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2022.08.07

【連載】『44の円陣』WEB版 第7回 強い気持ちで(大串快晴/剣道部✕森多諒/フェンシング部)

 どちらも剣を持って戦う剣道とフェンシング。今対談が初対面ながら、剣道部の大串快晴(スポ4=愛知・星城)とフェンシング部の森多諒(社4=山口・柳井学園)は、共感する話題に何度も盛り上がった。それぞれの競技の面白さから主将としての心掛けまでを共有し、互いの苦労をねぎらい合った二人。終始笑いの絶えなかった対談の全てをお届けする。
 ※この取材は5月25日に行われました。

「気持ちが一番」(森多)

首をかしげて考える森多(左)、大串

――自己紹介からお願いします

森多 早稲田大学フェンシング部主将の森多諒です。社会科学部4年です。よろしくお願いします。

大串 早稲田大学スポーツ科学部4年の大串と申します。今剣道部の主将を務めております、よろしくお願いします。

――お互い面識はありましたか

森多 ないですね…(笑)。

大串 学部も違いますから。

森多 でも剣道部は上で練習されてますよね? 

大串 17号館ですか? 

森多 そうです! 僕たち地下1階なので。1階…? 

大串 2階ですね。

――すれ違うことは…

森多 あったかもしれないです(笑)。

――まずお互いの競技の説明を簡単にお願いします

森多 フェンシングっていうのは3種目あって、エペ、フルーレ、サーブルがあります。ルールを説明したら長くなってしまうと思うので、大まかに言うと、エペは全身突いてもいい。フルーレは胴体だけ。サーブルっていうのは上半身だけ。あとは攻撃権とかいろいろあるのですが、そんな感じの細かいルールでやっています。

大串 剣道もフェンシングと似ているのですが、打突部位という打つところがありまして、それが大まかに面、小手、突きがありまして、それを決めるためにはいろいろあるのですが、その条件を満たせば一本という。二本取ると勝ちになります。

――お互いの競技を見たことはありますか

森多 剣道には五輪がないので…。でも僕の祖父が八段なので、結構知っています。

一同 すごい(笑)。

大串 それはもう…。

森多 心技体そろわないといけないんですよね。

大串 おっしゃる通りです。

――おじいさんが剣道をやっていた関係で、競技として似ているフェンシングを始めたというわけではないですか

森多 いや、僕の親が会社をやっていて、その会社のお客さんが紹介してくれて、それがきっかけで始めました。小学校5年生くらいですね。

――大串選手は、剣道をいつ頃から始めたのですか

大串 5歳くらいの時ですかね…父親が(剣道を)やっていて、また始めるというので一緒に始めたという感じですね。地域の剣友会みたいな、クラブのようなところでやってました。

――フェンシングをご覧になったことはありますか

大串 ありますあります。

森多 おお、本当ですか。

大串 五輪競技なので。(金メダルの瞬間は)ニュースなどで見ました。

――お互いの競技に対して持っている印象はありますか

森多 剣道はそうですね…ザ・武道というか、凛々しいスポーツだなと思います。すごく日本風というか、いろいろな昔の映画にも出てくるじゃないですか、そういうのを見ると剣道って素晴らしいものだなと。そこで五輪に入らないのもいいな、と思っていて。そこを守っているところとか、競技の性質もすごいいいなと思っています。
 ※剣道が五輪競技にならない理由…剣道をスポーツとして捉えられたくないという考えが尊重されているため。五輪にしてしまうとルールが変わってしまうなど、剣道が剣道でなくなると考えられている。

大串 フェンシングは、先ほど(剣道を)日本と言ってくれたんですけど、逆にヨーロッパ的なおしゃれなイメージがあります。剣道にはない華やかさとか、っていうのはあるかなと思います。あとは結構きつそうというのがありますね、ずっと動いているので。

森多 めちゃくちゃ足太くなりますよ。

大串 そうですよね(笑)。ずっと前後に動かしていないといけなくて、きつそうだなというイメージはありますね。

――試合時間はどれくらいですか

大串 4分です。

森多 フェンシングは3分を3セットですね。

――競技の中で一番好きな瞬間はいつですか 

森多 好きな瞬間か…(笑)。

大串 でもやっぱり格上と分かっている相手に勝った時は…まあこれはどの競技にも通用すると思うのですが、うれしい瞬間ですね。

森多 剣道もそうなのですが、「絶対」がないスポーツ、対人競技なので。いかにその「絶対」に近づけるか戦略を考えたり相手を分析したりすることがハマった時にすごく楽しいなと思います。

