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アーチェリー部

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2020.09.14

【連載】新体制特集『Aim for Top』第4回 田邉正騎男子主将×北遼祐男子副将×藤澤博斗主務

 第4回に迎えるのは、田邉正騎主将(教3=東京・早稲田)、北遼祐副将(教3=埼玉・大宮開成)、藤澤博斗主務(社3=神奈川・浅野)だ。チームの主軸となる役職に就いている3人は、どのような思いでチームを引っ張っていくのか。さらに今特集名でもあるアーチェリー部の今季チームスローガン『Aim for Top』に込めた思いも伺った。

※この取材は9月6日にオンラインで行われたものです。

長く練習が制限された自粛期間

大学から競技を始めたという田邉主将

――新型コロナウイルスによって学生生活が大きく変化した年になりましたが、自粛期間中はどのような練習をされていたのですか

田辺 アーチェリーは距離を取る競技で、家でできるようなものではなかったので、筋トレやイメージトレーニングをやっていたという感じですね。その中でも自分はできることを優先して筋トレには励んだつもりです。

――長い間射て(うて)ない期間が続くと感覚が鈍ってきたりするものですか

田辺 自粛期間明けの最初の個人的な練習では、こんなに今までの自分がやってきた競技は難しいのかと再認識するくらい当たらなくて、めちゃくちゃびっくりしました。

――射たなかった期間はどれくらいあったのですか

田辺 部活が3月末になくなって、6月の頭くらいに個人的に練習を始めたので2カ月くらいのブランクがありましたね。

 4月の間はずっとトレーニングをしていて、5月に入って近所の畳屋さんにお願いして近射なんですけど、射つということだけはやっていました。

藤澤 え!?そんなことやってたの?

 本当に徒歩1分くらいのところに畳屋さんがちょうどあって。知り合いの親戚のやっているお店だったので、そこでお願いしてちょっと射たせてもらったりはしていましたね。

――畳屋さんの畳に向かって射つという感じですか

 はい。廃棄する畳に向かって射つということは行っていました。

――このような練習はコロナ前にも行っていたのですか

 近射はみんなよくやるものなんですけど、畳を借りてとかは初めてでしたね。

――藤澤さんは自粛期間中はどのような練習をされていましたか

藤澤 今の北の話は初めて聞いてすごくうらやましいなと思ったんですけど。基本的にアーチェリーって矢を放つためには畳とかクッションとかが必要なんですが、自粛期間中はキャンパスはもちろん、公共射場も空いてないですし。人によっては北みたいに畳屋さんがあったりとか、自宅の中にスペースみたいなものを作ってそこで射ったりなどしている人もいるんですが、自分はそういうことが全然できなかったので、アーチェリーの基本である矢を放つことすらできていなかった期間が続いていました。北とか田辺とかに比べても、自分はかなり長い期間射てていなかったのではないかなと思います。

――長い間アーチェリーから離れていると、感覚を戻すことは大変でしたか

藤澤 かなり大変でしたね。実は2月の末くらいに骨を折ってしまって。3月中は部活としての全体練習はあったのですが、自分は参加できなかったので、2カ月どころではなくて、3カ月か4カ月弱くらい射てていなかったので、そこはすごく苦労しました。

――なるほど、ちょうどタイミングが重なってしまったんですね。感覚を戻していくにあたってはとにかく練習あるのみという感じだったのでしょうか

藤澤 6月中旬くらいにキャンパスが一部開くようになって、大学から発行された許可証があれば部室に行けることになって、そこでさっき北が言っていた近射をやって昔の感覚に戻そうと練習していました。

――4カ月はかなり長い期間ですね。コロナ以前、オフなどで連続して射たない期間はどれくらいだったのでしょうか

藤澤 空いて2日くらいですかね。

 テスト期間とかに1週間くらい空くことはありました。

――感覚を戻していくために部全体で取り組まれていたことは何かありましたか

田辺 部で決めた筋トレを行う際に、自粛期間中にどれくらい行ったかをランキング化して、みんながうまく競技に戻れるような対策はしていました。少しきつい部分もあったんですが、弓の重さに対応できないわけではなかったので、筋トレの効果はあったと思います。

――ちなみにランキングではどなたが優勝されたんですか

藤澤 蒼月あたりじゃない?

