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ラグビー部

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2020.06.22

【連載】新体制特集『BATTLE』第3回 ロック下川甲嗣×FB南徹哉

 副将に就任したロック下川甲嗣(スポ4=福岡・修猷館)とFB南徹哉(文4=福岡・修猷館)。同じ修猷館高校出身である2人の関係や今季に対する思いについて、そして緊急事態宣言による活動自粛中の心境を伺った。

※この取材は5月21日にオンライン上で行われたものです。

同じ修猷館高校出身の2人

――まずは他己紹介をお願いします

 副将を務めている、4年生の下川甲嗣くんです。高校は名門・福岡県立修猷館高校出身です。修猷館からは、僕と他にあと2人、僕の代の同期(高校では下川の1つ上の先輩にあたる)が同じ学年になっていますが、3人とも先輩として扱ってくれる優しい子です(笑)。オンとオフのメリハリがあって、グラウンドの外ではおちゃめな部分もあるけど、中では人一倍戦うような、そんなプレーヤーだと思っています。

下川 同じく副将の南徹哉さんです。プロフィールは僕とほとんど同じです。誰からも好かれる性格で、学年のみんなは全員彼を信頼していると思います。性格はプレーにも出ていて、FBというポジションで、後ろからチームの全体を見て的確に指示を送ってくれる選手だと思います。

――お二人は同じ修猷館高校出身ですが、高校時代と比べてお互いの印象や関係性に変化はありますか

 関係性というと前より仲良くなったと思います。

下川 高校のときは、話すことはあっても、先輩後輩という感じで、当然今みたいには仲良く接する機会はなかったのですが、高校のときから人望があるなというのは感じていました。それは大学に入ってからも、他の学年の選手からも慕われているので変わっていないと思います。

 高校時代は、ポジションも違ったから、話すけど(距離は)遠い先輩後輩っていう関係でした。でも当時から先輩にかわいがられているような後輩で、人とのやわらかい接し方というのは変わっていないと思います。

――修猷館高校での経験が大学ラグビーに生きていると感じる場面はありますか

 修猷館は、他の強豪校である東福岡高校とかと比べたら身体能力に劣るというか、タレントがいない中で、どうやって戦っていくか考えながらプレーするということを3年間ひたすら教わってきました。そういう点では、今でいうと、スター選手ではないような自分が上まで登っていく道は、修猷館で目指していたラグビーと同じなのかなと思っています。

下川 プレーにおいてもそれ以外においても、正解はあっても正しい判断を毎回できるわけではない。それよりも、自分が決めたことを強い決断にしてしまえば、正しい判断でなくてもいい答えが返ってくる。という意味の「正しい判断より強い決断を」という当時の先生の名言を覚えています。

――福岡出身ということで、福岡のおすすめの食べ物や場所を教えてください

下川 食べ物はうどんです。福岡特有のコシのないうどんがおすすめです。

 でも僕は高校の近くにあったウエストのうどんを一番食べていました(笑)。おすすめの場所は百道浜です。制服のまま海に飛び込んだりした高校や部活の思い出がたくさん詰まっています。

――現在活動自粛期間ということで、思うように練習のできない日々が続いていると思いますが、どう感じていますか

下川 やはり活動自粛になって1、2週間の間はラグビーができないことが本当に苦しく感じて、フラストレーションが溜まっていたのですが、自分たちの力ではどうしようもないことなので、そこはしっかり受け止めてやらないといけないと思ってからは、逆にこの期間だからこそできること、例えばチームでの練習ができない分個人に充てられる時間というのは増えると思いますし、チームを見つめ直すというより自分は個人を見つめ直す時間にしようというふうにマインドを切り替えてやっています。

 そうだね、本当にそうだわ。あと春の試合がなくなったことに関しては、僕を含めまだAチームに定着していない選手にとっては、一番のアピールの場所がなくなったということなので、残念だったというかショックが大きかったと言えば大きかったのですが、でも仕方のないことなので。今できることをやって、また再開した時に個人として何か成長していたいなというか、していなくてはという気持ちです。

昨年度の対抗戦日体大戦でゲインする南選手

――春に行われる予定だった地元・福岡での早明戦も中止が決定されましたね

下川  そうですね。

 そうですね、すごく残念です。去年の大分であった春の早明戦の時にメンバーに入って、高校の先生やおばあちゃんが見に来てくれたのですが、結局最後までずっとベンチで出場機会がなかったという悔しい思いがありました。次に福岡である早明戦こそはしっかり出てみんなに見てもらいたいという思いがあったので残念です。

