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2021.04.06

【連載】春季リーグ戦開幕前特集『anew』 第6回 山下拓馬

 第6回に登場するのは、早稲田が誇る守護神、山下拓馬(法4=埼玉・早大本庄)。昨年は東京六大学リーグ戦(リーグ戦)初登板を飾ると、リリーフとして揺るぎない投球でチームの優勝に貢献した。ラストイヤーとなる今シーズンを前に、どんな思いを抱えているのか。オープン戦の結果を踏まえて現在のチームの状況、リーグ戦への意気込みを伺った。

※この取材は3月27日に行われたものです。

「一挙手一投足を大事に」

質問に答える山下

――春季オープン戦、全体を振り返って手ごたえはいかがですか

3月が始まってすぐのセガサミー戦で自分は6失点してしまって、そこで自分の悪いものが全て出て、基礎から見直してもう一回組み立て直すことが出来ました。その試合では6失点しましたけど、総合的にこのオープン戦振り返ってみたときには、すごく良かったかなと思います。

――自分の悪いものとは具体的には

フォームの面でしっかり足を上げて立つということが、自分の場合は大事になってくるのですが、立つということが疎かになって、早めにホームベース側に流れてしまうことがあったので、しっかりとした基礎を見直すことが大事だなと思いました。

――その後、練習で具体的に変えたことは

基礎ドリルを毎日欠かさず、練習後残ってでもやるようにしました。あとは自分がやったのはネットスローですね。フォームの細かい修正をして、修正したものをキャッチボールとピッチングで確認するということをやるようにしました。

――それぞれの球種の完成度は何%くらいでしょうか

ストレートは自分が目指しているところからするとまだまだなところがあるので、75から80くらいですかね。合格ラインには乗ってきているのですが、まだ当てられてしまうことはあるので。まっすぐと分かっていても当てられないストレートというものを目標にしているので、75から80ですかね。スライダーはすっぽ抜ける球がなくなってきたので、そういう面で見ると、70点くらいですかね。もうちょっとコーナーに投げ分けたり、ストライクからボールになるというのをしっかりできるようになったりすると100点になるかなと思います。チェンジアップはこのオープン戦では結構いい感じで来ているので、落ち幅とストレートに対しての奥行き、あと腕の振りが自分の中ではいい感じになってきたので、まだ腕の振りがまだ緩むところとかもっとストレートを似せるところ等詰められるところは詰めなくてはいけないのですが、90点くらい上げてもいいかなと思います。

――以前の新体制対談の際、体力づくりと捉えられないストレートを課題に挙げていましたが、この冬力を入れたことは

ピッチャー陣としてメニューで全体の走り込みの量が増えて、その分体力はついたのですが、走っている分、下半身の筋肉が落ちてしまうのでウエイトなどで補って強い下半身を作ることをしていました。あと、最近西垣(雅矢、スポ4=兵庫・報徳学園)ともよくやるのですが、胸郭、胸周りの柔らかさがピッチャーは大事なので、ブリッジもしっかりできるように練習後、残ってやったり意識的にしています。

――キャンプが今年も中止となりましたが、影響はどのように感じていますか

やっぱり早いうちから暖かいところで追い込んで投げ込むことができなかった分、自分もそうですがピッチャー陣全体として、まだ不安が残る所があります。不安が重なったところで大量失点しているので、影響がないとは言えないですけど、去年も実際そういった中で成績を残してきたメンバーが残っているわけなので、その面ではここから調整できるので、大丈夫かなと思っています。

――今年の投手陣、いかがですか

去年の練習試合でも一時期課題として出たのですが、フォアボール、あからさまなボールが今年はすごく目立っているので、そういうところをピッチャー陣全体として去年が早川さん(早川隆久、令3スポ卒=現東北楽天ゴールデンイーグルス)というすごい人がいて、キャプテンで周りを引き締めて破ってくれていたので、締りのあるものだったのですが、締める人がいなくなってうわついて、緊張も初めて投げるピッチャーはあるのですが、早川さんや柴田さん(迅、令3社卒)みたいになれるように徳山(壮磨、スポ4=大阪桐蔭)、西垣と自分が先頭に立ってまとめていかないといけないのかなと思いました。

――後輩に声がけしたことはありましたか

昨日の試合、大差で負けてしまって(三菱重工East戦、●1-11)このままではだめだと思って、自分はリリーフなので、リリーフのピッチャーを集めて、自分が思っている心構えはこういうものというのは伝えましたね。

――具体的にどういうことを伝えたのでしょうか

そうですね(笑)。フォアボールが課題だったので、リリーフは1、2イニングしか投げないのだから、細かいところ狙わずに強く思いきって。バッターは10回に3回打てればいいバッターって言われるくらい確率が少ないから大丈夫だよ、ということを伝えました。

――チームのスローガンが『一球入魂』。何か今年に入って具体的に意識していることや行っていることはありますか

連携プレーの一球、ワンプレーに集中することはもちろんなのですが、ピッチャー陣の練習としてはボールを扱うことよりも走るなどトレーニング面が多いので、トレーニングの1つの形をしっかりきれいに作ってやろうというのを投手コーチの須永(賢也、スポ4=群馬・前橋)の方から話があって、ピッチャー陣はそういう一挙手一投足を大事にというふうに考えています。野手の方は、素振りの一本、野手のベースランニングのダッシュ一本から手を抜かずに一個一個やろうという雰囲気のもとやっています。

