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2005年度卒業記念特集
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卒業記念特集(6) 池上真介
「かぶとむし」のその先
4年前の早大ラグビー蹴球部の入部式、池上真介(人)はラグビーへの誓いを叫ぶ。一つひとつ自分の出来ることを積み重ね、最後には一人前の選手になると。そして、その年の文集『鉄笛』には、「かぶとむし」という題名の詩を記した。「一年生の今はまだ幼虫だけど、4年生の頃には立派な角を持った成虫になりたい」と――。日本選手権の東芝府中戦敗退から3日が経ち、池上は後輩との追い出し試合に臨んでいた。トヨタ自動車戦の歓喜から一週間後、池上に突き付けられたスタメン落ちの通告に、「最後の最後でどん底を感じた」。しかし、「出ていたメンバーが本当に頑張ってくれた」と語る池上は、晴れやかな表情をしていた。
一般試験で入学し、一番下のEチームからスタート。池上はひたむきに練習を続け、1年生の終りにはなんとBチームに。2年で念願のAチーム入りを果たすと、大学選手権決勝にも出場した。2年間で「幼虫」は急成長を遂げた。しかし、決勝で負けたリベンジを果たそうと臨んだ3年目。頑張りすぎが悪循環を引き起こし、最後まで調子を取り戻すことができなかった。そして、最後のシーズン。中盤こそケガで欠場したが、対抗戦序盤から試合に出続け、アカクロをつかみ離さなかった。大学選手権決勝、強くこだわりをもつタックル、タテへの突破、試合のたびに成長したパスという、立派な「角」を得た池上は2年前のリベンジをついに果たす。大きな達成感のなかで、人知れず涙を流し、4年間をともに過ごした同期と喜びを分かち合った。
出られない悔しさを知るからこそ、池上は同期の仲間への思いと、試合に出る責任感を常に感じてきた。最後の東芝府中戦は、「試合に出る裏で、ものすごい悔しい思いをしている人が大勢いる」。その気持ちを再認識させられた試合でもある。4年間を振り返り、池上は思わず「本当に波瀾万丈ですよ」と屈託のない笑顔で言った。本当は悔しさが残っているのかもしれない。しかし、終始穏やかに語るその物腰には、確かな充実感が漂っていた。努力を重ねて立派な「成虫」に池上は成長した。だが、決して器用ではない池上にはまだ伸びしろある。「かぶとむし」のその先――、それは池上がこれから切り開いていく未来に他ならない。
(増田仁)
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