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2022.05.02
【新歓企画】『早スポ柱対談』第3回 及川知世×湯口賢人
第3回には、競走部取材の柱を担う2人が登場。競走チーフを務める及川知世(文構3=東京・国立)と、業務チーフを務めながら、競走を中心にさまざまな競技の取材に足を運ぶ湯口賢人(商3=長野・松本深志)の2人。競走という競技の魅力から、早スポで取材をすることの楽しさまで、幅広く語っていただきました! ※この取材は4月13日に行われたものです。
(早スポは)ただのファンじゃできないことができる
臙脂(えんじ)色のユニホームがトレードマークの競走部
――早スポに入った経緯について教えてください
及川 私めっちゃ何段階もあって、一番面白いと思います(笑)。まず、もともとフィギュアスケートと競走がすごく好きで、両方とも早稲田に好きな選手がいて、早スポの記録速報などにもお世話になっていたので、早稲田大学に入ったら早スポに入ろうと思っていました。次に、永井優香さん(令3社卒)がとても好きだったのですが、4yearsの記事で大学で競技を辞めてしまうと知って。計算してみると私が(大学)1年生の時に(永井選手が)4年生で被るので、もしかしたら永井優香ちゃんとお話をさせてもらえる機会があるかもしれないということで、早スポに入りたいと思いました。私は文章を書くのが苦手で、別にファン(のまま)でも良いかなと思ったこともあるのですが、60期の競走チーフの岡部さんが2020年の東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)後に出していた、今4年生の井川龍人(スポ4=熊本・九州学院)の番記者の目という記事がすごく良くて。早スポってメディアなので、ある程度距離を保って「メディアです! インタビューします! 帰ります!」という感じかなと思っていたのですが、その記事が本当に愛に溢れていて。早スポってこういう愛に溢れた人がいるんだと知って、絶対受験に受かって早稲田に入ろう、早稲田に入ったら早スポに入ろうと思いました。
湯口 早スポに入ろうと思ったのは、早稲田に合格した後、1年生の4月とか5月だったと思います。同じ高校の先輩で昨年主務をやっていた平林先輩(平林幹太、前主務、女子バレーボールチーフ)のTwitterを見て、僕もずっとスポーツが好きだったので入りました。親の影響で箱根駅伝は毎年見ていたので、もとから興味があった早稲田のスポーツに関われるということ(も理由の一つです)。あと小学校からずっとバドミントンをやっていたのですが、(早稲田大学には)今年卒業した大林拓真選手(令4スポ卒=現トナミ運輸)や、今年4年生の緑川大輝選手(スポ4=埼玉栄)がいます。ずっとトップレベルで戦ってきて、インターハイで優勝しているような人たちにインタビューできたりとか、直接関われたりする機会があるのは早スポしかないなとも思いました。
――早スポのどういった点に惹かれましたか
湯口 一つ言うとしたら、ただのファンじゃできないことができるということかな。一ファンがそのまま選手に話を聞きに行こうと思ってもまずできません。目的を持って、記者という立場で選手とお話をして記事を書くということにすごくやりがいを感じます。あとは他のサークル(に入る)という選択肢もあったけれど、僕はずっとスポーツに関わってきたので、やっぱり何か自分の力が生かせるサークルに入りたいという思いもあって、早稲田スポーツ新聞会に惹かれました。
及川 言いたいことを全部言われてしまったな(笑)。私はもともとスポーツを見るのが好きで、陸上とかも見に行っていたので選手と話してみたいなと思ったこともありましたが、与えられた役割があるとやりやすいですね。陸上の競技会だと観客と選手が入り交じるんですけど、そこでただ見ているだけではなくて、写真を撮ることとか、何か役割があるととても過ごしやすいかなとは思います。
――昨年の役職について教えてください
及川 フィギュアスケートのチーフです。
湯口 日本拳法チーフです。
――その役職についた経緯について教えてください
及川 私たちの代はそもそも(早スポへの)入部が12月とかで、マイナーチーフの募集が1月とか2月でした。ほとんど取材に行ったことがないままマイナーチーフになって。とりあえず行きたい部活のチーフになる感じでした。私はフィギュアチーフは人気かなと思ったので恐る恐る前任チーフに連絡を取って、兼サーもしているし競走の取材も行きたいから他にやりたい人がいたらチーフはやらなくてもいいかなって思ってたんですけど、前任チーフから「全然いないと思っていたからうれしい」と言われました。しかも最後永井優香さんに卒業記念の取材をさせてもらえるかもと言われて、チーフになりました。
一同 おお〜。
及川 行きたい部活のチーフになるという流れだったので、私はフィギュアスケートのチーフになったという感じです。こんなに大変だと思っていなかった(笑)。
湯口 僕は第一希望が日本拳法というわけではありませんでした。もともとバドミントンのチーフになりたかったんですけど、僕を含めて二人希望する人がいて、抽選の結果バドミントンチーフにはなれなかったんです。でも(早スポに)いるからには何かしたいし、2年生の頃から経験を積みたかったし、早スポにいる自分の役割というかアイデンティティが役職に就くことで確認できると思っていたので、何かには就こうと思っていました。その中で新歓でずっとお世話になっていた末次先輩(末次拓斗、一昨年の日本拳法チーフ)に「やってよ〜」と言われて、確かに第一希望はもう締め切られていてめぼしい部活がもう残ってなかったので、日本拳法のチーフを務めることになりました。