田辺  杉田蒼月(教2=東京・麻布)という部員が、もうめちゃくちゃ独占をするようなかたちに(笑)。弓を射たないで引いて戻す、野球でいう素振りみたいなものも回数化して、射てる環境がある人は本数みたいな形で、けっこう環境によって上位を占める人はバラバラでしたね。

――練習で顔を合わせることができない期間が続く中、オンライン上で話をしたり、ミーティングをしたりといったことはされていましたか

田辺 そうですね。特に3年生は自粛期間が明けた後にすぐに代替わりが控えていたので、それに向けての準備ということで結構な頻度でオンライン会議を進めていましたね。

――自粛期間で練習が制限されていた中で意識して取り組まれたことは何ですか

田辺 筋トレを頑張っていましたね。アーチェリーは同じ動作を繰り返すことが重要なので、体幹のトレーニングでひらすらいじめ抜いて鍛え上げることを意識していました。あとはイメージトレーニングですね。今まで練習できていた時の自分の動作をひたすら見返してぎりぎり自分が射っている感覚を忘れないようにしていました。

 僕は他大のうまい選手に連絡を取って肩甲骨のストレッチを意識してやっていましたね。あとは外を走ったりしていました。

藤澤 スクワットをやっていましたね。骨折がよくなってギプスが取れた後はブランクを中心に行っていました。

――トレーニングやストレッチの効果は感じられましたか

 明確に点数が伸びたとかはなくて、何なら下がってしまったんですが、基盤がしっかりしてきていろいろなフォームを試しやすくなった部分はありますね。余計な心配をせずにフォームを考えることができるようになって、これって意味あるんだなと思いました。

藤澤 正直に言うとあまり効果は感じられなかったんですが、逆に言うと全然距離を射てていなかったにもかかわらず、自粛前とあまりコンディションが変わらず練習再開できたのは良かったのではないかと思います。たぶん何もしていなかったらボロボロだったと思うので、現状維持という観点ではよかったと思います。

――自粛期間が明けて練習を再開したとき、アーチェリーに対する考え方や、練習との向き合い方が変わった部分はありますか

田辺 コロナ感染防止の観点からあまり大声を出すことは良くないとされていると思うんですが、うちの部は掛け声などを日常的にしてきていたので、掛け声が禁止というかやめましょうという雰囲気になった時に今まで染みついた3年分の掛け声の習慣がなくなってしまい、いつものようにまあまあ大きめの声を出してしまった時に、「お!今そういう雰囲気じゃないな」と恥ずかしく感じることなどいろいろと戸惑いはありましたね。

藤澤 個人的な話にはなってしまうんですが、自分は3カ月、4カ月と距離を置いて久しぶりに競技に戻ってすごく楽しいなと。今まで自粛期間前にはそんな楽しいといった感情はそんなには湧いては来なかったんですが、久しぶりにそういう感情を思い出したというか。そういった意味では6月再開して7月と徐々に射っていったときに、アーチェリーを楽しむことを感じることができましたね。また練習の競技面でいうと自粛期間前まではあまり本数を射つタイプではなかったんですが、自粛期間が明けて本数を射ちたいなと思うようになりましたね。

 競技面とは違うんですがどチームとして部活って楽しかったんだなということですね。今までチームとして普通にしゃべっていたのが急に2カ月くらい何もなくなって、また自粛が明けた後にみんなで会ってバカみたいな話をしたりして、「ああ部活って楽しかったんだなあ」と思うことはありましたね。

今シーズンの戦い

北は全日本学生室内個人選手権に2年連続で出場している

――様々な困難があった中で今シーズンが始まりました。チームあるいは個人としてどのように戦っていきたいなと考えていますか

田辺 個人的なところだと自分が大学から競技を始めた身なので、1年間はみんなに追いつけるように頑張ろうと、昨シーズンは少し実力も伴ってきたので、追いつくから追い越すという考えに自分の中でもシフトしていって。結果としてリーグ戦はなくなってしまいましたが、リーグ戦直前の全国のインドア大会(全日本学生室内個人選手権)に出場することができたので結構いい感じで波には乗れていたのではないかと思います。それを踏まえて今シーズンに関しては最初のスタートは自粛明けでやっぱり感覚が戻ってこない部分があって遅れを取ってしまったと思ってるんですが、今回の王座(全日本学生王座決定戦)を含め次の王座まで時間があるのでそこにしっかり集中して練習できる期間を詰め込んで、部を代表する選手になれるように頑張っていけたらなと思っています。

 個人的には試合に出させていただく機会を多くいただいたのですが、結果を出すことが一切できていないので、難しいところではありますが、試合に出るだけでなく結果を追い求めるシーズンにできたらなと思います。自分はインドアの大会でも2年連続で最下位に近い順位になってしまって、そこの部分で悔しさはあるので、そこの部分を追い求めていければと思います。

