レスリング部

2013.08.23

全日本学生選手権 8月23日 東京・駒沢体育館

フリーで保坂・北村優勝!いい流れで秋の大会へ

 全日本学生選手権(インカレ)の最終日となった4日目。ワセダからは勝ち残った10人の選手たちがフリースタイル(フリー)の後半戦に挑んだ。きのうは好調だった桑原諒(スポ3=静岡・飛龍)や洞口幸雄(スポ2=岐阜・岐南工)が惜しくも敗北していく中、66キロ級の保坂健(スポ3=埼玉栄)が前年王者である日体大の砂川を破って見事に優勝。また、74キロ級の北村公平(教4=京都八幡)が優勝への期待からくるプレッシャーに打ち勝ち、念願の初優勝を果たした。

 66キロ級の保坂は全試合圧勝であった。相手に隙を見せることなく、自分のペースを最後まで維持し続けられていた保坂。太田拓弥コーチは保坂のことを「このインカレで最も成長した選手」だと話し、「100点満点の試合をしてくれた」と語っている。準決勝までの自分の良いペースを崩さず、テクニカルフォールを奪い勝利した決勝。優勝を目標として今大会に臨み、自身も驚くほどの調子の良さで練習通りのプレーができたことが、前年王者を相手にした決勝での勝利に繫がったに違いない。今後は、保坂自身も意識している、全日本大学グレコローマン選手権や内閣総理大臣杯全日本大学選手権での優勝が期待できる。

圧倒的な強さで優勝した保坂

 一方、74キロ級の北村は同じワセダの花山和寛(社4=愛媛・八幡浜工)との準決勝での圧勝を経て、決勝でも得意のタックルで勝利をつかんだ。フリーでの初優勝を成し遂げ、まさに4年生の最後の意地を見せつけた。今後について、北村は、「この結果は1つの通過点」であり、「秋の大会で4年生としてきっちりと部に貢献できるように全力でやっていきたい」と話す。このことは、秋の大会へ向けて特に4年生にチームの良い雰囲気作りを期待する山方隆之監督(平4人卒=福岡・築上西)の思いにも深く関係してくるはずだ。

優勝を決め、喜ぶ北村

 4日間にわたって行われたインカレは、グレコローマンスタイルで優勝した花山を含め、ワセダから3人の優勝者が出るという素晴らしい結果で幕を閉じた。最終日のフリーで優勝した2人がしっかりと確立していた、何で点を取るかという、点を取るパターン。そのパターンを他の選手たちも確立し、秋の大会で選手たちがさらに活躍することを大いに期待している。

(記事 河野美樹、写真 高畑幸 三尾和寛)
結果

▽フリースタイル

55キロ級 藤川聖士(スポ1=埼玉栄)    5回戦敗退

      西洸大(スポ4=京都・網野)   4回戦敗退

      青木祐聡(スポ1=岐阜・岐南工) 4回戦敗退

60キロ級 黒澤翔(スポ2=茨城・鹿島学園) 5回戦敗退

66キロ級 保坂 優勝

      桑原 5回戦敗退

74キロ級 北村 優勝

      花山 3位

84キロ級 洞口 4回戦敗退

      堀江一馬(社1=富山・高岡商)  4回戦敗退

コメント

山方隆之監督(平4人卒=福岡・築上西)

――フリースタイル(フリー)は2人優勝でした。どういった印象ですか

保坂(保坂健、スポ3=埼玉栄)はなかなか勝てていなかったのですが、実力はあって、その実力を出しての優勝で安心したのと、本人もまた自信になったと思います。もっと上を目指せる優勝なのかなと思います。北村(北村公平、教4=京都八幡)については4年で、グレコローマンスタイル(グレコローマン)で優勝(2012年の全日本大学グレコローマン選手権)していてもフリーでまだ優勝していなかったので、花山と同じく最後に優勝して良かったなと思っています。4年生の意地、最後の意地というのを見せてくれて良かったと思います。

――保坂選手は全試合圧勝で終わりました

気持ちと体が一致した試合期間、この2日間だったのかなと思います。持っている力を出し惜しみする事無く、1試合1試合全力でやってくれたことがそういった結果につながったのかなと思います。

