ハンドボール部
2021.11.04
【連載】インカレ直前特集『Now or Never』 第3回 村上楓×阿部史歩×浦野詩織
第3回は個性あふれる2年生トリオの村上楓(スポ2=福岡・明光学園)、阿部史歩(スポ2=岩手・不来方)、浦野詩織(スポ2=愛知・旭丘)の3人です!
※この取材は10月16日に行われたものです。
「技術の高い人がたくさんいて、学ぶところが多い」(浦野)
秋季リーグを振り返る浦野
――関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)を振り返って感想をお願いします
阿部 全体を通してチームとしては流れが良くない状況の方が多かったかなと私は思っていて、それが顕著に表れたのが最終戦だったんですが、その中でもチームとして成長できた部分はあったと思うので、春に比べたら下級生が声を出して盛り上げたりだとか、そういった部分では自分たち2年生の成長が見られたので、そういった点ではインカレやその後につながるリーグになったのかなと思います。
村上 リーグ全体を通して、リーグ前半戦は試合前半はいい戦い方ができるのに後半に離されてという試合が多かったんですが、リーグ後半戦は前半競ったりして後半にいつもだったら離されていくところを粘って勝つゲームもあったので、そういう点ではゲームの戦い方をチーム全体で把握して今何をすればいいのかを考えながらプレーできたというところではインカレにつながるリーグだったのかなと思います。けど、最終戦もそうなんですが、負けたゲームの方が多かったので、悔しさを忘れずにインカレでは勝ち進められるように練習していきたいと思います。
浦野 全体的にここで一本という場面で流れを掴み切れない展開が多くて、他にいいところはあったんですが、そこに関しては課題が残るリーグだったのかなと思います。そこはインカレまでに修正できる部分は修正して、リーグで出た課題を少しでもつぶせるようにしたいなと思います。
――では、秋季リーグで印象に残った試合はありますか
浦野 桐蔭(横浜大)戦が悪い意味で記憶に残る試合です。上位チームと当たるときと下位チームと当たるときで気持ちの面で違うものが出てしまったのかなと思うので、自分たちが勝たなければならない相手に勝ち切れなかったというのはすごく悔しさが残る試合だったなと思います。
村上 私は最初の日体大戦が今でも印象に残っています。インカレシード決定戦で逆転されて負けたので、リーグでは絶対に勝とうと思ってたんですが、リーグでも前半勝っていたのに後半に逆転されて負けという同じような負け方をしてしまって、勝てる試合で負けてしまったことがすごく悔しかったです。さっき浦野が言っていたようにここ一本という場面でチャンスを掴み切れずに負けたという課題が残った試合なので、とても印象に残っています。
阿部 私も日体大戦ですね。楓(村上)も言っていたんですが、本当にその通りでこの試合にすごく懸けていたし、詩乃さん(紅林詩乃主将、スポ4=東京・佼成学園女)はじめとする4年生は今まで日体大に勝ったことがないという話を聞いていたので、絶対に勝とうと取り組んでいました。個人的な話をすると、その試合でケガをしてしまって、そこから秋リーグほとんど出場機会がなくなってしまって、そこが悪い意味で大きなポイントになってしまったので、その試合がとても印象に残っています。
――秋季リーグを通して個人として、またはチームとして成長できた部分はありますか
浦野 さっき村上も言ってたんですが、前半戦の方で試合の立ち上がりはいいけど、後半で相手のペースに持っていかれて、思うようにプレーできない試合があったんですが、そこに関しては東海大戦をきっかけに後半に点をちゃんと取れる試合ができたので、そこで修正の糸口が見えたという点でチームとして成長になったんじゃないかなと思います。
