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2004年度卒業記念特集
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卒業記念特集(1) 猪坂彰宏
心優しい頑張り屋
2004年春の早慶第2戦。試合後、バスへ乗り込む猪坂彰宏(商)の表情は涙でくもっていた。「(負けたのは)全部自分のせいです」。7―2で負けた第1戦の雪辱を期した第2戦だったが、投手の乱調から失点。猪坂も、その嫌な流れと、早慶戦の独特な雰囲気にのまれ痛恨のエラー、チームは失点を重ねる。逆転の望みもむなしく9―2で大敗。悔しさは、試合後の涙が物語っていた。
4年の春季リーグからショートに定着、小柄ながらも、堅実な守備と打撃でチームを支えた。守備の要を意味する背番号「1」は、小さな背中に輝いていた。しかし、レギュラーをつかむまでの道のりは決して平たんなものではなかった。「ずっと試合に出られなかった。でも上で試合に出続けることの方がもっと難しい」。酸いも甘いも経験してきたからこそ、言葉の重みがひしひしと伝わってくる。
ワセダのユニホームを着て最後となった、秋の早慶第2戦。惜しくも試合は負けてしまったが、戦い終わった猪坂の目にはうっすらと涙が浮かんでいた。「(ワセダでの試合の)終わりが徐々に近づいてくると、泣かないと決めていたものの、自然と涙がこみあげてきた」。しかし、その涙は春に流した悔し涙とは別の、晴れやかな涙だった。
卒業後は、大阪ガスへ進み、社会人野球の場で野球を続ける。その猪坂から早くも、次なる目標を聞くことができた。「自分の力で全国を制したい」。自分のレギュラー時代に優勝を果たすことができなかった思いを胸に、新天地で花を開花させる時が来るまで、これからも猪坂の挑戦は続く。
(野田枝里子)
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