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2022.08.01

【連載】『44の円陣』WEB版 第1回 大学スポーツの顔となれ(わーおくん/応援部✕アルフ/ア式蹴球部)

 早大に存在する44の体育各部のうち、マスコットキャラクターを擁する部はア式蹴球部と応援部の2つのみだ。今回は、早稲田スポーツ125周年を祝して両部による「マスコット対談」を実施。ア式蹴球部・アルフと応援部・わーおくんによる貴重な対談が実現すると、その後、応援部リーダーの井原遥斗(教3=埼玉・熊谷)園木俊成(社2=千葉・県立船橋)、ア式蹴球部の平野右京(人3=兵庫・滝川)原壮温(教2=東京・日野台)佐藤慧一(政経3=東京・早実)の部員5人による対談ではマスコットキャラクターや広報活動に対する熱意や展望が続々と飛び出した。
 ※この取材は5月18日に行われました。

4月の新歓活動以来の再会となったわーおくん(左)とアルフ

――自己紹介をお願いします

わーおくん 応援部マスコットキャラクターのわーおくんであるんである。2013年4月4日生まれの9歳であるんである。「早稲田の森」出身なのであるんである。

アルフ ア式蹴球部(ア式)マスコットキャラクターのアルフだルフ! ア式と同い年の98歳ルフ! 「都の西北の森」からきたルフ! 

――初対面はいつですか

わーおくん 2020年12月の早慶クラシコ(ア式蹴球部早慶戦)の時であるんである。

アルフ そうルフ!

――新歓活動中にアルフとわーおくんで写真を撮っていましたよね

アルフ そうルフ! コラボしたルフ!

わーおくん 一緒に新歓活動をしたのであるんである。

――ご自身の魅力は

わーおくん 学生服を着ているところであるんである。誰が見ても応援部と分かるこの服であるんである。わーおくんのかわいさと応援部のかっこよさが同居しているのであるんである。

アルフ チャームポイントは早稲田ということで王者として、強さ、かっこよさとかわいさがある部分ルフ! 牙と耳のギザギザがかわいいルフ!

――お二人は普段授業中何をされていますか

わーおくん 早稲田大学の授業を受けることができないので、いつも体育各部の皆さんの活動をこっそりのぞいているのであるんである。

アルフ 午前中はグラウンドを使う部活がないルフ。その間に、自主練習をしていルフ! 東伏見のご飯屋さんでお昼ご飯を食べたりしてるルフ!

――部でどのような役割を担当していますか

わーおくん 基本的に応援活動の宣伝をしたり、季節の行事に参加したり、新入生に対してのアドバイスをしたりと、広告塔の役割をするのであるんである。

アルフ わーおくんみたいに一緒にプレーはできないルフ…(泣)。部の一員としてみんなを応援しているルフ! みんなを支えているルフ!

――今日はよろしくお願いします!

わーおくん よろしくお願いしますであるんである! 今日は部員も来てるのであるんである。

アルフ お願いしますルフ! 僕も部の仲間を連れてきたルフ! ここからは、仲間にバトンタッチするルフ!

――自己紹介をお願いします

井原 応援部リーダー3年の井原遥斗(教3=埼玉・熊谷)と申します。よろしくお願いします。

園木 同じく応援部リーダー2年の園木俊成(社2=千葉・県立船橋)と申します。

平野 (ア式蹴球部の)人間科学部3年の平野右京(人3=兵庫・滝川)です。よろしくお願いします。

 (ア式蹴球部の)教育学部2年の原壮温(教2=東京・日野台)です。お願いします。

――わーおくんとアルフについて簡単に教えてください

井原 わーおくんは早稲田大学応援部の公式マスコットキャラクターとして、SNSでの広報活動などで活躍しています。お客様の目に触れる時に前に出てきてくれます。応援部のイメージは昔から堅い、厳しい体育会の部活だと思われがちなので、そのようなイメージを払拭するといいますか。おこがましいですが、皆さまに応援されてこその部活動であると思います。なので、そのように親しみを持ってもらうために、わーおくんはいるのではないかと思っています。

