メニュー

スケート部

« 特集に戻る

2020.08.19

【特集】シーズン開幕特別取材 第3回 石塚玲雄

今回の対談は、昨シーズン、全日本フィギュアスケート選手権、全日本学生選手権(インカレ)をはじめ様々な試合に出場し、収穫、実りあるものとした石塚玲雄(スポ3=東京・駒場学園)。悔しさが残る試合もあったものの、伸びやかで美しい滑りは観客の心に残っただろう。ことし、たくさんの新入生が入部した中での先輩としての心境や残りの大学生活での目標など多岐にわたるお話を伺った。

※この対談は7月12日に行われたものです。

「照らし合わせて勉強できる」

明るく質問に答える様子

 

――スケート以外のことから伺いたいと思います。コロナウイルスの影響で、大変な日々をお過ごしだと思いますが、お家ではなにかされていましたか。「おうち時間」的なものがあれば教えていただけますか

 

おうち時間のときは氷の上での練習が出来なかったので、代わりに地上でダンスの練習や、縄跳びとか、あとはローラーブレードを買ったので、家の前のスペースでインラインスケートをしました。

 

――けっこう体を動かされていたのですね

 

やはり体を動かさないと太ってしまうので、適度に体を動かしながら運動をしていました。

 

――食事の面で気を遣っていたことはありますか

 

食事もやっぱり、普段の量で食べてしまうといつもより運動量が少なく、食べ過ぎてしまうので、少し少なめということに気をつけて食べていました。

 

――好きな食べ物も自粛されていたのですか

 

アイスやデザートを食べたかったのですが、そういうものは我慢していました。食事は少し減らしていましたが、あまり減らし過ぎずに食べていました。

 

――3年生になって、勉強との両立はいかがですか

 

勉強自体は3年目なのでだいぶ慣れてきましたが、やっぱりオンライン授業でずっと家でやるというのが初めてだったので、最初は少し課題が多くて大変でした。今はだいぶ慣れてきてあまり試験がないので、逆にしっかり授業を受けてレポートなどを書いていればなんとかなるかなというのがわかってきました。

 

――スポーツ科学部とのことですが、面白い授業などがあれば教えていただけますか

 

スポーツ栄養学とスポーツ心理学というのがけっこう面白くて、栄養学ではまさに食事のことなどを勉強していて、心理学ではメンタルのことや、落ち込んだときにどうすればよいのかということを勉強しているので、意外とコロナの自粛期間中に重なるところがあって、興味を持って勉強していました。

 

――では、スケートと照らし合わせて、活用できることを学んでいるのですね

 

そうですね。スポーツ科学部なので、せっかくだから照らし合わせて勉強できるなと思ってやっていました。

「一瞬一瞬を大事にしていきたい」

――スケートのことを伺います。オンラインレッスンなどには参加されたりしましたか

 

東伏見のスケートクラブでオンラインレッスンというのはなかったのですが、国際スケート連盟(ISU)のサイトからステファン・ランビエールさんとかがZoomでトレーニングされている映像をあげてくださっていたので、それを見て、真似したりなどはしていました。

 

――レッスンを受けられてみて、ご感想はいかがですか

 

まず、ランビエールさんの動きがキレキレ過ぎて、本当にすごいなと思ったのと、自分の知らないトレーニングが多かったので、こういうトレーニングもあるのだなという発見がありました。

 

――先ほどインラインスケートのお話をされていましたが、普通の氷の上で滑るのとどのように違いますか

 

最初だけ乗る場所が少し違ったので、特にバックするときに前のめりになりそうになって怖かったのですが、1回慣れたら意外と感覚が氷の上と似ていて、陸の上なのに氷みたいな感覚で滑ることができたので、結構やっていて面白かったです。

 

――ダンスレッスンのことについて伺いたいと思います。なにか好きなジャンルはありますか

 

好きなジャンルは主にヒップホップとジャズダンスですが、オンラインでダンスレッスンを受けていたのは、どちらかというとジャズダンスの方が多かったです。フィギュアスケートをやっているので、僕が知っている曲でダンスしている映像があったりすると、ちょっと真似したくなったりして、そういうダンスの映像も結構見ていました。

 

――好きなダンサーさんはいらっしゃいますか

 

