メニュー

ハンドボール部

« 特集に戻る

2021.11.02

【連載】インカレ直前特集『Now or Never』 第1回 川村夏希×山本桃虹

 今年は山梨県甲府市で開催される全日本学生選手権(インカレ)。今年最後の公式戦となる舞台に向けて、全5回の対談の模様をお送りします!初回は、名門・佼成学園女高出身の下級生コンビ、川村夏希(スポ2=東京・佼成学園女)と山本桃虹(スポ1=東京・佼成学園女)の2人です!

※この取材は10月15日に行われたものです。

「チームとしてのオフェンスは合ってきた」(山本)

秋季リーグを振り返る川村(写真右)

――関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)を振り返って、感想をお願いします

川村 結果的に全体8チーム中6位に終わってしまって、最終試合でも自分たちに流れを持ってこられなかったという部分で全体的に見てもあまり良くなかったのかなという印象でした。実際に試合をやっていて、早稲田というチームの色を出せなかったり、自分たちの雰囲気に持ってこられなかった時間帯の方が多かったので、そういう部分では残念な秋リーグになってしまったかなという感じです。

山本 ほとんど言ってくれたんですが、いい試合のときと悪い試合のときの差というか、自分たちが楽しんでやるということを1番にしている中でそれができた試合が少なかったので、試合の結果以前に自分たちのプレーをするということがあまりできなかったかなと思いました。

――秋季リーグの中で印象に残った試合はありますか

川村 悪かった方からなんですが。悪かった方は1戦目の日体大戦で、その前にインカレシード決定戦で一度日体大とやって、自分たちの全力を出し切っても勝ち切れなくて、延長で負けてしまったという不安を少しでも持った状態で日体大戦に挑んでしまったので、もちろんリベンジしたいという気持ちや絶対に勝つという気持ちの方が大きかったですが、なかなか追いついたり追いつかなかったりで試合展開が進むにつれて、またダメなのかと気持ちの面でマイナスなところが出てしまって、初戦でもあったので他の試合でもそれが響いてきたのが1番悪かったと思う試合でした。良い試合は国士舘大戦です。土・日と試合があったんですが、土曜日に日女体大とやって日曜日に国士舘と2連戦で、人数が少ないので交代もできない状況で自分たちの力を出し切るという気持ちをもって国士舘大戦を戦えて、結果的に勝利につながったので、チームの成長が見られる試合だったし、とてもよかったのではないかなと思います。

山本 いい試合は国士舘大戦だと私も思います。試合展開がどっこいどっこいな時にいつも自分たちが下がるということが序盤の東女体大戦などでは多かったので、その時に相手に流れを持っていかれなかったというか、終盤に自分たちで突き放せたところが良かったと思います。

――秋季リーグを通して、個人やチームとして成長した部分は

山本 チームとしては春リーグ(関東学生春季リーグ)よりもチームとしてのオフェンスは合ってきたんじゃないかなと思います。ディフェンスでは運動量が試合中の大事な場面で発揮できたり、連携も春よりも固まってきたんじゃないかなと思います。

川村 技術面のことは今、山本が言ってくれたようなことだと思います。精神面とかチームに対する意識は、4年生が最後に近くなっていることに対して、4年生が少なくて下級生も多く試合に出ているチームなんですが、下級生でもっとこうしないといけないといった話し合いもできて、チームに対しての意識や自覚が高まっていけたのが良かったのではないかなと思います。

――個人としては(成長できた部分は)ありましたか

山本 個人としては、途中出場が多かったんですが、退場者の代わりに出るんですが、そのときに流れが変わる・変わらないかでチームに影響を与えるので、そのときにもっと冷静にプレーして出たときにもっとチームに貢献できる選手になれればなと思います。

川村 ずっと試合に出させてもらっていて、1年の時も試合に出させていただく機会があって、2年になってこのチームでという感じなんですが、2年でこれだけ試合に出させてもらったというのもすごくいい経験になったと思うし、4年生が少ない分自分がやらないといけない切迫感というか、自分がやってやろうという自覚とかが芽生えて、それをチームに対する声掛けというかたちで貢献できたかなと思うので、それは成長というか良かったところだと思います。