(取材をすることで)その演技に関わることができた
選手の喜びを間近で見られるのも早スポの魅力
――特に印象的だった取材を教えてください
及川 私この質問絶対聞かれると思って考えてきたんですけど、五つから絞れなくて(笑)。
一同 五つでも大丈夫です(笑)
及川 じゃあ五つ、時系列順に話します(笑)。一つ目は一昨年の漢祭り。漢祭りは毎年大晦日に行われている、早稲田大学の競走競技会です。そこで箱根駅伝を走れなかったメンバーが景気づけみたいな感じでトラックを走って、1万メートルで優勝した選手が次の年の「漢」になるという名物のレースなのですが、大体4年生が優勝するとチームが盛り上がります。そこで4年生の時に(箱根駅伝の)エントリーに外れてしまった、住吉宙樹選手(令2政経卒)という方がいました。その選手は早稲田の競走部に入りたいから早実を目指していたのですが駄目だったので、早大学院から「早稲田大学で箱根を!」と目指して頑張って。政治経済学部に入りながらCチームからどんどん上がって、3年生でようやくメンバー入りして、でも(箱根駅伝を)走れなかったので4年目こそは、というような選手だったのですが、結局12月10日のエントリーの前に体調を崩してしまって、怪我もして結果エントリーに入れなくて。そういった選手は(例年)一発漢祭りで花を咲かせるのが目標だったのですが、それも怪我の影響で1万メートル32分と本当に駄目なレースになってしまって。その後インタビューをさせてもらった時、明るくインタビューに答えてくださっていたけれどどこか悲しい目をしていたというのが、すごく印象に残っています。とても引きずって、その日帰ってちょっと泣きました。それこそ入学する前から見ていた選手なので。(箱根駅伝を)走ってほしいなと思っていたんですけど駄目で、「漢祭りで!」というところもうまくいかなくてという感じだったのに、すごく明るく「そんなこと言われたら泣いちゃうね〜ははは」みたいな感じで答えてくれていた時の顔は、今でも思い浮かびます。 二つ目はまたちょっと毛色が違います。昨年の箱根の事後取材はZoomで行ったのですが、選手の方が来なくて(笑)。40分待たされた後に、「寝てた」と言われました(笑)。それはまた別の意味で印象的ですね。 三つ目、四つ目は全日本フィギュア(全日本フィギュアスケート選手権大会)での取材です。まず一つは「あゆしん」という高浪歩未選手(国教3=ケイ・インターナショナルスクール東京)と西山真瑚選手(人通3=東京・目黒日大)のアイスダンスのカップルの取材。昨年3月に結成して、ずっとカナダを拠点にしていた選手たちなのでその年末の全日本選手権で初めて国内で演技をしました。純早稲田カップルはすごく珍しいので、結成してすぐにZoomでインタビューしました。9月、10月は夜中にカナダのライブストリーミングとかを見て記事を書いていたので、2人が日本にいるということにまず感動して。しかも高橋大輔選手とかが2位の大会で、(2人は)3位になって、2人とも早稲田ジャージを着て表彰式に出てきて、アナウンスで「早稲田大学」とコールされて。そしてすごく良い演技をして、さいたまスーパーアリーナ(の観客全体)がスタンディングオベーションをしたというのに本当にめちゃめちゃ感動しました。そこでまず1回泣いて(笑)。まあ全日本で全体的には4回泣いているんですけど(笑)。 四つ目が、早稲田の選手で(私が)もう一回泣いた石塚玲雄選手(令4スポ卒)の演技です。これは本当に私の早スポ人生のトップ(の取材)です。石塚選手は全日本選手権に過去3年連続で出場していたのですが、ショートプログラムでフリースケーティング進出がかなわなくて。4年目で引退をすると表明していた選手なので、昨年は絶対にフリーを滑って終わりたいと決めていました。その目標のために最初からフリーを全日本選手権で滑りたいという思いでプログラムを選んだり、その思いをシーズンを通してインタビューなどでも聞いていました。すごくファンも多い選手だったので私もラストイヤーの石塚選手のためならと思って滋賀に取材に行ったり、日程を押して競走の取材に行ってからフィギュアの取材に行ったりもしました。本当にすごく頑張って取材をしてきて、ずっとインタビューで話を聞いてきた伏線が全部回収されて、4年目の全日本選手権ではフリーに進出できて、さらにフリーで今までで一番良い演技をしてガッツポーズが出て会場内はスタンディングオベーションという感じだったのが本当に忘れられません。取材してきて良かったなと思いました。観客の声援などもパワーに変えられる選手なので、シーズンを通して無観客試合がどうしても多かった状況で私が取材に行って写真を撮って、発信して、ファンの人たちが「こういう演技だったんだ」というのを早スポを通して知ってくれていた中で、やっと観客が入れた全日本選手権で良い演技につながったというのが、(取材をすることで)その演技に関わることができたのかなと感じられてすごく嬉しかったです。あと単純に、私がいたカメラマン席のすぐ近くが観客席だったので、(演技が)終わった瞬間に観客がブワっと立ち上がっているのが見えて本当に涙が出ましたし、一緒に(取材に)行っていた62期の中島美穂さんも隣で泣いていました。明スポさん(明大スポーツ新聞部)とかにも「玲雄くん(石塚選手)良かったね」と言われて。あれは本当に良かったです。 五つ目は最近なのですが、卒業記念取材の番外編みたいな感じでやった、競走の半沢黎斗選手(令4スポ卒)と向井悠介選手(令4スポ卒)の引退生対談です。