好きなダンサーさんは、日本の方だと、何回かインスタにもあげさせていただいたのですが、GAMIさんという方とか、HIGEさんという方とか、すごくいいダンスをされているなと思って見ていました。あとは、韓国のダンススタジオなのですが、1MILLION DANCE STUDIOというダンススタジオがあって、そこでアップされている動画で好きなものが多いので、好きなダンサーさんというよりは、全体的な感じなんですけど、そういう動画にあがっていたものをたくさん見ていました。

 

――ダンスで培ったものをスケートに活かすときに気をつけていることなどはありますか

 

音の取り方とか間合いを上手く取るというのは結構大事で、今までそれが氷の上だと少し焦ってしまって曲よりも速くなってしまうことが多かったのですが、陸でたくさんダンスをしていたら、音の取り方が少しつかめたので、氷の上に戻った時に、音にしっかり動きをはめることが得意になりました。

 

――フィギュア部門に新入生がたくさん入ってきたと思いますが、交流はありますか

 

自粛期間中に2回Zoomで顔合わせというか、みんなで「いろんな話をしよう」という感じで話したのですが、特に今回の1年生メンバーは本当に豪華ですし、部員も本当に増えたので、とにかく僕自身も嬉しくて。あとやはりことしの主将が永井優香(社4=東京・駒場学園)ちゃんで、主務が東真子(法4=埼玉・早大本庄)さんなので、黄金期というか、早稲田のこれからが楽しみだなというメンバーなので、いろいろな話をしていました。

 

――先日、島田高志郎(人通1=岡山・就実)選手にインタビューをした際、島田選手が入部に踏み切ったのは石塚選手の影響もあったということを伺ったのですが、お声がけみたいなものはされたのですか

 

嬉しいです。僕から声かけをしたというわけではないのですが、去年の東京の全日本選手権の時に、高志郎くんの方から「たぶん早稲田に入ることになります」というふうに伝えてくれたので、僕自身も本当に嬉しかったですし、そこから先はLINEとかでやり取りをしました。

 

――ことし男子部員がたくさん入ったと思いますが、気持ちの方はいかがですか

 

一言言うならば、本当に嬉しいというのが1番で、やはり高志郎くんも、西山真瑚(人通1=東京・目黒日大高)くんもそうですが、その2人は特に実績がある選手なので、もちろんインカレとか出られたら出て欲しいくらいなのですが、たとえインカレに他の国際戦とかが重なってしまって、出られなかったとしても、とりあえず早稲田のスケート部フィギュア部門に入ってくれたということだけでも本当に嬉しいので、まずは本当にありがたいなという気持ちです。あとは、実績がある2人だけではなくて、岡島右京(商1=東京・早大学院)くんとか、留学生のドン(文構1=シンガポール・Macpherson Secondary School)くんとか、男子がフィギュア部門に入ってにぎやかになっていくことを僕も一部員として体感しているので、本当にそうやってにぎやかになっていくことが嬉しいです。

 

――少し話がそれてしまいますが、お部屋の後ろがとてもすてきですね。何が飾ってあるのですか

 

ありがとうございます(笑)。早稲田ジャージと、早稲田の陸上部のTシャツです。あとは東京の国体の時の東京ジャージです。あと、こっちが駒場学園のタオルです。

早稲田ジャージと早稲田陸上部Tシャツ

国体の東京ジャージと駒場学園のタオル

 

――新歓のビデオは石塚選手が作られたと聞いたのですが、そのビデオについて伺ってもよろしいでしょうか。経緯などを教えてください

 

もともと自粛期間中で時間は結構あったことと、1年生のメンバーは入学式がなく、いきなり授業もオンラインで始まっていて、大学に入学した実感は本当に無いだろうと思っていたので、かわいそうだなということは前から思っていて、せめて部活に入部したという雰囲気だけでも出せることが出来たらいいなと思っていました。そういうときに、僕自身も全日本選手権などに出させてもらって、今の早稲田メンバーのいろんな人との関わりがあって、川畑和愛 (社1=東京・N高)ちゃんとかもそうですし、高志郎くんも真瑚くんもそうですし、もともと関わりがあるメンバーもけっこう多かったので、自分が持っている写真なども使って、新歓ビデオを作ったら新入生も嬉しいし、他の人たちが見ても嬉しいのかなと思って作りました。

 

――発案は石塚選手なのですか

 