園木 最近ですと、新入生歓迎期間の時に早稲田キャンパスにわーおくんが来まして。新入生の方も学生の方も「Twitterの公式アカウント見てますよ」と声を掛けてくださいました。結構そのようなところで大学の皆さんに受け入れられていると実感するとうれしいです。

――新歓活動中にアルフとわーおくんで写真を撮られていましたよね

平野 本キャンでコラボしたみたいな。

井原 そうですね。コラボしたのをTwitterに投稿しました。応援部のわーおくんのアカウントで拡散しました。

4月の新歓活動でコラボしたわーおくん(左)とアルフ

――あれが初対面でしたか

平野 いや、たぶん早慶戦とかで何度かお会いしたことはあると思います。

井原 2020年12月の早慶クラシコ(ア式蹴球部早慶戦)の時にわーおくんとアルフで写真を撮ったりしましたね。自分、今スマホ持っているので、見ますか。

平野 あの駒沢競技場のやつですよね。

井原 はい!

平野 確かに、あの時わーおくんいた。

井原 (スマホで写真を見せて)これですね。

2020年12月の早慶クラシコで初対面したアルフ(左)とわーおくん

――2020年、コロナのときですか

井原 コロナ期間ですね。

平野 1年目です。僕らが1年生の時ですね。

井原 はい、そうですね。

――アルフの誕生経緯は

 誕生した経緯としては、大学サッカーというはあまり社会に知られていません。なので、活動をしている中で、社会での接点を作れたら、と思っています。マスコットキャラクターを知ってもらってから、ア式という存在を知ってもらって、さらにそこからア式の応援にもつなげてほしいという思いから生まれました。

――わーおくんの出身地「早稲田の森」とアルフの出身地「都の西北の森」の2つの森に違いはあるのですか

井原 「早稲田の森」と言いますと、早稲田という土地…。厳密な違いは分からないのが正直なところです(笑)。

一同 (笑)。

井原 校歌の歌詞にある通り「都の西北 早稲田の森に」。イコールと言っていただいて大丈夫です。

――「早稲田の森」「都の西北の森」という言葉を選んだ理由はあるのですか

井原 応援歌にもこの歌詞があります。なので、このフレーズがピッタリ来るかなという感じですね。

――ア式蹴球部さんはいかがですか

平野 自分達も勝利した際に結構歌います。なので、馴染み深いところから誕生したのかなというのはありますね(笑)。ちょっと曖昧ですけど。

――それぞれのマスコットキャラクターの魅力、アピールポイントはどこにありますか

井原 ライオンをモチーフにしています。応援歌に『吼(ほ)えろ早稲田の獅子』という曲がありまして、「吼(ほ)えろ早稲田の獅子 ワァーオ ワァーオ ワァーオ 早稲田」(実際に歌ってくださいました)というフレーズがあります。ここに着想を得ています。『吼(ほ)えろ早稲田の獅子』の歌詞的にも勝つことをモチーフにしています。わーおくんの頭上にある王冠に「1」と書いてあります。早稲田が王者である称号であるこの王冠がチャームポイントですね。あとは、なんと言ってもつぶらな目ですね。愛くるしさという面ではポイントです。

――「わーお」とはどのような意味なのですか。吠え声ですか

井原 一応ライオンの鳴き声を形容しています。

――頭だけマスコットにはどのようなこだわりがありますか

井原 わーおくんは応援部の一員です。学生服を着つつ、やはり応援部の部員としての体裁を保ったままで活動をしています。部員なので、腕章と学ランを着ているという形ですね。

――アルフの魅力は

 強さ、かっこよさというのを兼ね備えつつ親しみやすさを感じる部分です。

――ここまででお互いに気になった部分などはありますか

井原 1つ疑問があって、(ア式蹴球部は)なんで狼を選んだのかなと。

平野 なんで…!