私は本当に半澤選手と向井選手が入学前からずっと大好きで応援していて、もし(2人が)箱根を走れなかったらこの対談をやろうと思っていました。箱根を走れたら事後対談みたいなかたちで話を聞けるのですが、走れなかったら話を聞かないまま終わってしまうので。結果(2人は箱根駅伝を)走れなかったので引退生対談で話を聞いたのですが、それが本当に惨(むご)くて。向井選手はずっと怪我が少なくて、継続して走り込んでいた「努力の天才」という感じの選手で、1年と3年の時にはメンバー入りをしたけれどあと一歩のところで(箱根駅伝を)走れませんでした。4年目にかけていたけれど、夏前に疲労骨折をして(箱根駅伝の)エントリーに入れなくて。そのような選手は漢祭りを目指すのですが、その前にも怪我をしてしまって漢祭りも走れなかったということを対談ではすごく淡々と喋っているのを見て、本当に心が痛みました。半沢選手は、ずっと6区のエントリーが半沢選手か実際に走った栁本選手(匡哉、スポ3=愛知・豊川)か分からない状況でしたが、前日の夕方に栁本選手が走ることを聞かされたみたいで。箱根前のチームの雰囲気を半沢選手が保っていたということを他の選手から聞いていたので、「自分もチームのためというところに徹するのではなくて、絶対に自分も走るという思いでその2日目の夕方までいたし、次の日のレースプランなども考えていて、絶対に自分が走った方が速いと思いながら準備をしていた」という話を聞いて、その時は泣かなかったけれども4日間くらい引きずりました。今もちょっと泣きそうなんですけれど。本当に切ないなと思ったのが、忘れられないです。
湯口 俺はそんなにドラマチックではないんだけど(笑)。取材できること(の大切さ)を実感できたという意味で思い出に残っている試合が三つあります。一つ目は10月頃の、日本拳法の全日本学生選手権です。日本拳法はずっとオンラインの取材だったので、初めて日本拳法部の皆さんと(対面で)会えたのがその試合でした。先ほども言ったように、最初は「本当はバドミントンのチーフが良かったのになあ」という気持ちでしたが、取材を通して選手たちの暖かさに触れたりだったりとか、あと写真は撮れませんでしたが、「記事を書いて下さりありがとうございます」と言って頂いたりして。オンラインでも取材はできますし記事も書けるんですけど、いざその大会に足を運ぶことで撮れる写真や選手の生の声というのは、改めて対面で取材をすることで得られる幸せだなと。今までも(取材自体は)できていたことですが、ありがたいことだったんだなと思い知らされました。その後いろいろな取材が終わって、早稲田は優勝を目指していましたが負けてしまって、選手も悔しい中で俺に対して太田主将(翔一朗、令4先進卒)が早スポの人に挨拶しようと声を掛けて、結構な人数の部の人が出てきて「一年間ありがとうございました」と言ってくれました。最初は不本意な(日本拳法チーフへの)就き方でしたが、一年間を通して取材ができることの大切さとか、自分が書いた拙い記事や写真が、選手の家族などに影響を与えるのかなということを強く感じました。その大会自体にももちろん思い出がありますが、その大会が終わった後にしみじみと感じたというのが大きな思い出ですかね。 二つ目は僕が競走取材に行くようになったきっかけです。日程が空いているからということで、駅伝シーズンが始まる前に対談をやったんですよ。僕が担当したのは伊藤くん(大志、スポ2=長野・佐久長聖)と石塚くん(陽士、教2=東京・早実)でした。参加した理由は伊藤くんが僕と同郷だっていうのと、あとは1年生だから(対談の)予習が少ないかなと思ってやって挑んだということで、まあ不純と言ったら不純なのですが(笑)。そういう動機で実際話してみたら、石塚くんと伊藤くんがすごく喋りやすくて。僕が競走のどこに興味を持ったかというと、その競走という競技に対する面白さというよりは、その競走部に所属している人の心の温かさとか感情かなと思います。なので、対談を通していろいろ話して、結局僕は伊藤くんの番記者になったこととか、そういうところも含めて、思い出というよりはきっかけになった取材だったのかなと思います。 三つ目は、昨年の年末に行われたバドミントンの全日本選手権で、僕はそこに1日だけの参加だったんですけど、そこで僕はずっと応援していた緑川選手がシングルスとかダブルスで出場して、それを間近で観ている中で、はっきり言ってしまえばずっとバドミントンをやってきた中で僕は県大会とかで止まってしまったりしてたんですけど、緑川選手はいつも日本のてっぺんを取ったりしている選手で、普通の生き方をしていたら会うことはないなとずっと思っていました。ただその全日本選手権の取材を通して、やっぱり目の前で写真を撮れたりとか、ミックスゾーンでの取材ができたりして。その全日本選手権の前にちょっと試合とかがあったんですけど、その時も取材をさせてもらってて、その中で緑川選手と、まあこういう言い方もあれかもしれないんですけど、自分が絶対に会うことができない選手に対しても色々と対等にお話をすることができて、それを記事にすることができるっていうのは非常に思い出深かったです。ただこれに関しては僕がずっとバドミントンやってて、憧れというところもあったので、憧れ補正がかかっていて、それが思い出の取材だったかなとも思います。
(チーフの仕事を通して)早スポに貢献できていると感じる
――現在の役職は
及川 競走班のチーフです。
湯口 業務チーフです。
――その役職で具体的にどのようなことをしていますか
及川 競走の取材をしています。
