水泳部
2022.08.25
【連載】インカレ直前対談「101%」 第4回 今牧まりあ×小原天寧×松本信歩
今回は3年生の今牧まりあ(スポ3=長野・飯田)と2年生の小原天寧(スポ2=東京・目黒日大)と松本信歩(スポ2=東京学芸大付)の3人に話を聞いた。距離は違うが、全員自由形の種目に出場する共通点がある。そんないわゆる中学年の3人にインカレと4年生への思いについて伺った。
※この取材は8月22日に行われたものです。
大きな泳ぎは自分でも意識している(今牧)
50mと100mに出場する今牧には高得点の期待がかかる
――まずは他己紹介をしていただきます。まずは今牧選手の紹介をお願いします。
小原 競技面ではダイナミックな泳ぎをされて、私の正反対の距離をやっている方なので、練習でも試合でも見るたびに惚れ惚れしてしまうようなスイマーだと思います。
松本 普段は練習する機会はあまりないのですが、 たまにお会いする際には話すことがあります。レースを見ていて本当の50メートルの選手はまりあ選手のような泳ぎをするのかなと。大きな動きも憧れますね。
――今牧選手は後輩二人の紹介を受けてどのように思われましたか
今牧 大きな泳ぎは自分でも意識しているところなので、後輩二人が憧れてくれている点は素直に嬉しいです。
――続いて小原選手の紹介をお願いします。
今牧 天寧ちゃんは穏やかな感じで、一緒に話すことがあります。こっちも平和な気持ちになれるというか、優しさが伝染するようん感じなのですが、水泳に関しては度胸があるイメージがあって、代表的な例は去年のインカレの8継(800メートルフリーリレー)で1年生ながらアンカーなのですが、他大のエース級の人たちがアンカーに並ぶ中で、前の人たちが繋いだ高い順位を維持して、しかも自己ベストよりも2秒高くて、高いパフォーマンスをプレッシャーのかかる中でも怖気付かずにできることがすごいと思いました。
松本 普段から仲良くさせてもらっているのですが、本当に色々な話ができるというか、信頼している部分もありますし、練習の面ではこないだ一緒に早稲田の学内合宿に参加したのですが、小原選手はすごい長距離が得意な選手なので、本当にいっぱい練習していてすごいなと思いました。
――小原選手はこれを聞いて
小原 普段から印象を話す機会がないので、すごく新鮮ですね。
――最後に松本選手の紹介をお願いします
今牧 実力もすごく高いものを持っているのですが、ここぞというときの力の発揮が上手な選手だなと思いました。普段から練習は一緒にやっていないので、練習は見られていないのですが、試合の結果を見ると、コンスタントにベストを出していて、いいコンディションを保てていると思います。
小原 いつ見てもすごくかっこいいレースをするのですが、水泳から離れると同世代の普通の女子大生だなと思う瞬間があって、多趣味らしいというかそういうものを持っているので、そういう意味でも尊敬しています。
――松本選手は紹介を受けてどのように感じましたか
松本 レースで力を出すというのは、すごく自分でも強みだと思っているので、そこを言っていただけるのは嬉しいです。普段の一面はまだ全部見せきれてないですね。(笑)
――自分ではどういう性格だと思いますか
松本 積極的に話すというのが得意ではないので、学内の選手とは話せていないですね。
――夏休み中はどのような練習をしていましたか
今牧 今年はインカレが普段とは違って8月末にあるので、夏休み中はとにかくインカレに向けて練習の質やコンディションを上げていく練習をしていました。
――別の対談では練習グループで分かれていると聞いたのですが
今牧 距離ごとに分かれて練習グループが作られていて、私は元々短距離グループのSTグループにいたはいたのですが、体力向上などの目的のために年に3回はSDグループに入れていただいて、ショートチームより距離が2倍あるのですが、そこでスタミナ向上をずっと継続して続けてきました。
――小原選手は
小原 夏休みの最初に学内の合宿に参加して、そこでは長距離のチームに参加し、基本的なベースをつけていただきました。そのあと新潟の方の合宿に参加し、しっかりスピードをつけていこうと思って参加しました。
――松本選手はどうでしょうか
松本 早稲田の学内合宿に参加した後に、つい最近までクラブの合宿に参加していました。個人メドレーが専門なので、個人メドレーを中心に練習していました。
――全員自由形にも出られるということで、お互いにアドバイスを送り合っていたのでしょうか
今牧 全員出場する距離が違うということで、アドバイスはこの3人ではあまり(ないですね)。
早稲田に入学して色々な方と関われた(小原)
小原は中距離部門で点を稼ぐことが期待される
――今牧選手に伺います。今シーズン最も良かったレースはなんでしょうか