――職業病ならぬ競技病みたいなものはありますか

森多 傘は振り回しちゃいますね(笑)。

大串 ありますね(笑)。

――足とか手にマメができる場所はいかがですか

大串 左手ですね。

森多 僕は右手なので…。

大串 片手で(剣を)持つんですよね。

森多 そうですそうです。

大串 (手を見せて)僕ここにありますね。

森多 あ、でも一緒ですね。

――鍛える筋肉の場所はいかがですか

森多 剣道はどうなんだろう…剣道も腕が太いですね(笑)。

大串 やっぱり前腕ですかね。

森多 一緒ですね、僕もここなので。

――相手に競技を見に来てもらうとして、お互いに自分の競技を売り込んでいただけますか

森多  結構フェンシングと剣道に通ずるものが「気持ちの強さ」。いかに強い選手でも、どれだけ気持ちが入っているか。相手をなめているとか、そういうことで一瞬で勝負が変わるのはたぶん剣道も一緒だと思う。

大串 本当にそうです。

森多 そこで流れが変わった瞬間とかを見てくれたら、結構面白いんじゃないかな。

大串 全く同じで。野球とかサッカーって、ある程度実力差があったら「もう絶対こっちが勝つな」とかが分かると思うのですが、本当に4分とか3分の中の一瞬で勝負が決まってしまうので、本当にどちらが勝つか分からないというのは逆に面白いかもしれないですね。

森多 気持ちが一番。

大串 はい、気持ちが一番。

それぞれの部の特徴

笑いをこらえきれない森多(左)、大串

――ここからは早稲田の部活についてのお話に移ります。相手の部にどういったイメージを持っていらっしゃいますか

森多 剣道部ってすごい部の仲が良いですよね。

大串 マジっすか? 

森多 一回チュートリアルイングリッシュ (授業)でかぶった剣道部の子がいて。結構剣道部はプライベートで遊んでいたので。

――フェンシング部の印象はいかがですか

大串 全然分からないのですが、エリートが多いというか、ただ者じゃない人が多いというか。剣道部は、剣道初心者の人もたくさんいるのですが、フェンシング部はある程度始める障壁みたいな、結構やりこんだ人が大学でもみんな活躍しているイメージがあります。

――これを踏まえて、お互いの部活の雰囲気を教えてください

森多 僕が1年生の時、入試制度が変わったじゃないですか。

大串 はいはいはい。

森多 僕の代から厳しくなったんですよ、スポーツ推薦が。

大串 そうですね。

森多 僕の代ってすごくみんな強くて、上(の代)はインターハイ優勝、準優勝しかいないくらい。僕の代も一緒に世界選手権行ったりとか、日本代表として一緒に頑張っていたりした仲だったのですが、そこでも落ちるくらい入試制度が厳しくなって。僕の次の代から、あんまり優秀な新入生を取れなくなって。そこから僕が主将になっていろいろ取り組んで、優秀な人材がいなくても強くなれる環境を頑張ってつくっているって感じですかね。

――具体的にはどういった取り組みをされていますか

森多 マネジャーを僕が導入しました。今までマネジャーがいなかったんですよ。コロナ(の影響)で入国許可証とかがすごく厳しくなっても、今までは全部選手がやっていたので。あとはホームページ制作だったり、クラウドファンディングだったりに力を入れていて。そういう取り組みをしつつ、組織強化をしようかなというふうに思っています。

大串 フェンシング部と同じで、入試制度が変わって、強い選手が入りづらくなったのがあって。その中でどうしたらというところで、剣道部は結構いろいろな強さの人がたくさん集まっているので、全体の底上げとして、毎年一緒だった練習メニューを日によって変えて、だれないように取り組んでいます。