もともと部活内の先輩方みんなで「1年生がかわいそうだからなにか出来たらいいね」という話をしていたのですが、あまり具体的な案は出ていなくて、ちょうど僕が今取っているアスリート実習という授業で、パワーポイントやZoomを使って自分の競技をアピールする、アピール動画を作るという課題があったので、そういうことも初めてでしたし、課題の前に練習も兼ねて動画を作りたいなと思っていたので、動画作りという意味では、新歓ビデオを作って、公開できたらいいかもしれないと思いました。あまり自信は無かったので、とりあえず作ってみて、部活内のLINEで「こんなものを作ってみたんだけど」という感じで共有したら、すごくみんなから褒めてもらえて、「早稲田のフィギュア部門のインスタに載せてみようよ」とみんなに言ってもらえたので、載せていただくことになりました。

 

――昨シーズンのことについて伺いたいと思います。ご自身にとってどのようなシーズンでしたか

 

昨シーズンは、初めのオフシーズンからシーズンに入っていくところから少し出遅れた感があって、少し調整不足もあったので、ちょうど今くらいの時期なのですが、夏にかけてどんどん上げていく時期にすごく頑張って、このままだと全日本選手権(全日本フィギュアスケート選手権)も出られないと思って、自分自身も気持ちを高めていって、練習を頑張りました。結果的に、全日本の時には少し調子と足の状態も悪くて、上手く調整もできずに、色々な面で状態が落ちてしまったので、そういった意味ではまだまだコンディショニング不足というか、まだ全体的に技術面でも身体の面でも余裕が無かったのかなと思いました。

 

――全日本選手権のインタビューの際にアクシデントがあったと伺いましたが、その後はどうですか

 

その後、その時よりは大丈夫になったのですが、今も少し股関節周りに不安を抱えています。けれど、だからと言って練習が出来ていないのではなくて、かなり練習もできている状態なので、しっかりとその痛みと向き合いながら、様子を見ながら練習をしていけば、何も問題なくことしも頑張ることができるかなと思っています。

 

――ことし2月に開催された、明治大学の鎌田英嗣選手の引退エキシビションである「HIDES ON ICE」(2020年2月20日、シチズンプラザアイススケートリンクにて開催)に出演されたと思いますが、そのご感想を教えてください

 

とにかくあのエキシビションはひでくんが引退するというのがあり、自分は出番が最初の方でしたし、まずこの会場を盛り上げたいなと思っていて、だからこそ明るい曲で滑りたいと思っていたので、盛り上げ役として少しでも貢献できていたなら嬉しいですし、やはり滑っていて自分自身が楽しかったです。場所がシチズンということもあって、シチズンは僕がスケートを始めて小学生の間はずっとシチズンで練習をしていたので、そういう思い出のリンクでああいうエキシビションを滑ることができるのも本当に嬉しくて、あの場を楽しんでいました。

 

――他大学の選手とプライベートで交流することはありますか

 

東伏見(ダイドードリンコアイスアリーナ)のリンク自体、他大学の選手が多いですし、けっこう大学生も多いので、まずそこでみんな交流がありますし、普段の日常でしょっちゅう会うことは少ないのですが、やはり試合とかで他の大学の人と会うと、話が弾んだりするので、試合とかエキシビションでいろんな人と喋る機会があるということは自分的には本当に嬉しいです。

 

――今シーズンについて伺いたいと思います。今シーズンのプログラムについて、なにか頑張ろうと思っていることなどがあれば教えてください

 

今シーズンは、ショートプログラム(SP)は継続ですが、フリースケーティング(FS)を新しくしたので、まずはそのFSでジャンプをパンクとかすることなく、全て決めて、出来るだけ減点がなく、加点がいっぱいもらえるプログラムを全試合で滑りたいなと思っています。

 

――トリプルアクセルのご予定はありますか

 

トリプルアクセルは、自粛期間が開けて今やっと練習を再開出来ていますが、まだ完成度としては厳しい状態で、今シーズンに間に合うかどうかはわかりませんが、諦めてはいないので、上を目指すという意味でもトリプルアクセルは必要ですし、最後まで諦めない気持ちで頑張りたいと思います。

 

――トリプルアクセル以外にも取り入れたいことはありますか

 

取り入れたいことというか、良くしたいことなんですけど、3回転―3回転の連続技のセカンドトリプルを常に高く、加点がもらえるジャンプにしたいなと思っています。あとは、ことしからスピンでも、スピンの入る時だけではなく、終わりでも工夫すればレベルが上がったり加点がもらえたりするという採点方式になったので、そういう細かい工夫をして、点数が上がるようにしたいなと思いました。

 