湯口 業務チーフは基本的に新聞の製作費を確保するために企業さんや町の商店さんに声をかけたり営業をしたりして広告費を頂くやりとりをするという仕事をやっています。
――現在の役職の魅力は
及川 大会の取材は誰でも行けるけど、対談を組むのってチーフだから、それこそ今年引退生対談って今までやっていなかったんだけど、今年どうしても特に短距離は最後の大きい大会である全カレとかはコロナで取材は入れなくて、それなのにめっちゃいい記録を持っているのに辞めちゃう人が多すぎて、このまま話をせずに終わるのは無理があるんじゃないかなと思って、それで絶対(対談を)やろうって年末ぐらいに決めました。あとは箱根駅伝を走れないまま(競技人生が)終わっちゃった人の話を聞く機会って今まで基本なかったから、思い入れがある選手っていうのもあって取材しておくべきなんじゃないって個人的な気持ちも含めて対談を組んだっていうのはチーフ権限だけど、やってよかったかなって思うかな。対談を組めるっていうのがでかい。競走じゃないけどチーフっていえば(昨年チーフを担当した)フィギュアも全日本前に意気込みインタビューをしたんだけど、それも私がチーフに就く前の年はやっていなくて。でも全日本前にインタビューできたら早スポがこれから全日本を取材する宣伝にもなるし、意気込みをもらっていると記事が書きやすいと思って企画しました。そういう対談とかインタビューを企画するのはチーフに限るし、チーフの良いところだと思います。チーフじゃなくても取材は出来るけど、チーフの良いところって言ったらそういうところかな。
湯口 そもそも僕は商学部っていうことと後はお金が好きっていうのもあって(笑)、あと業務チーフは昨年1回目の募集で誰も出ていなくて、これは裏話というか俺の意図になってしまうんですけど、こんなに簡単に大きな肩書きを持てる機会をみんなはなんで逃しているんだろう、勿体ないなと思いながら業務チーフになったんですよ(笑)。そしたらそれ(業務チーフになったこと)は正解だったかなと思います。実際業務の仕事を通して他の学生よりは企業の方とお話しする機会が多かったし、大人と話す機会が多くなったというのは営業の利益面を除いたとしても、自分が持っていない感情とか考え方を向こうの人は根底に持っているので、それを学んだりとかこの会社がこういうやり方をするならじゃあうちもこうしよう、というように考えられるのはすごく楽しいなと思っています。あとは、広告のやり取りの中で自分が持ってきたお金っていうのが、うちは営利団体じゃないから利益とか関係ないけど、新聞っていう紙面に対してみんなが不自由なく好きな面を作ったり、面数増やしたりとかカラーにしたりっていう選択肢を多分に増やせるのはやっぱり業務の仕事だと思います。そこでお金を取ってくるということに対しては、お金ってどうしてもいっぱいあると汚いイメージっていうのはあると思うんですけど、ただ、絶対にないよりあったらいいみたいな感じなので、早スポに対して貢献できているとすごく感じています。
――早スポに今クライアントはどれくらいいるのですか
湯口 全部は数えてないんですけど、たぶん小さい顧客とかだったら20、30とか。大口の企業さんとかだったら少なくなって15あるかないかくらいかなと思います。
――結構いるんですね
湯口 そうだね、でもそこのやりとりを自分が全部やるわけじゃなくて業務班の子たちに手伝ってもらっています。結局業務班はみんなのおかげで成り立ってできています。
――現在の役職以外でよく行く競技は
及川 競走以外だとフィギュアしか行かないかな。でも野球に2回だけ行ったことがある。昨年の春の大会でカメラ2回だけ、慶応取材で撮って、山崎さん(山崎航平、昨年の野球班チーフ)に「写真やっぱうまいね~」って言われて「やった~」ってなったことくらいしか記憶にない(笑)。
――野球にもう一回行きたいとかありますか
及川 でも全部(競走班の取材日程と)被っちゃうし、野球班は組織立っているから早いじゃん、シフト(が決まる時期)が。先に入れちゃった(野球の)取材が競走と被ったことがあってめっちゃ悲しかったから、もう秋は行かんかなってなった(笑)。でも野球は普通に好きですね、プロ野球も好きだし。だから体が三つぐらいあれば行けるって感じかな(笑)。
湯口 俺は昨年から(他の班への取材参加が)止まっちゃっていて、今はまだ取材の募集とか入ってないんですけど、日本拳法とバトミントンはこれからも行きたいなと思っています。それで最近予定が空き始めてサッカーにこの間初めて行って、記事は書けないんですけど、写真を撮るのがすごく楽しいなと思ったので、ア式の方にもどんどん顔を出していきたいなと思っています。
及川 行って見たい班はあるんだけどね。
――どの班に行きたいですか
及川 私は高校が少林寺拳法強くて、割と身近だったから見る習慣が普通にあって、友達の応援とかで行っていたから、少林寺拳法をみるのがそんなに抵抗がないので行ってみたいです。あとアーチェリーとかもオリンピックの時に結構はまって見ていたから、アーチェリーも行きたいな~、野球も。あとラグビーも普通に見るの好きだし、あと小さい頃バドもやっていたからそれで好きだしって感じで結構スポーツ全般見るから、写真とかは全然(撮りたいん)だけど、時間がないから…。
自分のやった仕事が目に見える形で残る
湯口さんが番記者を担当している伊藤大志選手(スポ2=長野・佐久長聖)
――早スポに入ってよかったことややりがいは