――早スポの一昨年の記事でア式蹴球部OBの須藤友介(令4スポ卒=現東京武蔵野ユナイテッドFC)が「狼の習性は集団で狩りをするけど1匹1匹特徴、役割がある」とおっしゃっていました

平野 なんか組織みたいな感じですよね。(須藤さんの記事を見せる)

井原 すごいですね。なかなか意味があって。深いですよね。

平野 全然意味を知らなかった…。

一同 (笑)。

――モチーフをそれぞれ動物にした理由はありますか

平野 Jリーグなどを参考にしました。Jリーグにはマスコットキャラクターがいます。それを参考にしつつ、狼の習性など動物につながる部分があったので、選びました。

井原 先ほど言ったように、応援歌の『吼えろ(ほ)早稲田の獅子』からライオンを選びました。歌詞の「わーお」にくんをつけたという単純なものなのですが(笑)。親しみを持ってほしいというのもあります。頭上の王冠もそうです。ライオンは「百獣の王」でもありますので、強いイメージもありますからね。それでライオンを選んだという背景があるのではないかと思います。

園木 私、アルフの名前の由来を聞こうと思ったのですが、ア式蹴球部の「ア」とウルフの「ルフ」…。

一同 (笑)。

――気づいてしまった感じですね…。

園木 はい…。

――平野さんと原さんは何かありますか

平野 応援する際にわーおくんも一緒に応援したりすることはありますか。

井原 ありますね。早慶クラシコなど早慶戦、新歓活動などお客さんと触れる場面で共に活動します。やはり応援部を知るきっかけとして、部員がアピールするのも良いのですが、抵抗がある人も一定層います。なので、わーおくんで応援部をアピールしていくことは重要だと思いますね。以前、『ゆるキャラグランプリ』にも出場したことがありまして。

平野・原 へー!

井原 マスコットキャラクターは一種の広告塔のような感じです。応援部に興味を持ってもらう入口になってくれればという感じですかね。なので、人が集まる活動などには出させていただいています。

――『ゆるキャラグランプリ』の結果はどうでしたか

井原 500体近くエントリーしていて、100位ちょっとでした。

――結構良い感じなんですね

平野・原 おおー!

佐藤 アルフも出ようぜ。結構上位いけるかも。

平野 アルフも参入(笑)?『ゆるキャラグランプリ』。

――わーおくんの身長は決まっていますか

井原 特に決まってないのですが、低い方が好ましいかなという部内の風潮がありますね。

園木 一応以前のインタビューでは125cmとさせていただいています。

佐藤 急ですが、質問があります。アメフトとのコラボでわーおくんがめっちゃ踊ってる動画を見たんですけど、わーおくんってダンス経験者なんですか。

井原 わーおくんはいろいろできるんで。

佐藤 オールマイティですかね。

井原 体張るの全然ウェルカムなんで。目標は第二のガチャピンですね。

一同 ああー。

井原 目指すはガチャピンですね。

佐藤 アルフも頑張ろうぜ。

平野 アルフ、動けないから。

――わーおくんはどのような役割を担っていますか

井原 わーおくんは公式Twitterをやっていまして。応援活動の宣伝であったり、季節の行事であったり、新入生に対してのアドバイスをしたりですかね。あとは、時事ネタのようなことを言ったり、世間の風潮に切り込んでいったりなどもしています。オールジャンルでやっておりまして。やはり早稲田大学応援部の堅いイメージを脱却して、身近に感じてもらうというところにつながります。広報や宣伝活動には力を入れています。広告塔ですかね。

わーおくんについて語る園木(左奥)と井原(中央奧)

――時事ネタに切り込むというのは

井原 基本的に時事ネタとかですね。成人の日に新聞を読んで切り込んだりしています。あとはバレンタインとかにチョコを作ってみたりですとか。

――ハッピーな感じの時事ネタに切り込むんですね

井原 政治とかに切り込むという感じではないですね。

――Twitterはどなたが動かされているんですか

園木 私を含め、複数人の部員で動かしています。

――ア式蹴球部にはアルフ班がありますよね

平野 はい、あります。

――そのような班は応援部にも存在しているのでしょうか

井原 基本的に応援部にはいろいろ部門がありまして。応援企画部門という応援を作るベースであったり。野球応援が基本ですので、明治神宮野球場の学生誘導部門でありましたり、さまざまな部門があります。3年生は補佐をしていて、広報部門があります。応援部の公式の広報活動を行っています。その中の管轄下でわーおくんのTwitterがあります。2年生に唯一任せられている広報活動がわーおくんですね。公式のものは3年生以上が回すという感じですね。一応、班みたいなものは存在していますね。

