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2021.12.23

【連載】箱根事前特集『実』 第7回 菖蒲敦司

 今回登場するのは、トラックシーズンから好調を維持している菖蒲敦司(スポ2=山口・西京)だ。5000メートルで2度の自己新、3000メートル障害では関東学生対校選手権(関カレ)優勝、早大記録樹立と輝きを放った。駅伝でも出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)1区2位、全日本大学駅伝対校選手権(全日本)でも4区5位で首位追撃の狼煙(のろし)を上げた。個人としては「シーズンを通して100点以上」との評価だが、優勝を逃したことに悔しさを感じている。見据えるのは東京箱根間往復大学駅伝(箱根)での勝利ただ一つ。シーズン最後の大舞台に懸ける思いを伺った。

※この取材は12月12日に行われたものです。

チームの現状は

質問に答える菖蒲

――集中練習で意識していることはありますか

 全日本が12キロという距離で、そこでも少し体力のなさというのを感じました。長い距離に対する適応というのはできているかなと思います。

――昨年と比べて、手応えや余裕度はいかがですか

 今年は1年間通して練習の余裕度とか、1学年上がっての責任感というか、去年とはまた違うような、今年1年を通して強くなった実感はあります。手応えは1年間通してかなりあります。

――千明龍之佑駅伝主将(スポ4=群馬・東農大二)にはどのような印象を持っていますか

 トラックシーズンでは結果でも行動でも全部引っ張ってもらって、非常にありがたい存在でした。やはり駅伝シーズンは、キャプテン自身悔しい思いをしていると思います。その中でチームを引っ張るというのがすごく難しいという状況で、それがあったからこそ僕もチームを引っ張らなきゃという思いになりました。今ではしっかり復活してくれて、言動だけでなく走りでも引っ張っている状況なので、出雲、全日本とは違う姿がキャプテンを中心に見せられるかなと思います。

――その他の4年生についてはいかがですか

 普段から仲良くしてくれているというか、当たりが強い時とかもありますけど(笑)、それも愛情だと思っています。あと3週間しかない、1日1日、寂しいなという思いで過ごしています。

――特に仲の良い方はいますか

 基本的に仲良くしていただいて、その中でも半澤さん(黎斗、スポ4=福島・学法石川)は中距離で一緒に練習していました。太田直希さん(スポ4=静岡・浜松日体)も普段からジョグに誘ってくれたりして、ご飯とかも一緒に連れていったりしてもらうので、その2人が特に仲がいいかなと思います。

「どうしても箱根は勝ちたい」

――昨年は箱根の時期に故障されていましたが、いつのことでしたか

 故障が分かったのはエントリーの次の日とかですかね。ちょうど今くらいです。

――当日変更で外れた際に、チームの戦いをどう見ていましたか

 正直足が折れてしまっていたので、全然気持ちが入らないというか。個人的に休養期間に入っていたので、ちゃんと見るというより悔しい思いをしながら見ていました。その中でも同期が2人走っていたので、このままじゃいけないという思いにはなりました。

――復帰レースの日本学生ハーフマラソン選手権大会では、15キロまでは先頭集団で走りました。長い距離に対しての意識の変化はありましたか

 1月いっぱい帰省させていただいて、その中で一回自分の陸上を振り返りました。友達と遊んでリフレッシュもできましたし、親と話し合いをして、陸上に対して新たに2月から向き合えたというのがありました。その中で2月はしっかり走り込めたので、ハーフで一旦どれだけみんなと戦えるのかなとすごく楽しみな部分でもあって、いけるとこまでいこうと考えていました。15キロまででしたけど、攻めることはできました。

――それ以降距離が延びても苦手意識はなくなりましたか

 そうですね。

――ご自身の中でも一つターニングポイントになりましたか

 そうですね、良かったと思います。

――トラックでは4月に5000メートルで13分台を出しました

 久しくベストが更新できていなかったので、ここで出さないといけないなというくらいの気持ちでした。佐藤(航希、スポ2=宮崎日大)と二人で絶対出そうというのは決めていたので、出せたのは本当に良かったなと思います。

――高校以来の3000メートル障害参戦でしたが、駅伝につながる部分はありましたか

 本当は5000メートルをやりたいと思っていたのですが、3000メートル障害の枠が開いていたので。5000メートルをやりたいという人が多いので、3000メートル障害をやらせていただきました。そこで結果が出て、関カレ優勝や日本選手権での早稲田記録更新という結果を出せたことは、駅伝、陸上全般に関して、自信を持ってスタートライン立てるような成績を残すことができたのはやってよかったなと思います。

――5000メートルで自己ベストを更新したホクレン・ディスタンスチャレンジも自信を持ってのスタートでしたか

 種目は違うのですが、勝ったというのはひとつ証明であるので、それは自信を持ってスタートラインに立てました。

――夏合宿で距離を踏んだ上で、シーズン前の自信はどの程度でしたか

 結構走りこんだので、手応えというか「この夏で変わらないと」と。トラックで結果が出たので、この夏で絶対変わってやるという思いを持ってやった結果いい練習ができたかなと思います。

――出雲では4秒差の区間2位でしたが、振り返っていかがですか

 終わった直後は区間賞が取れなくて悔しいという思いでした。改めて振り返ってみたら、結構強いメンバーというか持ちタイム7番くらいで迎えた1区でしたが、その中であのメンバーで区間2位というのは、自信を持っていい結果なのかなとは思いました。