村上 私もさっき言った通りで、後半の戦い方がリーグ後半戦に進むにつれて、上手くなっていったというのがあって、誰か1人が頑張っても無理なので、全員で共通意識を持って後半の戦い方を考えながらできたのは成長だったかなと思います。
阿部 私も似たような感じになってしまうんですが、チームの取り組みの一環として1時間のゲームの中で立ち上がりの10分はどんな戦い方をするとかこの時間帯はどう戦うと書き出して、ゲームの中で焦らないようにこういう展開にはこう対処すると事前に考えておくことで、チームとしての統一を図ろうとしてきて、それを全員で意思統一してゲームメイクできたことは個人としてもチームとしても成果なんじゃないかなと思います。
――大学に入って高校との違いを感じる部分はありますか
阿部 高校では毎日、監督がいて指示してくれたことやるというかたちでやってきた人が多い中、大学では自分たちでメニューを組んでやるというのが最初は慣れなかったです。今は練習中に思ったことが言えたりするし、そういった意味では高校とは環境が全然違うなと思います。あとは、個人的には大学に入って初めてディフェンスで真ん中を守るようになって、なかなか大学に入ってガラッと変わることはないと思うんですが、人数の少ない早稲田だから経験できることだと思うので、その点では新しいことを学べたなと思いました。
村上 私は高校のとき、すごく人数の多いチームでやっていたので、チャンスが少なく、入学してすぐに試合に出るのはありえない感じだったので、それに比べると早稲田は人数も多くないし、下級生の内から試合に出るチャンスがあるので、去年の自分に比べると今年の方が落ち着いてプレーできている部分があると思ったので、高校のときより出られる分責任があって、常に考えてプレーしなければならない分、1年間で成長できる分も大学の方が多いと感じました。人数が少ないからこそ、そういった良い部分があるなと思います。
浦野 高校のときと人数が少なかったり学生主体のところは似ているんですが、大学では私より技術の高い人がたくさんいて、学ぶところが多いなと感じていて、だからこそプレーが通用しない時期もあったんですが、強い人と毎日練習することで成長していけることが変わった部分だと思います。
「ハンドが好きな学年かなって思います」(阿部)
同期の印象を語る阿部
――話題が変わりますが、ハンドボールを始めたきっかけを教えてください
阿部 私は小学5年生の時に幼馴染の男の子に誘われてハンドボールを始めました。その子が途中で辞めちゃって、私も辞めようかなと思ったんですが、なんせ肩が強いので(笑)。指導者の方に相談したら、引き留めてくれてずっと続けています。
村上 私は兄と姉がいて、どっちも(ハンドボールを)やっていて、試合もよく見に行っていて、試合に勝つ姿を見て自分もこんなふうになりたいなと思って、小学校4年生で部活何にしようという時にやるならハンドボールかなという自然な流れで始めました。
浦野 私は元々ドッチボールが好きで、小学校3年生の時にハンドボールクラブでドッチボールをやるという話を聞いて、ドッチボールがやりたくてハンドボールクラブに入りました(笑)。
――では次に、早稲田大学を選んだ理由はありますか
浦野 大学でも続けるかを迷っていたんですが、高校の同期が筑波大学に行って、インカレで銀メダルを持っていた写真を見た時に悔しいなと思って続けることを決めたんですが、どこでやるかを考えた時に大人数のところは合っていないと感じたのと、学生主体であることが高校と似ていて親近感が湧いて早稲田にしようと考えました。
村上 私は、中学校の恩師に早稲田を勧められていて、自分も試合を見て、関東と九州ではプレースタイルも違うので、ずっと九州に居るよりも関東とかに行っていろんなハンドボールを学びたいというのもあって早稲田大学を選びました。
阿部 私は、OBの方がいるんですが、たまに会ってお話したりする中で、進路を考え始めた時期に早稲田はハンドだけじゃなく大学自体に魅力を感じました。顧問には少し反対されたんですが、反対されるほど行きたい気持ちが強くなって(笑)。結局は反対を押し切るかたちで受験したんですが、受かってからは周りも祝福してくれてという感じで入りました。
