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2004年度卒業記念特集
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卒業記念特集(5) 伊藤雄大
人生の頂点を越えて
その風貌と力溢れるプレーで観客を魅了した、プロップ伊藤雄大(人)は自身最後となる今年の大学選手権決勝を「人生の頂点」とまで言い切った。彼がワセダに、ラグビーに懸けた情熱は一体どこから来るのだろうか。
伊藤は1年から4年まで、全ての大学選手権決勝にフル出場を果たしていた。だが決して順風満帆にこの4年間を歩んできたわけではない。2年の秋には対抗戦中にじん帯断裂という大ケガを負ったにも関わらず、手術を後回しにしてまで大学選手権決勝のピッチに立ち、見事優勝に貢献した。連覇を目指した3年の選手権決勝は、関東学院大と3年連続の対戦。この年に、学生最強とうたわれたFW陣を形成した関東学院大を相手に、FW戦では善戦したものの7―33と敗れ、連覇はならなかった。
優勝の歓喜と敗戦の悲嘆を繰り返してきたワセダで最も熱い男は、「優勝は死ぬ気で取りにいく」と気合十分に最後のシーズンを迎えた。だがチームが始動し始めた春に、同じプロップである畠山健介(スポ1)の台頭なども影響し、彼はBチーム行きという屈辱的な宣告を受けた。しかし、どんな相手にも果敢にスクラムを押し続ける彼のプレーと同様、例え苦境に立たされようとも彼は前に進むことを止めようとはしない。「Bチームに落とされて自分を見つめ直すことが出来た」。常に試合に出ていることで失っていたラグビーに対する貪欲な気持ち。「畠山が気付かせてくれました」と逆境すらも力に変える精神的なタフさを身に付けた不屈のラガーマンが、Aチームに帰ってきた。ここに伊藤のラグビーに懸ける情熱の根源を見て取れる。
伊藤はグラウンドの外でもムードメーカーとしてチームを盛り上げた。ゴール前のセットプレーで『重戦車』明大FW陣を相手に諸岡省吾(法)や青木佑輔(教3)らと共に、ためらい無く前線でスクラムを組むとき、日本選手権で120キロの彼がボールを持ってゲインするとき、スタジアムは大いに沸いた。某ラグビー雑誌のアンケートで伊藤の注目度がプロに並んで高かったことも、スタジアムの歓声が証明していた。
トップリーグ強豪のヤマハに入団を決めた伊藤。「ヤマハを選んだのは強かったのと山村亮がいたから」。山村は3年時に対戦したときに、関東学院大のキャプテンとしてワセダの前に立ちはだかった選手である。大学で『人生の頂点』を極めても、変わることなき挑戦心。スクラムの職人は更なる進化を遂げるべく、プロの世界に飛び込む。
(浅沼知季)
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