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野球部

2021.03.15

【特集】注目ルーキー特集 第2回 中村敢晴×吉納翼

 2年時のセンバツで決勝本塁打を放つなど優勝の立役者となった吉納翼(スポーツ科学部入学予定=愛知・東邦)と、遊撃手としてチームを春夏甲子園出場へと導いた中村敢晴(スポーツ科学部入学予定=福岡・筑陽学園)が春から早大野球部の一員となる。神宮へと戦いの場を移し、日本一を目指す2人のスターに大学野球生活に懸ける熱い思いを伺った。

※この取材は2月23日に行われたものです。

「早稲田は大学野球のトップ」(中村敢)


質問に答える中村敢(左)と吉納

――大学野球部の練習に参加し始めてから2週間ほどになりますがいかがですか

中村敢 東京六大学の中でも早稲田大学はレベルの高い選手がそろっていて、その環境の中で野球をするにあたってまだまだ学ぶこともありますし、先輩方に教わっているので最初は緊張しました。

吉納 今は練習メニュー的には慣れてきたのですが、やはり一球に対するプレーというものを小宮山監督(悟、平2教卒=千葉・芝浦工大柏)や先輩方が練習から意識なさっていて、グラウンドに今までにないような緊張感が走っていると感じました。

――東京に来てからの生活は変化しましたか

中村敢 高校の時から寮生活を送っていたので、特に変わったことはないです。

吉納 寮生活の面では特に何も感じませんが、街に出ると人が多いなとは感じます。

――プロ野球と大学野球という選択肢があった中で大学を選んだ理由を教えてください

中村敢 大学で体づくりや体力づくり、また技術面を4年間で身に付けて、大学を卒業してからプロに入って1年目で活躍することが一番の近道だと思ったからです。

吉納 正直高卒から狙っていたのですが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で春の大会や夏の甲子園も全部中止になって、スカウトの方に全然注目されていないと感じましたし、進学するのであれば東京六大学の中でも早稲田大学でプレーしたいということは決めていたので、プロに入って1年目から活躍できるように大学で4年間鍛えていきたいなと思っています。

――早稲田を意識したきっかけを教えてください

中村敢 父が早稲田大学出身で、高校の頃に父が早稲田大学のユニフォームを着てプレーしている姿を見てかっこいいなと思い、自分も入りたいと思いました。また、一番レベルの高い東京六大学で野球をやりたいと思ったからです。

吉納 小さい頃から大学野球で聞く名前が早稲田という中で、昔ナゴヤドームで全早慶戦を見た際に早稲田の野球に引かれましたし、高校の頃からレベルの高いところでやりたいと考えており、自分も早稲田に挑戦できる機会があったので選びました。

――早稲田大学の野球に対するイメージはどのようなものですか

中村敢 早稲田大学は東京六大学の中でも野球のレベルが高いと感じます。加えて、プロ野球選手も多く輩出しており、早慶戦になると神宮での観客の数も多くなるので、そのような面では大学野球の中でもトップだと考えています。

吉納 早稲田大学は(六大学の)リーグ的にも有名ですし、大学野球の中でも日本一だと思います。

――高校野球と大学野球の違いはどのようなところを感じていますか

中村敢 大学野球は少ない時間でも全員がフル稼働して無駄な時間がないというのが一番の差だと思っています。

吉納 大学野球は少ない時間の中で内容の濃い練習をすると感じましたし、大学から使用するのが木製バットに変わるのでそこに対してや練習全てにおける対応力が必要だと考えています。

――木製バットの対応力を高めるためにどのような練習法を取り入れているか教えてください

中村敢 木製バットは数多く打って慣れるしかないと思っています。

吉納 木製バットは金属バットに比べて芯の幅が狭いので、ティーバッティングやバッティング練習の中でどれだけ狭い幅の芯に当てることができるのかということを意識しています。

――小宮山監督の印象はいかがですか

中村敢 論理的にというか、一つ一つ考えて野球に取り組むことを最も大事にされている方だなと思っています。

吉納 一つ一つのプレーに対して奥深くまで考えて野球をされている方だなという印象はあります。また、グラウンドにいても外野から見られている雰囲気があるので、より一層自分も集中しなければという気持ちになります。