湯口 入ってよかったことはやっぱ面白いやつに出会えたのがいいなとは思いますね(笑)。根底にはみんなスポーツが好きっていうのがあるので、その中で同じ土俵じゃないですけど、自分からいろいろ聞いたりとか自分が話したりとか、教えてもらったり学んだりといった機会がすごく多いなっていうのはすごくあります。スポーツ以外に関しても、役職とかになってくるとスポーツを取材することよりも運営のところに結構比重が重なってきて、ただその中でも諦めずにしっかりやってくれる子とか吉岡(今年度の編集長)とか、落合(今年度の主務)に関しては頑張って盛り立てようとしてくれているから、そういうところも含めて人的なところではすごく恵まれたかなと思っています。やりがいは、選手が取材後に「ありがとうございました」って言ってくれたりとか、SNSで自分の撮った写真を使ってくれたりとか、そういう小さいところではあるんですけど、そこに喜びを感じています。自分のやった仕事が目に見える形で残ることが僕にとってはすごく幸せなことだなと思っています。
及川 私はやりがいはそれこそSNSとかも結構フィギュア(の選手たち)も挙げてくれるんですけど、早スポってこういうことだって思ったのが1個あって、昨年度フィギュアの主将の石塚玲雄君が「取材してもらえることによって自分自身のフィードバックにもなるし、取材に来てもらったら頑張ろうと思えるし、全日本レベルじゃない子たち、ローカルの子たちも分け隔てなく取材してくれることによって自分のその日の競技のフィードバックとかにもなるし、それによってモチベーションになるから、ありがたい存在だ」みたいなことを言ってくれました。他の選手も「取材してくれることがすごいモチベーションになっている」と言ってくれたりして。まあそういうことは結構言ってくださる選手多いんですけど、特に石塚玲雄君は(早スポが)取材して言葉で発信してそれを原動力に変えていくタイプの選手で、最後に結果が残せて、「1年間ありがとうございました」って言ってくださったのが早スポってこうあるべきだよなっていうことをものすごく思ったかな。それと早スポ入って良かったなって思ったのは、私は島田高志郎君(人通3=岡山・就実)がとても好きで、小学校の時に見た全日本の後のメダリストオンアイスでノービス優勝した時に出ていたと思うんだけど、それを見た小学生の時にこの子は同い年だけど、絶対有名になるだろうから覚えておこうと思ったんですよ。1個上2個上(の学年)とかだったらあの選手がいるから(早稲田に)入ろうとかあるけど、同期ってないじゃん、そういうの。だからたまたま(通う大学が)一緒になって、しかもフィギュアチーフとしてたまたま関われてすごく不思議だなという感じです。
――早スポに入って大変だったことは
及川 全部。
一同 (笑)
湯口 締め切りがあるものは全部駄目ですね。基本先代と違って俺は先延ばしにしてしまうので(笑)。実際現在進行形で遅れている仕事もあるので、やらないといけないなと思いつつも本当に締め切りってなんであるんだろうみたいな(笑)。あと大変だったことは字起こしですね。
一同 あ~。
湯口 タイピングが遅いというか慣れるまでは結構大変だったので、やっぱり取材している中の幸福感のまま終わりたいんですけど、最後に字起こしが待っているので、それはちょっと致し方ないんですけど、まあしょうがないかなって。
――対談とか本当にそうですよね
湯口 この後君たちも大変だから。
一同 (笑)
――及川さんは全部大変ですか
及川 ベースはそんな感じであとは普通に体力的にきついことが多いかな。今はちょっと慣れちゃったけど、四六時中取材のことを考えているみたいな、生活の占有度が最初はちょっと苦しかったけど、まあ今は慣れたかな。あとは荷物が重いとか(笑)。あとフィギュアは会場が遠いとか。あと遠征費のお金がやばいとかかな~。
――このままだと新入生が入ってこなくなっちゃいますね(笑)
及川 やばいやばい(笑)。
一同 (笑)
及川 良い感じのこと言わないと(笑)。本当に一番大変だったなって思うのは、昨年の12月に競走の番記者をやって、全日本フィギュアやるからその取材申請を始めた頃に早稲田オンアイスのパンフレットの制作を部から頼まれて、でもめっちゃ名誉だったから断れなくて。対談って結構準備に時間がかかるじゃん。準備もして、字起こしして、箱根の前の対談もやって、記事も書かなきゃいけないのに(フィギュアの)全日本前に突入してしまい、全日本前にインタビューやるって送っちゃっていたから、それを回収して、記事アップして、全日本に突入して、全日本突入したら突入したで朝から公式練習あって終わるのが夜。それで帰って写真整理して記事上げて、次の日また朝から公式練習行っての期間が本当にあんまり記憶ない(笑)。12月は本当に忙しかった。でもその期間があったから1月2月まあまあ忙しかったけど「12月ほどじゃないな、今日取材1個か」みたいな。朝フィギュアの取材行って、午後一旦東日に顔を出して、別の取材行ってみたいなこともあって今はあんまり覚えてないけど本当にそこは大変だったかな。フィギュアと競走(の取材)をかけ持ちしなければ済んだんだろうけど(笑)。いろいろ重なったっていうのがあって。あと競走もフィギュアも個人競技で、箱根は違うんだけど、フィギュアは主務と選手で忙しい時期が違ったりするのがバラバラに一気に(スケジュールに)ガってくると死ぬってなったことがあったけど、そんな感じです。
「知る」機会を作ってくれるのが早スポ
――早スポの雰囲気は
及川 早スポはほんとに競走班しか見てないから(笑)。