――アルフはア式蹴球部でどのような役割を担当していますか

 わーおさんみたいに一緒にプレーや応援はできないので、部の一員でありつつも部の活動を応援するという立場でみんなを支えるという立場でやっています。

平野 内部でのアルフの役割は原が言った通りです。外部だと、大学サッカー初のマスコットキャラクターで。大学サッカーを変える1つのきっかけになると僕たちは認識しています。部内もそうですが、部外でも「日本をリードする」という部分において、アルフは役割を果たしていると思います。

――他大のサッカー部でマスコットキャラクターがいる部は存在しているのですか

平野 関東ではいないと思います。

――唯一ということですか

平野 唯一ですね。

――アルフもわーおくんも定型語尾で話されています。アルフなら「〜ルフ」、わーおくんな「であるんである」と。これはなぜ採用されたのですか

井原 「である」というのは早稲田大学創設者の大隈重信の口癖で、多く言っていたという記録が残っているので、大隈重信の遺志を受け継いだキャラクターとして「であるんである」という言葉を使っています。

平野 結構伝統があるんですね。

井原 そうですね。

――アルフはいかがですか

平野 完全にウルフの「ルフ」を使っているだけですね。

――キャッチーな感じですね

平野 そうですね。

――コロナ前は新歓活動や早稲田祭などに行っていたのですか。体育各部に所属しない学生や地域の人と関わった部分で感じたものはありますか

井原 親しみやすさを持ってくれるという部分ですね。マスコットというのは他のサークルや体育各部にはあまりなくて、実際にマスコットがあっても着ぐるみはなくて。実際に新歓活動でビラを配ったり、公演の広報をしたりしている中でも、他のサークルにはマスコットがないのでわーおくんに注目されることがあります。「写真撮って良いですか」や「他のサークルにぜひぜひわーおくんを使ってください」みたいに他のサークルのSNSに登場したりしていました。やはりわーおくんというキャラクターが他の人と関わることで、応援部という組織がわーおくんを通して親しみを感じてもらえるというのは本当に実感しますね。

園木 結構、「わーおくん握手してください」と言われて握手すると「意外と手ゴツいんですね」みたいな(笑)。かわいいのは首から上だけです。結構そのようなところでわーおくんのキャラクター性を皆さんに気付いてもらって、直接つながるのはうれしいですね。

――他の学生、体育会以外の方と交流してアルフの役割や意義を実感した経験はありますか

佐藤 応援部さんと似ているのですが、ア式蹴球部の入り口になってほしいと思っています。大学サッカーそのものに興味がある人というのは意外と少なくて、普通の関東リーグを見に来てくれる人はなかなか少ないです。それでもア式蹴球部を知ってもらって、早慶戦などに来てもらって、どんどん好きになってもらって、最終的にはサッカー界を盛り上げていけたらと思っています。そういったところで接点作りというのはアルフには求めていますね。自分たちの代は行ったことはないですが、サークルのイベントや早稲田祭などに出ることで、体育会の組織を直接知らなくても認知してくれるので、アルフを積極的に使おうというかたちです。

――2019年に東伏見のスポーツクラブとコラボされていましたが、これらのコラボはア式蹴球部の方から声掛けを行っているのですか

平野 こちらから行って交渉するかたちです。

――ここまでで気になる部分はありますか

井原 町の人との触れ合いはやはり良いなと思っています。応援部ですと、高田馬場や早稲田近辺の飲食店や街の人と関わりがあります。ラーメン屋に行くと無料でサービスをしてくださったり、「頑張ってね」と声掛けをしてくださったり、「この前の試合行ったよ」と言われると励みになります。早稲田大学という町柄もあると思うのですが、やはり町の人とのつながりは大切ですね。町の人や応援してくれる人あっての応援部だと思っています。人と関わることで自分たちの存在意義を認識することができるなと思います。