――グレコローマン66キロ級で優勝した花山和寛(社4=愛媛・八幡浜工)選手はフリーで一つ上の階級でも活躍しました

たらればでいえば、北村と準決勝では無く、できれば決勝で当たってくれたらなと。もともとグレコローマンでやっていますけど、フリーでインターハイも優勝して実力はあるので。やってくれるかなとは思っていましたが、気持ちを切らさず最後までやってくれました。4年生としての立場、気持ちを態度で示してくれたので、本当に感謝しています。

――その他の選手はいかがでしょうか

グレコローマンの時と同じですが、体力的な部分と、これだったら点が取れるという技が無い、というのが優勝した2人と違うので。2人は何で点取ろう、というのをイメージした試合ができていました。後の選手は、流れの中で本当に点を取る気があるのかなという展開もあったので、その違いかなと思います。

――これでインカレが終わり、秋の大会へ向かっていきますが、意気込みは

インカレで良い流れというのをつかんだと思います。その流れに乗っていけるように全学年で、4年生を中心に3年生がサポートしてというような役割、責任をしっかりやっていけば、結果というものはついてくるし、結果を追いかけたいと思います。それは練習面でもそうですし、雰囲気でも作っていけると、作っていってくれると思います。技術的な事はそれぞれが考えていくことですし、雰囲気的にも学生の事なので、監督やコーチが雰囲気をどうするというよりも4年生が、学生がどういう雰囲気を作るかというのを見守っていきたいなという気持ちです。

太田拓弥コーチ

――北村公平(教4=京都八幡)選手は4年目の初優勝で、感慨深いものがあるのではないでしょうか

高校生の時に多くタイトルを取ってきた選手だったので、何とか優勝させてあげたいという気持ちでいて、最後にいい試合で優勝できて良かったと思います。

――試合の印象はいかがでしたか

準決勝までは相手がけがしたとか棄権したとかという運もあったりして、また準決勝が(花山和寛、社4=愛媛・八幡浜工との)同門対決で、花山は本来1階級下ということもあって、気持ち的に楽に勝ち上がったと思います。ただ、(北村も)体調が悪かったりしたみたいです。決勝戦に関しては先にポイントを取られましたけど、足が良く動いてましたし、タックルもいい形で取れていたので、途中から優勝の確信ができたかなという試合展開でした。

――圧倒的な強さで優勝した保坂健(スポ3=埼玉栄)選手はいかがでしょうか

うちのチームの中で、このインカレで一番急成長した選手だと思います。もともと実力があった選手で、けが等で試合に出られなかった時期もあったのですが、本当に100点満点の試合をしてくれていて、一番のうちにとっての収穫だったのではないかと思います。

――決勝は競る試合も予想されましたが、大差でした

そうですね。高校時代に負けていたという記憶が彼の中にもあったと思うので、ちょっと苦手意識があるのではないかなと思っていたのですが、とにかく強い気持ちでいけば勝てると。正直あそこまでの点差になるとは思わなかったですが、準決勝までの戦いなどを見て、普通のレスリングをしていれば勝てると感じていました。決勝も含めてやってくれたので、良かったと思います。

――3位になった花山選手はいかがでしょうか

疲れもあって、フリーは普段より一つ上の階級でしたが、よくやってくれたなと思いますね。

――一方で、洞口幸雄(スポ2=岐阜・岐南工)選手は勝っている試合を落としたという印象でした

最後のアタックが無かったので、もつれた展開になると(負けてしまいますね)。保坂にしても、北村にしても(ポイントを)取る技というのがあって。洞口の場合には取る技は何だってなった時にこれという技が見当たらない部分があるので、そういったところがあと一歩のところで取りきれなくて負けるという(ことになっています)。負けた選手には大体そういった事が言えるのですが、点を取るパターンというのをもう少し確立していかないとこのレベルで上位には行けないですね。

――今大会を通して、グレコで2人優勝、フリーで2人優勝でした。インカレを総括していかがでしょうか

個人戦なので、全体ということになると、100点満点ではないですね。保坂などは100点満点の試合ですが、他の選手に関してはもうちょっと夏合宿の成果を出してくれればという選手もいるので。なんとも言えないですけど、チームとしては60点、70点くらいかなと思いますね。もっと高いレベルを求めているというのもありますし、実力がこんなものじゃないというのが私の中にあるので、もう1人2人優勝するチャンスがあったのではないかと思います。大坂(大坂昂主将、スポ4=秋田商)とか前川(前川勝利、スポ3=茨城・霞ヶ浦)が出ていなかったという事もありますが。

