W入賞を果たした山本(左)、柳

 中でも活躍が光ったのは、男子1万メートルに出場した山本修平(スポ3=愛知・時習館)と柳利幸(教2=埼玉・早大本庄)。レースは留学生ランナーが先頭を引っ張るハイペースとなったが、「ワセダとして前で勝負していかないといけない」(柳)という言葉通り、果敢に先頭に食らいつく攻めの走りを見せる。5000メートルを過ぎたあたりで8人で形成された先頭集団がばらけると同時に二人は徐々に後退したものの、大崩れはしなかった。終盤は粘り強く前を追いながら徐々に順位を上げていくとラスト1キロはし烈な4位争いとなる。最後はラストスパートで勝った山本が4位に入り、柳は6位でフィニッシュ。「二人でつかみ取った入賞」(柳)と言うほど、互いの存在を力に変えて走った会心のレースだった。関東学生対抗選手権では、大迫傑(スポ4=長野・佐久長聖)以外に長距離種目で入賞者を出せなかったことを考えればこの結果は大きな収穫。約1ヶ月後に始まる駅伝シーズンに向けて弾みをつけた。

(記事 中澤佑輔、写真 手塚悠)

★ディーン元気、復活の兆しとなる2年ぶりV

2年ぶりの優勝に頬を緩ませるディーン

 男子やり投げ決勝に、早大からはディーンが出場した。ディーンは1投目、全体のトップとなる78メートル62をマーク。そして、力のみなぎる表情で投げた最終6投目に78メートル95を叩き出すと、2年ぶり2度目の優勝を決め、見事有終の美を飾った。昨年、当時日本歴代2位となる84メートル28を記録したディーンだが、今季は80メートル越えが1度だけ。またもや80メートルには届かなかったものの、「チームとしての最後のインカレだったので、早大に貢献できるようにしたかった」と、晴れ晴れとした表情を見せた。今後に向けては、「しっかりと体と精神のバランスを保って、大事になるであろう来年以降も頑張りたい」と話したディーン。まずは、10月に開催される第6回東アジア大会で更に進化した姿を見せる。

(記事 和泉智也、写真 西脇敦史)

★池山、価値ある4位入賞

ラスト200メートルで動きを切り替え、全カレ初入賞を果たした池山

 「ラストスパートでは負けない。」1500メートルに出場した、池山は終盤に絶対的な自信を持っていた。しかし、その算段は予選で早くも崩れる。ポジション取りで体力を使いすぎてしまった。結果はタイムで拾われ、何とか決勝へ進出。すぐにコーチと相談して改善を図り、決勝に臨んだ。予選よりも遅いペースで推移した決勝レースは、ラスト1周で激しくペースアップ。しかし、池山は動じなかった。ラスト200メートルでスパート。落ちて行った選手を次々と交わす。表彰台まではあと一歩届かなかったが、4位でフィニッシュ。念願だった入賞を果たした。それでも「きれいにラストスパートが決まらず、そこが今後の課題」と反省は欠かさない。今シーズン、好成績を挙げ続けている中距離ブロックの他の選手たちから「刺激は常に受けている」と池山は語った。しかし今回の活躍で周りも認めるはずだ。すでに池山は刺激を受ける側ではなく、与える側にいることに。

(記事 井上義之、写真 石丸諒)

★小林、復帰後まもなく自己新!

顔を歪めながらも粘りのレースを見せた小林

 昨年の全カレを最後に長距離へと転向していた小林快(社3=秋田工)。再び競歩に取り組むことを決めてまもなく、男子1万メートル競歩決勝の大舞台に挑んだ。世界選手権6位入賞の西塔拓己(東洋大)らがレースを引っ張る中、先頭集団の後方で必死に食らいつく。動きがあったのは4000メートル過ぎ。西塔と高橋英輝(岩手大)が飛び出して先頭集団が崩れると、小林ら3人は3位集団を形成。その後先頭との差は徐々に広がったが粘り強く歩き抜き、最終的には5位でフィニッシュ。昨年の全カレで出した自己記録を1分以上更新する41分34秒02をたたき出した。1年近いブランクを感じさせない歩きで、小林の再挑戦は幕を開けた。

(記事 加藤万理子、写真 井上義之)

★課題克服し共に自己新

今シーズン前半の悔しさをバネに、自己ベストを更新した九鬼

 予選で好調な走りを披露した竹下裕希(スポ3=福岡大大濠)、九鬼巧(スポ3=和歌山北)は、準決勝でさらに調子を上げ、共に自己ベストを更新する走りを見せた。特に九鬼は、今年度の日本ランキング3位の好タイムであった。竹下は苦手とする前半部分から飛び出すと、得意の終盤でさらに加速。涼しい気温にも助けられ、10秒34を記録した。一方、春は不振にあえいだ九鬼は、逆に前半型で後半に課題があった。しかし、その点は改善を見せつつあり、夏以降は好調を保っている。今日も持ち味の前半で集団から抜け出すと、そのまま流れに乗り、他の選手を突き放す。注目度の高い全カレで見事に10秒19と結果を出し、早大競走部短距離のエースとして貫禄を見せつけた。あすの決勝では、2人の更なる快走が期待される。

