競走部

2013.10.14

第25回出雲全日本大学選抜駅伝 10月14日 島根・出雲大社前~出雲ドーム

課題の払拭(ふっしょく)は持ち越しに

 無冠に終わった昨年からの巻き返しを誓った早大。三大駅伝初戦となる出雲全日本大学選抜駅伝(出雲駅伝)は、幸先よいスタートとはいかなかった。早大の課題である1区は柳利幸(スポ2=埼玉・早大本庄)が務める。序盤から他校のエース格の選手にしっかりついていくが、終盤には他校のスパートと熱中症が重なり先頭から離されてしまう。その後はこの差をなかなか埋められず、6区の大迫傑(スポ4=長野・佐久長聖)が意地の追い上げを見せるも4位に終わった。

熱中症に苦しんだ柳だが、中盤までは堅実な走りを見せた

 1区が思うようにいかないという展開が続く早大は、今回の1区を柳に託す。その柳はスタートから他校の実力者に負けない力走を見せ、快調な滑り出しでチームを勢いづけるかと思われた。しかし残り2キロを過ぎた所から熱中症に陥り、区間9位という不本意な結果となってしまった。2区、3区は昨年同じ区間で結果を出した高田康暉(スポ2=鹿児島実)、山本修平(スポ3=愛知・時習館)が必死に追い上げるも、なかなか差を詰められない。1年生で唯一起用された4区の武田凜太郎(スポ1=東京・早実)はすぐ前を走る2校との間、また順調にレースを展開する先頭には迫れない。

 早大は最後の望みをアンカーの大迫につなぐ。初駅伝の中村信一郎(スポ2=香川・高松工芸)から7位でタスキを受けると、大迫は序盤からハイペースな走りで駅伝主将さらには世界選手権日本代表の意地を示して前を走る大学を猛追。駒大の窪田に区間賞こそ譲ったが、青学大など3校をかわし順位を4位まで押し上げてゴールした。今回4位という一定の結果は残したものの、チームの課題を改善しきれず今回のレースでの不安の払拭(ふっしょく)はかなわなかった。

武田は大学駅伝初出場ながらも、区間5位とまずまずの走り

 昨年のリベンジを誓う今季の初戦では、鬼門の1区の解決策を提示することはできなかった。しかしながら渡辺康幸監督(平8人卒=市船橋)は、「1区以外は力を普通に出せたと思う」と語っており、状況は決して悲観すべきものではない。今回ある程度の結果は出したものの早大のメンバーが万全の状態で臨んだならさらに上を目指せる力がある。「距離の長い方がうちは戦いやすい」という渡辺監督の言葉に応える走りを見せ、再び駅伝の頂点に早大が立つ。

(記事 三井田雄一、写真 石丸諒、八木瑛莉佳)

第25回出雲全日本大学選抜駅伝競走
区間 距離 名前 記録 区間順位
1区 8.0キロ 柳利幸 24分22秒 9位
2区 5.8キロ 高田康暉 16分47秒 4位
3区 7.9キロ 山本修平 23分29秒 5位
4区 6.2キロ 武田凜太郎 18分15秒 5位
5区 6.4キロ 中村信一郎 18分54秒 8位
6区 10.2キロ 大迫傑 30分00秒 3位
早大 2時間11分47秒 第4位
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コメント

渡辺康幸駅伝監督(平8人卒=千葉・市船橋)

――4位という結果を振り返ってみていかがですか

1区がブレーキしたので力通りと言えば力通りですね。一応優勝を狙うトレーニングはしていますが、力が拮抗(きっこう)している中でのレースでブレーキしたらこういう結果になるということはよくわかりました。

――それぞれの選手のレースについてはどのように思われますか

1区以外は力を普通に出せたと思いますが、やはり出雲駅伝は出遅れたら何もできなくなってしまうので、その中で4位というのは実力通りかなと。

――区間配置の意図や狙いは

1区は鬼門ですが、もう大迫を使うわけにはいきません。そうなったときに一番安定感のある選手を使ったつもりなのですが、こういうことが何回も続くようだと次の駅伝で誰を使うんだということになってしまいますよね。

――きょうのレースで収穫はありましたか

初出場の選手がそこそこ走れたので、あとは残っている選手たちと全日本、箱根(東京箱根間往復大学駅伝)とうまく経験させるという感じですね。

――武田凜太郎選手(スポ1=東京・早実)に関してはいかがですか

武田は良く走りましたね。

――計算が立ったと

そうですね。ただこれから距離が長くなるので、1年生に期待というのはちょっとあれですね。上級生でも使いたい選手がまだいるので、よく考えて次の駅伝もオーダーを組みたいと思います。