――先輩方の印象はいかがですか

中村敢 先輩方は一つ一つの動作に対して丁寧に教えてくださるので、今まで意識していなかったことをここにきて先輩方に教えていただいています。

吉納 高校とは違ってさまざまな地方出身の方がいらっしゃるので人によって振る舞い方も違うのですが、一つ一つ丁寧に教えてくださることは共通して言えることだと思っています。

――仲の良い先輩はいらっしゃいますか

中村敢 福岡から来ているので関わりのある先輩はいないのですが、同じポジションの熊田さん(任洋、スポ1=愛知・東邦)はアップやトレーニングを丁寧に教えてくださるので、いつもお世話になっています。

吉納 熊田さんは同じ高校ということもあり当時からよく話す仲だったのですが、早稲田大学への進学が決まった時から寮のことや野球部のルールを教えてくださったので、やはり高校の先輩がいることはありがたいなと思っています。

「最初の一振りを大切に」(吉納)

――ここからは吉納選手への質問になります。東邦高校の1学年先輩である熊田選手から、大学進学についてアドバイスを受けましたか

吉納 監督からの提案を待つのではなく、自分が行きたいところに行った方がいいよというアドバイスをいただきました。

――吉納選手は2019年の春のセンバツに出場されていましたが、高校3年間で一番記憶に残っている試合は何ですか

吉納 センバツの準決勝の明石商業戦で自分が3ラン本塁打を打って勝つことができたのですが、その試合で人生が変わったという実感はあります。

――高校時代、野球をする上で大切にしていたことや心がけていたことはありますか

吉納 中学時代のクラブチームの監督が「一球一歩一振り」を大事にされていたのですが、プレーに対しての一球であったり、スタートの一歩目であったり、最初の一振りを今でも大切にして練習に取り組んでいます。

――吉納選手自身が思う自分の持ち味は何だと思いますか

吉納 広角に長打が打てることと、肩の強さです。

――逆に現時点での課題はどのような部分だとお考えですか

吉納 高校野球と違って内野も外野も全て人工芝なので速い打球への対応と、後は走塁を強化したいと考えています。

――ここから中村敢選手への質問に移ります。吉納選手と同様の質問になりますが、高校時代の3年間で一番印象に残っている出来事や試合はありますか

中村敢 秋の九州大会準々決勝の興南高校との試合で、これを勝てばセンバツ出場が決まるというところで、0対0のまま延長に入り、タイブレークで逆転勝ちしたのですが、その時に自分は2年生で出させてもらっていて、先輩たちの粘り強さや最後まで諦めない気持ちが印象的な試合になりました。

――ご自身の持ち味は何だと考えていますか

中村敢 バッティングでは長打も単打も打てるところかなと思っています。

――逆に現時点で感じている課題は何かありますか

中村敢 特に守備でまだミスが多いので、守備の安定性というところは突き詰めていきたいと思っています。

――それを改善するために何をすべきだと考えていますか

中村敢 人工芝なので、今一番言われているのが、低い姿勢からボールまで入ることです。なので、まずはそういうところを意識して、あとは1つ上の熊田さんという素晴らしいショートがいるので、熊田さんの動きを見ながら学べるものをしっかり学びながらやっていきたいと思っています。

――中村敢選手のお父様は高校時代に全国制覇、お兄さんはソフトバンクホークスでご活躍されていると伺いました。大学進学にあたってご家族からはどのようなアドバイスを受けましたか

中村敢 父からはとにかく自分で選んだ道で頑張るしかないから、自分で選んだ道、決めた道をしっかり頑張りなさいというふうに言われました。兄からは、自分が選んだ道は間違いではないから、そこで全力で頑張れと言われました。

早慶戦の雰囲気


笑顔を見せる中村敢(左)と吉納

――ここからまたお二人に伺いたいと思います。お二人は2019年のセンバツで対戦されていますが、お互いの印象などはありますか

吉納 僕はないです。

中村敢 ないですが、東邦は打線がすごいなと思いました。

――同じアスリート選抜で合格した印出太一選手(スポーツ科学部入学予定=愛知・中京大中京)、栗田勇雅選手(スポーツ科学部入学予定=山梨学院)についての印象もお願いします