平野 僕たちも本キャン(早稲田キャンパス)の方へ出向いてお店紹介をしたいです。応援部さんが大盛り無料と聞いて面白いなと思ったので、アルフとわーおくんで手をつないでお店紹介の企画ができると良いなと。応援部さんとア式蹴球部、そして地域の方々を巻き込んだ広報活動ができるのかなと感じました。ぜひ、これをやりたいですね。

 自分たちも日頃から東伏見近辺のお店には行かせていただいていて。部員たちやアルフのことを告知してもらうのもそうなのですが、自分達もお店を発信していくというのもやりたいです。お店を発信をして、ア式を知っている人がお店に足を運んでくれたらうれしいなと思います。少しでも恩返しできるようにという企画です。応援部さんもそのようにやられていると言われていたので、自分たちが何を還元できるのかというのを考えて企画を組んでいきたいなと思います。

アルフとア式蹴球部の広報活動の今後について話す平野(左)と原

――SNSに力を入れているのも部に対して親しみを持ってもらうためですか

井原 そうですね、マスコットなしの応援部では、体育会の部活という堅いイメージが付いてしまうので、わーおくんが一種の架け橋になってくれると思います。わーおくんがゆるキャラという広告塔になることで、応援部に興味を持ってくれる入り口、架け橋になってほしいです。応援部の広報という役割だけでなく、日頃の時事ネタやおふざけの動画を撮ってみたりして、「応援部ってキャッチーなこともしてるんだな」、「面白そうだから神宮に応援に行ってみようかな」という一つの導入になってくれたらうれしいです。なので、SNSの投稿はフランクさを心掛けています。

平野 まず内部発信として選手を知ってもらった上で、実際に試合に見に来てもらって、1人でも多くファンとしてア式を応援してもらえるようにSNSを活用していきたいと思っています。もう一つは部外に向けての発信ですね。大学サッカー界初のマスコットキャラクターなので、大学サッカーを象徴するマスコットとしてリードしていく部分を発信していって、大学サッカーをさらに認知してもらって盛り上げたいと思っています。

――Twitterでの企画はどなたと協力して考えられるのですか

井原 わーおくんに関しては、2年生が主体的に企画しています。去年僕たちも2年生のときに企画することが多かったのですが、過激なことをしない限りは何でも大丈夫なので、2年生の部員同士で「こういうことやりたいな」と話して協力してくれています。

平野 アルフのための企画も主に2年生と3年生が考えています。選手紹介はもちろん、バレンタインなどの時事ネタもやっています。アルフの意義が「ア式を知ってもらう」という導入の要素にあるので、そのためにはサッカーが好きじゃない人に親しんでもらえる企画をしています。

――マスコットキャラクターのSNSで新たに発信していきたいことはありますか

井原 目標にしているガチャピンがYouTubeでスカイダイビングや『太鼓の達人』、ドラムに挑戦しているので、「わーおくんが踊ってみた」のような体を張った流行りものの企画をやってみたいです。

平野 話したことがあるのは、Jリーグのマスコットとのコラボです。Jリーグのチームはマスコットが各チームあると思うので、早大ア式蹴球部からプロに内定した選手のチームのマスコットキャラクターとのコラボであったり、内部に収まらないことには挑戦したいです。

――部のSNSアカウントとの使い分けはどのようにされていますか

井原 応援部は基本的に試合の広報活動は部の公式アカウントで行っています。端的に言うと、わーおくんが主役か部員が主役かの違いだと思います。応援部公式アカウントでは部の広報活動に力を入れていて、部員が被写体となることが多いですね。わーおくんのアカウントでは、わーおくんが主役となった投稿をしています。応援部の公式アカウントでは、他の体育各部の観戦ツアーの宣伝も行っています。この前もスケート部ホッケー部門の観戦ツアーを行いました。広く応援に関する宣伝を行っているのが公式アカウントで、宣伝をやりつつもキャッチーなイメージを持ってもらうための発信をしているのがわーおくんのアカウントです。

――ア式蹴球部も使い分けをされていますよね

 公式アカウントでは、お知らせなどをメインに発信していて、アルフのアカウントは広報活動の一部として使っています。アルフのアカウントでは、試合のカウントダウンだったり、時事ネタだったり、選手やア式を発信する意味を込めて発信しています。