――大学生活の半分を終えられたと思いますが、今の心境を教えてください

 

早いなと思います。本当にあっという間で、ついこの前自分が1年生として入学した気がするのですが、もう気がついたら3年生で、後輩にも恵まれて、こんなににぎやかな部活になってすごく嬉しい反面、もうこんなに時間がたったのだなという気持ちもあるので、今ある一瞬一瞬を大事にしていきたいなと思います。

 

――残りの半分の学生生活で頑張りたいことはありますか

 

まずは全日本選手権で10位以内に入って強化選手に入りたいということはこの大学生活4年間で本当に達成したいことなので、やはり強化選手になれば、今中京(中京大学アイスアリーナオーロラリンク)から関空(関空アイスアリーナ)のリンクに移りましたが、強化選手としてそういった他県での練習も頻繁に行けるようになりますし、やはりイメージ自体も「この人強化選手だな」というものができるわけなので、諦めずに目標としてなんとしてでも達成したいです。強化選手に入ることによって、もしかしたら、スケート人生この先どうなるかわからないですけど、新たな道が開けるかもしれないので、そこはどうしても達成したいなと思っています。

 

――今シーズンの目標について、技術面や表現面などそれぞれの面で教えてください

 

技術面に関しては、トリプルアクセルは跳べたら入れるということで、まだそれはわからないので、とにかく今あるトリプルアクセル以外の全てのジャンプの安定感をもっと向上させて、試合でも自分自身が安心して跳べるジャンプを試合で決めていくというのが目標です。スピンはもとから好きな技なのであまり心配はしていませんが、しっかりと回転数や回転速度も、向上心を持って上げていきたいです。1番課題として頑張ろうと思っていることはステップです。ステップで今までレベルが2とか、頑張っても3しか取れなかったので、せっかくこういう自粛期間があって、いろいろ動画とかを見る機会もあったので、アイスダンスの方の映像とかも見ましたし、エッジ使いとかターンの練習もたくさんできたので、せっかくそういう練習ができたからこそ、ステップでレベル4とか加点がもらえるように今シーズン頑張っていきたいなと思います。表現面では、今回FSの新しいプログラムを作ってくださった服部瑛貴先生とも話をしたのですが、ただ単に演技をするだけではなくて、自分もそうですし、見ている方もそうなのですが、劇場でミュージカルとかを見ているみたいな気分になれるように演技をしたいなと思っていて、お客さんがまず僕の演技に入り込めるような演技をしたいなと思っています。主に今回FSが『オペラ座の怪人』なのでもどかしさや息苦しさ、嫉妬心などの苦しい面を表現しつつ、熱い感情とかも伝わるように、ストーリー性が見える演技をしたいなと思っています。

 

――最後に今シーズンの抱負をお願いします

 

自分にとっては今シーズンがスケートの方でも就活みたいなものだと思っているので、今シーズンの成績次第で今後がどうなっていくかというのが決まってくると思っています。自分にとっては今シーズンというのが本当に大事なもので、自分自身の軸をしっかりと持っていないと達成できないものだし、なおかつ、あらゆるもので覚悟を持って今シーズンに臨もうと思います。あとは、東伏見のリンクでも後輩がたくさんいるので、そういった後輩に自分がしっかりとお手本となる存在になれるように今シーズンやっていこうと思います。

 

――ありがとうございました!

今シーズンの目標

 

早スポプレゼンツ質問リレー

選手の方同士が気になることをリレー形式で次の選手に質問し、それを受けてお答えいただくというコーナーです。今回は、前回の対談でお話を伺った、島田高志郎選手から石塚選手への質問です。

島田 玲雄くんのスケートは、表現とか見ている人を惹きつける滑らかなスケーティングが武器だと思うのですが、玲雄くんにとっての表現とはなんですか?

石塚 表現とは、自分自身が1番気持ちよく身体を動かしながら、なにか伝えたいもの、感情を見ている人たちに思う存分伝えることだと思います。

(取材・編集 犬飼朋花、岡すなを、長尾佳音)

◆石塚玲雄(いしづか・れお)

1999(平11)年11月14日生まれ。東京・駒場学園出身。スポーツ科学部3年。たくさんの質問に終始明るく、熱心に答えてくださいました。ことしは通常通りの練習ができない中、自粛期間にも努力を惜しまない姿勢を伺うことができました。石塚選手が覚悟を持って臨む「大事なシーズン」での演技に注目です!

« 特集に戻る