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2021.04.07

【連載】春季リーグ戦開幕前特集『anew』 第9回 中川卓也

 昨年の東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)では、ベンチ入りすら逃し、優勝したチームの輪の中に加わることができなかった中川卓也(スポ3=大阪桐蔭)。この悔しさを糧に、春季オープン戦では5割近い出塁率を残すなど、飛躍を遂げようとしている。そんな中川卓に、冬場の取り組みや春季リーグ戦に向けた意気込みを伺った。

※この取材は3月27日に行われたものです。

技術的にも肉体的にも変えたオフシーズン

質問に答える中川卓

――大学野球とは少し関係ない話なのですが、今行われている選抜高校野球大会は、ご覧になりますか

中川卓 時間もあまりないので、そんなに見ることはできていないのですが、昼休憩の時にテレビをつけて、ちょっとの間見てはいます。

――後輩の試合(大阪桐蔭―智弁学園)はご覧になりましたか

中川卓 後輩の試合が2試合目で、ちょうど昼休憩とかぶっていたので、その時はギリギリまで見ていました。

――後輩のことは気にかけてらっしゃいますか

中川卓 やっぱり気になりますね。

――後輩の試合をご覧になった感想はどのようなものでしたか

中川卓 まぁ、まだまだだなと。見えないミス、記録にならないミスがすごく出ていて、それで失点もしていたので、そういうところは夏にかけて磨きがかかる部分だなと思います。

――練習をされていないオフの時間の息抜きは、どのようなことをされていますか

中川卓 最近は、オフまでの1週間でたまったドラマがあるので、ドラマを見たりしています。

――ちなみにどのようなドラマをご覧になっていますか

中川卓 恋愛ものはあまり見ないので、推理系のものが多いかなと思います。

――本題の方に話を戻していくのですが、この冬の練習はどういったことを意識して取り組まれてきましたか

中川卓 とにかく量をこなす、量を振るということをテーマに置いて、連続のティーを(ボール)1箱やったりしていました。学校がある時は時間別練習なのですが、時間別練習が終わった後にもう1回グラウンドに下りてきて(練習を)やったりしていました。また、これも毎年なのですが、今年は特にウエートトレーニングに力を入れて、各部位各部位で週6回ウエートを入れて、技術的にも変えていきましたし、肉体的にも変えたオフシーズンを過ごせたかなと思います。

――肉体的に変えたというところについて、冬のトレーニングを経て、体重は増えましたか

中川卓 このオフに週6回、筋肥大のウエートトレーニングをして、体重がグンと増えたというわけではないですが、体脂肪率が落ちて、筋量が増えたりはしたので、体つきも変わってきたなという感じはします。

――続いて技術的なところを聞いていきますが、打撃においてはどのようなことを変えられましたか

中川卓 プラスに捉えると、(昨年の秋季リーグ戦は)メンバーを外れて、一から自分を見つめ直すことができたので、徹底的にバッティングで下半身をいじめ抜きました。あとは、今まで苦手意識があったインコースの対応の仕方を鈴木コーチ(鈴木浩文コーチ、平5社卒=東京・関東一)に教えてもらいながら、(バットの)抜き方というものを変えました。

――このことについて、オープン戦などでは手応えを感じてらっしゃいますか

中川卓 だいぶインコースのさばきというものも自分のものにでき始めてきていて、連続ティーとかで下半身をいじめ抜いてきたことも、言葉にするのは難しいのですが、「グッ」という一瞬のためや力が加わっているので、冬に振り込んで(体を)いじめ抜いてきたことが、ちょっと生きてきているのではないかと思います。

――少し話が変わるのですが、昨年末の対談の際に、丸山壮史主将(スポ4=広島・広陵)や占部晃太朗新人監督(教4=早稲田佐賀)から、「チームのことについてどんどん発言していってほしい」と言われていると中川選手はおっしゃっていました。今までどのような発言をされていますか

中川卓 練習がどうこうとかを言うことはないのですがプレーに関して細かいところも言わせてもらっているので、連携プレーをするにあたって、自分が思うことは全部言っているという感じですね。