藤澤 男子チームとして昨シーズンはどうしても消化不良感があったのは悔しいなと思います。やはり棚田(歩、スポ4=北海道・帯広三条)さんや市川(遼治、スポ4=群馬・高崎商大付)さん、相木(将寛、創理4=東京・駒場東邦)さんなどほかにも男子チームにはたくさんの先輩がいて、リーグ戦も高い点数を出せるんじゃないかと言われていた中で、(大会が)なくなってしまったということは、仕方ないんですけど、少し消化不良感があります。自分個人の話としても1年生の時のリーグ戦は、自分は受験勉強があってブランクがあり戻していく期間で、リーグ戦には出られず、2年生の時のリーグ戦は、(チーム内での)選考会は10位くらいで選考から落ちてしまっていて、3年生のリーグ戦こそはメンバー入りしたいという強い気持ちをもっていたんですけど、2月末に骨を折ってしまって、果てにはなくなってしまうということになって。男子チーム全体としても、個人的にも消化不良だったので、気が早いかもしれませんけど、今シーズンに関してはリーグ戦の選手にはなりたいなという思いがあります。

――ここからは3人のお互いのことについて伺ってみたいと思います。印象に残っていることなどありましたらぜひ教えてください

田辺 2人は仲良くしているんですが、北に関してはキャラクター的にも明るいところがあるので、部全体に作用するというところは大きくあると思います。やっぱり明るいってことは部(の雰囲気)にも大きく作用するので助かるなと思いますし、そこに関しては藤澤も明るい性格を持っていますね。かつ、これあんまり言わない方がいいかもしれないんですけど、藤澤くんは頭のネジがちょっと飛んでいるので(笑)。

藤澤 そんなことはないだろ(笑)。

田辺 言い方は変かもしれないんですけど、チャーミングというかユニークですね。ユニークって言葉が一番当てはまるかなと思うんですけど。ムードメーカーというか、けっこう後輩とかにも話しかけたりして、助かるなと思っています。自分はそんなに明るい方ではないので、そういう点では2人にすごい助けられているかなと身に染みていますね。

藤澤 照れるね(笑)。

――お二人は意識されている部分はあるのですか

藤澤 俺はともかく、北はそこらへんけっこう意識してるんじゃないの?

 いや別に意識はしてない(笑)。

藤澤 いやそんなことないでしょ(笑)。意識してコミュニケーション取ろうとかしてるよね?

 なんとなく周りを意識しているところはありますけど、明るいとかはただ単に自分が楽しんでやっているだけなので(笑)

田辺 もうそれだけでも十分。

――反対にお二人から見た田辺さんのイメージはありますか

藤澤 でもたーなー(田辺選手)もお茶目だよ。

田辺 いやーどうかね(笑)。

 まあそうね(笑)。田辺も藤澤も結局しっかりしているので。

藤澤 結局しっかりって?(笑)

 お茶目とか別の場所でやるときはしっかりやってくれる人たちなので、本当に頼りになると思います。自分はそこの部分をあまり考えないで行動するので、ちゃんとそういう頭脳の面でも、幹部ということもありますけど、ちゃんと根がしっかりしているので部を支えてくれていると思います。

藤澤 まあ今の北が言っていたことに関しては自分も同じ意見を持っていて。やっぱり幹部代になって、特に田辺に関しては主将なのでどうしてもクールな属性を見せないといけないところがあると思うので、以前と比べたら若干クールというかキャラクターが変わったなと思います。北に関しても明るいところとか元気なところとかあったんですが、幹部代になったことで変わってきているなと個人的には思います。自分に関しては幹部代になって責任が重い立場になるんですが、上の立場になるとクールな部分が求められるじゃないですか。それに対して仕事じゃない部分に関してはフランクにやってもいいかなと考えています。

――幹部代になってクールさの属性が増えたという感じでしょうか

田辺 そこに関しては逆にキャラクターが迷い始めているというか(笑)。どっちにいけばいいんだろうという感じになっているかもしれないです(笑)。

チーム全員で戦う王座

スローガンの最初の発案者は藤澤だという

――今シーズンのスローガンは「Aim for Top」ですが、このスローガンに込めた思いを教えてください

田辺 このスローガンに関してはやはり最終目標である王座に向かって目標を狙うということをうまく言葉に表せたのではないかと個人的には思います。「Aim for Top」というスローガンで、英文法上では冠詞を付ける方がもしかしたら正しいのかなと思うんですが、そこに関してtheというのをあえて抜いたというかたちになります。理由としては早稲田としてのチームのトップは王座にあると思うんですが、個人にフォーカスするのであれば、先ほど藤澤も言っていたリーグ戦や個人選手権、インカレのほうにフォーカスを当てている部員もいるのかなと思うので、あえて限定せずに「Top」というのを自由に設定してもいいんじゃないかということでこのスローガンを掲げることにしました。