――インカレが終わって、秋の大会へ入っていきます

チームとしては大学のグレコ選手権(全日本大学グレコローマン選手権)があって、今回の結果を踏まえて、総合優勝できる力は持っているというのは感じました。ただ、もう一つ二つ山を越えていかないと優勝できないなという部分も感じたので、そこを9月中にしっかり鍛えて、グレコ選手権に向けてチームとして頑張っていきたいと思います。

北村公平(教4=京都八幡)

――優勝の感想を教えてください

やっと優勝できたので本当に嬉しいです。

――決勝はバックポイントで相手に先制されましたが

今大会を通じて自分が強く思っていたことはこの大会までにタックルを磨いてきたことにすごく自信がありました。点数を相手に何点取られようが自分のタックルがあれば絶対逆転出来ると信じていました。そういう気持ちだったので先制されましたが、焦りとか不安はありませんでした。

――第2ピリオドもタックル中心に攻めるということですか

点数を取って相手のポイントに追いついた後も、せっかく練習してきたものを出さないで終わるのはもったいなかったので、追加点をタックルで重ねていったということですね。

――今大会でタックルは出したい技でしたか

僕の1番、唯一の武器ですし、練習してきた成果を今大会で出せたと思います。

――準決勝は同じワセダの花山選手でしたが

本当に対戦するのが嫌でした。花山(社4=愛媛・八幡浜工)とは3年前の1年生の時のインカレでも対戦しています。その時も接戦で僕が勝ったのですが、その時のイメージと普段の練習の時のイメージがあってすごくやりづらさがありました。花山はグレコローマンスタイル(グレコローマン)専門で、今大会グレコローマンで優勝していますし、フリースタイルは僕の方が専門なので絶対負ける訳にはいかないと思っていました。それで最初から勝負を仕掛けました。

――優勝したこともあり、プレッシャーには勝てたということですか

過去3年間決勝戦に進出してそこで負けたというデータがあるので、すごく嫌な思いはありましたが、その思いを払拭できたかなと思います。

――国士舘大学の嶋田選手が74キロ級から84キロ級に変更し、対決することはできませんでしたが、何か意識されていたことは

学生最後の戦いで全員の選手に勝って優勝したかったので、嶋田選手にはリベンジしたかったという思いはありました。しかし、実際に出場されていなくて対戦できなかったことは残念でした。その分しっかり優勝して次につなげないといけないなという気持ちの切り替えはすぐにできました。

――今大会で見えた成果と課題は何ですか

タックルは自分が練習してきた通り、全ての試合で出すことはできたと思います。しかし他の試合ではグラウンドを返すことを意識してそれを返すことができたのですが、決勝戦だけ1回もそれを返すことができなかったので、グラウンドを返す力と勝負をしにいく気持ちです。勝負をしにいく気持ちは、決勝戦でグラウンドを返せるチャンスがあったのですが、疲れることを懸念して出来なかったので、これからの練習の中で高めていきたい部分です。

――秋の大会に向けての目標をお願いします

この結果は1つの通過点と考えまして、グレコローマン選手権も内閣総理大臣杯も団体がかかっている個人戦なので、その大会で4年生としてきっちり部に貢献出来るように全力でやっていきたいと思います。

保坂健(スポ3=埼玉栄)

――決勝を終えて、今のお気持ちを教えてください

こんな良い結果になると思っていなかったので、あまり実感がわかないです。

――決勝はどのようなお気持ちで挑まれましたか

相手が連覇がかかっている選手だったので、自分のプレッシャーもなくのびのびできたので、思い切ってやろうという気持ちでやっていました。

――順調に勝ち進まれていらっしゃいましたが、ご自身の中での今大会の調子はいかがでしたか

本当に練習でやっていたことができたのかなと思います。こんなに調子がよくなるとは思ってもみなかったので、びっくりしています。

――今大会はどのようなことを目標に臨まれましたか

優勝を目標として負けたら意味がないのでやっていましたが、本当に優勝できるとは思っていなかったので嬉しかったです。

――最後に今後に向けての意気込みをお願いします

1回優勝して終わりだったら意味がないので、あと内閣(内閣杯全日本大学選手権)と12月の全日本(天皇杯全日本選手権)、全部優勝できるように頑張りたいと思います