漕艇部
2022.02.12
【連載】『令和3年度卒業記念特集』第6回 宇野聡恵/漕艇
クォドルプルにささげた4年間
クォドルプルにささげた4年間だった。宇野聡恵主将(スポ4=大分・日田)は1年生からずっと早大女子部の花形・クォドルプルに乗り続けた。練習でもタイム測定以外はほとんど一人でボートをこぐことはなかったという。1年次、初めての全日本大学選手権(インカレ)で優勝するとそのまま三連覇。しかし、4年生のラストレースでは惜しくも2位という結果に終わった。今、宇野が抱える思いとは。
宇野がボートを始めたのは高校に入ってから。知っている先輩がいきいきと活動する姿にあこがれ、試乗会に参加するとその楽しさに夢中になった。日本一を目指すチームで楽しくボートに乗っていたが、もともとは高校で競技をやめるつもりだったという。しかし、U19日本代表に選出されたり、シングルスカルで全国優勝できず悔しさが残ったりしたため大学でも続けることを決めた。トップレベルで切磋琢磨できる環境と一人暮らしへのあこがれから早大に進学し漕艇部の門をたたいた。大学では高校の時よりも考えて練習するようになったという。
クォドブルに乗る宇野(左から2番目)
「つらい時も続ける原動力となった」という1年生の時のインカレ優勝。一緒に乗る先輩も初めてのインカレという人が多く、試合前は「わくわくしていた、成長するぞ、楽しもうという気持ち」だったという。翌年からは「負けられない」というプレッシャーを全く感じなかったわけではない。不安な部分もあったけれど周りに4人がいたから助けられていた。もしシングルスカルだったらもっと考え込んでいたかもしれないと振り返った。
4連覇をかけて挑んだ最後のインカレ、結果は明大に敗れ2位。やれることは全部やって、楽しんで練習できていた時期だった。勝てなかったところに悔しさはある。終わった瞬間は今までずっと勝ってきたからこそ、監督やチームメイトに合わせる顔がなく、「やっちゃった」と思ったのが正直な気持ちだった。
「楽しいことばかりではなかったけれど、人に恵まれて楽しい4年間を過ごすことができた。」宇野は卒業後ボートからは離れるが、4年間の早大漕艇部で得たものはかけがえのないものとなるだろう。
(記事 冷水睦実、写真 内海日和)