メニュー

その他

« 特集に戻る

2022.08.03

【連載】『44の円陣』WEB版 第3回 俺たち「ホッケー」大好き(西本京平/ホッケー部✕務台慎太郎/スケート部ホッケー部門)

 どちらも普段自分のスポーツを「ホッケー」と呼ぶ、グラウンドホッケーとアイスホッケー。ホッケー部GK西本京平主将(スポ4=大阪星光学院)とスケート部ホッケー部門のDF務台慎太郎主将(スポ4=北海道・駒大苫小牧)が初めて会い、対談を行った。戦う会場は違うが、やはりプレーは共通点がたくさん。さらにGKとDFとポジションは近く、主将としてのあり方も近い。グラウンドホッケーを体験しながら、それぞれの競技の魅力を語った。
 ※この取材は5月24日に行われました。

――まず初めに自己紹介をお願いします

西本 早稲田大学4年、スポーツ科学部に所属しています。西本京平です。ホッケーを始めたきっかけは、本当に小さいことで、当時ホッケー部が高校にあったんですけど、そのホッケー部にGKがいなくて、その中で試しにやってみないかと言われて、案外楽しかったからやったというのがきっかけです。そこからは、高校3年間やって大学でも続けて7年目になります。

――ホッケー部がある高校は少ないですよね

西本 そうですね。特に地方の方が多いような気がします。僕の地元・大阪では5校あって、全部がめちゃくちゃ弱いところでした。強い学校は地方に散らばっていて、大学で東京に集まる感じです。

務台  スポーツ科学部4年の務台慎太郎と申します。アイスホッケーを始めた理由は、ありきたりなんですけど、5歳の時に友人のアイスホッケーをやっている姿を見てかっこいいなと思ったのでそこから始めました。自分は、当時長野県に住んでいて、長野県のクラブチームに入っていたんですけど、本格的にアイスホッケーをやりたいなと思ったので、中学・高校で北海道に拠点を移して、6年間やって、早稲田に進学したという経緯になります。

――学部は同じですが、授業が重なることは

西本 ほぼオンラインで授業を受けるので(重ならないですね)。でも、友達が務台さんのことを知っているんですけど、ホッケー部の岡田(凌弥、スポ4=愛知・明和)っていうでっかいの…

務台  …?

――ご存知ないですか

務台 顔見ればわかるかもしれないです(笑)。

――お互いに相手の競技を見たことはありますか

西本 テレビで見たことはあります。

務台 僕は一度も見たことがないです。

――プレー動画や道具を見てみましょう

西本 ヘルメットはアイスホッケーと一緒ですね。

務台 一緒ですね!

西本 陸上ホッケー用のヘルメットもあるんですけど、それが重くて、アイスホッケー用のが軽くて、使いやすいので皆こっちを使いますね。

務台 どこで買うんですか?

西本 あそこのマックス(REAL HOCKEY SHOP MAX)ですね。

――スティックの素材は

西本 陸上ホッケーはカーボンですね。

務台 じゃあ一緒ですね。うちも(スティックは)カーボンなので、ただ陸上ホッケーの方が短い分、密度は高そうですね。これ(アイスホッケーのスティック)中は空洞なんですよね。このスティックはこっち側(膨らんでいる側)も使うんですか。

西本 そっち側(膨らんでいる側)は使ってはダメで、こっち側(平らな側)だけです。

――道具は買い替えますか

務台 そうですね。僕は折れるまで使い続けます。

西本 僕も基本的に、(スティックを)買わないので…。これももらったスティックで、あんまりスティックにこだわりがないですね。でも替える人は一年で替えたりします。壊れてなくても、スティックの先端は地面に接っして、だんだん削れてから年季がはいるので、それが買い替えるタイミングという人もいます。あとはメーカーによってスティックの形というか、シュートのしやすさ、ドリブルのしやすさが全く異なるので、ほとんど全員の使っているメーカーが違うこともあります。

――陸上ホッケーのスティックは折れることはあるのですか

西本 あります。僕のも前折れて、根元から真っ二つにバキッと。

務台 叩かれてみたいなということですか。

西本 そうですね。スティックとかを叩かれたり、自分の場合は、ボールが硬いので、そこであたって、すぐに折れることはないけど、ひびが入ってたのが、当たって一気に折れてしまうことはあります。