湯口 でもやっぱりいろんな友達に知り合えるのは大きいです。それこそ野球とかだったらプロ野球の話もできますし、プロ野球が好きな奴に高校であまり出会ってこなかったけど、大学に入って「こんなにプロ野球って人気なんだな」って思いました。常にスポーツに対してアンテナを張っている人たちがいっぱいいるので、そういう人たちに巡り会ったりとか、あとは興味のなかったスポーツも取材に行くことによってどんどん知ることができて楽しくなってくると思うので、そういう「知る」っていう機会を作ってくれるのが早スポかなと思いますね。
及川 私が早スポの人を考えた時に思ったのは他の人の幸せを願える人が多いなと。
一同 あ~。
及川 みんな関わった選手に対して「活躍してほしい」とか、早稲田に他の団体でそう思うところってそんなに多くないと思います。推しがデビューしたらうれしいとかそういうのはあるかもしれないけど、努力している人に対してその努力が報われてほしいって願える優しい人類が(早スポには)多いなって思った(笑)。だから早スポ内の人の雰囲気はそういうところだと思います。
――早スポの活動をする上で大切にしていることは
湯口 常に我を出して自分の意見をしっかりと持っていくというのがとにかく大事かなと思います。自分の意見を持ってないと軸がブレブレになって選手に対する質問があやふやになってしまうし、選手に対する向き合い方という点で、(選手は)そんなブレブレな奴に質問なんてされたくないと思います。取材ができることは俺たちにとってもありがたいことだけど、自分のモチベーションが一定ではなくて、自分がこれをやりたいっていう思いがないのにも関わらず惰性でやっているようであれば俺は別に活動しなくて良いかなと思っています。ただ常に自分の我を持って自分の意見を持ってやることは大事ですし、僕が今思っている早スポ内(に対して)の感情はもう少しみんな我を出しても良いかなと。優しい人が多すぎるので、とにかく自分がこれだって決めた意見を他の人に対してどうやって説明するかとかを考えなければいけないなと思っています。選手への向き合い方とか、組織の上においては僕はとにかく自分の我を出して自分の意見を持って、自分が前に前にっていうのを意識しています。
及川 ちょっと似ているかも。もっと自分のためとか早スポのために取材しても良いなと思っていて。さっきの話と矛盾してしまうようなんだけど、別にうちらってサークルだし、(取材を)やってお金をもらってるわけじゃないじゃん。だから強制力はないはずで、ってなったときに、本当に仕事が立て込んでてつらくて、選手のためとか見てくれるファンのためとか思えなくなったときに、やっぱり自分のためにやるっていうのが大事だなと思います。本当にきつくなったときに、選手からありがたがられるっていう話もさっきあったけど、別に行かなくても試合は行われるし、うちらは行って写真撮って発信しなくてもファンは「早スポさん今回来てないんだ」ってなるだけだし、別に良いんだけど、行くことによってやっぱり自分が得られるものってすごい多いから、そういうものを大切にしようっていうのを私は常に思ってます。行ったら絶対良いシーンが見られるはずだし、なんか1個でもインタビューしたら絶対何か良かったな、と思うお話とか、(選手は)自分にないものを持っている人たちなので、単なる試合後のインタビューでも得られるもの、自分の栄養になるものがあるはずだということを大切にしようと思っています。
やりたいことを全部やる
――現在、兼サーやバイトはされていますか
及川 私は早スポ以外に2つ(兼サー)しています。 後、2つバイトしています。
湯口 俺は兼サーしていたけど、その兼サー先が授業時間と被る時間に毎週(活動を)やるので、それだったら行く意味がないなと思って辞めました。今は企業で長期インターンをやっていて、スケジュールを見ながら組み立てて両立しています。
――兼サーやバイトのことで、新入生に向けて、何かアドバイスはありますか
湯口 俺はとりあえずやりたいことを全部やって、1回キャパシティーオーバーを経験した方が良いと思います。
及川 キャパシティーオーバーしたらね、多分キャパシティー増えるよ。
湯口 そっちか(笑)。俺が思うのは、オーバーしたら自分の容量がどれくらいかというのが分かるから、1回それでやって、その中で早スポの優先度が低いなら別に(早スポに)入らなくても良いと思うし、籍を置くだけでも、好きな時に取材や試合に行けるから、全然大丈夫だと思います。ただ、俺も仕事を全然入れたい人間じゃなくて、好きなことしていたいので、自分がリラックスできる時間も確保しながら、色々と組んでいければなと思います。大学生活4年間しかないので、やりたいことを1回詰め込んじゃった方が、俺は後悔が残らないんじゃないかなと思います。
及川 私逆かも、取捨選択が大事だと思っていて、取捨選択した結果、リラックスする時間より取材の方が楽しいなとなって。私は3つ兼サーしていて、(早スポ含め他の)2つ(のサークルも)ちゃんと行ってるんだけど、忙しい分、他のことって自分の中で優先順位高くないよなって思っていたから。めっちゃ尖っているかもしれないけど、友達とご飯に行くよりは、フィギュアの取材の方が楽しいし、競走の取材の方が楽しいし、私バンドやっているんだけど、バンドの方が楽しいしって絞り込まれていった結果、両立ができているという感じだから、優先順位を決めることが大事かもしれないですね。
駅伝班ではなくて競走班
早スポ競走班は競走競技全てを取材するのが特徴
――ここからは競走の取材の質問です。競走の取材は選手とかルールに詳しくない人でも行けますか
及川 競走が1番行きやすいよね。早くゴールすれば勝つもん。
湯口 ゴール地点に誰が早く着いたかだからね。
及川 1番速い人、1番遠い人、1番高い人だよね。
