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2007年度卒業記念特集
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卒業記念特集(8) 藤井拓郎
頂点を極めて北京五輪へ
「(日本)代表を狙えるところまで来るとは思ってなかった」。藤井拓郎(スポ)はこう振り返る。確かに1、2年時は8名出場可能な決勝レースに進出できるレベル。ほぼ無名に等しく、代表権も手の届く範囲にあるとは言い難かった。
そんな藤井の心中に変化が訪れたのは3年時の日本学生選手権(インカレ)。200メートル個人メドレー決勝、藤井は2位でタッチ板に手をついた。タイムは2分1秒26。当時の大会記録まであと0秒16に迫る自らの記録を目にする。「だいぶ(北京五輪代表を)狙えるところまで来た」。それまでぼんやりとした遠い存在でしかなかったオリンピックが、現実的な目標として視界に映し出された瞬間だった。
そして迎えた最終学年。夏に控えた世界競泳インジャパン、ユニバーシアード大会の代表選考会を兼ねた日本選手権に、藤井は「初めて代表を意識して」臨む。だが、無念にも代表入りは果たせなかった。「もう1回がむしゃらに、初心に戻って」頑張るしか術はない。再びインカレに向け、過酷な練習に取り組んだ。その成果として表れたのが、最後のインカレでの優勝。200メートル個人メドレーでついに頂点に立ち、その名を轟かせる。日本記録には僅かに及ばなかったものの、大会新記録を樹立。北京五輪派遣標準記録を切る1分59秒92の好タイムは、さらに北京との距離を縮めた。
北京五輪への切符を手にするためには、今春4月に行われる日本選手権兼北京五輪代表選手選考会の決勝レースで派遣標準記録を突破し、2位以内に入賞しなければならない。タイムという自分との戦い、そして順位というライバルとの戦い。両方を制しなければひのき舞台に立つことは許されない。だが、見方を変えれば国内のライバル1人に負けても北京五輪に出場することが可能だとも言える。
しかし、藤井の考えはこうだ。「やっぱり優勝して(北京五輪に)行きたい。2位で行くのとは違う。2位でも行けることはいいですけど、(世界で)戦えないと思う」。
まだ見ぬ世界大会の厳しい現実。それも見据えて藤井は選考会に挑む。是が非でも日本の頂点を極めて北京五輪へ――。藤井にとって北京のスタート台はその極みの先にあるものだから。
(菅田早希)
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