――メニューは大串さんが決めていらっしゃるのでしょうか

大串 そうですね。

――次にそれぞれの部活の面白いところを教えてください

森多 海外からの留学生も多くて、シンガポール、香港、中国、アメリカ…っていうふうに結構グローバルです。早稲田のグループラインに英語翻訳が入っているくらい。

大串 いいなあ。すごい。

森多 指示する時も英語で話したりだとかグローバルな中で、早稲田らしい雰囲気としてすごい自由な風土があるんですよ、昔から。どの部活も軍隊みたいに動いて、(でも僕らは)それじゃ気持ち悪いねってなって。自由の中にも一人一人が自立してやっているので、任せられる部分もあって、そこは早稲田フェンシング部らしい雰囲気かなと思います。

――留学生が多いとおっしゃっていましたが、部に通訳担当の方がいるのでしょうか

森多 留学生が孤立しないように、僕は英語で話したりとか他の部員にも「お前英語勉強しろよ」みたいな圧をかけたりしてて(笑)。それでもうみんな英語で話してますね。そういう環境は整っていると思います。

大串 英語も話せるようになるんですね。

森多 僕はDMMで毎日勉強していて。昔からやっていて、ある程度の日常会話はできますね。

大串 月にどれくらいかかるんですか。

森多 5000円ぐらいですね。

大串 あー安いんですね。

森多 めちゃくちゃいいですよ。

大串 剣道部の面白さとしては、だいたい部内でもカーストみたいなものはあると思っていて、剣道が強い人に対して弱い人が何か言うとかはあまり…同期の中でも言いにくいとか。多分どの部活も競技の実力という面でカーストってあると思うんですけど、もう一つ、剣道部は「一発芸の面白さ」でのカーストもあって(笑)。結構定期的に一発芸大会があって、年に3回くらいですね。1年生とかだと強制的にやらされますね。そこで面白い人が…1年生に関しては地獄なんですけど、面白い人はちょっとカーストが上がるみたいな(笑)。

――大串選手は1年生の時は何をされたのですか

森多 ちょっとここで…(笑)。

大串 これ言ってもいいのか分からないんですけど、下ネタとかですね。あとは身内ネタとか。監督のまねだったり、先輩のまねも…そんなところですね。

――練習の進め方についてはいかがですか

大串 剣道部は学生主体という感じですね。自分たちで考えて自分たちでやる、という感じです。

森多 うちも同じで、昔はトップダウンというか、監督とかキャプテンが言ったことに従う感じだったのですが、やはりそれだと主体性(がない)とか、だらけてしまうとかがすごく目に見えて感じられたので、今は5人のメンター制度をつくっていて。そのメンターの中でどういう練習をしたいかを話して、それを4年生で話して「こうしたいんだけど」と確認を取って進めています。(監督やコーチから何か言われることも)あまりないですね。言わせないようにしています(笑)。しっかり突き詰めて考えて、選手が頑張れるような環境づくりをしています。(メンター制度は)僕が部員を各学年ランダムに5グループくらいに分けて、一番上に4年生を付けて。いろいろ話しやすいようにではなくて、話しにくいメンバーでも混じれるようにうまく僕がつくって、練習内容をどうしたいかというのを各4年生に振って、そこで話し合ってもらって吸い上げていく感じですね。メンター同士でご飯に行くとかもだんだん出てきて、どんどんどんどん仲良くなってきましたね。めっちゃ良いですよ。

大串 参考になります(笑)。(剣道部は)副将とか主務とかの幹部の中で練習メニューを決めています。

主将としての心掛け

――主将として大事にしていることは何でしょうか

大串 じゃあ私から。何も考えてはないですけど(笑)。座右の銘はありませんが、大切にしていることとしては「当たり前を当たり前のこととして捉えちゃいけない」みたいな。例えば、主将だから何でも言ったことを聞いてくれるとかを当たり前だと思ってしまうと、やっぱり部員から不満も出てきて。当たり前のように今まで動いてきてくれたことでもしっかり「ありがとう」とかそういう言葉を。1年生は特に主将から「ありがとう」という言葉を掛けられるだけで、私が1年生の時だったらうれしいし、すごくモチベーションも上がるなって。そういった人間関係のアプローチを雑にしないで、丁寧にやろうとしていますね。