湯口 後は、ずっと取材に行っていると段々タイムとかに詳しくなって、1万メートルの28分の壁は高いのかなみたいな。
及川 28分だったらこの辺かなみたいなのはその内分かるけど、でも早くゴールすればいいからね。
湯口 結局、それも予備知識だから目の前にしちゃうとありのままを話すだけで、誰々が追い越して、誰々が抜き返したみたいな感じだから、(記事の)内容に関しては野球とかラグビーに比べたらやりやすいのかなと思う。
――競走と言えば「箱根駅伝」の印象が強いと思いますが、1年間実際にはどのような取材に行かれていますか
及川 早稲田の競走部って短距離も長距離も跳躍も全部合わせて競走部なんですよ。ほかの大学、それこそ箱根駅伝が強いところは「駅伝部」なのですが、早稲田は「競走部」で、自分たちは、駅伝班ではなくて競走班なので、1年間を通じて短距離も長距離も見る、しかも長距離の選手も春とかは、駅伝ないけどトラックレースとかに出る。よって、1年中試合があります。(1年間で) 1つ目のヤマは5月、6月。2つ目のヤマは9月。3つ目のヤマが駅伝という感じです。5月、6月が日本選手権と関東インカレ。9月がインカレ。それであとは駅伝という感じです。
――早稲田の競走部の短距離部門について教えてください
及川 もう、バカ強いです。花形の4×100メートルリレーで、全日本学生選手権2連覇しています。マイルリレーという4×400メートル、(トラック)1周を4人がやるやつも、2年連続2位です。全カレ(日本学生対校選手権)で優勝している種目がリレーを含めて3つ、400メートルハードルとかもあって、去年もオリンピックに1人、山内(大夢・令4スポ卒=現東邦銀行)さんが出ていますし、今年主将の三浦励央奈(スポ4=神奈川・法政二)さんとかも日本選手権の決勝に行っているし、もちろんインカレも決勝に行っているし。後、川村優佳(スポ3=東京・日大桜丘)選手という3年生の女子の選手が400メートルハードルで優勝している。という感じで本当にトップ(レベル)の選手がいます。強いです。あんまり知られていないのが悲しいです。
――お2人の今年の競走部の中での注目選手を教えてください
及川 私は田中天智龍君(スポ3=鹿児島南)という400メートルハードルの選手と竹内君(彰基、スポ3=愛知・瑞陵)という400メートルの選手です。
――どういったところが注目ポイントですか
及川 田中天智龍君は今3年生なんだけど、ずっとチーム内で2番手、3番手の選手なんですけど、去年オリンピックに出場した山内さんの影響もあって、チーム全体がすごくいい雰囲気で、その中で(田中選手は)俺らが引っ張るみたいなことをずっと言っている選手で。実際今チーム内トップのタイムで、去年も全カレ決勝に行っているし、今年はそれこそ山内さんと同じ時にオリンピックの代表になった、同い年の法政大学の黒川和樹(法大)という選手がいるのですが、そこに田中天智龍君と同期にもう一人新井君(公貴、スポ3=神奈川・逗子開成)がいて、一緒に1+1で黒川を倒しに行くぞという気合が感じられて、来年以降日本の学生トップを目指していくような選手かなと思っていて注目してます。竹内君は、400メートルなんだけど、400メートルは結構人数が多くて、4番手、5番手(の選手)で、対校戦は3人しか出られないから、いつも(メンバー入りまで)あとちょっとなんだけどなみたいなところだったのが、今年はシーズン序盤から調子が良くて、早大競技会も結構調子が良くて、対校戦もこのまえの六大学対校戦でメンバーに選ばれて、チーム内トップの全体2位でゴールして。今年に入ってからすごく(調子が)良いなという印象です。2人とも私と同い年ということもあって、結構注目しています。
湯口 及川が短距離の選手を言ってくれたので、長距離の選手を言わせてもらうと、僕が番記者を担当している伊藤大志と菖蒲敦司(スポ3=山口・西京)が今年はやっぱり外せないかなと思います。伊藤大志君に関しては、昨年三大駅伝を全部走っているので、経験という部分もあります。ちょっと粗削りな部分や、圧に弱いというところはありましたけど、それを全部克服して、(箱根駅伝の)予選会を含めて活躍してくれるキーパーソンになれると思います。菖蒲君に関しても、昨年出雲駅伝で1区を走って、結構良かったのですが、箱根駅伝は直前のケガで出走ができず。もちろん長距離も期待しているのですが、やっぱり3000メートル障害の方が。
及川 世陸(世界陸上)行ってほしいよね。
湯口 本人も世界への挑戦というのは(目標に)掲げていますし、世界に羽ばたくというのは、(短距離は)昨年の山内さんがオリンピックに出場しましたが、今の早稲田の長距離は、過去の10年間の早稲田の全盛期の頃と比べたら冠とかは取れていません。ただそこで世界へ挑戦するというところで、菖蒲君が活躍してくれるというのは、長距離(ブロック)全体へのモチベーションにもなりますし、盛り立ててチームの成績もどんどん上がっていけると思います。後この2人をあげたのは、ほかに理由がありまして、練習がちゃんと積めているというのが一番大きいかなと思います。長距離って負担の大きいスポーツなので、ケガをする人は多いのですが、その中で、伊藤君とか菖蒲君は1、2月からずっと練習積んで、周りは練習をいっぱい積む中で、ケガとかコンディション不良とかあるのですが、その中でコンディションを整えて、コンスタントに出場しているというのはすごく大きいかなと思うので、この調子でいけば注目してほしいのはこの2人かなと思います。
