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漕艇部

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2022.09.06

【連載】インカレ直前特集 最終回 木目田健二監督×コーチ陣

 木目田健二監督(平22法卒=東京・早大学院)と4人のコーチ、舩越湧太郎コーチ(令3社卒=滋賀・膳所)、髙橋拓哉コーチ(平27政経卒=東京・早大学院)、田口えり花コーチ(平30商卒=埼玉・浦和一女)、安井咲智コーチ(令3スポ卒=東京・小松川)に今年度の振り返りと、全日本大学選手権(インカレ)について伺った

※この取材は8月27日に行われたものです。

早慶戦直前特集同様、監督とコーチ4人に話を伺った

小見出し

木目田健二監督(平22法卒=東京・早大学院)と4人のコーチ、舩越湧太郎コーチ(令3社卒=滋賀・膳所)、髙橋拓哉コーチ(平27政経卒=東京・早大学院)、田口えり花コーチ(平30商卒=埼玉・浦和一女)、安井咲智コーチ(令3スポ卒=東京・小松川)に今年度の振り返りと、全日本大学選手権(インカレ)について伺った

――まず、5月にあった全日本選手権(全日本)で、漕艇部としてメダルを5つ獲得されました。この結果について、部として良くできたという感覚なのか、まだ取れたという感覚のどちらでしょうか

田口 女子のスイープの2種目を見ていました。全日本では女子のペアとフォアが出漕していましたが、ペアに関しては軽量級で2艇レースでしたが、準備期間が少ない中でしたがペアで精度を上げて頑張ってくれたのではないかと思います。とはいえ、強豪と当たれていなかったという部分はあるので、夏に向けて未知数な部分はありますが、今回のインカレでは全日本で乗っていた長谷川(理実、政経3=東京・早実)が乗っているので、経験を引き続き生かしてもらいたいなと思います。フォアについては、立命大さんが強かったなと思います。スタートが強みというのは以前から変わらなかったのですが、後半の再現性という部分で一歩及ばずに敗れたというかたちだったので、その反省を生かして今回のインカレにつなげてほしいなと思います。

木目田監督 全体観をお話すると、今回の全日本の最大の特徴は海の森(水上競技場)という離れた場所で開催されたという部分です。このオペレーションは非常に難しくて初めてのことでした。船も運んで選手も泊まって食事を取ってレースに備えるということが非常に難しかったです。マネージャーには負担をかけてしまったなという思いなのですが、そのうえ監督が変わった一年目ということもあり大きな話でした。いろいろと議論して、ロジックをつめて、結果的に5種目メダル、7種目入賞できたということは、結果としてはかなりよく、学生のみんなが頑張ってくれたなという思いです。競技面で言えば、男子は対校をエイトでは出さずにばらして、女子は順当に適切なクルーで出て、総合力で勝ちに行ったというかたちです。基本的にはマネージャーやトレーナーといういわゆるサポート組が完璧な働きをしてくれましたし、スタッフも機敏に動いてくれましたし、選手たちもなんとか競技に集中してくれましたので、勝ちに行った試合で総合的な勝ち方ができたというところは結果としては非常によかったと思いますし、それをコロナ禍で達成できたことは良かったと思います。冬から感染者を出さずに継続してできた部分がよかったと思います。

舩越 男子は例年対抗クルーをエイトで出しているのですが、エイトだと社会人が強くて勝てないという部分がありましたので、今年はフォアとダブルで対抗を組もうという方針で行きました。でも社会人もエイトだけではなく、今年はフォアにも対抗を出してくる社会人も多かったので、なかなかそうした部分で優勝を取りに行くということは難しかったのですが、学生の中では速く、もう少しで決勝に残れたかなという部分はあったので、レベルとしては高い中で頑張れたのかなと思いました。他のクルーに関してはなかなか学生の中でもレベルアップが必要なのかなと思いました。

――先ほども仰っていたように、海の森での開催となりましたが、メリット・デメリットをお伺いしたいです

木目田監督 良かった点は有観客だったという点です。海の森はオリンピックをやったぐらいですから、見る側にとってはエキシビションなどもあり非常に魅力的で、漕いでいる選手たちもうれしかったと思います。

舩越 そうですね(笑)。戸田だと、1時間ぐらい前に出ていって準備しようとなるのですが、海の森だと会場の近くにホテルがないので、2、3時間前にホテルを出発していました。会場の方にもそこまでウォーミングアップできる施設が整っているわけではないので、こちらから器具を持って行って準備していました。そのあたりの環境の違いをもう少し整えてくださるといいのかなと思います。

――全日本を機に、この夏で強化しようと思った部分はありますか

田口 全体観でいうと、後半の第2、3クオーターは全体的に課題になったクルーが多かったのかなと思います。早稲田は伝統的にスタートは速いと言ってもらえることが多かったのですが、後半や最後の競りで他の団体と競り負けてしまう展開が負けのパターンとしては多かったので、そこは課題かなと思います。