森多 僕は本田(圭佑)さんの名言でずっと好きなのが「成功にとらわれるな。成長にとらわれろ」というものです。

大串 いいですねそれ。

森多 その言葉がすごく好きで。やっぱり成功にとらわれたら周りが見えなくなってしまうので、自分がどうあるべきなのかというのを把握した上で、どういうふうに強化したり周りと協力していったりするかという、成長にとらわれる文化をつくろうかなと思っています。

――お互いに聞いてみたいことはありますか

森多 僕はありますね。フェンシング界でいう早稲田ってすごい自由な風土という印象がありますが、剣道部は剣道界、大学剣道界でどういう印象なのかなと。

大串 結構練習をやる部活みたいな。

森多 そういうイメージなんですね。

大串 やはり大学になると遊びに走るとか、そういう部員も他の大学だと結構多くて、高校まで強豪だった子がつぶれてしまうということがあったんですけど、早稲田の場合は結構週6でみっちり練習をやって、欠席連絡とかもすごく厳しいので、そこはなんと言いますか、厳しいイメージがありますね。

森多 へー、なるほどな。

大串 (早稲田も)遊びに行くとかはするんですけど。他大だと遊びに走ってしまって部活に行かないという人が多いんですけど、(早稲田は)切り替えができるということですね。フェンシングって、防具とかあるじゃないですか。全部そろえるといくらくらいかかるんですか? 

森多 あー、あれはですね、30万円くらいですね。剣道も高いですよね。

大串 いや、半分くらいですね剣道は。

森多 30万円で、定期的に剣が折れたり靴が壊れたり、防具が古くなったりで年間100万くらいですね。

大串 おお。剣1本何円くらいするんですか。

森多 1本が、高いのだと3万とか。それを予備で試合の時とかは…。

大串 そうですよね、何本もいりますもんね。

森多 (持ち歩いているのは)普段は5本くらいですね。

大串 運が悪かったら、1回で折れたりとか? 

森多 1回で2本折れたことがあります。

大串 じゃあ一気に何万円も…。

森多 本当に親はブチギレますね(笑)。

大串 どうしようもないですもんね、それは(笑)。

森多 「何してんの!」みたいな。サビ磨きなさいよ、って(笑)。(手入れは)めちゃくちゃしてますね。ポイントもすごい繊細なんで、試合前に掃除とかしないといけないので。

大串 (手入れは)ありますね。

森多 拭かないといけないんですよね。

大串 そうですね。拭いて、竹刀はどうしても割れてしまうので、竹刀油というのがあって、油を塗って割れにくくする、とかですね。

――早慶戦は開催されますか

森多 はい。11月くらいだと思います。

大串 同じくらいだと思います。

――早慶戦の特色はありますか

森多 めちゃくちゃありますよ。OBがすごく言ってくる。

大串 一緒ですね。

森多 あそこ(慶大)への敵対心はやっぱり卒業しても強いというのはありますね。僕たちが負けたっていうと、OBがすごく悔しがる。

大串 そうですよね、一緒です。めちゃくちゃ怖い。全国大会よりも早慶戦の方が大事にしてるんじゃないかっていうくらい。

森多 (大会前にOBの指導は)ありますね。激励の言葉みたいなのを。絶対負けるなよ、って。慶応も今すごく強くて、慶応のホームページにも理念みたいなところに「早稲田に勝つ」って。そのくらい敵対心バチバチで。でも僕はそういうのは嫌なので、今度早慶で一緒に合同練習しようかなと(笑)。

大串 おお、良いじゃないですか! 

森多 仲良く高め合えるかな、と。

大串 剣道部は、試合前は特にないのですが、負けるとOBがみんな道場に集まって正座で怒られるっていう。

森多 えー! 正座で!? 怖っ! 正座はないなぁ、体育座りだな。

大串 正座せざるを得ない状況で…(笑)。ちょっと悔しい、みたいなことを言われますね。僕らが一番悔しいんだよ、と思いながら。そんな30分とかじゃないですよ(笑)。

森多 昨年はやはり弱体化しちゃって、(早慶戦で)初めて負けたんですよね。70何年ぶりとか。それまでずっと連勝していたのに、そこでパタっと急に切れちゃって。今年は主将として、そこは絶対に勝ちたいなと思って、めちゃくちゃ気合は入ってますね。

――ここまでお話して、印象は変わりましたか

森多 変わったなあ。

大串 そうですね。「自由」っていうのは思っていたのと違うなと。「早稲田らしさ」だなって。あと共通点はやはり多いなと思いましたね。

森多 僕も逆でしたね。早稲田って自由にやっているのかなと思っていたので、その自由の中でもしっかり厳しくやっているんだな、というのがすごく刺激になりましたし、僕らも自由すぎても良くないなと思っているので、そこは今話したことをしっかり部に落としこめたらなと思います。

大串 こちらこそ(笑)。

――大学スポーツならではの価値とは何だと思いますか

大串 剣道はプロってなくて、プロと同じ立ち位置ってなると警察とかになってくると思うんですけど。

森多 自衛隊とか? 

