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2021.02.06

【連載】箱根事後特集『不撓不屈』第4回 小指卓也

 今回の東京箱根間往復大学駅伝(箱根)が大学初の駅伝出走となった小指卓也(スポ2=福島・学法石川)。復路最長区間となる9区に出走し、区間4位の好走で順位を2つ押し上げた。初の箱根を終え、何を感じたのか。自身の走りや好走の要因について振り返っていただいた。

※この取材は1月20日にリモートで行われたものです。

距離への不安は「あった」

 笑顔で質問に答える小指

――箱根後の解散期間はどのように過ごしましたか

 これといってやることもなく、今はやはり外出ができないのでひたすら家でゴロゴロしてゆっくり過ごしていました。

――大学初の駅伝出走となりましたがご友人や高校の知り合いの方から、何か声をかけられたりしましたか

 結構連絡をいただきました。思ったよりもテレビに映っていたので、「見たよ」という連絡が来ましたね。なかなか連絡を取れていなかった方々からも連絡をいただいたので、多くの方が応援してくれたのだと感じてうれしい気持ちになりました。

――家族からコメントはありましたか

 頑張ったねみたいな感じでしたね(笑)。多く話をしたわけではないのですが、給水の場面を詳しく聞かれました(笑)

――11月末頃や日本選手権から箱根まではどのような流れでしたか

 日本選手権に向けてそこまでスピード強化ということで、まずは日本選手権に集中していました。その中でも箱根のことは見据えていたので、ジョグで距離を踏みながら練習はしていました。日本選手権が終わって少し休んだ後は箱根モードということで、ジョグもそうですしポイント練習もいきなり距離が伸びました。その中でもメニューを減らさずに練習できていたので、うまく疲労を抜きながらできていたと思います。日本選手権自体も、自分は全て吐き出したという感じではなく、そこまで疲労が溜まっていたわけでもなかったので、うまく箱根の練習に入っていけたという印象です。

――集中練習の消化具合はいかがでしたか

 ほとんど消化できましたし、間のジョグも質、量ともによくできていました。最初から集中練習に参加していなかったことで疲労なく箱根に向かえたのではないかと感じています。

――朝の練習では脚の不安があるという話もありましたが、改善されましたか

 されているといえばされているのですが、大事をとってあまりガツガツとやらないようにはしています。朝のペース走は参加せずに、昼から練習に合流するというかたちです。

――箱根への出走が決まったのはいつでしたか

 本当に絶対走る、と決まったのは前日なのですが、その少し前から走るなら9区だということは言われていました。日本選手権終わった頃にはそのことを言われていて、調子と練習の消化次第にはなるということだったのですが、9区に向けて準備は進めていました。

――以前から狙うなら9区という話でしたが、9区のどのようなところが向いているという話だったのでしょうか

 監督から、最初が下りということで他の区間と比べると走りやすいという話がありました。下りならあまり力を使わずにスピードに乗れるということがあったので、その特徴に適しているのではということは自分でも感じていたので、9区を目指すことになりました。

――9区は最長の区間となっていますが、距離への不安はありませんでしたか

  結構ありました。練習で量を走ったりはしていたのですが、ハーフの実績もないですし、去年は1万メートルもあまり走っていなかったので距離の不安はありましたね。ですが長い距離になる分ペースも遅くなるということで、もう一度5000メートルで13分40秒を出すよりは、1キロ3分を少し超えるくらいのペースで20キロ走る方が楽なのではないかという考えは少しありました(笑)。

――23キロを「未知の距離」と言っていましたが、レース前に自信を持てていたのは何キロまでだったのでしょうか

 正直何も考えてなくて(笑)。走りながらも、どこまで持つのだろうなと考えながら走っていました。15キロくらいかなと自分の中では感じていて、本番ではなんとか粘れたのですが、18キロくらいからしんどくなってきましたね。

――粘れた要因は何だと感じますか

 ずっと集団を引き連れて走っていて、18キロ地点で一緒に走っていた帝京大さんが出てきたので、なんとしても離れずについていこうと思って。何度か離されはしたのですが、残りの距離は気持ちというか精神力というか、そのような面でなんとか最後まで走り切ることができました。

――往路の走りはどのように見ていましたか

 周りからの注目度も高くて、自分もとても期待していました。みんな疲労がある中で、特に日本選手権に出場した2人はエース区間ということで、力をなかなか発揮できない中でも発揮できていたと思うのでものすごくありがたかったです。それとやはり僕の同期である井川(龍人、スポ2=熊本・九州学院)と鈴木(創士、スポ2=静岡・浜松日体)がものすごく頑張ってくれて、僕自身も頑張らなきゃなと感じました。実際に走っているときも、ラストでは2人を思い出すことで粘れたと思います。往路の方々の頑張りが、自分の結果にも結び付いたと感じています。