――ボールとパックはどう違いますか

務台 重さ的にはそんな変わらないですね。

西本 そうですね。

務台 陸上ホッケーはシュートとか何キロ出るんですか

西本 150キロくらいは…。

務台 それにしても本当にホッケーのボールは硬そうですね。何でできているんですか。

西本 よくわかんないです(笑)。ホッケーは、ボールが上に行くことがあるので、後は、アイスホッケーはわかんないですけど、ホッケーはゴルフみたく振りかぶってう打ってもOKなので、一週間に一回は誰かしらにボールがあたりますし、自分もGKで防具つけていると言えど当たるとめっちゃ痛いです。

――陸上ホッケーはスティックが短いですが、腰は痛くなりませんか

西本 フィールドでは結構腰を痛める選手が多いですね。僕はGKなので、そんなですけど。だからか交代も無制限なんです。交代はベンチまで戻ってきたらすぐ交代選手が入れます。一度出た選手も戻れます。

務台 ほぼ一緒ですね。

――どれぐらいのスパンで交代しますか

西本 DFは基本ずっとやるんですけど、FWは5分くらいで交代して、4人か5人で三つあるFWのポジションをグルグル回す感じですね。

務台 自分らは45秒とか1分弱くらいで、息が上がるので、交代を繰り返します。DFも同じように交代します。

――相手に自分の競技を観に来てもらうとして、面白いところはどこだと思いますか

務台 アイスホッケーの面白さは展開の速さにあるんじゃないかなと思いますね。氷の上なのですごいスピードも速いですし、攻守の切り替えが目まぐるしく変わるスポーツなので、たぶん初めて見た方にもすごく面白さを分かってもらえる競技なんじゃないかなと思います。あと、氷上の格闘技と呼ばれるくらい激しいコンタクトスポーツなので、そういうところも見どころの1つかなと思います。

西本 陸上ホッケーの魅力に関して、元々スピード感に関して言おうと思ってたんですけど、さっきの動画を見させていただいて、さすがにアイスホッケーにはスピード感でいうと敵わないなと。イメージ的にはサッカーとアイスホッケーの中間かな。コートも結構広いし、その分少しスピード感は落ちるけど逆にそこが程よいスピード感というか、サッカーより少しスピード感が速いようなスピード感がいいんじゃないかと思います。他の魅力とかっていうのも、先ほどコンタクトスポーツっていうのをおっしゃっていたと思うんですけど、逆に陸上ホッケーはコンタクトとか結構激しくて、体を少し押しただけでもすぐカード出て退場って言いうふうに。5分間とか10分間とか。程よいスピード感が魅力的なんじゃないかと思っています。

――部活の雰囲気の面白いところはありますか

西本 上下関係がほとんどないところです。僕が1年生の時は結構厳しいところがあったんですけど、自分がキャプテンやっているのもあってあんまりそういうのが好きではなかったというか。良いのか悪いのか分からないですけど、基本、後輩とかと僕はタメ口で喋るし、後輩もタメ口で喋ってくるみたいな。全員1年生みたいな感じで。

務台 自分たちも学年の垣根を越えてすごく仲良いチームだなって感じますし、常にわちゃわちゃしているというか、明るいイメージなのかなと思います。あと、アイスホッケーの他のチームが、結構アイスホッケーが強い高校から大学でもアイスホッケー一本やりたいっていう人が行くんですけど、早稲田はもちろんそういう人もいるし、海外で生活していたとか、勉強も頑張っていたとか、本当にいろんな人がうちのチームにはいるので、いろんな意味で刺激を受けられる環境かなと思います。

西本 自分たちももともとはスポーツ推薦が毎年4人くらい入ってきて、そういう選手で構成されているようなチームだったんですけど、今はそれが変わりつつあって。スポーツ推薦が結構減ったというのもあるんですけど、初心者から日本代表になる選手までいるっていうので、競技歴が全然違う人が一緒にいるっていうのは魅力だと思います。

務台 大学から始める人も多いんですか?

西本 はい。そうですね。

務台 すごいですね。陸上ホッケーって早大学院が多いですよね。

西本 付属高校から上がってくる人とスポーツ推薦が今2人3人いて、あとは外部から一般で入る人と付属校から初心者とか一般で初心者で入る人とかの4パターンですかね。アイスホッケーは初心者の方はいらっしゃるんですか?

務台 今までいなかったんじゃないですかね。高校から始める人が自分が1年生の時の4年生で2人いただけで、あとは全員小学生の時とか幼少の頃からからやってずっとアイスホッケー一本でやってきたみたいな人ばっかりで、大学から始める人はいないですね。

西本 初心者は、練習中とかはホッケーの危なさを知らないから、人が振っているところで顔とか突っ込んで行って。そういうところはルールとか長年やっている人は危ないとか分かるんですけど、そこが分からないので初心者はケガしやすいですね。

務台 日本代表の方も入らっしゃるんですか?