安井 そこで言うと、女子ダブルですかね。第2クオーターあたりまでは優勝を確信していたのですが、社会人ということもあり思った以上に後半の粘りが強く、こちらが疲れてきたタイミングでサクッと差されてしまって、追いつけないところまで離されてしまいました。インカレに向けて女子部としては立命大が後半強いということもありますが、後半の粘りが全体的な課題かなと思います。

――先日女子部の選手のみなさんに対談させていただいたときに、スタートを変えているというお話をお聞きしました。

田口 そこに関しては本人たちが考えてやってくれている部分です。私が「スタート出しすぎだから抑えてね」などと話すのではなく、自分たちで強み弱みを理解したうえでやってくれているので、任せています。ただ、後半が落ちてしまうという部分に関しては、スイープについては漕ぎが大学からスイープの動作に慣れていくということが多いので、漕ぎの再現性、自分のフォームや体重移動をを安定させるという点で水上に出たら同じ質で漕げるようにはとは伝えています。

舩越 ボートは漕ぐ本数と漕ぐ長さが早く進むには大事になってくるのですが、漕ぐ回数に関しては多い本数漕げるようにはなってきましたが、一歩一歩長く船を動かすというところを全クルーに課題があるのかなと思いますので、高いレートで回転数で頑張るのではなく、低い回転数で長さを出して船を漕いでいくことをコーチングしています。

髙橋 同じです。長さといいますか、加速の部分で痛感しましたね。社会人だけでなく、大学の中でも競り負けている団体とでは長さと加速が違うので、今も引き続き課題ですし、今後も課題として残り続けていくのではないかと思います。

木目田監督 本当にコーチが言ってくれていた通りですが、強いて言えば、早慶戦や全日本までは部の運営しかり監督コーチの色濃くアドバイスをしていた感じがありましたが、自分たちで考えて自分たちのどこがダメだったのかなど自己認識して解決していく姿勢が全日本より一皮むけてほしかったので少し変えました。今実際にインカレのクルーが相談に来ているので、そこは良かったのかなと思います。

 

――インカレに向けて完成度はいかがですか

田口 大前提インカレは自分が現役のころから完成度が当日まで分からないということが面白い大会だと思います。それこそ、今朝いろいろなクルーに話しましたが大会の2週間前の状態でうまくいかないという状況があったとしても、それは他の大学でもあり得る話なので、その状況でどう絶望せずに頑張るか手立てを打っていくかで差が出てくると思うので、そこを大事にしてほしいと伝えています。私が教えているクルーに関しては、いかに再現性を上げていくかにフォーカスして教えている状況です。いい漕ぎをでもレースの後半でもできるようになってほしいなと思います。

安井 私がコーチをさせていただいているのは、スカルの3種目なのですが、内2種目は女子の中でもマストで2種目優勝を掲げているので、ただ速いだけでは負けの隙が見えてしまうので、マックスの状態の完成度で言えばあと25パーセントは頑張れる余地があるのではないかと思います。今、少しだけ疲労感があるので、そこをうまく抜きつつ、そこを含めての完成度で言えば75パーセントかなと思います。100パーセントにはいけるかなと思ってます(笑)。

一同 (笑)。

舩越 現時点での完成度で言えば50、60パーセントほどかなと思いますが、ボートの成長カーブが一次関数的にうまくなっていくというよりは、最初は基礎的な漕ぎを身に着けて、最後の2週間でぐっと伸びて二次関数的に描く成長になっていくので、今ちょうど伸び始めるかなというところにあるので、残りの2週間で100パーセントに持っていく期間なのかなと思います。毎年このぐらいの時期にこのくらいの完成度かなと考えるのですが、昨年よりは良い状態でカーブを描けていると思うので、残りの2週間で100パーセントにまで持って行ってほしいです。

髙橋 相対比較すると昨年よりは全然いいです。昨年は全然スピードが出ていなかったので。あとは先週学連TTというのをやっていて、どのクルーも課題が見えているはずなので、その課題に関して先週の時点であと3週間というところで、その3週間で何をするのかを決めて、ここからペーパリングといって練習の量を少なくして質を高めていくという期間に入るので、この期間で再現性をどう高められるかかなと思います。今はがむしゃらに追い込んでもらっているので、スピードがついてこないクルーやケガをした選手もいますが、そこをどんだけつめてくるかかなと思います。昨年よりいい成果が出てくるのではないかと思います。

――インカレの目標を教えてください

木目田監督 全体は男女ともに総合優勝です。

今年新任の木目田監督

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――ここからは監督にお聞きしていきます。早慶戦前の対談で、主体性のあるチームをつくりたいという話がありましたが、この夏まででチームに変化は見られましたか