吉納 栗田は本当に中村くらい知らなかったです。印出は同じ愛知県勢としてライバル校で、1つ上の甲子園を決めた代では(中京大)中京に勝ったのですが、自分たちの代で一回も勝っていなくて。その中で4番を打っていたキャッチャーで中学の頃から知っていたので、(中京大)中京に負けたくないというよりかは印出よりも打ちたいなというのは思っていました。

中村敢 自分は栗田とは甲子園で1回やっているのですが、そんなに印象はなかったです。印出も試合をやったことがないので全然分からなかったです。

――同世代で意識している選手などはいますか

吉納 強いて言うなら、明石商業のときにホームランを打った中森選手(俊介、現千葉ロッテマリーンズ)が同級生で、高卒でプロに行ったので、甲子園でまた同じところで対戦できたらなというのは思います。

中村敢 自分はもともと大分出身なのですが、オリックスに育成1位で行った大分商業の川瀬堅斗(現オリックスバファローズ)にいい球を投げられて抑えられたので、プロの舞台でもう一度戦えたらなと思います。

――お二人ともスポーツ科学部に入学予定だと思いますが、大学で学びたいことはどのようなことですか

中村敢 外国の方も多いと聞いているので、外国人の方とも積極的にコミュニケーションを取って英語力を身に付けたいと思っています。

吉納 動作解析というか、野球に必要な身体の動きに対して自分の動きに何が足りないのかということをデータでまとめるなど、今までできなかったことをやってみたいです。

――六大学野球に対する印象やイメージはありますか

吉納 昨年優勝したときの早慶戦の1回戦を、その時ちょうど入試だったので4人で見に行ったのですが、応援とか神宮の雰囲気といった早慶戦の独特な雰囲気や、どちらも負けられない中でプレーするのを見ながら、自分も早く神宮でプレーしたいなとは思いました。六大学野球での目標としては、高橋由伸さん(平10慶大卒)が持っているホームラン記録を塗り替えることなので、達成したいなと思います。

中村敢 大学野球界の中でもトップレベルだと思っています。毎回試合も神宮球場でありますし、早慶戦になると観客の数も違います。今まで感じたことのない独特な雰囲気の中で野球をするにあたって、プレッシャーや緊張があると思うのですが、その中でプレーをすることを誇りに思ってやっていきたいと思います。

――対戦してみたい選手はいますか

吉納 まだ同級生の誰がどこに行くのか分からないのですが、早い段階でベンチ入りして、年上のピッチャーなどいずれプロ野球に行きそうなピッチャーと対戦したいです。自分がプロになるための練習というか、早い段階で見ておきたいというのはあるので、レベルの高いピッチャーと対戦したいと思います。

中村敢 自分も他の六大学のピッチャーが全然分からないので、対戦したい選手というのはいないのですが、六大学はレベルが高いと思っているので、その中でも打てるバッティングを身に付けたいと思っています。

――大学4年間での目標をお願いします

吉納 最後の4年生になった年は、春、秋と優勝したいなと思っているのと、その中で最後の年の春も秋もどちらもベストナインを取りたいなと思います。

中村敢 自分の父が、あと1本安打が出れば最高打率というところで(安打が)出なかったので、自分は最高打率を残せるような選手になりたいと思っています。

――大学卒業後の進路について、今考えていることはありますか

吉納 もうプロ野球一本しか考えていないので、そのためにひたすら4年間頑張りたいと思います。

中村敢 自分もプロ野球で1年目から活躍できる選手になりたいと思っています。

――最後に、今年1年の目標を教えてください

吉納 必ずスタメンを取って、早稲田の優勝と、早稲田大学野球部の名をもっと全国に広げられるように、自分がプレーして活躍していきたいと思います。

中村敢 早稲田大学の優勝に貢献できるような選手になりたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 是津直子、堀部恭平)

◆中村敢晴(なかむら・かんせい)

2002(平14)年4月13日生まれ。183センチ。80キロ。福岡・筑陽学園高出身。スポーツ科学部入学予定。内野手。右投右打。選抜高等学校野球大会・全国高等学校野球選手権大会出場

◆吉納翼(よしのう・つばさ)

2002(平14)年8月16日生まれ。179センチ。83キロ。愛知・東邦高出身。スポーツ科学部入学予定。外野手。右投左打。第91回選抜高等学校野球大会優勝