(記事 三井田雄一、写真 目良夕貴)

結果

▽男子100メートル

予選

九鬼巧 10秒33(2組1着)

竹下裕希 10秒40(3組1着)

北村拓也(スポ2=広島皆実) 10秒94(5組7着)

準決勝

竹下裕希 10秒34(1組2着)自己新記録

九鬼巧 10秒19(2組1着)自己新記録

▽男子400メートル予選

木村賢太(スポ2=大分・杵築) 47秒71(1組3着)

▽男子1500メートル

予選

池山謙太 3分50秒41(1組6着)

高田康暉(スポ2=鹿児島実) 3分55秒89(2組10着)

決勝

池山謙太 1分50秒19(4位)自己新記録

▽男子1万メートル決勝

山本修平 28分57秒21(4位)

柳利幸 28分59秒12(6位)自己新記録

▽男子1万メートル競歩

小林快 41分34秒02(5位)自己新記録・早稲田新記録

▽男子やり投決勝

ディーン元気 78メートル95(1位)

▽男子4×100メートルリレー予選

九鬼−竹下−欠畑−愛敬 39秒71(2組2着)

▽女子棒高跳決勝

上原あずさ(教2=埼玉・不動岡) 3メートル40(12位)

コメント

池山謙太(スポ2=新潟・長岡大手)

――5位入賞、率直な気持ちを聞かせてください

入賞を目標としていたので、入賞という結果は非常に良かったです。しかし、3分40秒台を目標としていたので、タイムという面では、もうちょっとかなと思います。

――予選はタイムで拾われたかたちとなりましたが

終盤、よい位置にいれば、ラストスパートでは負けないと思っていましたが、それまでの位置取りで体力を使ってしまいました。結局、ラストは動きませんでした。予選後、コーチと相談し、できるだけ体力を消費することなく、ラストスパートにという算段で決勝に臨みました。決勝では割とうまくいったと思います。

――終盤、抜け出した選手を追いかけずに拾っていったのはレースプラン通りだったということですか

そうですね。前で牽制し合っている強い選手の後ろを付いていって、落ちてくる選手を拾っていくというレースプランを立てていました。それでもきれいにラストスパートが決まらず、そこが今後の課題です。

――1500メートルに出場した経緯を教えてください

高校時代は800メートルも両方専門としていました。さらに現在ワセダの800メートルの選手層が厚いことと、一度、日本体育大学長距離記録会で1500メートルで全カレの標準記録を突破したことが理由です。

――距離への不安はありませんでしたか

高校時代から1試合で800メートル3本、1500メートル2本ということもよくあったので、距離に対する不安はありませんでした。

――中距離ブロックが最近とてもよい雰囲気に見えますが

自分が日本体育大学長距離記録会で良い記録を出したときも、今大会800メートルに出場する3選手が全員自己ベスト更新し、全カレのA標準を突破したので、刺激はそういった試合や普段の練習からも常に受けています。そういう環境で練習できたことが僕の原動力になっています。

――今後の目標をお願いします

3分40秒台を出すことと来年の日本選手権に出場して、どれだけ勝負できるかを試してみたいです。タイム的には3分45秒を一つの目安にしてこれからのレースや練習を積んでいきたいと思います。

柳利幸(教2=埼玉・早大本庄)

――いまのお気持ちはいかがでしょう

目標にしていた自己ベストと入賞ができて良かったです。

――レースプランはどのように考えていましたか

自分のペースで行こうと思ったのですが、途中で集団が割れたときに自分のペースで押していくか前についていくか悩んで、ここは前で勝負していった方がいいと思って前に出ました。

――2キロ過ぎで前の集団についていったときの心境はいかがでしたか

そこで本当に迷ったのですが、ワセダとして前で勝負していかないといけないかなと思って強気で攻めました。

――ペースの上げ下げが激しいレースではなかったでしょうか

そんなに大きく変わったところはありませんでしたが、前の留学生や同じ学年の日体大の山中(秀仁)とかがいてそういう選手に負けたくないなというのがあって、粘ることしか頭になかったです。

――後半は山本選手と一緒に追い上げていく様子が印象的でした

やっぱり前で行かないとというか、関カレも大迫さん(傑、スポ4=長野・佐久長聖)しか点をとれなかったので、ここでもう1回ワセダの力を見せたいなと思いました。修平さん(山本)が近くにいて、自分にも声をかけてくれたので頑張らなくちゃいけないという気持ちになれて前に上がれたので、二人でつかみ取った入賞だと思います。

――28分台、全カレ入賞ということでトップランナーの仲間入りをしたと言えるのではないでしょうか

こういう大きな大会で入賞と自己ベストを両方出せたというのは自分に自信が持てたので、これを後の合宿と三大駅伝につなげていきたいと思います。

――駅伝シーズンに向けて抱負をお願いします

大迫さんの最後の年なので笑ってみんなで送り出せるようにしっかりいい結果を出したいと思います。