――チームは6位でしたが

 優勝できなかったのが悔しいなという思いの一言ですね。

――続く全日本では区間賞と13秒差の区間5位でした

 出雲は足を引っ張ってはいけないという思いで臨んだのですが、全日本に関しては主力にけがが多いというのもあって、自分がタイムを稼ぐというか、チームを引っ張っていかなければならないと思っていました。その中で13秒差の区間5番というのは、全然満足のいく結果じゃないというか、かなり悔しい結果だったなとは思います。

――まだまだいけるという感覚はありましたか

 まだまだいけるという感覚はあったのですが、弱さが出たなという感じです。

――チームの6位という結果に関してはいかがですか

 本来優勝を狙っているチームで6番というのが、よくないというかダメだなとは思いました。そこからチームに対して僕自身も4年生に頼っているだけではダメだなというのが思っていて、ミーティングで僕から強めの意見を言うことも増えました。「どうしても箱根は勝ちたい」という思いはそこで強くなったなと思います。

――全日本は気持ちの面での変化を生みましたか

 今まではついていけばいいやって思いでしたが、僕自身が引っ張るというか「変わらなきゃいけない」というのは全日本を通して思いました。

――個人としてはどのような収穫がありましたか

シーズンを通して100点以上の結果が今のところは出せたかなと思っていて、それだから早くシーズン終わってほしいなという思いはあります(笑)。

――駅伝を通してロードへの意識は変わりましたか

 結構苦手としていましたが、2戦終わってみて出雲は結構いい走りができました。全日本も悔しかったですが、それなりに最低限でまとめることはできたので、そこで成長を感じられたのはよかったです。

――レース後に「チームを引っ張る」、部員日記で「エースになる」の言葉が出てきて、これまでと変化が見られました。勝ちたい思いからですか

 今までは優勝が狙えるようなチームに在籍したことがなかったのですが、そんな中で今、早稲田大学という優勝を狙わなければならないチームにいられるのは幸せなことです。それで負けたというのが、悔しいというか『今まで感じたことのない悔しさ』だったので、それも含めてやはり勝ちたいという思いが強くなったかなと思います。

4年生のために優勝を

ホクレンでは好走を見せた

――箱根ではどのようなチームを目指していますか

 今は4年生が強いと言われているチームですが、それだけでは勝てないと思います。僕だけじゃなく2年生も今頑張っていますし、どの学年も強いよねと言われるようなチームになっていけたらなと思います。

――昨年と今年で箱根に向けて変わったのはどのような部分ですか

 去年、今年の前半もそうでしたが、とにかく先輩についていったら強くなるだろうという意識でした。ついていくだけでも強くなれますが、今はその中でも先輩を食ってやろうとか僕が引っ張ってやろうくらいの気持ちで挑んでいかないと僕自身としての成長というより、チームとしての勝利がつかめないのかなと最近思うようになってきました。

――箱根とはどのような大会ですか

 箱根が一番という感じではなくて、結構(数が)ある大会の一つかなと思っています。ですが、やはり箱根がかなり注目される大会なので、箱根で好走することで、今までお世話になった方々へ感謝を表現できると思います。その点箱根はかなり熱を込めて頑張らないといけないなと感じています。

――去年のエントリー時の反響はいかがでしたか

 去年はエントリーしかしていませんが、箱根は一味違う大会だなと思いました。3区に一応前日までは入っていたので、それだけでもLINEをくれた方が結構いたので、走れなかったのがすごい心痛いというか。「走らないんだよね」とも言えず、次の日を迎えるというのがすごい心痛かったので、今年は走りたいと感じています。

――チームが勝つために必要だと考えていることはありますか

 みんながトップを取るじゃないですが、どんどんチームで競争が生まれることでみんなも強くなりますし、優勝を狙うチームには必須なのかなと思うので、それを意識してやっています。

――チームと学年の雰囲気はどのように感じていますか

 全体で言ったら主力も戻ってきて、ようやくフルメンバーがそろった状態で臨める大会だと思うので、そこは僕自身も楽しみにしていいのかなという大会ですね。学年で言ったら辻(文哉、政経2=東京・早実)、諸冨(湧、文2=京都・洛南)という主力の2人が外れてしまいましたが、それだけ僕らの学年4人がそれ以上の力が身についたということだと思います。そこはそれで自信を持って4人で頑張りたいなとは思います。

――希望している区間はありますか

 ずっと1区1区と言っています。そこはぶらさず1区というのは言っておきたいなとは思います。

――どのような区間と認識していますか

 チームの流れを作るのが第一だと思います。出雲でも1区を務めさせていただいてなんとなく大学駅伝の1区は経験できているので、流れを作る、できればラストスパートで引き離して区間賞を狙っていきたいなとは思っています。

――20歳初レースになりますが

 20歳になったからといって気持ちは変わらないですが、大会のたびに連絡いただいたりして、いろいろな方が応援してくれていると実感する機会が多いと感じています。箱根は見てくれる方が多いと思うので、走って恩返しできたらなと思います。

――箱根への意気込みをお願いします

 優勝できたら最高だなと思います。4年生でお世話になった方々がたくさんいるので、4年生にいい顔して卒業してもらいたいなと思っています。それ相応の結果を出したい、勝たせてあげたい思いがすごく強いです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 高橋優輔)

◆菖蒲敦司(しょうぶ・あつし)

2001(平13)年12月16日生まれ。169センチ。山口・西京高出身。スポーツ科学部2年。5000メートル13分52秒46。1万メートル28分58秒10。中学まで書道をやっていたという菖蒲選手。達筆で、力強く「絶対勝つ」と書いてくれました。燃える決意で、激走を見せてくれることでしょう!

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