――全日本大学対校駅伝競走(全日本)に向けて修正していきたい点はありますか

距離の長い方がうちは戦いやすいです。どうしても出雲駅伝を苦手としているので、きょうの反省を踏まえてきちっと、やはり1区ですね。ここに安定した選手を置けるようにします。

――全日本の1区と2区はセットとして考えていますか

そうですね。セットとして考えています。

――全日本に向けて一言お願いします

ないで終わるというのはやはり悲しいですよね。優勝を狙って一年間やっているので、ワセダらしいレースというものを次はしたいと思っています。

相楽豊長距離コーチ(平成15人卒=福島・安積)

――今日の試合を振り返ってみていかがですか

この大会に向けてというわけではないのですが、三大駅伝で去年よりは上に行こうと目指してやってきました。結果的に去年よりは順位を上げたのは良かったと思います。でも、ところどころで失敗があったので、そういうところは直していかないと次の大会も厳しくなるのではないかと思います。

――ところどころの失敗とは

目に見えて見える所では柳(利幸、教2=埼玉・早大本庄)の脱水症状などですね。柳個人の責任ではなくて、調子が万全ではなかったのにもかかわらず彼を1区に使わざるを得なかったチーム状況とかもあったので、全員で起こした1区のブレーキだったと思います。ああいった形で出遅れはしたものの、大迫までのつなぎの選手たちも一人の失速を補う走りができませんでした。敗因は一人ではなくて全員で反省しなければならないと思います。

――去年に引き続きの失速ですね

そうなんですよね。去年3回とも失敗していたので、今回は本当に気を使って選んだつもりでした。合宿中盤で柳が故障などもあって、練習ができずにいました。万全な状態ではないのはわかっていたのですが、直前の練習では戻ってきたように見えましたので、信頼して送りました。しかしあれはわれわれの選択ミスだったと思います。

――4区の武田凜太郎選手(スポ1=東京・早実)、5区の中村信一郎選手(スポ2=香川・高松工芸)が初駅伝でしたが

できればのびのびと走れる位置で渡したかったのですが、厳しい位置で もらったわりには二人とも自分のレースをしてくれたので、合格だと思います。次以降の試合を考えると彼らも力をつけなければならないかなと思います。

――大迫傑選手(スポ4=長野・佐久長聖)の区間3位は

合宿が一緒にできなくて別メニューでやっていたので調整が難しいところがありました。だから前半ではなくてアンカーに起用しました。チームとしても大迫のためのチームではなくて、彼を生かすようなレースをしようということでした。今の時点ではいい仕事してくれたなと思います。

――駅伝シーズンに臨むにあたって夏はどのような練習を積んだのでしょうか

一つは『競争』をテーマにしていたのでレギュラーメンバー誰もいないよということで、例年になく緊張感を持って取り組めたかなと思います。

――課題と収穫をお願いします

自分たちの力が今日の上位3校に及ばないということが確認できたので、まだまだ課題が多いなと見えたのが収穫だと思います。 今日の1区のように調整ミスをしないことが今後の課題だと思います。

大迫傑駅伝主将(スポ4=長野・佐久長聖)

――今年度最初の駅伝が終わっていかがですか

全員がいま出せる力を出し切った結果が4位ということなのですが、3番も、全員が実力を発揮できてば見えてくると感じました。そういう点では悔しいですね。

――7位でタスキを受け取り、追い上げる展開になりました。どのような狙いで走りましたか

3番は少し厳しいかなと思ったので、まずは確実に4番に入ろうと走りました。もし前が落ちてくるようなチャンスがあれば、3番も狙おうと考えていました。

――駒大・窪田選手に破れ、区間賞が取れなかったことは悔しいですか

そのあたりは走るまでわからないと思っていました。区間記録で負けたことは残念ですが、僕自身は精一杯頑張ったので、それはそれで評価して次につなげたいと思います。

――次の駅伝は全日本です

最低限の結果で今後の駅伝シーズン、全日本につなげることができたかなと思います。きょう4番だったので、それ以上の走り、4番以上の順位を取りたいですね。

高田康暉(スポ2=鹿児島実)

――全体で4位でしたが、どう捉えていますか

八木沢(明大)さんと16秒差ということで、(八木沢が)途中から来て一緒に良い感じで前を追えていたのですが、ラスト5、600メートルぐらいで離れてしまいました。そこで4、5秒空いてしまって、それが無ければ修平さん(山本)ももっと楽に走れていたのではないかと反省しています。流れということを考えるとやはり同じくらいで(タスキを)渡せば、もっと展開も変わったのではないかと思います。個人としてはそれなりにまとめはしたのですが、あの位置で2区の役割というのは前にどんどん追いつかないといけないと考えています。なので、2区を任せられた人間としては流れを変えることはできていなかったので、そこはこれからの課題になりました。

