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2022.08.09
【連載】『44の円陣』WEB版 第9回 大学から始める新たなスポーツ(山本芙結/ラクロス部✕山口永恋/ホッケー部)
いずれも高校までのプレー未経験者が多く在籍する、ラクロス部とホッケー部。「大学スポーツ」として認知されることの多い両スポーツの魅力、早稲田を背負って戦う覚悟やいかに。ポジションも同じという共通点を持った、女子ラクロス部、山本芙結主将(スポ4=静岡)、女子ホッケー部、山口永恋主将(国教4=神奈川・洗足)に、心ゆくまで語り尽くしていただいた。
※この取材は5月28日に行われました。
――自己紹介をお願いします
山本 女子ラクロス部主将の山本芙結と申します。学部はスポーツ科学部で、ラクロスは大学から始めました。高校まではバスケットボールをしていて、ラクロスではゴーリーと呼ばれるゴールキーパーのポジションを務めています。よろしくお願いします。
山口 女子ホッケー部主将の山口永恋です。国際教養学部に通っています。私もホッケーを大学から始めていて、中学高校は陸上部に入っていました。私も同じゴールキーパーを務めているのでそこは共通点かなと思っています。よろしくお願いします。
――部の紹介をお願いします
山本 女子ラクロス部は部員数としては現在64人ほど、各学年20人前後で、そこそこ大きな部です。今年で創部31年で、体育会としても2番目に新しい部なので歴史としてはあまりないですが、毎年日本一を目指して活動をしています。今年は日本一という目標のとらえ方を変えて、5年スパンで日本一を取るための第一歩として取り組んでいるところです。
山口 ホッケー部は現在、人数はラクロス部の3分の1ほど、20人いないくらいです。私たちも初心者が多く、4年生を除いては各学年に1人ずつホッケー経験者はいるものの、8割くらいは大学からホッケーを始めた人たちです。そういった点で雰囲気はおそらく(ラクロス部と)同じものがあると思います。目標としては毎年変わっていきますがだいたい3つ挙げていて、1つが関東リーグで決勝に行くこと、それから全国の大会ではベスト8に入ること、最後が引退試合となる早慶戦で優勝して終わること、この3つです。
――相手の競技を実際に見たことがありますか
山本 見たことないですね。
山口 私もラクロスは見たことがないですね。
――お互いの競技にどういったイメージを持っていますか
山本 ホッケー場の奥のグラウンドを使わせていただく時に少し見ていると、ずっとスティックを地面に付けて中腰で走り回っているので、腰が大変そうだなという印象ですかね(笑)。
山口 私もラクロスは体きつそうだなという印象がありますね。スティックを体に当てたり体同士で接触をしたりすることが多く、あざがよくできるということを友人から聞いていたので、すごく体を張る競技だなと思って痛そうというイメージを勝手に持っています(笑)。
山本 たしかにちょっと痛いかもしれません(笑)。
――それぞれの部活はどういった雰囲気ですか
山本 私たちは人数は多いですが各学年仲が良く、学年を越えた仲の良さもすごく魅力なのかなと思っています。敬語を使うというある程度の上下関係はありますが、コートの中では学年関わらずお互いに意見や指摘をし合うという関係性があります。また、各学年の仕事が明確に決まっているので、それに対しての役割を全うする姿勢やそれに対して感謝を持つというところは各部員できているかなと思うので、すごくお互いを尊重し合いながらも距離の近い雰囲気でやれているのかなと思います。
山口 私の学年を除いて経験者がいるというところがあるので、上の学年になればうまいという部活ではありません。今2年生に1番うまい選手がいるように、学年や先輩がどうこうというよりは、経験者同士、未経験者同士でしっかりと話し合いながら学年関係なくやっていくというところは似たところかなと思っています。あとは私たちは監督やコーチがあまり関与しないというか、だいたい土日に来れる時だけというスタイルです。平日の練習や試合に向けたミーティングも全て学生だけで行っているので、「学生主体」みたいなところはすごく体現しているような雰囲気になっていると思います。