「相談相手のような良い関係を築けている」(川村)

笑顔を見せる2人。仲の良さが窺えます

――早稲田大学を選び、入学した理由は

川村 もちろんハンドボールのためにというのもあるんですけど、早稲田大学って色んな人が来て、それこそオリンピックに出ている人もいたり、同級生の中で年代別日本代表とかいたりとかそういったトップアスリートと言われる人がいるので、そういう人たちと知り合うことで自分にも刺激がもらえるし、意欲も出てくるので、いろんな人脈を広げるために早稲田を選んだところはあります。

山本 私も早稲田大学だといろんな価値観を持っている人がいて、その人たちと関わることによって自分に新しい発見とかができるのではないかと思って早稲田大学に入学しました。

――2人とも佼成学園女高(佼成)出身ですが、早稲田に入って佼成と違うなと特に部活で感じる部分はありますか

川村 先輩にも結構佼成がいて、佼成の流れというかそういうのを感じる部分は多いけど、大学生だなと思うのは自分たちが主体的にやろうとする部分は違うなと思います。

山本 練習時間が高校のときより短い(笑)。あとは、高校のときとは違って、先生とか仕切る人がいないので自分たち次第という難しさや楽しさがあって複雑です。

――お互いの第一印象はいかがでしたか

川村 本当にしゃべらなくて(笑)。私が1年先輩で(山本が)後から入ってきたんですが、中学からお互い知ってはいて、私は山本のことを上手いと思っていたので、そういう子が佼成に入ってくれてうれしいと思っていたんですが、本当にしゃべらなかったので、嫌われてるのかなって(笑)。でも、第一印象は本当にしゃべらないおとなしい子なんだという感じでした(笑)。

山本 真面目だなと思っていました。

――大学に入って、現在の印象はいかがですか

川村 高校で2年間一緒に付き合ってきて、大学でも今やっていてしゃべるようになったので、ハンドのことももっとこうした方がいいんじゃないかとか、私が山本にアドバイスを聞く場合もあるし、山本からも発信してくれたりします。そこは同じ高校の仲間ということもあって積み上げてきた基盤が同じなので、良いコミュニケーションが取れて相談相手のような良い関係を築けているんじゃないかと思います(笑)。

山本 昔、高校時代よりはしゃべれるようになったというのと(笑)。私が結構子どもなので、ハンドの面でも私生活の面でもいろいろ相談をしたりするんですが、いい感じの答えが返ってくるので(笑)。頼りになるなと思っています。

――ハンドボールを始めたきっかけは何でしたか

川村 小学校4年から父の影響で始めました。

山本 私も小学校4年で父がやっていて、姉とかいろんな人がやっていたので始めました。

――話が変わりますが、それぞれの同期の印象はいかがですか

川村 2年はそれぞれ地方の強いところから来ているので、真面目だしやる気があるし、ハンドの面においては目的意識が高くて真面目な印象ですね。

山本 ハンドの面では結構話す関係で、でももう一人のハンドやっていない子でもプレーのことで話したり、お互い数か月しか経っていないですが、結構仲良くなったなと思います。

――逆にお互いの学年に対する印象はいかがですか

川村 1年生はフレンドリーというか、先輩だけど気軽に接してくれているので、そこはありがたい部分でもあるなという感じです。

山本 2年生はすごく真面目なイメージです(笑)。怖くはないんですが、練習中も真面目でそういうところは見習いたいと思います。

――では、仲の良い選手や先輩はいますか

川村 結構上下関係もめちゃくちゃはっきりしているわけではないので、後輩とも遊びに行ったりするし、今はあまり行けてないですが、先輩ともご飯に連れて行ってもらったりとかもしますね。まあ、でも後輩だったら山本は同じ高校なので仲良くさせてもらっている感じで、先輩も同じ高校の先輩はより親しみやすいかなという感じです。

山本 同じ感じです(笑)。

「キーパーがサイドシュートを止めたら勝つ」(川村)