――王座が近づいてきましたが、練習されている中で見つかった課題はありますか

田辺 代替わりをして間もないのでチームの一体感というところで、まだ完璧ではないところをいかにまとめていくことができるかということが、迫っている王座制覇に向けて大切なことでないかと思っています。今年度は特殊な状況で選手と応援が分かれてしまっていて、応援が(現地に)行けないという状況なので、どのようにして応援で選手にパワーを届けるのか、そこに関してはみんなで話し合いながら試行錯誤してより良いものにできればと思っています。

――例年の王座の応援は大きなボードを使ってされていますもんね

田辺 そうですね。それができないという状況なので非常に難しいですね。選手たちも不安になるのかなという中で応援は少なくともパワーにはなると思うので、いかにこちらから声援を届けられるかは課題になりますね。

藤澤 例年は全員で新幹線に乗って、全員で歌を歌って応援していたじゃないですか。ことしは観客なしということになって選ばれた人が行くということで、どうしてもチームとして出るというものが薄くなってしまうことが課題というか、今まさに話し合っているところですね。出ない人と出る人の一体感をどのように作るかということは、例年旗を作ったりミサンガを作ったり、応援グッズを作るんですね。そこに関して応援には行けないけれどそういうグッズをことしも作ることや、あとはやっぱり普段通り接してあげるのがシンプルで一番いいんじゃないかなと思っているので、王座が近いからと言って特別な対応をするよりかは、普段通りに接してあげる方が選手のためにもなるじゃないかなと思っているので、そこは心掛けているつもりです。

――王座に向けて着々と準備が進んでいるようですが、準備されている中で感じられたことなどはありますか

 もちろんチームとして59代の方の目標であり、自分たちの目標でもあるということで自分が言うことではないかもしれないですが、そこは絶対に達成したいですし、自分たちでやれることはやりたいと思います。一方で、今回の王座は自分たちの3年生の代が一人も出ていないという状況がある中で、応援するとともに59代の先輩を見て、そこから得られるものを得たいですね。自分たちはまだ次の王座の機会が残されているので、やることを着実にやっていって、自分たちの悔いが残らないよう、勉強材料になればいいなと思っています。

――新体制になってコロナが収束すれば来年は関東学生リーグ戦、王座とつながっていきます。ぜひ意気込みなどを聞かせてください

 ここにきて自分の未熟さを自覚することになりました。今までの自分に満足していた部分もあったんですが、それではこの先やっていけないなということで、この1年、自分を見直しつつ目標である王座に向かってチームとして個人として挑んでいきたいと思います。

田辺 少し特殊な状況での新体制にはなりましたが、今回の残りわずかに控えている王座を一つのステップとして60代を安定させていきながら、(来年)6月に控えている王座にもしっかりフォーカスを当てて早慶戦、リーグ戦とだんだんと踏んでいければなと思っています。少し競技面では3年生男子は後輩に負ける場面もあるんですが、そこに関してもしっかり切磋琢磨しつつ、かつこの3人の中でもライバルとして認め合って最終的な王座で輝かしい成績を残せるように、早稲田として優勝ができるように頑張っていきたいと思います。

藤澤 まずは今月の上旬にある王座で応援、サポートするということが第一ですね。その後に関しては運営的な話になると主務に就いているので同期や後輩、OB・OGさんとか様々な関係者に安心してもらえるような部の運営をしていきたいと思っています。競技面に関してはこの後、一番の目玉の早慶戦があるので、先ほども申しあげたように、エイト戦のメンバーに入れるように、レギュラーポジションになれるように努力していきたいと思います。もちろん自分も王座選手として出られたらいいんですが、個人的には王座選手と同じくらいリーグ戦で点を取ることを重視しているので、リーグ戦で点を取れるようなプレーヤーになれるように今後意識して行動していきたいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 岡秀樹、朝岡里奈)

◆田邉正騎(たなべ・まさき)

1999(平11)年6月2日生まれ。東京・早稲田高出身。教育学部3年。自粛中はギターを弾いていたという田邉選手。主将らしく、落ち着いた様子でインタビューに答えてくださいました。

◆北遼祐(きた・りょうすけ)

2000(平12)年2月15日生まれ。埼玉・大宮開成高出身。教育学部3年。自粛期間中は男性アイドルグループのJO1にハマっていたんだとか。彼らに負けない明るい笑顔が魅力です!

◆藤澤博斗(ふじさわ・ひろと)

1999(平11)年12月15日生まれ。神奈川・浅野高出身。社会科学部3年。主務には「以前からやりたいと思っていた」と自ら立候補して就いたという藤澤選手。縁の下の力持ちとして部を支えます!

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