――ラクロス部も学生主体という感じですか
山本 そうですね。ラクロス部も基本的にはOGの方々に依頼をしてコーチをしてもらっているので、同じく土日の来られる日だけという形です。ただ、今年コーチ陣の体制を一新して、コーチの人数もすごく増えましたし、コーチたちと選手の中でも特に戦術や組織を運営している幹部とのコミュニケーションを密に取るというところを目指しています。練習を見に来てくださる回数は週1、2回ではありますが、夜間にオンラインでミーティングをしたり、LINE上でやりとりをしたりしています。平日の練習は学生主体でやっていますが、頼るところは頼るというか、一緒にチームを作っているという感覚ではあります。
――部活の面白いところはありますか
山本 面白い部員しかいないです(笑)。これは私たちの部だけかもしれないですが、大学生は体育会という選択肢はほとんどない状態なのに、”わざわざ”体育会に入って”わざわざ”新しいスポーツを始めているから、一癖二癖ある部員が多いというのは4年間を通して感じているところではありますね。
山口 同じようなことはあります(笑)。私たちも”わざわざ”体育会に入って”わざわざ”新しいことを始めてという感じですが、そういう選択肢をしつつもバイトであったり遊びであったりもどれも手を抜かないという人がすごく多いです。サークルという選択肢を取れば絶対遊びもいっぱいできるし、バイトでいっぱい稼ぐこともできるというところを、”わざわざ”こっち(体育会)に入りつつも全部手を抜かないで倒れそうになっている人とか結構いるので、そこは特殊な人たちだなと思いながら見ています(笑)。
山本 ほんとうにエネルギーが満ち溢れているなと思いますし、それを惜しみなく全てに注げるというところが良さでもありそれで自分の首を絞めている部員もいて、そこはちょっと面白いというか心配なところかもしれません(笑)。
――どちらの部活も大学から競技を始める人が多いです。大学から新しいスポーツを始める意味はなんだと思いますか
山本 新しいことに挑戦してできないことができるようになるという経験ではなく、できることをさらにブラッシュアップしていくというところは、高校と同じ競技を大学でやるという面白さではあると思います。新しいスポーツを始めると本当に何もできない、何も分からないという状態からスタートになります。そういったことから伸び代しかないというところが魅力だと思いますし、その状態で4年間という限られた期間でできないこと、分からないことにどれだけ挑戦できるかというところが大学で新たなスポーツをやる面白さだと思っています。私は、それにチャレンジし続けている先輩たちを見て、「キラキラしていてかっこいいな」と思って入部したので、そこに対して挑み続けられるというところが大学で新しいスポーツをやる意味なのかなと思います。
山口 私がホッケーをやりたいなと思った理由は本当にシンプルで、「学生生活最後じゃん」というところです。社会人になったらやりたいことなんでもできるかと言われたら客観的にもそうではないと思うし、スポーツのことだと体力面でも、後から始めたいと思っても遅いんじゃないかなということをパッと思いました。学生の間であれば、ある程度部活って決めたら時間をしっかり割いてしっかり考えられますし、「学生時代何やっていたの」となった時に自信を持って言えるものは、私の中ではスポーツで試合に出て結果を出してというところが1番でした。そういったことがあったので、「社会人になる前に学生最後悔いなく終わらせるためには何したい」となった時に、個人的には何か始めることだったかなというふうに思います。
山本 言い忘れてしまったのですが、ラクロスは他の大学でも大学から始める人が多い競技なので、頑張ればそこから日本代表や日本一を目指せるところでスタートできます。今までやってきたメジャー競技とは違うというところが魅力かなと思うので、マイナースポーツを始めるというところに限定するとそういう面白さや意味、魅力があるのかなと思います。ホッケーはどうですか?