色紙に意気込みを書く2人

――続いて、インカレの話に移りますが、インカレはこのチームでできる最後の公式戦の機会になります。そこで、4年生に対する想いはいかがですか

川村 4年生がこのチームを引っ張ってきてくださって、特に紅林主将(紅林詩乃、スポ4=東京・佼成学園女)はリーダーシップがあって尊敬している私自身のロールモデルになるような方です。その紅林主将に4年生という土台があって、このチームを作ってきてくださったので、自分たちがのびのびハンドできている主4年生のおかげだなと思うし、言いたいことが言える環境も作ってくださってすごく感謝しているので、試合にはもちろん勝ちたいけど4年生に対しての恩を返すというか感謝の気持ちを持ってやるとすごく思っていて、このチームでできる最後の大会になるので、勝つという目標以外にも4年生に感謝と恩を返すという別の目標も持ってやっていきたいなと思います。

山本 4年生は人数が少ない中で早稲田のこのハンドボールチームを引っ張ってくださっていて、人数が少なくて負担も感じていると思うんですが、それを見せないくらい練習や試合では自分たちが集中できる環境を作ってくださっているので、その分自分たちがもっと楽しんで集中して、4年生が作ってくれた環境で勝ちたいなと思います。

――インカレで早稲田のキーマンになる選手は誰でしょうか

川村 同期の村上(村上楓、スポ2=福岡・明光学園)は1年から一緒に試合に出ていて、少し怪我のブランクがあって秋リーグでという感じだったので。村上のスピードとか判断力とかというところは早稲田に欠かせないと思うので、そこには期待したいなと思っています。山本も頑張ってくれると思うので、期待したいです。

山本 私も村上選手と川村さんで。

川村 付けたしたみたいに(笑)。

山本 違う違う(笑)。何%でしたっけ?セーブ率。

川村 4割くらいかな。

山本 春リーグでも秋リーグでも止めてほしいところで止めてすごく助かったので、インカレでも期待したいです。

――お二人とも初めてのインカレですが、個人的な頑張りたい部分や見て欲しいプレーはありますか

川村 頑張りたい部分はサイドシュートのセーブ率が低いので、私の中では自分たちのチームがサイドシュートを決めたら勝つし、キーパーがサイドシュートを止めたら勝つと思っているので、サイドシュートはこれから練習して自分だけのキーピングを見つけていきたいなという課題があります。見て欲しいのは、自分は思い切りのいいキーピングをする方だと思うので、ダイナミックなセーブを見ていただけたらなと思います。

山本 私は途中出場の方が多いと思うんですが、そのときに冷静に対応できることを目標としてやるので、出たときに見てほしいのと、ディフェンスでは小さいですが、クロスアタックなど駆け引きの部分に注目してほしいです。

――最後にインカレへ向けた意気込みをお願いします

川村 このチームでできる最後の大会なので、4年生に恩を返すというのもそうだし、4年生ばかり目立つのではなくて、下級生も目立ってチームが一体となって勝てるようにしっかり頑張りたいと思います。

山本 チームのことは上級生が仕切ってくれているので、自分としてはコートに出たら楽しんでやることを一番に考えて頑張りたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 杉原優人、写真 原澤ひかり)

“決意、新たに”初めてのインカレに挑みます!

◆川村夏希(かわむら・なつき)(※写真右)

2001(平13)年6月22日生まれ。171センチ。東京・佼成学園女高出身。スポーツ科学部2年。長い手足を生かしたダイナミックなキーピングで秋季リーグでも好セーブを連発した川村選手。対談中は柔らかい表情でしたが、4年生に対する熱い想いを話してくれました。インカレでは川村選手にしかできないビックセーブに注目です!

◆山本桃虹(やまもと・とうこ)(※写真左)

2002(平14)年8月1日生まれ。152センチ。東京・佼成学園女高出身。スポーツ科学部1年。今季、途中出場から様々なポジションに入る器用さを見せた山本選手。対談では川村選手との仲の良さが垣間見えました。インカレでも、退場時など流れを左右する場面でポリバレントな活躍が期待されます!

« 特集に戻る