――連携プレーに対する意識や徹底する気持ちのようなものは、高校生の時に身につけたのですか

中川卓 高校の時は全寮で本当に日本一だけを目指してやっていて、言い方は悪いですが野球しかやっていなかった高校3年間だったので、そのようなものは経験として自分の頭や体に染みついています。そのようなことがあるので、まだ100%になりきれていない人がいれば、先輩、同級生、後輩関係なく言うようにはしています。

「ボールを長く見られるようになった」

2日に行われたJFE東日本戦で左前打を放つ中川卓

――続いてオープン戦のことを伺っていきます。現在の打撃の調子はいかがですか

中川卓 良かったり悪かったりですかね。この冬やってきた良いところも出てはいるのですが、まだ課題もたくさんある状態なので、ここからどんどん仕上げていきたいです。

――課題は具体的にどのようなものだと考えていますか

中川卓 簡単に言えば、左投手の時に打率が少し下がってしまうので、そこの打率を求めていくというものが一つです。あとは、ヒットはちょこちょこ出ているのですが、試合の大事な場面でのヒット1本というのが、まだあまり出ていません。そこでヒットや犠牲フライなど何かしらのかたちで打点をつけられるようなバッターにならないと駄目だと思うので、そこが課題かなと思います。

――オープン戦では四球がすごく多いと思うのですが、その要因をどのように考えていますか

中川卓 この冬ずっとやってきたインコースのさばき方というものを自分のものにでき始めてから、打席の中で楽になったというか、ボールを長く見ることができるようになりました。インコースさえさばければ大丈夫、という余裕も生まれてきたので、そこで空振りを狙ってくるフォークボールやチェンジアップを見極められているというのが、四球が多い一つの要因かなと思っています。

――これまでですと、インコースを意識してしまって、外のボール球を振ってしまっていたのでしょうか

中川卓 そうですね、インコースに手が出ないことが多かったので、そこでインコースを意識するとフォークボールやチェンジアップにやられてしまっていました。逆にフォークボールやチェンジアップを意識してインコースの真っすぐがドンと来た時に、空振りしてしまったり見逃してしまったりということが多くあって、去年までは三振がすごく多かったです。今年は三振を少なく四球を多く、というのが結構できてきているので、いい状態にはあるかなと思っています。

――先ほどの話と少し関わってくると思うのですが、昨年の対談の際に、ボールの見え方についておっしゃっていましたが、ボールの見え方は良くなっていると感じていますか

中川卓 確実に去年、おととしに比べてボールの見え方は良くなってきていて、あとは(ボールを)捉える技術だけだと思っているので、ボールを見極める選球眼に関しては、ほとんど自分の思うようになってきているのではないかと思っています。

――ボールを捉える、ということについて、昨年の対談の際に「去年はボールを迎えに行ってしまった」とおっしゃっていましたが、この部分は改善されていると考えていますか

中川卓 インコースが楽になった分、ボールを長く見られるようになって、長く見られる分(打席で)余裕が生まれるので、迎えに行くということがなくなって、しっかりと自分の間で振るということができてきているのかなと思います。

――ミスショットが減っているという感じはありますか

中川卓 このオープン戦も速球の速い投手や、変化球が多い投手とも対戦してきているのですが、その中でもセンター中心にミスショットも少なく捉えることができているかなと思います。

――ここまでのオープン戦では長打がほとんどないと思うのですが、このことについてはどのように考えていますか

中川卓 (長打を)打てるに越したことはないのですが、今はセンター中心に低い打球、低い打球と心がけてやっています。自分が思うには、長打を打ちたい、本塁打を打ちたいという欲が出れば出るほど、打率は下がってくる一方という感じで、(長打を打ちたいという)欲と打率は反比例していると思います。今はずっと2番を打たせてもらっているので、2番は長打を打つというよりかは、センター、センターというかたちでヒットや四球でつないでいくということが今の自分の立場だと思うので、そこは(長打に)こだわらずに、打率、出塁率にこだわってやっていきたいなと思いますね。