――前回も2区を担当していましたが、その時と比べていかがでしたか

きょねんよりは、追いながらも楽に走れました。きょねんと比べると良い走りができたのではないかと思います。

――それはことしの夏合宿の成果ということですか

合宿はかなり良くて、合宿の出来や普段の練習を考えたらまだまだ自分の力を出せていません。やはり試合で出さなければ意味が無いので、いまの実力はこんなもんなのではないかなと思います。

——全日本に向けて抱負をお願いします

今回もやはり大迫さんに頼ってしまった形になりました。それでも一人一人がしっかり走ればもっと上位を狙えると思います。夏しっかり練習できましたし、力のある選手が多いので、これから一つでも上の順位を目指して頑張っていきたいと思います。

山本修平(スポ3=愛知・時習館)

――ことしも3区を走りました。レースを振り返っていかがですか

1区の柳が力を出しきれなかったというのもありますが、チーム全体的に力を出せなかったし、僕自身も3区というエース区間で役割を果たすことが出来なかったので、そこが一番の負ける決め手となったと思います。

――負ける決め手とは、具体的にどのようなところだったのでしょうか

展開も悪かったのですが、そういった中でしっかりレースを組み立てていくことが出来ず、そこがやはりつまずいてしまった展開だなと思います。

――タスキを受けた時はどのようなレース展開を考えていましたか

前に明大と東洋大がいたので、そこにしっかりついて行こうとは思っていました。追い付いた瞬間にあまり速くなかったので、これはちょっとまずいなと思って、自分でがんがん行こうとしたのですが、思ったよりうまくいきませんでした。

――区間5位という結果に関してはどのように受け止めていますか

調子が良くない中でのレースだったのですが、ちょっと悔しいですね。

――全カレでは2種目入賞をされましたが、調子は上向きだったのでしょうか

インカレで入賞して、調子は上向きではありましたが、手応えがまったくなく、ベストには程遠いかなと感じています。でもその分しっかり調子を上げられる見込みはあるのですが、いい加減もうそろそろそんなことを言っている場合ではないので、ベストのコンディションに持っていきたいと思います。

――上級生として4位というチームの結果を見ていかがですか

やはり優勝を狙っていかなければならないので、そういう状況で上級生がまだまだ頑張らなければならないと捉えています。

――今後の抱負を聞かせてください

もちろんこれからも厳しい戦いになると思いますが、優勝を諦めずに、しっかりチームを立て直して勝負していきたいと思います。

武田凜太郎(スポ1=東京・早実)

――初の大学駅伝で区間5位でした。いまの率直な気持ちを教えてください 大学最初の駅伝で少し緊張した部分もありましたが、自分の走りができたかなと思います。

――法大や青学大との差は詰めることができました

ラストもう少し詰めて抜いて渡したかったです。それができなかったのは少し甘いかなというところはあります。

――4区での起用となりましたが、どういう意図があったのでしょうか

まだ1年生ということで経験がないのでつなぎ区間での起用になったのだと思います。自分の中ではもう一度チームの流れを作るという気持ちで走りました。

――練習はできていましたか

1週間前まで全カレ(日本学生対校選手権大会)や夏合宿の疲れが抜けなくて少し苦労した部分があったのですが、調子自体は悪くなかったと思います。

――高校時代の駅伝と比べていかがでしたか

出雲駅伝は距離が短くて高校の駅伝の延長線上と捉えていたのですが、雰囲気も全然違いますし、メディアからの注目度合いも全然違いました。

――全日本に向けての意気込みをお願いします。

全日本はまた距離が伸びて厳しい戦いになると思います。3週間で力をつけるのは難しいですが、自分の一番良い状態にもっていくように努力します。

中村信一郎(スポ2=香川・高松工芸)

―― 今日のご自身のレース展開は

すぐ前に青学大と法政大がいました。1キロ前で追いたのですが、そこで牽制しあっていました。その後はどんどん自分から引っ張っていったのですが、後半ばててしまいましたね。

――今回のご自身の結果についてはいかがですか

悔しさばかりが残っています。一つでも上に順位を上げたかったのですが、かないませんでした。これをただ悔しいだけではなくて全日本箱根につなげられるように頑張りたいです。

――具体的に改善点などはありますか

最初突っ込んでも中盤我慢できるようなスタミナと、あとはレース展開を冷静に走りながら考えて、改善していきたいなと思います。

――初の三大駅伝ですが、選出されたときのお気持ちは

自分としては走るつもりでいたので、嬉しいというよりはやらないといけないという責任がありました。今回の合宿が良かったので、三大駅伝すべて走るつもりでいきたいなとは思っています。

――今後の目標は

去年はこの時期怪我をしてしまってずっとみているだけだったので、今年はチームのために順位を一つでも上にあげ1秒でもはやく走って貢献できたらいいなと思います。