西本 U21なんですけど。

務台 すごいですね。

――試合には初心者の方も出られるんですか

西本 いや、やっぱあんまり出られなくて。結構限られたメンバーですね。ホッケーは11人でやるスポーツなんですけど、大体16人くらいで回すみたいな。FW2人、中盤2人、GK1人みたいな。

務台 部員は何人くらい?

西本 部員はマネジャーも含めて30人くらいですかね。

務台 多いですね。

西本 アイスホッケーは何人くらいなんですか?

務台 25人とかですかね。

――試合に出る人数は

務台 自分らは5人とGK1人です。セットというのがあるんですけど、1つ5人のセットだいたい3つくらいで回すので…。

西本 変わるときは全員?

務台 全員で変わるわけではないんですけど、自分が疲れたタイミングで変わります。だいたい同じくらいのタイミングになりますね。 

――ホッケーは交代を事前に決めるのですか

西本 昔はだいたい自分らの判断で、しんどいと感じたら、ベンチまで走って行って、ベンチから交代していたのですが、最近は、監督・コーチが交代表を作って決めて、ある程度何分になったら抜けるという感じです。戦況を見て決める場合もあります。GKも変えるときがあって、僕ともう一人で回していて、調子がいいほうが出るようにしています。

――同じホッケーとして意識している部分はありますか

西本 いや、特にないですね(笑)。、僕、昔東京ステイに住んでいて、 今紺碧寮に住んでいるんですけど、僕らが帰るタイミングで、(アイスホッケー部)が練習を始めるので、そこはすごいなと思っていました。

務台 僕らはいつも朝4時から駅前のリンクで練習するので、3時とかに起きて3時15分から全員で散歩して、練習に備えるみたいな。今はシーズンではないので、(氷上練習は)ないんですけど、9~12月の3か月間と、3月~4月の2か月間はそうしています。今は陸上トレーニング期間なので、朝6時~7時半くらいまでやってますね。

西本 どこで?

務台 陸上トレーニングは準硬式野球部のグラウンドで走ったりして、ウエイトは地下の所でやってます。

――アイスホッケーは基本寮ですか

務台 全員寮ですね。

西本 ホッケーは全然(寮ではなく)、実家から通う付属高校の人もいるので、寮に入っている人は3人くらいですかね。

務台 東京の方が多いんですか?

西本 半分いや、7割くらいが実家通いですね。

――早大学院の強さは

西本 全然強くなくて(笑)。昔は強豪校から入ってきたので、学院でも入りづらかったんですけど、今は強豪校からの人数が減った分、その人数を補うために、学院から入ってくる、学院でやったらホッケー部に入るという流れができつつあります。

務台 僕たちは、早実にアイスホッケー部があるので、各学年2、3人くらいですかね

――早実も早大学院も中学校からありますが、中学から部活を始めるのですか

務台 自分らの場合は、アイスホッケーを小さいころからやっていて、それを利用して、早実にスポーツ推薦で入っているので、中学からやって、高校でやるという人はいないです。

西本 ホッケー部は、大学でやっている人は、中高6年間通ってから大学でホッケーをやっている人が多いんですけど、中等部はホッケー部がないので、中学はサッカーとか別の競技をやっていて、持ち上がりで高校から始めたという人が、学院生の9割5分ですかね。後は、地元でホッケーをやっていて、高校で学院に入ってきたという人が一人だけいますね。

――サッカーをやっていた方が多いのですか

西本 サッカーファンが異常に多くて、練習風景を見てもらえば分かるんですけど、だいたい、サッカーのチェルシーとかのユニフォームを着て練習してますね。

務台 本当に難しいスポーツというか、やっている人も、北海道とか北の方に集中するので、アイスホッケーしかやっていない人ばっかですね。リンクも少ないので、移動も大変ですし、アイスホッケー以外のスポーツをやる暇がない感じはしますね。

ホッケー部の部室で話す務台(左)と西本

――主将として苦労していることはありますか

西本 他の部活は知らないですけど、ホッケー部は選手主体でやる部活です。もちろん、コーチ・監督はいるんですけど、週末しか来ないので、練習メニューや、相手チームの資料作りもキャプテンの仕事なので…

――資料作りは歴代主将がやっているんですか

西本 昔からキャプテン中心で作っていたんですけど、昨年からキャプテンがやることになって。昨年は僕の2倍くらい作っていたんですけど、僕はガサツな部分があるので(笑)。ただホッケーは、同じ学校と一年に何回も対戦するので、例えば慶応とは年3回も当たるので、昨年の資料とか、ネットに上がっている動画を利用して背番号を控えたり、特徴的な選手を皆で共有しています。