――現在はどのようなトレーニングを行っていますか

下川  今はチームでの練習は一切やっていなくて、個人で一人一人がメニューを自分で組んでやっているという感じですね。

――具体的にはどのような練習ですか

  寮にいるメンバーと家に帰っているメンバーだと少し違うのですが、家に帰っているメンバーだとウエイト器具などがなく制限された中で、自重トレーニングであったり小さい筋肉や体幹を鍛えるトレーニングをSCコーチが出してくれるのでそれをやったり、という感じかな。寮にいるメンバーはできる限りのトレーニングをやっています。

――ラグビーをしていない時間はどのように過ごしていますか

  就活を頑張っています(笑)。それ以外だと何だろう…。

下川  ラグビーじゃない時間も結構ラグビーですね(笑)。

 そうだね。こういった状況でもできることのひとつとして、オンラインで8人ずつくらいのスモールグループでミーティングを週2回行っていて、それで試合を観ながら意見交換を行っていますし、それ以外の時間でもラグビーを見る時間が増えました。

――モチベーションをそれで保っている部分もありますか

  そうですね、特に寮にいない選手たちとはそういうところでつながれていると思いますし、そこで1週間どんなトレーニングをしたかというのも話し合っていて、他のメンバーがどういうことをやっているのか意識し合えるので、モチベーションにはつながっていると思います。

――部活ができない期間が増えて、ラグビーに対する考え方が変わったなど変化はありますか

 試合をたくさん見るようになったのは大きな変化です。(普段から)自分のプレーはもちろん見るのですが、それ以外の一流選手の試合をそんなに見てこなかったので、それを見ることで学ぶことが多いなというふうに思っています。

下川 毎日ラグビーをしていると、練習が終わってくたびれて次の練習に備える、という生活だったのですが、今こうやって全体練習がないことで、いい意味で練習の強度を自分で決められるので、練習の強度を下げた日には、自分のプレーをしっかり振り返って普段なら目を背けたくなる自分の悪いプレーを研究したり、他の人から意見をもらったりしています。今は、この期間になって気づけたことをはやく実行したいなという思いです。

――では、ラグビーとは全く離れた時間はどのように過ごしていますか

下川 楽器ですかね…。

 ウクレレ?ああ、流行ってるよね。ウクレレとかギターが寮内でブームになっていて。でも甲嗣はもっと前からやっているよね。再燃?

下川 再燃です、一応(笑)。他はまあ映画を見たりとかですかね。

  あとは、小学校の時の友達とオンラインで話したりしました。

 でも「ウクレレ流行ってる」ってかっこつけてない(笑)?自炊の方がいいかな。

下川  ああ、自炊流行ってますね(笑)。

――個人的にハマっているものはありますか

下川 個人的にも自炊ですかね。オフの日とかはやるように頑張っています。

 僕は全くやらないですね(笑)。

――得意料理は何ですか

下川 得意料理は、卵焼きです。

 何そのいい女感(笑)。

下川 甘い卵焼きが好きなので甘いのを作ります。

「うれしいけど自分たちの代のものじゃないから絶対来年も『荒ぶる』歌おう」(下川)

昨年度大学選手権決勝で活躍を見せる下川選手

――昨シーズンを振り返って、優勝した当時の心境と新体制への気持ちの切り替えについて聞かせてください

下川 日本一になった瞬間は本当にうれしくて、1年間やってきたことが報われてよかったという気持ちだったのですが、『荒ぶる』を歌う前に、丸尾(丸尾崇真主将、文構4=東京・早実)と、「うれしいけど自分たちの代のものじゃないから絶対来年も『荒ぶる』歌おう」と話していて。『荒ぶる』というのは4年生のもので、自分たちの代で獲らないと意味がないなと、うれしさと同時に感じていました。そのときから僕はもう「余韻に浸っていられない」という思いはあって、優勝した次の日から「いつまで優勝したと言っていいんだろう」と考えていたので、気持ちの切り替えは早くできたと思います。