今牧 自分でもびっくりしたのが早慶戦の50メートルの自由形ですね。なぜなら早慶戦が7月上旬にあったのですが、それは自分の泳ぎ方が定まっていない時期でもあったので、スプリント能力の低下や試合での力の発揮の仕方も手探り状態だったのですが、そんな中でもシーズンベストを出すことができて、レースを通じて泳ぎ方を思い出すことができたので覚えています。
――前回のインカレはどうでしたか
今牧 前回のインカレの結果は、自己ベストは出たのですが悔しい結果に終わった印象が強いです。
――前回の結果を生かして
今牧 100メートルでは戦えなかったので、今シーズンは100メートルでも戦えるような選手になれるように、練習も距離を増やしていただくなど大学2年生までは50メートルに特化していたのですが、50メートルと100メートルに対応できるように練習を重ねていくような感じです。
――3年生として上級生や下級生に意見を言うことはあったのでしょうか
今牧 意見を言うことはなかったですが、今シーズン競泳部門の女子は自己ベストを何秒更新したかを合計する取り組みを行ったのですが、試合があるたびに更新されて、表を見て声をかけたりする機会が例年よりもあったかなと思います。
――先輩として小原選手と松本選手はどのように見えますか
今牧 二人の活躍は間違いなく刺激になっていますし、学年関係なくすごい選手の二人なので、試合の結果とかベストの更新率とかを気にしています。
――次に小原選手と松本選手に話を伺います。お互いについてどのように思っているか聞きたいです。
小原 やっぱりどの種目もしっかり泳げるという点でエース級の選手だと思います。安心してレースを見てられるというか、信歩がいれば大丈夫という安心感を同期ながら感じていて、活躍がすごいので、活躍の支えになりたいと思います。
松本 私とレースの距離や練習のタイプも違って、私は練習が苦手なタイプなので、長距離をたくさん泳げる点ですごいですね。さらに去年のレースもそうですけど、爆発力も持ち合わせているので、これがハマったら今回のインカレは凄いんじゃないかなと思います。
――昨年、初めて出場したインカレはどうでしたか
小原 去年のインカレは最後だけ良かったというか、個人種目がに種目後も良くなくて、どうしようどうしようとなっていたところで最終日のリレーでした。一番は準備不足だったなと思っていて、本格的にインカレを体験したのが、最終日が最初だったのですが、インターハイとは会場の盛り上がり方や熱量が比べ物にならなかったなと思います。
松本 インターハイなどは学校から一人という感じだったのですが、学校から一人ということが多かったので、そのチームから出るということが初めてだったので、学校で出るということが新鮮で、応援も手拍子ですが伝わってきて、いい雰囲気で楽しかったなと覚えています。
――それも含めて1年間どうでしたか
小原 早稲田に入学して色々な方と関われたというか、凄い視野が広がった1年だったなと思います。色々なことに積極的にチャレンジしている人や一つのことをきわめている人、それぞれに尊敬する長所が出会う方一人一人から感じて、自分も色々なことをしていきたいなと思いました。
松本 大学の勉強もペースを掴むのが大変だったりして、授業選択も自由で難しいところもあったのですが、自分も自由に使える時間も増えたということで、水泳に使う時間や自分の好きな勉強をする時間も増えたかなと思います。
――今年の1年で一番大きかったのは後輩ができたことですが、後輩はどう見えますか
小原 フレッシュで、結果を残してきている選手なので、これからが楽しみというか、後輩ですが頼り甲斐がある選手だと思います。
松本 ちょっと学外の選手が多く、ゆっくり話せる時間が取れてないのですが、水泳の結果を見ていてすごく伸びている選手も多く、それが私も刺激をもらっていて、インカレでも期待できます。
――全員揃って初めての早慶戦はどうでしたか
小原 一番は楽しかったことで、1年生の頃は出場したのですが早慶戦をつかめずに終わっていて、初めて「早稲田」として戦えた早慶戦でしたので、楽しいなと感じた試合でした。
松本 去年は自分が出ていいのかなという気分でしたが、でも今年は心から楽しめましたし、水泳の他の競技も見ることができて充実した早慶戦だったなと思います。
――現在の調子は
小原 去年は大学入学して半年でインカレ来ちゃったという感覚ですが、今年は去年のインカレ終了後から積み重ねたものがあると感じていて、準備は今のところ順調にできているかなと思います。
松本 今は最後の調整期間で、最後どう仕上げていくかということなのですが、長い間合宿をしてきて強化はうまくいっていると思うので、あとは最後泳ぎを試合にはめていくかという感じだと思います。
あのレース面白かったなと思えるようなレースを見せたい(松本)
松本は200m個人メドレーで連覇を狙う
――シード権を守ることを目標としていますが現在のチームはどうでしょうか
今牧 試合前に見ている感じ、全員が実力を発揮できれば射程圏内かなと思います。
小原 しっかり可能性はかなりある状態に仕上げているのかなと思います。