山口 非常に同感です。今関東リーグの真っ最中で明日(5月29日)実は3位決定戦なのですが、初心者集団で、関東で3位目指せるというのは他のメジャー競技だったらありえないと思います。また、7月の全国の試合に出場できることも決まったのですが、全国の試合もそんな簡単に出られるものかと言われたら多分違うので、そこはマイナースポーツの魅力だなと同じく思います。
――大学に入った時に体育会に入ろうということや、ホッケーやラクロスという競技にした理由はありますか
山本 もともとラクロスを知ったきっかけというのが、姉が同じ早大の女子ラクロス部でやっていたというところでした。大学に入って、サークルや体育会を見た中で、何かに本気になっている先輩たちのキラキラした姿に魅力を感じて、「ああなりたい」と思いました。実はホッケーとも迷っていたのですが、ラクロスは朝活動するので夜はアルバイトができるというところで、大学生らしい生活も確保しやすいのかなという印象でラクロスの世界に飛び込みました。
山口 私は秋学期の後半に途中入部という形で入りました。大学に入学してすぐの時は正直体育会に入る気はさらさらなかったのですが、秋学期くらいになって「大学生活物足りないな」となった時に体育会を考え始めました。初心者でも入れるようなところはおそらくラクロス、ホッケーぐらいしかなく、ラクロス部は少し頭をよぎったのですが、途中入部しにくいというところがあり、物は試しだと思ってホッケー部に体験に行ったら楽しくて、決めたというかたちです。私は入部時期なども関係してホッケー部に入ったという感じですね。
――高校時代の部活の経験が生きたり、逆にそのギャップによって苦労したことはありますか
山本 バスケの競技は本当にラクロスに生きていて、バスケ出身者はラクロス部にすごく多いのですが、特に生きるなと思うのがディフェンスの動きですね。ディフェンスは組織で守るという形なのですが、その空間の把握の仕方や、ボールマンと自分のトイメンの両方を見れるというところは結構バスケに似ているところがありますね。ですが、私はフィールドでプレーをしないので全くそこは生きていないです(笑)。感覚が違うなと思ったのは、バスケは全部手でボールを使いますが、ラクロスだと相当長いクロスで自分の感覚よりも上のところでボールをキャッチするので、1年生のときはその感覚がなかなか掴めなかったですね。
山口 私に関しては、陸上部で1500㍍とかの中長距離をやっていました。また、2年生まではフィールドプレイヤーをやっていて、一瞬のスピード感と15分×4Q(クオーター)を走り切る体力といった長距離的な部分と短距離的な部分のどちらも必要になってきますし、それこそホッケーは交代がほとんどできないので、走り続けられると言う部分は陸上部は生きています。ホッケー部は陸上部出身者が多いですが、走れるだけでも全然違うので、そこはみんな生かしてくれていると思います。ただ、私も(山本さんと)同じくキーパーに移ってしまったので、現時点では中高の部活生活は生かせていないかなという感じになっています(笑)。
――なぜキーパーに転向したのですか
山口 私が3年生に上がる時にキーパーをやっていた先輩が引退されて、かつキーパー候補の新入生はいたのですが大学に入学しないということになってしまいました。そこで、部活として下級生から(キーパーを)作ろうということで全員で体験会のようなものをして、そこから監督に声を掛けてもらい、「やってみます」と言う流れで今に至っています。
――山本さんは最初からゴーリーをやろうと思ってやったのですか
山本 そうですね。私は1年生からゴーリーをやっているのですが、決め方はオーディションみたいなかたちで全員体験してみて、「素質あるね」みたいな人たちで集まってやる気とかを聞かれてという感じでしたね。残してもらいたいということもあったのですが、一番は1年生の時に見た早慶戦で、4年生のゴーリーをやっていた先輩の姿が本当に格好良かったとのが理由です。その年10年ぶりくらいに早慶戦で勝ったのですが、そのMVPになったのがゴーリーの先輩で、本当にチームの危機を救うヒーローのような頼もしさがあり私も「ああなりたい」と思ったのでゴーリーになりました。
――ポジション的に後ろから支えるところに何か思うところはありますか
山本 やはりチームの要という意識はありますね。1番後ろにいる自分がしょげていたらチームも暗い雰囲気になると思うので、人一倍空元気でも声を出し続けるというところは練習でも試合でもやっています。ゴーリーだと自分のミスで点が入ってしまうという感覚があるのですが、試合中は気にしないようにして皆を鼓舞するようにしています。