――では、お互いの第一印象はいかがでしたか
阿部 私なんか怖いって言われる。
浦野 私は寮が一緒で入寮日にたまたま前にいたのが阿部で。
阿部 覚えてない(笑)。
浦野 たまたま会話の中でハンド部なんだってことを知ったんですが、マスクをしていたので怖いなというのが第一印象です(笑)。
村上 私は入る前にお互い早稲田に行くというのを知っていて、インスタのDMで話しかけられたんですよ。
阿部 話しかけられたっていうとなんか(笑)。
村上 顔とかあんまわかってなかったんですけど、知ってはいたので、「不来方の、あの子か~」って試合を見返したりして「肩強!」とか思って(笑)。でも、実際会ってみたらそんなに身長高くないんだなっていうのが第一印象です(笑)。
阿部 どういうことだよ(笑)。私は、楓(村上)は高校時代スーパースターだったので(笑)。高校の先生から早稲田に入ってくることを聞いて、一緒なんだと思ってDMで話しかけたりしていて。最初はオーラというかすごいなというのが第一印象です。詩織(浦野)は最初、一浪してたこと知らなくて、一個上には見えないなって思いました。
浦野 バカにしてる(笑)。
村上 私もその話を聞いた時に頭いい人だと思って、こっち(阿部)とは違う意味で怖かったです(笑)。
阿部 なんでだよ(笑)。一緒であれ(笑)。
一同 (笑)
――逆に現在の印象はいかがですか
浦野 怖いのはなくなりました(笑)。
阿部 思われてたら困るわ。
一同 (笑)
浦野 プレーを見てきているので、最初よりどんな場面で頼れるとかがわかってきて、そういう面ではすごく信頼しています。
村上 詩織(浦野)は最初頭いいとか思ってたけど、今は意外と…。
阿部 抜けてるよね。
村上 そう。抜けてる。
阿部 エスカレーター逆走したりするんですよ(笑)。
一同 (笑)
村上 頭はいいんだけど、すごく面白いなって思うところがありますね。史歩(阿部)は面白いです、すごく。どっちも面白いなって思います(笑)。
一同 (笑)
阿部 楓は見た目はすごく落ち着いているように見えるんですけど、練習が終わると、良く言うとすごく元気な方ですごく面白いです。詩織は平気でエスカレーター逆走したり(笑)。自分で気づかない内にちょっと変わったことをするタイプの人なので、最初の頭いいイメージは変わりました(笑)。
一同 (笑)
――同期の印象はいかがですか
村上 ハンドボールに対するモチベーションがすごく高いなと思ってます。練習終わってから自主練したりとかこういうことしたいと頼んだらすぐに手伝ってくれたりとかするので、ハンドボールに対する気持ちは強いのかなと思います。
阿部 私もすごくそれは思っていて、コロナで練習が自粛した期間があって、各自で自主練してよくなった時に私たちの学年は毎日のように体育館に来ていたので、ハンドが好きな学年かなって思います。
浦野 私たちの学年は一番地方から来てる人が多いので、他の学年と比べたらいろんなタイプの人がいるんじゃないかなと思います。
――今も話にあったように、3人とも地方から来ていますが、地方出身者あるあるはありますか
浦野 2人は結構方言が出てますね
阿部 ふと出ちゃうんだよね(笑)。
村上 自然と「んだ」とか出るのが面白い(笑)。あと、岩手なので田舎いじりをよくされるんですよ。
阿部 めっちゃされる!
村上 ないものが多いからね(笑)。
阿部 私は東京に来て、初めてサイゼリヤに行きました。ないんで、岩手に。っていうのを未だにいじられます(笑)。
村上 そういうこと言うから(笑)。
阿部 本当にないから(笑)。
方言の話題で笑顔を見せる3人
――仲の良い先輩や後輩はいますか
阿部 基本的に人数が少ないので全員とつながりがすごく強いんですが、私は詩乃さんとはバイト先が一緒です!