松本 お二人の言う通りです。インカレは初日から大学の勢いが点数を左右する場面があるので、すごくいい雰囲気で行けたらもっと上を狙えるのかなと思います。
――4年生とのエピソードを教えてください。
今牧 たくさんありますね。一人ひとりの方とのエピソードもそうですし。遊びに連れて行ってくださったりとか、ご飯を一緒に食べに行ってくださったりとか、寮でお好み焼きを作ったり鍋をしたり日常生活に根付いた思い出がいっぱいありますね。
小原 4年生の先輩方は全員にお世話になったなと感じています。学外であまり会えませんが、時間を見つけてご飯に誘ってくださったる先輩もいましたし、水泳のことや将来の相談を乗っていただいたなと感謝しかないです。
松本 本当にたくさんお世話になって、ご飯いかせていただいたり、お話しする時間もあったりして、水泳に対することもそうですが、どう言う考えをしているかと言う部分も知ることができて、今更ですが4年生の先輩方と同じ時間を過ごすことができて良かったと思います。
――インカレで楽しみな選手は誰でしょうか
今牧 男子50メートル自由形と今野太介(スポ4=山形・羽黒)さんと須田悠介(スポ3=神奈川・湘南工大)は実力が優勝を狙えるレベルなので、男子のレースの中で一番楽しみで、注目したいと思います。
小原 個人的に男女主将の平河楓(スポ4=福岡・筑陽学園)と浅羽栞(スポ4=東京・八王子)が気になっていて、1年間チームを引っ張ってくださった選手なので、どんなレースを見せてくれるかが期待をしながら、主将が引っ張ってくださるとチームが盛り上がるので、期待しています。
松本 4年生の先輩もそうなのですが、200メートル個人メドレーに出場する1年生の選手に注目していて、私以外の二人の選手に注目してほしいです。勢いのある1年生がどんなレースをしてくれるかが勇気を与えてくれると思います。これが3日目なので、残り1日半となったところで、元気のある1年生がいいレースをしてくれると最終日まで良い盛り上がりを見せてくれるかなと思います。
――今年の個人としての目標をお願いします。
今牧 50メートル自由形では表彰台に登ること、100メートル自由形で決勝に進出し自己ベストを出すことです。リレーではメダルを狙うところにどの種目もいると思うので、力を発揮することは最低限目指していきたいと思います。
小原 両種目ベストで1点でも多く得点を獲得することです。去年は1点しか取れなくて、自己ベストも出せなかったので、今年は点数を取って、個人でもチームに貢献することと、最終日の8継で去年は引っ張ってもらったので、今年は自分がと言う気持ちで行きたいです。
――今色紙を渡されたら何と言う文字を書くでしょうか
今牧 去年と同じ言葉になってしまうのですが、「一味同心」という言葉がすごく好きで、チームで一つの目標に向かって、同じ気持ちで、それぞれの種目をそれぞれの力で頑張ると言う意識で取り組むと言う意味で、この言葉を来年も選ぶと思います。
小原 「下克上」かなと思います。私は他の選手と違ってタイム上位にいる選手ではなく全体ランキングでは下の方にいるので、でも自分のやることをやれば上のほうに行けるんじゃないかなと思うので、そこを狙っていきたいなと思います。
松本 「面白いレース」、どこか自分の良さを残したいと言う思いがあって、見てくれる人がインカレにいっぱいいるので、どこかであのレース面白かったなと思えるようなレースを見せたいと思います。
――最後に意気込みをお願いします
今牧 最後に今シーズン全員で臨むインカレですので、すごくみんなで頑張っていると思うので、それを本番で披露できるように見ていただきたいなと思っています。
小原 1年間で早稲田大学水泳部に助けられて、少しずつ成長できたと思うので、少しでも結果につなげられるようなレースをしたいと思います。
松本 まずは自分の目標とするレースがあるのですが、インカレというチーム戦で戦っていくので、自分に何ができるかを考えながらレースだけでなく全体として充実した時間を過ごせると良いなと思いました。
――ありがとうございました!
(取材・編集 芦沢拓海)
◆今牧まりあ(いままき・まりあ)
2001(平13)年5月31日生まれ。175センチ。長野・飯田高出身。スポーツ科学3年。専門は自由形。最近は自炊をしていると語った今牧選手。誕生日にもらった圧力鍋は何でも作れるそうです!
◆小原天寧(おばら・あまね)
2002(平14)5月1日生まれ。165センチ。東京・目黒日大高出身。スポーツ科学部2年。専門は自由形。旅行体験記を読むことが好きな小原選手。インカレが終わったらどこ行こうかなと考えながら読むそうです!
◆松本信歩(まつもと・しほ)
2002(平14)年4月3日生まれ。167センチ。東京学芸大付出身。スポーツ科学部2年。専門は個人メドレー。合宿先にあったピアノを暇な時間に弾いていた松本選手。最近はポピュラーな歌も耳コピして弾けるようになったそうです!