務台 アイスホッケーはコーチが主体で、後は、選手でこういう戦術やりたいと提案する場合もありますけど、ホッケーほど戦術を凝って考えることはないですし、だいたい(相手チームが)やってくることも分かります。リーグ戦だと同じ相手と3回やるので、みんな分かっているよね、という雰囲気ですね。

西本 脱線してしまったんですけど(笑)、そういう中で、どんな戦術をやるのか、攻撃的な戦術、守備的な戦術どちらを選ぶのか、意見が割れる場合があって、そういうときに一つの結論を導き出すのが大変だったなと思います。

務台 3年生に上がった段階で、結構上級生として、引っ張て行く立場として、行動しなければいけないなと思ってやってきたんですけど、いざ主将となると、自分のこと以上に、チームのこと、他の選手のことを考えて行動しなければいけないなと身をもって感じましたね。調子が悪い選手がいたときは、声を掛けてあげたり、アドバイスしたりとか、いろんなことに目を配らなければいけないのが主将なんだなと感じました。

西本 それは本当に同感で、行動とか発言とか、一つ一つに気を付けるようになりましたね。

務台 周りを意識するようになったし、自分自身が上に立つ人間として、こうあるべきというのは感じましたね。あと、自分はDFなので、春のリーグ戦は、点差が離される試合もありました。FWだったら、自分で得点を取って返してくる、プレーで結果を残して役割を果たすことができるんですけど、DFだとなかなかそれができないので、もどかしさがあったなと思います。

――すごく共感されてますね

西本 僕もGKなので、ボールをサークル外では触れないので、得点は何があってもできないし、後は気合を入れて守るしかないですし、周りを信じてやっています。

――お互いに聞いてみたいことはありますか

務台 新勧活動とかはどうしてるのかなと

西本 新歓活動は、かたちはやっているんですけど、選手は募集していなくて、マネジャーとトレーナーを募集してますね。特にトレーナーが今年で1人抜けて、残り1人になっちゃうので、新一年生の中から、入って欲しいなと思って注力してますね。選手は募集しなくても学院とかから入ってくるので(笑)。

――プロスポーツとはまた違う大学スポーツの価値についてどう考えているでしょうか

務台 アイスホッケーでは、プロのリーグがあって、(大学リーグは)その一個下のカテゴリーになるんですけど、人格形成が学生スポーツの良さかなと思います。プロは、言い方が悪いですけど、結果を残せば評価されますし、プロセスはどうであれ、とにかく結果が求められます。ですが、学生スポーツは、その過程が大事で、その競技だけできればいいと言うわけではないので、学業などにも全力を注いで、その中で自分が成長していけるのが学生スポーツの良さなのかなと思います。

西本 僕は一つの目標に対して、いろいろと自分たちで試行錯誤しながら取り組める最後の機会じゃないかなと思います。ホッケー部だけかもしれないですが、戦術とかを自分たちで考えてみて、一つの結論を出して、試合で試してみる、それで結果が悪くても、プロとは違って、退部とかになったりはしないので、失敗を恐れずに挑戦できる機会だと自分では思っています。

――お互いの部に対する印象の変化を教えてください

務台 主将として、また4年生として抱えるものに似ている部分があって、みんな同じ悩みを抱えているんだなと分かって、気持ちが楽になりました。いい時間を過ごせたかなと思います。陸上ホッケーの難しさ、こんなに魅力があるスポーツだと知らなかったので、また見てみたいなと思います。

西本 僕はキャプテンとして同じような感情に共感するところが多かったです。また、思っていたよりアイスホッケーが陸上ホッケーに似ているなと思いました。ボールの硬さとかスティックの重さとかも形、長さは違えど変わらないし、打つ時も似ているところがあるなと。アイスホッケーは氷でやるスポーツなので、スピード感という点で陸上ホッケーよりも魅力的だなと思いましたし、ぜひ早慶戦とかがあれば見に行きたいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・写真 伊勢崎晃、田島璃子)

◆務台慎太郎(むたい・しんたろう)(写真左)
 北海道・駒大苫小牧高出身。スポーツ科学部4年。「愛され主将」の務台選手。真面目に質問に答えてくださる務台選手が、過去の対談で一番盛り上がっていたのは、back numberについて。『あかるいよるに』(2019)が一番好きだそうです!

◆西本京平(にしもと・きょうへい)
 大阪・大阪星光学院高出身。スポーツ科学部4年。最後尾からチームを支え、ビックセーブを連発する守護神。物持ちがいい方で、ホッケーのスティックも、壊れるまで使い込むタイプ。

« 特集に戻る