一同 (笑)
阿部 楽しいです!(笑)
村上 それで言ったら、私はトレーナーの明日香さん(石毛明日香トレーナー、スポ4=千葉・稲毛)と元バイト先が一緒で、すごくお世話になりました。あとは、詩乃さんにご飯連れて行ってもらったことがあるんですが、めっちゃ面白いです(笑)。
阿部 昨日の練習終わりも元気だったもんね(笑)。
一同 (笑)
浦野 私は後輩で寮が一緒の文乃(鶴田文乃、スポ1=山梨・日川)ですね。一緒にご飯食べたりとかします。文乃はケガしていて練習に来られないときも多いので、関わりは少し少なかったりするんですが、できるだけ関わっていこうかなと思っています。
「4年生と一緒にたくさん試合をしたい」(村上)
インカレへの意気込みを語る村上
――インカレの話に移りますが、4年生への思いはいかがですか
浦野 4年生がまとまって、練習メニューなどを考えて、練習中も盛り上げてくれてたくさん引っ張ってくれているので、その分私たちも支えて4年生といい思い出を残したいなと思うので、4年生に貢献したいという気持ちはみんな強いと思います。
村上 私も1年半くらい一緒にやってきて、4年生もハンドボール好きなんだなと思う人たちなので、できるだけたくさん試合がしたいし、最後楽しみたいというのがあります。最大で5試合なので、相手に勝ちたいというよりは4年生と一緒にたくさん試合をしたいという気持ちでやりたいかなと思います。
阿部 4年生は人数が少なくて、他大学に比べると試合に出ている下級生が多い中、4年生の負担はすごく大きいと思うんですよ。だからこそ、下級生ができることはたくさんあるので、最後は納得のいく試合をするというのが4年生にとって一番いいかたちだと思うので、それを私たちは最大限サポートするのが必要だと思います。4年生と試合ができるのも限られてきているので、それを楽しみたい気持ちを前面に出してやっていきたいなと思います。
――初めてのインカレですが、個人的に頑張りたい部分やプレーはありますか
浦野 秋リーグの試合でもそうだったんですが、ディフェンスがしっかりしていると流れが良くなるので、真ん中を守る自分としてはディフェンスでしっかりチームに流れをもたらせるようにプレーをしていきたいなと思います。
村上 私はCBで司令塔という感じなんですが、最初は自分で得点を取りに行くのが得意ではなくて(チャンスを)作って周りに取ってもらう方がいいんですが、大学に入ってから自分も得点源になっているかなと思ったので、周りに取ってもらうのも必要だと思うんですが、もっと積極的に自分の前を狙って得点が取れるところは思い切って取りに行くという思い切りのいいプレーをインカレでできたらいいかなと思います。
阿部 私もディフェンスで真ん中を守っていて、真ん中が崩れるとディフェンスは機能しなくなるので、自覚や責任を持ってディフェンスをしっかりやりたいです。オフェンスだったら、ミドルとか豪快なプレーが得意なので、得意なプレーでの1点でチームを勢いづけられる姿をインカレで見せられたらいいなと思います。
――インカレを戦う上で、早稲田のキーマンになる選手は誰ですか
阿部 私は自分で!
村上 自分も含め、下級生です。4年生はやってくれると思うので、それにどれだけ下級生が付いていけるか、どれだけ力を発揮できるかでどういう試合になるかが決まってくると思うので、下級生が頑張らなきゃなと思います。
浦野 私も同じく下級生です。特に2年生が人数多い分、それぞれプレーする時間も多くなると思うので、そこでちゃんと責任持ってプレーできるかがカギになるかなと思います。
――最後にインカレへの意気込みをお願いします
阿部 4年生とする最後の試合なので、良い試合をしたいです。勝つのが一番だし、楽しんで良いものにしたいという思いが強いので、まずはチーム一丸となって、目標に向かって臨んでいきたいなと思います。
村上 4年生とできる最後の大会なので、悔いがないように全力で楽しんで試合ができるように頑張りたいと思います!
浦野 4年生にすごくお世話になったので、その分を返せるように自分たちがやるぞという気持ちで、楽しむことを一番に考えて勝ちに行きたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 杉原優人、写真 小澤慶大)
3人の個性があふれる色紙になりました!
◆村上楓(むらかみ・かえで)(※写真右)
2001(平13)年12月5日生まれ。156センチ。福岡・明光学園高出身。スポーツ科学部2年。秋季リーグでケガから復帰し、冷静沈着なCBとして活躍した村上選手。対談では試合中よりも笑顔が多かったように感じます。インカレでは司令塔でありながら、点を取りに行くアグレッシブなプレーに注目です!
◆阿部史歩(あべ・しほ)(※写真中央)
2001(平13)年9月26日生まれ。163センチ。岩手・不来方高出身。スポーツ科学部2年。秋季リーグ初戦でケガを負いながら、秋季リーグ後半で復帰した阿部選手。故郷・岩手の話で対談を盛り上げてくれました。インカレでは“爆発力”全開の豪快なプレーで、早稲田ベンチだけではなく画面の向こうも盛り上げます!
◆浦野詩織(うらの・しおり)(※写真左)
2000(平12)年9月29日生まれ。164センチ。愛知・旭丘高出身。スポーツ科学部2年。秋季リーグでは出場時間を大きく増やし、LBとしての強さが見えてきた浦野選手。対談では後輩を気遣う優しい面も見せてくれました。インカレでは、3枚目DFとしてディフェンスを固め、チームを勢いづけます!