――応援部ではこの度『わーおくんショップ』を開設することが発表されていましたが、狙いはそういったところにありますか

井原 今回『わーおくんショップ』が開設される前も、応援部のショップとして部員が着用しているマスクや10月の早慶戦の前夜祭とも呼ばれる『稲穂祭』の記念ピンバッジや、応援の模様のDVDや臙脂(えんじ)のTシャツを販売していました。ですが、今回「わーおくんショップ」を立ち上げたことで、わーおくんのスマホケースやTシャツ、ノート、汎用性のあるグッズを発売するので、応援部グッズを手に取っていただく機会が増えると思っています。応援部の公式ショップからグレードアップしたものとして、ネット上で販売していきます。

――ア式蹴球部でも今後そのようなグッズショップを展開したいですか

平野 自分たちの代で実現できるかは分かりませんが、早慶戦のときには、ア式のマークのグッズだけでなく、かわいさのあるアルフをモチーフとしたグッズを販売しています。応援部さんの話を聞いてグッズの販路を広げていきたいなというのは素直に感じました。

――マスコットキャラクターの活動をこれからどう進めていきたいですか

 今はコロナでできていないアルフとサークル活動とのコラボをしたいです。関東リーグなどの試合に来てもらうきっかけにしたいというのもあります。一番大きな目標である早慶戦の学生集客のためには、ア式を知ってもらう必要があるので、人数が多いサークル、団体に向けてアピールしていきたいと思っています。

井原 わーおくんはコロナ前はもっと人前に立つ機会があって、野球応援にも頻繫に来ていたのですが、最近だと早慶戦の応援に行くくらいでした。ですが、最近人前に立つ機会が増えてきたんですよ。なので、新歓活動をはじめ、それ以外でも町の人たちともこれからも触れ合っていきたいと思っています。元々は箱根駅伝などで遠くに行ってわーおくんと応援していたので、遠くの応援活動でもわーおくんがいることで、新たな応援部への導入ができたらと思っています。今まで駅伝には興味があっても早稲田には興味がなかった人にわーおくんを知ってもらえる機会になると思うので、いろいろなところに出向いてわーおくんを認知してもらいたいです。

――わーおくんとアルフのお互いの第一印象の変化はありましたか

平野 言い方が悪いんですけど、特徴は「頭だけ」なのかなと思っていましたが、スタイルや伝統、応援歌からくみ取った名前であることを今回知れて、マスコットキャラクターを作っている同じ早稲田大学の体育各部生としてリスペクトしていきたいと感じました。これからも一緒に企画を行っていきたいです。

園木 大学のサッカーでマスコットキャラクターがいるのが早稲田大学くらいということで、サッカーを盛り上げていく中で、大学サッカーでマスコットキャラクターをやっているパイオニア的な存在だと思います。言い方難しいですけど、単ににぎやかす存在ではなく、日本のサッカーを盛り上げていく目的意識があって。それらしいことを言えば、早稲田大学の「進取の精神」が反映されていて。

一同 おぉー。

園木 早稲田大学にとどまらずサッカー全体を盛り上げてくれるようなキャラクターになっていくと思います。

――原さんはいかがですか

 今までは応援部さんのマスコットキャラクターをあまり知らなくて、この前の新歓活動で知りました。「アルフは全身なのに、わーおくんは頭だけなんだ」ということは思っていたんですけど、「部員の一員」だから制服を着ていることを聞いて、自分たちのアルフの「部員の一員」とはまた違ったかたちだと感じました。アルフについて考える上でも新たな学びになったと思います。応援部さんがわーおくんを含め伝統を大切にされていて、尊敬したいなと思いました。

井原 アルフという存在が大学サッカーのパイオニアで、「進取の精神」と園木が言ってくれましたが、早稲田スピリットが早稲田大学の土壌として根付いていて、それがアルフというかたちになったのは、早大生としてすごいと感じましたし、早稲田大学がそれを実現できる環境であることにもすごさを感じました。あとは、応援部も町の人と関わっていますが、ア式蹴球部さんが町の人と関わって広報活動をやっていることを聞くと、マスコットを人に認知してもらうという意味でも、広報活動の大切さを感じました。マスコットという同じ存在として、ア式蹴球部さんの高いモチベーションを見て、応援部も広報活動や交流を頑張っていこうと思いました。