――日本選手権に出場した選手は、他大学でも苦戦している選手が多かった印象でした。往路を見ていて不安などはありませんでしたか

 正直自分は日本選手権で成功した身ではないので、逆にいけるんじゃないかと考えていました(笑)。前日も駒野コーチ(駒野亮太コーチ、平20教卒=東京・早実)ともそのように話していて、気楽に臨むことができたかなと思います。

 

悔しい区間4位

――当日の調子はいかがでしたか

 特に良い悪いはなかったです。強いて言うなら少し脚に疲労があるなという感じだったのですが、実際に走ってみたら何も感じなかったので、調子は良かったのではないかと思います。

――レースプラン、目標タイムはありましたか

 あまり細かいことは考えていませんでした。タイムを意識するとそれに合わせることになってしまうので、自分の走りが崩れてしまうと感じていました。なので、細かいペース設定は全く考えず、とりあえず1キロ3分を少し超えるくらいのペースで走ればいいだろうというアバウトな考えで走っていました。

――初の駅伝となりましたが、緊張、プレッシャーはありましたか

 当日よりも前日の方が緊張していました。当日も緊張は多少あったのですが、開き直ったというか、復路もいい流れで来ていたのでなんとかなるんじゃないかと思っていました。

――千明龍之佑選手(スポ3=群馬・東農大二)が順位を上げてのタスキリレーとなりましたが、タスキを受け取ったときの気持ちはどうでしたか

 スタート前だったので8区後半の状況は理解していなかったのですが、最後に聞いた情報とかなり変わっていてだいぶ追い上げていたのですごいと思い、最後のラストスパートを見て意地を感じました。

――レース中、監督からの指示はなにかありましたか

 後半まで良い感じでレースをしていたので最後上げていこうということと、去年9区を走った新迫さん(志希、令2スポ卒=現中国電力)のタイムとの比較がありました。

――後方のシード権争いのことは考えていましたか

 意識はしていたのですが、走っているときにものすごく明大が迫っていることが聞こえてきて。正直これ以上ペースを上げられないので後は10区の山口さん(賢助、文3=鹿児島・鶴丸)に任せたいという気持ちで走っていました(笑)。

――帝京大とほぼ同時にタスキを受け取りましたが、併走中にはどのように走ろうと考えていましたか

 タスキをもらってから前に出てしまい、後ろに付かれるのが嫌だったので最初は右に寄ったり左に寄ったりしていたのですが付いてこられてしまいました。自分も引っ張るのが嫌だったので、走っている途中に「余裕があったら前に出てください」と3、4回くらい声をかけたのですがなかなかそのようにはならず。下りの途中などで少しスパートをかけて揺さぶっても全然離れなかったのでつらかったです。最後は少し負けてしまって、相楽監督からも競り勝つという言葉が出ていたのでそれができなかったのが悔しかったです。

――中継所で17秒前にいた國學院大をはじめ、複数の大学をとらえました。これらは最初から抜こうと意識していたのか、それとも自分のペースでいくうちに自然と近づいた感覚ですか

 監督から最初の1キロ通過のタイムが前の國學院大よりも速く、すぐ近かったので追い付けるかもと思っていました。その後は前の大学がどうなっているかを全く考えていなかったのですが、走っているうちに段々と見えてきたのでいけるのではという気持ちでひたすら追いかけました。

――区間4位で、かつ早稲田の9区歴代2位のタイムでした。集団走でも牽制せずに積極的な走りをできた要因はどこにあると考えますか

 特別言えることはないのですが、前の区間が頑張ってきた積み重ねがあって、僕がタスキをもらった時点で視界に何校かとらえられていて、少しでも縮めようという気持ちになれたのが走りやすくなった要因です。その状況にしてくれた前の走者の方々をありがたく思いました。また最初はどうなるだろうかと思っていましたが、走っていくなかで追い抜いていこうという気持ちが増していったことが走りの元気にもつながりました。やはり流れが大事だと感じました。

――ご自身の結果を振り返っていかがですか

 最後競り負けたという部分と、区間4位という微妙な順位をとったということは悔しいです。走る前はこの順位で行くとは思っていなかったのですが、終わってみると、あの負け方をして区間4位というのはやはりすごく悔しいです。