「本当にやれることは全部やってきた」

――今日で春季リーグ戦の開幕まで2週間となりますが、現在の心境はいかがですか

中川卓 もちろん多少の不安はありますが、この冬に自分としても数も質も高い練習をやってきたという自負はあります。自信を持って、あとは結果が出るか出ないかというだけの話だと思いますし、本当にやれることは全部やってきました。あとの結果はその時(春季リーグ戦)にならないとわからないと思うので、不安半分楽しみ半分といったところですね。

――開幕までの時間を使って、もっと練習していきたいところはどのようなところですか

中川卓 今は実戦の時期に入ってきているので、実戦に入ってくるとどうしても崩されたり、刺されたりすることも多いので、こういう時こそ基本に返って、この冬練習してきたものを再確認するということと、相手投手を見て良いイメージを膨らませるということが、この2週間は大切かなと思います。

――他の5大学で特に警戒されているチームはありますか

中川卓 どこも強いのですが、毎年苦戦している慶応は倒さなければいけない相手だと思っていますし、早稲田にいる以上慶応には絶対に負けられないという思いがあるので、他の4大学にも勝たなければ優勝はないと思うのですが、とにかく慶応には負けないということでずっとやっています。

――中川選手の目から見た慶応の強さの要因は、どのようなものだと考えていますか

中川卓 一人一人の能力ももちろん高いですが、チームとしてのまとまり、打線としてのつながり、守備の連係というところなどのチーム力で一枚上手になっていたという部分はあります。そこの部分は、この冬から春にかけて早稲田もやってきた部分なのですが、そのようなところが強みになるのかなと思いますね。

――チーム力というものに関して、現状の早稲田の状態に手応えは感じてらっしゃいますか

中川卓 大敗する試合も何試合かあったので、危機感というものは常に生まれています。昨日も負けた後にミーティングをして、「このままじゃ駄目だ」ということで、今日の練習もいい雰囲気の中でできているので、チーム力というものはどんどん上がっていっていると思います。

――春季リーグ戦の中で対戦してみたい投手はいますか

中川卓 桐蔭の二つ下に、明治に入学する予定の藤江(星河)という後輩がいるのですが、いい投手なので、対戦してみたいなというのはありますね。

――高校の時に対戦されてことはありますか

中川卓 練習の時に何打席かという感じなのですが、その時よりも絶対にスケールアップはしていると思うので、楽しみですね。

――では、警戒されている投手はいらっしゃいますか

中川卓 全員警戒はしないといけないのですが、特に警戒しないといけないのは、法政の山下投手(山下輝)、慶応のエースの森田さん(森田晃介)です。その辺の投手を打たないと勝てないし、勝てないと優勝できないと思っているので、そういうところを打ちにいきたいなと思いますね。

――春季リーグ戦において、中川選手が目標とされている数字や成績はどのようなものですか

中川卓 打率3割というものは常に目標に置いています。チームとしてはリーグ優勝、(個人としても)できることならベストナインも取りたいと思っています。ベストナインを取るためには、やはり打率も残していかないといけないと思っているので、打率、出塁率というものにこだわってやっていきたいなと思っています。

――春季リーグ戦に向けての意気込みをお願いします

中川卓 チーム状態も少しずつ良くなっていっていますし、個人としても少しずつ状態は上がっていっています。去年の秋に優勝はしているのですが、自分としてはベンチに入ることなく、試合に出ることなく、終わってしまったシーズンでした。秋春連覇はチームとしての大きな目標ではあるのですが、個人としてもチャレンジャー精神を持って、向かってくる投手を打てたらいいなと思っています。

――ありがとうございました!

(取材・編集 杉﨑智哉)

◆中川卓也(なかがわ・たくや)

2000(平12)年7月28日生まれ。175センチ。75キロ。大阪桐蔭高出身。スポーツ科学部3年。内野手。右投左打。「数も質も高い練習をやってきたという自負はある」というように、自分を追い込んできた中川卓選手。スタンドで優勝を見届けるしかなかった昨秋とは異なり、自らのプレーでチームの秋春連覇に貢献します!

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