山口 雰囲気を盛り上げることはどこからでもできますが、雰囲気だけでなくプレーに関してもピッチ全体が見えているのは1番後ろの私たちだと思うので、いかに適切に素早く声をかけられるかというところも大事にしています。間違っていてもいいから声を出し続ける、ということをよくコーチにも言われますし、雰囲気作りのためにも迷ってもとりあえず声を出すようにしていますね。
――高校までにやっていた部活によって選手たちに特徴があったりしますか
山本 やはりバスケ出身者はディフェンスがうまいですね。対峙した相手との間合いの感覚がバスケと近いのか、つかむのが早いように思います。テニス出身者は手ではなくクロスを使ってのボールの扱いに慣れていて、ショットのスピードがとても速かったりパスキャッチの技術も高かったりする選手が多いです。あと、ソフトボール経験者は速いボールを見慣れているので、その反射神経をゴーリーなどでも生かす選手がいます。ラクロスはコートがサッカー場ぐらいに広いので、陸上部も体力的な部分で生かせているかなと。
山口 今頭に浮かんだ選手としては、バドミントン部出身の選手です。ホッケーにはタッチシュートというシュートがあるのですが、これって技術的にはすごく難しいんです。それがやけにうまい選手がいて、彼女はバドミントンをやっていたんですよ。もしかしたらバドミントンのラケットでの繊細な感覚が生きているのかなと思いますね。普段は皆ネタみたいにしていじっていますが(笑)。あとは、ホッケーってボールを取られた後すぐに取り返しに行かなければならないので、(体の)切り返しがすごく重要で。テニス部出身の子なんかは、フットワークの軽さでそういうターンの上手さを感じるときはあります。部内で一番足の速い子が意外と高校時代に帰宅部ということもあって、チームの中で攻撃でも守備でも要になってくれています。なので、意外と中高で何をやっていた子でも何かしら開花させている感じがします。
――早慶戦にはなにか特色はありますか
山本 女子ラクロスは、基本は慶大が勝つというのが常です。3年前に10年ぶりくらいに勝利して、その前はさらに何年もさかのぼるという感じですね。関東のリーグ戦では慶応はほぼ必ず準決勝には進んできますし、早稲田は上位進出がぎりぎり難しいくらいの中堅校なので。いつも「打倒慶応」を掲げてやっています。
山口 ホッケー部は早慶戦に限って言えば10年くらい負けていないので、逆にプレッシャーになってきているというか(笑)。やっぱり先輩たちの打ち立ててきた勝利の積み重ねの歴史を崩すわけにはいかないので、そういう意味での緊張はあります。ただリーグ戦で当たると、別の緊張があるのか結構勝つことができなくて、私が入部してからリーグ戦では勝ったことがないくらいなんですよ。慶大も早慶戦では負けているとはいえ、リーグ戦での実績を考えて「勝てる相手だ」と思っているはずですし、こちらも「慶大なんかに負けるか」と思って試合に臨みます。毎年、互いに意識しあいながらの一戦ですね。
――主将ならではの悩みはありますか
山本 ラクロス部は良くも悪くも人数が多いので、私のことをよく知らない部員がどうしても出てきてしまうんです。後輩たちも、よく知らない選手が何か指示を出してきてもあまり(心に)響かないと思うし、応援したくもならないと思います。だからこそ部員たちとの距離の縮め方には気を使っていますし、私を知ってもらって、同時に私も皆のことを知っていけるようにしていますね。あとは、ゴーリーであり主将である私がどんなに負けていても明るく振舞っていればチームは不調にならないと信じているので、そこに関しては辛くても下を向かずに意地を持ってやっているところです。でもこれって主将にしか分からない苦しさじゃないですか。山口さんはどうしてますか?
山口 ホッケー部はラクロス部ほど部員が多くなくて、コミュニケーションを取りに行かなくても自然と私のことを知ってくれていることがほとんどなので、そこにはあまり心配はないかもしれません。私たちの部でいうと、やはり自分よりうまい経験者がいる中で主将をやっているので、そこに関しては不安になることがありますね。「この子が主将をやった方がいいんじゃないか」とどうしても思ってしまう時もあります。そういう意味で下を向きそうになる時はあるのですが、それは出さずチーム全体の雰囲気に影響しないよう気を付けています。あとはフィールドの選手と違う練習をしていると、「もっとこうした方がいいのに」と思っても言いづらいですし、それが正しい指示なのかも分からない時があります。そのプレーを私が実際に見せてあげることもできないですし。ただそういう時でも自信なさげだと説得力がないので、コーチや経験者の選手に対してはしっかりと要求しています。そんな感じで主将やってます。
――お互いに聞きたいことはありますか
山口 一つ気になっているのですが、ラクロス部は5年スパンでの目標を考えているっておっしゃっていて、それって結構すごいことですよね。なかなか受け入れられない部員もいたと思いますが、実際に部員の方々の反応はどうでしたか?