――國學院大、東京国際大と前の大学をとらえていく中で自分が良い走りができていると感じていましたか

 前を引っ張っていたのですがリズムはしっかり自分でつくれていて、自分の走りをしながら前をとらえられたので動き自体は良かったのではないかと思います。

――向かい風の影響はありましたか

 向かい風だからこそ少し遅めのペースで押していこうと考えていたことが、逆に23キロ走れた要因だと思っています。

――レース中で一番つらかったのはどこですか

 ラスト3キロくらいです。帝京大と追い付いて離されての繰り返しできつく、途中でよくわからないところがつりそうになったり力が抜けそうになったりして、みんな走りきっているのがすごいと思いました(笑)。

――強みであるラストスパートはどうでしたか

 前の段階で差をつけられてしまって最後の直線でしかスパートできませんでした。このラストスパートがあったので少しは前と詰めることができましたが、途中で離されたことが一番心残りで、そこで離れずにラストスパートをするのが理想だったので悔しいです。

 

4年生に頼らないチームに

――初めての箱根駅伝を走り、どのように感じましたか

 やっぱり長かったですね(笑)。箱根が長いことは分かっていましたが、いつもだったら5キロで終わるのに、そこからあと18キロあるのかとか考えながら走っていました。本当に長かったですが、距離が長いからこそ1秒の重みをものすごく感じましたし、長い距離を走る機会がハーフマラソンに出場するくらいしかないので、それをやるのも大学でだけと考えるとすごいと思いました。

――長い距離とかロードに対する意識に変化はありましたか

 細かいことは考えずに走っていました。集中練習でもロードでやっていて、トラックと走りに差はなかったので駅伝もうまく走れると思い、逆にロードは地面が硬いので反発をもらえて脚さえもてばうまくはまるかなと思っていました。

――長い区間を好走されました。来年以降ハーフマラソンに挑戦したいという気持ちはありますか

 挑戦するのもいいとは思うのですが、今の段階では選択肢が増えたという印象ですね。その部分は悩んでいて、まだ明確には決められないです。

――ご自身の中ではトラックに気持ちがあるのでしょうか

 今のところは5000メートルとかのトラック競技ですね。

――5000メートルでの目標タイムはありますか

 いま自己ベストが13分41秒なので35秒は切りたいなと思っています。とりあえず自己ベストは更新したいです。41秒を出したときは本当にコンディションが良かったのであれ以上のコンディションはないと思うのですが、実力をしっかりつけて、どのような状況でもあのタイムを出せるように頑張りたいと思います。

――総合6位という結果をどのようにとらえていますか

 目標が3位以内だったので悔しかったです。悔しかったのですが、どこが駄目でどこが良かったか、すごく明確になっていてわかりやすいレースだったと思うので次に向けて備えるという部分では収穫があったと思います。

――来年は主力の世代になりますが意気込みはありますか

 今回走った10人中9人が残るので心強い部分もあります。また主力にはなりますが1年あれば良くも悪くもどうなるかは分からないし、今回走った9人がそのまままた走るわけではなくてチーム全体で箱根目指して、来年はガラッと違うオーダーになってもそれはそれで面白いと思っています。僕は今年悔しかった9区をもう一度走りたい欲はあるのですが(笑)。次の4年生が注目され強いと言われていますが、そこに頼らなくても勝てるチームになれたらと思っています。

――入学後から6区も狙っていきたいという話がありましたが、9区のリベンジをしたいですか

 北村(光、スポ1=群馬・樹徳)が好走したので、あと3回頑張ってほしいですね(笑)。6区の選手は走った後みんな悲惨な状況になっているので、ちょっといいかなという気持ちです(笑)。チーム状況で大きく変わるとは思うのですが、できるならリベンジしたいと思います。

――往路区間を走りたいという気持ちはありますか

 走りたいですね。走りたいし、9区もリベンジしたいという気持ちなので、やはり自分の実力次第ですね。

――次のレースは決まっていますか

 まだ決まっていないです。

――今年の目標をお願いします

 まだ具体的に話し合ってはいないのですが、チームの中には3冠という意識があると思うのでそこに向かって頑張っていきたいと思います。やはり、次の4年生に任せるのではなくて僕らの代も下の代も、その世代に勝ち、追い抜くつもりで頑張っていきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 横澤輝、森山裕介)

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◆小指卓也(こざす・たくや)

2000年(平12)9月12日生まれ。173センチ、57キロ。福島・学法石川高出身。スポーツ科学部2年。自己記録:1500メートル3分54秒18、5000メートル13分41秒01、1万メートル29分42秒82。2021年箱根駅伝9区1時間9分28秒(区間4位)。トラックに意欲を見せる小指選手。目標とする13分35秒切りは、実現すれば早大歴代6位以上の超好記録となります。トラック・ロードともに成長を見せる小指選手の活躍に注目です!

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