――これから部の広報活動をどのように展開していきたいですか

井原 SNSのフォロワー数を増やしたいというのがありまして。現在わーおくんのTwitterが5900人ちょっとで、応援部の公式Twitterが15000人ちょっと、公式Instagramが5000人ちょっとという状況なのですが、早稲田大学応援部として発信を続けてより多くの方に知っていただけることが一番良いことだと思っています。なので、より知っていただけるように今後も応援活動を続けつつ、今までやってこなかった新機軸の企画を行ってファン層を拡大して、いずれはフォロワー数を増やしたいです。早稲田大学応援部の存在をアピールしていけるように、部員であらゆる広報活動を頑張っていきたいです。

――フォロワー数などの具体的な目標はありますか

井原 わーおくんのTwitterを6000人から7000人にしていきたいと思っています。応援部の公式Twitterは20000人、公式Instagramは7000人を目指したいです。YouTubeもやっています。

――YouTubeもやられているんですね

井原 やっています。登録者が今8000人くらいいますね。

 え、すごい。

一同 (笑)。

井原 10000人にのせたいですね。とにかく広報活動に力を入れて、登録者数を増やせるように頑張っています。

――ア式蹴球部は具体的な目標はありますか

平野 部で掲げているのが「日本をリードする存在になる」ということなので、マスコットキャラクターも含め、「日本をリードする」「大学サッカーをリードする」ような広報活動をしていきたいと思っています。

――ありがとうございました!

(取材 水島梨花、横山勝興、写真 栗田優大、田島璃子、早大応援部提供)

集合写真に納まるわーおくん、井原、平野、アルフ(左から)

◆わーおくん(※写真左)
 2013年4月4日生まれ。約125センチ。野球の早慶戦をはじめ、さまざまな応援活動に参加するわーおくん。新紙幣の発行が迫る中、趣味である福沢諭吉の1万円札の両替にこれ見よがしに励んでいます!

◆井原遥斗(いはら・はると)(※写真中央左)
 2000年3月24日生まれ。埼玉・熊谷高出身。教育学部3年。数々の質問に対し、主体的に回答してくださった井原さん。わーおくんと広報に対する熱意は応援部内では誰にも負けません!

◆平野右京(ひらの・うきょう)(※写真中央右)
 2001年10月15日生まれ。173センチ。兵庫・滝川高出身。人間科学部3年。「対談、植村(洋斗、スポ3=神奈川・日大藤沢)とか平松(柚佑、社3=山梨学院)とか奥田(陽琉、スポ3=柏レイソルU18)とか森璃太(スポ3=川崎フロンターレU18)ばっかり…俺も入れてくれ。ぜひ、よろしくお願いします!」「ア式蹴球部のYouTube見てください!!」と宣伝をしてくださいました。YouTubeでは、大変面白い企画に部員さんたちがチャレンジされています。必見です!

◆アルフ(※写真右)
 1924年7月1日生まれ。約165センチ。都の西北の森出身。先日公開された那須大亮さんとのコラボ企画で行われたシャトルランの記録は5回。運動はあまり得意ではないようです。懸命に走る愛くるしい姿は見るものを魅了します!

◆原壮温(はら・まさはる)
 2003年2月20日生まれ。175センチ。東京・日野台高出身。教育学部2年。アルフへの愛をこめて真摯に語ってくださいました。「関東リーグに出れるように頑張っていきます。ミスを取り返せるように頑張ります!」と力強いコメントを残してくださいました!

◆園木俊成(そのき・としなり)
 2000年10月21日生まれ。千葉・県立船橋高出身。社会科学部2年。応援部の活動の合間を縫って武蔵野アブラ学会に足しげく通い、ポイントカードのランクアップを成し遂げたそうです!

◆佐藤慧一(さとう・けいいち)
 東京・早実高出身。政治経済学部3年。いつも笑顔がまぶしい佐藤マネジャー。「僕って変人じゃないですよね?」と確認するお茶目な一面もありますが、さりげなくフォローに入られる姿はまさに『仕事人』!

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