大串 そうですね、自衛隊とかもですね。ただ、その中で学生ならでは、というのはあります。大学ならではっていうのは、剣道を通じて得られる学生生活とか、練習終わったらご飯食べに行くとかですごく深い関係になりますし、多分これは死ぬまで仲良くいられる仲間だと思うので、そういう仲間ができるということは、一つ学生の部活の醍醐味(だいごみ)かなと思っています。

森多 今、就活していて思うのですが、体育会系の強みって「どれだけ時間を有効に使って、高い価値、成果を出すか」ということだと思っていて。で、今大学生でいろいろとやりたいことや誘惑がある中で、体育会でフェンシングをやることにどれだけ価値を生み出して、どれだけ考えることができるのか。やっぱり高校生までってフィジカルとかそういうもので差がつくと思うのですが、その中である程度の技術がついて、高校生の時って全部気持ちだっていうのをあまり理解できなかったのですが、このレベルになると「それが大事なのか」というのを一回みんなが考え始めて、深い考えができるようになるのは大学ならではのことなのかなと思います。

――早稲田スポーツの良さとは何でしょうか

大串 早稲田の部活に入って感じることは、やはりさまざまなバックグラウンドの部員がいて、さっき剣道が弱い人がいるって言ったのですが、弱い人って頭がめちゃくちゃ良くて。なので就活の時はいろいろな業界の話を聞いたり、就活のノウハウとかを聞いたり、そういうところが早稲田スポーツの特権かなと思いますね。

森多 僕は、種目は違えども結構お互いをリスペクトしているなと。どれだけ離れた競技でも、「体育会やってるって言ったら仲間」という雰囲気があります。それくらい大学と体育会系に誇りを持って、一人一人が取り組んでいたりとか、その人と会った時にしっかり話して握手交わしたりっていうのは、すごくいいなと感じますね。

――他の早稲田スポーツを見に行ったことはありますか

森多 ありますあります。友達がバスケの主将をやっていたりとか、ア式(蹴球)と野球だったりとか。

大串 僕は全く無くて(笑)。

森多 一緒にバスケを見に行きましょう。

大串 いいですね。

――スポーツを見ることはありますか

森多 NBAくらいかな。あまりスポーツに詳しくないので。

大串 野球とサッカーですね。

森多 あ、サッカーは好きですよ。リヴァプールとか。

大串 欧州サッカーは好きです。

――大学で競技を続けるにあたって、早大を選んだ理由は何ですか

森多 僕は早稲田以外行かないって言っていて。いろいろな大学からお声はいただいていたのですが、やはり自由な風潮(に引かれた)というか。高校生の時に(早稲田の)練習に参加して、めちゃくちゃ厳しいトレーニングをさせられたんですよ。でも「なんでこんなにきついのに、なんでこんなに楽しいんだろう」って。その雰囲気と、みんなが高め合える雰囲気がとても好きで。他大から(声を掛けられても)「あ、早稲田以外行きません」って言って。

大串 かっこいいなあ。

森多 「早稲田落ちたら職人やります」って。料理好きなので、すし職人になろうと思って。早稲田落ちたらそっちに行きますって言って、そのぐらい腹くくってやりましたね。

大串 私も体育大学から声が掛かっていて。ただ体育大学へ行ったら、たぶん剣道だけをやる感じなんですよ。剣道を詰める、みたいな。でも早稲田って、例えばスポーツ科学部だったら勉強とか、他のアスリートとも関われるとか、剣道以外でも大学生活で得られるものが多いかなというところで、早稲田を選びましたね。

森多 そうですね、私大のトップですもんね。

――ちなみに森多選手の得意料理はおすしなのですか

森多 いや、僕はキッシュとかロールキャベツとか。

大串 おしゃれですね〜。

森多 おしゃれなものしか作らないっす(笑)。おしゃれなことしかしたくないです、目立ちたがり屋なので。

――大串選手も趣味はありますか

大串 ちょっと待ってくださいね(笑)。おしゃれさはちょっと無いのですが、温泉とかサウナとか。

森多 サウナいいですよね。17号館にあるのを知ってますか。

大串 え、あるんですか? 