――山下選手から見て今年の野手はいかがですか

正直言うと、物足りないなとは思います。去年の先輩方がすごかったですし、そういう人に慣れてしまっている自分もいて、守備範囲や勝負強さ、走塁の足の速さもそうなのですが、全てにおいて物足りないと感じる事が多いです。でも、ピッチャー陣も野手から見たらそうなので、そこはお互いピッチャーから見た野手はこうだよとかお互い言いながら、野手も上げていければいいかなと思います。

――小宮山監督やコーチから言われていることはありますか

そうですね、監督からは常々「真剣にやれ」ということは言われていて、それもやっぱり一球入魂をスローガンにしているにあたって、このプレーじゃない、と監督からは見える。選手が一生懸命やっていると思っているのと客観的に見て真剣にやっているがずれていたら一生懸命真剣にやっていないということなので、そこをもっと詰めてやれということは常々監督から言われています。個人的に監督から言われていることは特にないですけど、コーチの方からは「お前が多分クローザーになるから魂を投げてこい」と言われました。

――クローザーとして課題に抱えていることはありますか

色々あるのですが、ストレートの球威ももっとあった方がバッターは怖いですし、変化球の精度ももう一段階上に行かないと簡単には打ち取れないと思うので、一番自分の中で足りないと思っているのは、「こいつが出てきたらもう安心だ」と思わせるピッチャーになれていないと感じていて、野手陣が安心して後ろ守れるようなピッチャーが最後出てくることが、守護神、クローザーとして大事だと思うので、そこを詰めて練習試合残り少ないですけど、結果出して、3人全て切っていけば、野手からの信頼も取れるかなと思うので、頑張りたいと思います。

「自責点0ではなくて、無失点」

2日のJFE東日本戦で登板した山下

――春季リーグ戦が近づいていますが、心境はいかがですか

あと2週間が短いと思いつつも、まだ時間があると思っています。というのも、チーム状況あんまり良くないので、残り2週間で間に合うのかなという思いと、個人としてもチームとしてもあと2週間詰め込めばいいチームになって優勝できるという思いもあるので、そこは練習から一球入魂で頑張ろうと思います。

――チームとしての雰囲気は

ミーティングとかから学生コーチの占部(晃太朗、教4=早稲田佐賀)とか清水(大翔、スポ4=大阪・早稲田摂陵)とか丸山(壮史主将、スポ4=広島・広陵)が前で発言する場面が多くて、その3人が常々リーグ戦優勝・日本一という言葉をかけてくれているので、自分たちはそこに向けて突き進もうという気持ちが強いのですが、その気持ちが強すぎて空回りしている感じが強いと思いますね。

――春季リーグ戦、カードをご覧になっていかがですか

あんまり覚えていないんだよな(笑)。自分の場合ですが、あんまり相手を意識するというよりかは自分を高めないといけない段階なので。初戦は東大で油断はできないですけど、他の大学に比べたらまだ時間はあると思っていて、その次までに完璧に仕上げればいいかなと思っています。ちょっとカード分かんないので、調べていいですか(笑)。今見た感じだと、慶應は(去年の主力が)残っているので強いのはそうですが、個が強そうな法政とか、粘り強いイメージのある明治が後半3つですよね。立教も強いと思うのですが、自分の中ではその3チームの方が手強いイメージがあるので、前半チームが仕上がる前に戦うはめにならなくてよかったかなと思います。

――今季の早稲田優勝のキーマンになるのは誰だと思いますか

キーマンですね、誰かな。野手は岩本(久重副将、スポ4=大阪桐蔭)、丸山あたりだと思うのですが、キャプテン副キャプテンが4番5番を打っていて、そこが打つか打たないかでだいぶ変わるので、そこの2人は注目した方がいいと思います。ピッチャーは自分的には、新2年生加藤(孝太郎、人2=茨城・下妻一)とか新3年生原(功征、スポ3=滋賀・彦根東)とかが新戦力として投げると思うので、その二人がどれだけ抑えられるかでだいぶ勝敗が変わって来るんではないかなと自分は思います。

――春季リーグ戦の個人的な目標と山下選手の注目してもらいたいポイントはどこでしょうか

注目してもらいたいポイント(笑)。まず目標でいいですか(笑)。目標はやっぱり無失点。クローザーなり後ろを務めるにあたって、点を取られてはいけないと思っているので、自責点0ではなくて無失点。ここはやっぱりずっと掲げていますけど、投手であればやっていかないといけないところで、それにプラスして三振をイニング数より多く奪いたいなと思います。というのも、自分は調子悪い時は打たれるけど、調子いい時はほぼ打たれずに三振をとってアウトを取ることが多くて、三振が取れていれば点を取られずに春・秋一年を終わらせられると思うので、三振にこだわってやっていきたいと思います。(あと、)注目してもらいたいところですよね、難しいな(笑)。チェンジとまっすぐのコンビネーションもあると思うのですが、自分まっすぐで押すことが多いと思うので、強気な投球スタイルって言うんですかね、そういうところを見てほしいなと思います。

――リーグ戦の意気込みをお願いします

まず、初戦東大勝って、立教勝って、法政・明治・慶應も勝って優勝して、チームとしては2連覇したいと思います。個人としては目標達成して、無失点、奪三振、150キロ投げてちょっと騒がれたいと思います。

◆ 山下拓馬(やました ・たくま )

2000(平12)年2月29日生まれ。184センチ、90キロ。早大本庄高出身。法学部4年。投手。右投右打。笑顔で今季のリーグ戦の対戦相手を調べ直してくださった山下選手。そのような優しさにきっとチームからの信頼も厚いはず。今季は早稲田の守護神として大活躍してくださるに違いありません!

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