山本 ご想像の通り「自分たちの代では日本一を目指さないのか」というような声は多かったです。今年の目標として、私たちはブロックの上位2位に入って関東で準決勝へ進むことを掲げています。学生日本一になるためにはその後に決勝で勝って関東代表になり、全国大会で勝っていかなくてはならないんです。自分たちの現在位置から学生日本一まではあまりに距離があるなと思い、そこで考えたのが5年スパンでの計画です。最初に少し目標を落として関東の準決勝に進むことを目指しても、日本一を目指すことと矛盾しないと思ったんですね。いつか日本一という目標を達成するために、今年は自分たちにとってイメージしやすい目標を作ってそこにフォーカスしようと。これに合わせて育成も含め、チームのスタンスを変えました。最初は意見もまとまりませんでしたが、最終的にはチーム全員が納得して一つになることができたと思います。
山口 なるほど。でも聞いていて、そんなに私たちの目標と変わらないのかなと思いました。去年私たちは関東で3位になることを目標にしていたのですが、秋季リーグでその目標を達成することができたんです。そして今年はもっと上を目指そうということで関東リーグでの優勝を目指しているという感じなので、今お聞きしたことと本質的には同じですよね。一つ達成したらもう一つ上、それも達成したらさらにその上、というような感じで段階を踏むというか。
山本 ホッケー部はそのステップを実際に達成できているのがすごいですね。
山口 ありがとうございます! ただ実は去年全国ベスト8も目標にしていたので、それはまだ達成できていないんです。今年も全く同じ目標で臨むので、何としても達成したいですね。
――「大学スポーツ」、ひいては「早稲田スポーツ」にはどのような価値があると感じますか
山本 早大の体育会は良くも悪くも注目されているので、一生ものの誇りを持つ権利を得られるというところが大学スポーツの意味であり良いところだなと思います。またスポーツ推薦で入学する選手もいる中で、私たちのような無名の選手たちが新しい部活で活躍して、周りにかっこいい姿を見せられるというのも魅力の一つだなと思います。誰かの希望や原動力になれるようにということは、体育会生として常に意識していますね。
山口 早大の体育会といえば大学スポーツの中でもかなりの歴史や実績がありますし、その歴史を築いてきた先輩たちに仲間入りできることはとても光栄なことだと思っています。同時にその名前、歴史、功績に見合うだけの振る舞いや責任感も求められています。ただこの責任感は重いながらもどこか刺激になるというか、自分を奮い立たせてくれるものでもあるので、そういったことに魅力や意味を感じますね。
――最後にお互いの部やキャラクターに対しての印象を聞かせてください
山本 ホッケー部はラクロス部と同じで未経験者も多い部活ですが、山口さんはその中でも少し遅くに始められて新しいポジションにもチャレンジされているので、そういったエネルギーみたいなものにすごく刺激を受けました!
山口 本当に申し訳ないのですが、私の勝手なイメージで「ラクロス部の人ってプライドが高いんじゃないかな」と思っていた部分があって(笑)。というのも大学からスポーツを始める人の中で、プライドの高い人はラクロス部を選んで、のんびりやりたい人がホッケー部を選ぶ、という漠然としたイメージがあったんです。緊張していたのですが実際にお話しして本当に話しやすかったですし、いろいろイメージも変えられたので良かったです。同じ主将でポジションも同じだということで共通点もありましたし、これからの励みになったかなと思います。
――ありがとうございました!
(取材・写真 田中駿祐、大幡拓登)
◆山本芙結(やまもと・ふゆ)
静岡高出身。スポーツ科学部4年。主将として、試合中はどんな場面でも明るく振る舞うことを心がけている山本主将。対談でも終始笑顔で質問に答えてくださりました!
◆山口永恋(やまぐち・えれん)
神奈川・洗足高出身。国際教養学部4年。今でこそ主将を務めるチームの大黒柱ですが、キーパーは未経験、どころか高校までホッケー自体未経験の山口選手。初めは失点に絡むことも多く、楽しめるようになったのは1年ほど経ってからだったそうです!