 ずっとBチームとして一緒に練習に参加していて、チームとして日本一になるという思いがあったからもちろん優勝はうれしかったのですが、心の底から喜べていなくて、悔しさを強く感じていました。本当はグラウンドに立っていたかったけど、そのときはスタンドから観ているだけだったので。実際はうれしくて泣くだろうと思っていたけど泣けなくて、うれしさの中に悔しさが残りました。そのときから、「自分はまずここに立てる選手にならなければ」と強く思っていました。そう思っていたときに崇真から「お前が副将でいくから」という話をされて、まさかなるとは思っていなかったのですごく動揺しました。

――副将になった報告は高校の顧問の先生にはしましたか

 ちょうど帰省のタイミングだったので直接報告しました。

下川 僕も同じです。僕は1年生から試合に出られていたので、「(副将に)なって当然だけど、お前は話すのが下手だからしっかり背中で引っ張れよ」と言われました。

 僕は副将になったことよりも、最後4年生のときに試合出られるように、「まずはプレーヤーとして頑張れ」と言われました。

――下川選手は昨年から引き続き委員に就任されましたが、心境の変化はありますか

下川 昨年からチーム内のリーダーを務めさせてもらって、グラウンドの中ではリーダーとしてチームをまとめていこうという意識はあったので、今年副将になって特別なにかを変えようとは思いませんでした。自分は自分らしくチームを引っ張っていこうと思っています。

――それぞれお二人の中で副将として心掛けていることはありますか

 崇真が、みんなの前に立ってグイグイ引っ張っていくようなタイプだから、うまくバランスをとれるように、みんなの意見をうまく拾うようにしようと心掛けています。

下川 崇真は、一番下のチームまで手を差し伸べるつもりはない、上がってこいと背中で見せるようなスタイルなので、自分としては、熱量はキャプテンと同じだけど、その中で主将よりは副将のほうが気持ちの余裕がある分、チーム全体に目を配っていけたらいいなと思っています。

――今季、どんなチームにしたいと考えていますか

下川 チーム内の競争が激しい組織になってほしいです。

 僕もそう思います。僕自身、入部したときは一番下のチームで、そこから少しずつ上がってきたような大学ラグビーだったから、上のチームの人たちだけではなくて、下のチームにいる人が本気で努力して上がってきて、たくさん競争が生まれるようなチームが理想です。

――チーム練習が行われていない状況ですが、新体制になって変わったと感じる点はありますか

下川 昨年から、自分たちでチーム内の問題を見つけて解決策に持っていくという意識はあったけど、リーダーだけが考えて動いていて、チーム全体に根付いたとは言えませんでした。今年は学年、立場関係なく全員がチームの問題を考えて解決していくための取り組みを始めています。

――新スローガン『BATTLE』に込められた自身の思いを聞かせてください

 チーム内で競争できるようにという思い。練習の中で自分と向き合って自分と戦うという思い。その結果それが相手との『BATTLE』につながって、決勝での勝利につながるようにという思いが込められています。その中で思った自分にとっての『BATTLE』 は、自分はここからプレーヤーとして大きく成長しないといけないので、自分自身ともっと戦うことだと思っています。

下川 自分やチーム内での『BATTLE』なくして敵との『BATTLE』はないから、より自分たちにフォーカスしてやっていこうと思っています。

――最後に、今季の目標をお願いします

 チーム内での『BATTLE』をもっと引き起こして、『大学日本一』。そのときは自分がグラウンドに立って心の底から喜べるようにというのが目標です。

下川 昨年チームとして日本一にはなったのですが、プレーヤーとしてのレベルはまだまだライバルがたくさんいると思うので、自分のプレーのレベルを日本一に持っていきたいなと思っています。具体的には、けがなく1年間、グラウンドに立ってチームを引っ張っていきたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 塩塚梨子、山口日奈子)

色紙に意気込みを書いてくださいました!(撮影 ラグビー蹴球部亀井亮介主務)

◆下川甲嗣(しもかわ・かんじ)(※写真上)

1999(平11)年1月17日生まれ。187センチ。105キロ。福岡・修猷館高出身。スポーツ科学部4年。今や早大に欠かせない存在である下川選手、最終学年の意気込みに「覚悟」をあげてくれました。活動再開後、大きく成長した彼のプレーに注目です!

◆南徹哉(みなみ・てつや)(※写真下)

1997(平9)年12月10日生まれ。177センチ。82キロ。福岡・修猷館高出身。文学部4年。今年度から委員に選出された南選手。「自分との『BATTLE』を経て決勝の舞台に立つ」と力強く語ってくれました。部内に競争を巻き起こし『日本一』に貢献してくれるでしょう!

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