――先ほど、競走の取材はやりやすいというお話がありましたが、改めて取材に行く上でここは絶対に注目してほしいといったポイントはありますか
及川 去年の主将にインタビューした時に言われたことがすごくいいなと思ったので、そのまま使わせてもらうのですが、(競走は)体1つでやるスポーツで道具とか使うのと違って、体格とか一人一人骨格が違うから、一人一人に正解があるということを言っていたので、すごく面白いなと思って。確かに、ランニングフォームとかって正解がないじゃないですか。1人にとってはそれが正解、1番速く走れる方法かもしれないけど、別の人にとっては違うのかもしれない。そういうところがあるのが陸上がすごく面白い点なんだよねって去年の主将の森戸信陽(令4スポ卒=千葉・市船橋)さんが言っていて、すごく自分も面白いなと思っていて、取材とか見る上で、一人一人の個性というのが、長距離とか駅伝だったら10人が繋ぐわけですけど、そこの中の一人一人が個性とか強みとかが全然違うし、4×100メートルリレーとかでも一人一人個性を持った選手がただタイム(順)で走っているわけではないので、そういったところに注目してみると面白いかなと思います。ただ持ちタイムが速いから速いとかじゃなくて、一人一人を見るというのが重要かなと思います。
湯口 俺も被っちゃうのですが、個性というかそれぞれのレースプランにも注目してほしくて、100メートルにしても駅伝にしても、それぞれにレースプランがあって、各々こう走ろうとか、最初から速く行くのかとか、最初足をためて後半ガッと行くのかというのは人それぞれ違っていて、その中でそれぞれがどういう意図を持ってこのレースプランを選択したのかというのは、見てて面白いです。実際に(選手に対して)聞く機会というのが設けられているので、その中で選手に「後半速くなりましたけど、どうしてですか」みたいな感じで、自分の疑問をすぐに解決できる、個々のレースプランというのをよりミクロに見ていくというのは非常に大切で面白いかなと思います。
及川 200メートルの選手でもレースプランを言ったりするので。200ってただ走ってそうじゃん。だけど、200でもどこで力を抜くとかそういうことを考えていて、特に早稲田は頭が良い人が多いから、スポーツ推薦とかで入る人も頭が良くないと入れないから、早稲田(の選手)ってそういうことを結構考えていて、ただがむしゃらに走るってわけではなくて、考えながらやっている人が多いから、話聞くと面白いなというのは常にあります。
終わったときに良い1年だったと言えれば
今年活躍が期待される菖蒲選手
――早スポとしてどんなラストイヤーにしたいですか
湯口 俺は記者としては、行ける限りの取材に行って、撮れる限りの写真を撮って、書けるだけの記事を書きたいと思います。それで、今まで2年間、コロナの影響もあって(早スポでの活動期間が)1年あるかないか位なんですけど、行けていないスポーツとかが多くて、そういうところで1試合でも多くほかのスポーツを見に行けたらなと思っています。業務チーフとしては、今まではクライアントとのやり取りもあったのですが、1つの号を出すにしても赤字、黒字の時がそれぞれあって、今年度は全部黒字にするというのが1つの目標なので、それに向かって頑張っていきたいなと思っています。
及川 競走チーフとしては、途中経過は置いておいて、1年終わったときに良い1年だったなと言えればいいなと思います。フィギュアも1年間やって良かったなと思うことが3月下旬くらいになってから、ばーっときて、途中、途中をかいつまんでみれば、苦しいことの方が多いんだけど、最終的に1年間頑張ってよかったなとフィギュアの場合は思えたので、競走も、脅されているほど今苦しくはないのですが、多分忙しくなって、ああもう無理やめたいとなる瞬間がおそらくはあると思うので、そういうときにめげずに、とりあえず1年間、箱根終わった時に、1年間やって良かったなと思えればいいなと思っています。
――65期となる新入生に向けてメッセージをお願いします
及川 競走は駅伝だけじゃないので、短距離の選手も見に行きましょう。後、競走は「争」じゃなくて「走」です。
湯口 競走というのは単純な競技だからこそその中で面白みというのがあって、深さがあるので、そこに注目して見てもらえれば良いなと思います。最初の興味は駅伝を見たいとかでも構わないので 。
及川 イケメンが見たいとかでもいいし(笑)。
湯口 きれいな人かっこいい人が多いからね。その中で、最初の入口が駅伝だったとしても、最後早スポを出るときには駅伝じゃなくて、競走班の1つの競技として駅伝をとらえて、短距離とか中距離とか、それこそ跳躍とかもいろいろあるのですが、そういうところを全部俯瞰して見れるような活動をしてもらえれば良いかなと思います。
――ありがとうございました!
(取材、編集 野中美結、吉本朱里、髙田凜太郎 写真 湯口賢人、及川知世、吉本朱里)
◆及川知世(おいかわ・ともよ)(※写真右)
東京・国立高出身。文化構想学部3年。競走チーフ。早大に入る前から早大競走部が好きだったという及川さん。注目の早大競走部OBは安井雄一(平30スポ卒=現トヨタ自動車)選手。優しい人柄に加え、たるんでいたチームに喝を入れるといった、キャプテンシーを持つ安井選手がイチオシだそうです!
◆湯口賢人(ゆぐち・けんと)
長野・松本深志高出身。商学部3年。業務チーフ。最近はゲーム・オブ・スローンズを中心に海外の作品を見ることにハマっていて、一番好きな作品はバットマンだそうです!また、リヴァプールFCが好きで、注目選手はトレント・アレクサンダー・アーノルド。今シーズン好調なチームのさらなる飛躍に期待したいそうです!