木目田監督 総じて言えることは、私自身が学生主動で動いてねとは言っていますが、そもそも早稲田の部員は、選手もマネージャーも基本的には主体性が強いので、あえて僕があえて言わなくともそれはできていましたが、一層監督がしつこく言ってくるので意識的にもそうしなければいけないのではないかという空気感は作れたのではないかと思います。夏に向けてそうした空気感は強くなっているかなと思います。なぜそうしているかと言うと、競技面につながると思うのですが、他の競技でも一緒で、スタート地点に立った瞬間にそこにいるのは自分か自分と同じクルーしかいません。スタート地点に立った時に、自分は選んでここに立っているのだと意識や意識がなければ勝てないと思います。特に最後の追い込みでやらされていた練習で追い込んできたのか、自分たちが考えてやってきたのかで質が違うので、勝てる人たちは主体的であると確信を持っているので、それをやっていきたいです。実際早稲田の選手は既にできていましたし、今年は勝つなという印象です。

――監督就任初年度である今年、一年を振り返ってどう感じられていますか

木目田監督 監督交代という出来事は大きな出来事で、特に学生には負担をかけてしまったというのが第一です。これは半分申し訳ないという気持ちと、半分そこから強くなってもらいたいという願いも込めて今接し続けてきたという感じです。やはりうまくいかないことの方が多く、毎週毎週何か起きる、それは部全体のことや個別のことだったりと、最初の方は今日練習終わったから帰るねという訳にいかないぐらい、乱気流の中にいた半年だったなと思います。そこから早慶戦や全日本と結果が出て、何とか乱気流を学生のみんなが乗り越えてくれて、逆にスタッフが感動して支えてもらっていた感じでした。学生たちのおかげでここまで頑張ってこれたなという感覚です。

――今年度を踏まえて、今後意識していきたい部分はありますか

木目田監督 既に、このインカレまでのラスト1カ月は引き継ぎ期間、新しい幹部陣が決まり、現幹部陣から引き継ぎをするオーバーラップ期間なのですが、早速学生主動でスパスパ物事が決まっていくので、一気にそういう感じになるのだという感じです、そうなってくると、我々スタッフ陣はいらないんじゃないかと思えるぐらい主動的です。半分寂しい気持ちもありますが、どんどんそうやって進めてもらえれば、絶対に競技力につながると思います。

――最後に、インカレへの意気込みをお願いします!

木目田監督 先ほども述べたように、男女総合優勝です。学生たちもチャンスだと思っていると思うので、やり切りたいなという気持ちでいっぱいです。監督として視点で言うと、ここからラスト2週間ちょっとですが、コロナの感染者を出さずに健康安全第一で、とにかく最後まで全クルーがやり切ってくれれば本望です。

田口 シーズン最後の締めくくりのレースとなるので、今までやってきたことを出し切ってほしいなと思いますし、勝っても負けても自分の手でつかんだ結果だと思うので、その結果をかみしめてもらえるようにサポートできれば良いなと思います。

安井 一年間関わっていなかった期間があり、自分が引退してからある意味初めてのインカレとなるので、すごくそわそわ感があります。自分が引退したインカレのスタート地点に立った時の感覚を毎日思い出していて、今回引退する子もいますし、優勝がかかっている子たちもいるので、そわそわ感を選手たちはもっと感じていると思うので、動揺してこんなはずじゃなかったと思って終わることがないように、フォローしていきたいです。また、私はスカルの3種目を見ていますが、日に日にやりがいや成長実感をして楽しさ面白さを感じてきてくれているなという感覚があるので、それを最終日最後のレースまで頑張ってきてよかったなと思ってもらえるように、自分も気を抜くことなく気を付けながら最後まで頑張りたいなと思います。

舩越 自分が漕ぐわけではないのでなかなか意気込みは難しいものですが、やはり最終的にできることはクルーたちのことを見守ることかなと思います。一言一言の発言に気を付けながら、言葉のかけ方で0.5秒変わるかもしれないと心に留めながら、選手のモチベーションを上げていけるような指導ができたらいいのかなと思います。あとはやることはやってきたので、4年生を中心にベストパフォーマンスを出してくれるだろうと期待するぐらいですかね。

髙橋 全日本のあとに選手に言ったのですが、監督が仰っていたように、久々の有観客で、戸田での有観客は3年ぶりなので、結果も大事ですが人に応援されながら最終日ここで漕ぐという楽しさをできるだけ多くの選手に味わってほしいなと思います。全日本選手権は出た選手はほぼまんべんなく最終日に残っていたはずで、もちろん順位が一つでも上なこともうれしいですが、まずはボートは楽しいなという感覚を戸田でも味わってほしいなという気持ちです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 森田健介、冷水睦実)

左から、安井コーチ、田口コーチ、木目田監督、髙橋コーチ、舩越コーチ

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