森多 地下2階に、男子風呂だけサウナがあるんですよ。僕は毎日のように行っています。

大串 マジですか。これはちょっといいこと聞きました。剣道部で押しかけるかも。

森多 (行かないの)もったいないですよ、みんな使ってますよ。レスリング部、ウエイトリフティング部、ボクシング部にフェンシング部…。

――最近できたのですか

森多 いや昔から(あります)。

大串 広いんですか? 

森多 広くはないのですが、めっちゃ「整い」ます。水風呂もシャワー室もあって。

――最後に、お互いにエール交換をお願いします

森多 叫ぶ感じですか? 

一同 (笑)。

森多 同じ早稲田大学の体育会系主将として、僕もチームを良くしようと日々頑張っていて。お互いの組織に対する思いは一緒だと思うのですが、今日はその方向性などにいろいろな刺激をいただいて。逆に僕たちがやっていることも刺激になったらいいなというふうに思います。これからも早稲田の体育会系を盛り上げられるように頑張りましょう。

――次に大串選手お願いします

森多 びっくりしちゃうので大声禁止で(笑)。

大串 はい(笑)。主将という役割には、ここで話した以外にも本当にたくさんの悩みや不安があって、それは主将をやっている人にしか分からないというか。(主将は)ある意味孤独な役職だと思うので、そういう面では今日主将同士(の対談)というところで、孤独同士と言いますか(笑)。

森多 孤独ですよね。悩んだりだとか、今日もいろいろと返信をしたりで、仕事やばいな、みたいな。マネジャー制度を作ったのはいいのですが、ミスが出てしまってうまくやってくれないところを、どういうふうに埋めたらいいのかな、というのを他の人に仕事を振って。仕事を振るのも自分の仕事なので、そこの孤独さ(があります)。いろいろな人に返信をしたり、電話をかけたりとか。

大串 他の部員からしたら嫌なことも、主将は全部引っ張っていかなきゃいけないので、「嫌われたくない」とか考えてしまうとできない役職だと思います。

森多 そうなんだよな〜。マジでそうなんだよ。

大串 そういう面では、(森多さんは)同じ苦しみを分かってくれる。私も少しは分かっていますし、そういったところも含めて、応援していきたいですね。

森多 嫌われる立場ですもんね。

大串 そうですね。何をしても(嫌われるのは)避けられないというか。

森多 反感を食らうのを分かりつつ、どれだけ周りを丸めて。

大串 どれだけ信頼関係を(築けるか)、みたいな。

森多 そこが一番苦しい。みんなは輪を乱さないようにできるし、それが楽なんですよ。でもそれじゃあ組織はうまくいかないし、良くならないから主将が頑張っているけど、なかなかついてきてくれないとか。すごく分かる。

大串 いろいろな考えの人がいますしね。ついてきてくれる人もいれば、駄目だっていう人もいます。

森多 まじでそう。本当に今「うわぁ(分かる)…」って思った。

――お互いに支え合っていただくということで

森多 夫婦か(笑)! 結婚式?(笑)。

一同 (笑)。

――ありがとうございました! 

(取材 荒井結月、槌田花 写真 荒井結月、堀内まさみ)

仲良く「Wポーズ」を決める大串(左)、森多

◆大串快晴(おおぐし・かいせい)(写真左)
 愛知・星城高出身。スポーツ科学部4年。剣道部男子主将。主将としての落ち着きを見せ、丁寧にお話してくださった大串選手。実は熱い中日ドラゴンズファンという一面も持っています! 

◆森多諒(もりた・りょう)
 山口・柳井学園高出身。社会科学部4年。フェンシング部主将。気さくで気遣いも光る森多選手。今回の対談を終えて、全主将対談の開催を切望していました! 

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