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競走部

2019.12.18

【連載】箱根事前特集『燕脂の挑戦』第9回 半澤黎斗

 原因不明のけがに悩まされ、東京箱根間往復大学駅伝予選会(箱根予選会)、全日本大学駅伝対校選手権(全日本)のどちらにもエントリーできずにいた半澤黎斗(スポ2=福島・学法石川)。しかし現在は、トラックシーズンのスピード練習や夏合宿の走り込みもあり、順調に集中練習をこなしている。駅伝では悔しさを募らせる半澤に、箱根への思いを伺った。

※この取材は12月4日に行われたものです。

「余裕を持って練習できている」

取材に笑顔を見せた半澤

――お誕生日おめでとうございます。プレゼントは何をもらいましたか

 今年も同期からスニーカーを貰いました。

――集中練習が始まりましたね

 思ったよりいい感じでできているので、今のところ全部のメニューをきちんと消化できています。

――きょうはどのような練習をされましたか

 きょうは2万3000メートルのペース走でした。最初は少し突っ込んで、後半は落として、少しずつ上げていくという重めのメニューだったのですが、余裕を持ってできました。

――昨年と比べていかがですか

 気持ち的な余裕ができたので、去年よりはスタートが遅かったのですが、余裕を持って練習はできています。

――順調にこなされていますか

 はい、順調です!

――何か息抜きはされていますか

 暇なときはずっとYOUTUBEを見ていたり、海外サッカーを見ていたりしています。

――先輩になって8カ月ほど経ちました。仲の良い後輩はいらっしゃいますか

 みんな仲良いですけど…(隣を見て)やっぱり創士(鈴木、スポ1=静岡・浜松日体)ですかね。あとは小指(卓也、スポ1=福島・学法石川)が高校の後輩なので、小指の面倒はよく見ているつもりです(笑)。

――半澤選手にとって、太田智樹駅伝主将(スポ4=静岡・浜松日体)はどのような主将ですか

 周りから見ていると怖そうなイメージがあるんですけど、そんなことはなくて、話すと意外と優しいです。走っているときと普段はギャップがあります。走っているときはとても頼もしい感じですけど、普段は一緒にゲームの話をしたり、あんまりピンと張り詰めた感じはないです。

――最初は怖かったのですか

 最初は怖かったです(笑)。入試のときにご飯に連れて行ってもらったのですが、そのときはものすごく怖かったです。

――いつ頃打ち解けられたのでしょうか

 直希(太田、スポ2=静岡・浜松日体)がいたので、入学してすぐに面倒を見てもらいました。結構早かったと思います。

――最近の同期の雰囲気はいかがですか

 後輩が結果を出してきて、みんな自分たちの学年がもっとやらなければいけないという雰囲気があります。来年から上級生になりますし、自分たちの学年が中心になっていかなければならないので、練習にもそういう雰囲気がだんだん出てきていると思います。

――チーム全体としてはいかがでしょうか

 箱根予選会が終わってから、やはり何か変えなければならないというようにミーティングをして、そこから結構大きく変わってきています。全日本は6番でしたけど、悔しい思いは全員あったので、そこからまた雰囲気がピリっと変わってきて。集中練習は去年よりも良い雰囲気というか、ピリッとした雰囲気の中みんなできていると思います。

「人生で一番走った1カ月」

――トラックシーズンを振り返っていただけますか

 箱根が終わってからけがをして、なかなかスタートが切れなかったので、トラックシーズンに入るのは少し遅くなってしまいました。ですがそこは思い切って1500メートル一本に絞ってやると決めて、関カレ(関東学生対校選手権)では最低限入賞できましたし、そこはよかったかなと思います。そこから全日本予選会の1万メートルに向けて切り替えて。1カ月の中でしっかり練習を積めてきたつもりでいたのですが、まだ厳しかった部分がありました。そこは1カ月しかなかったからということではなくて、箱根が終わってからけがをした部分と、後は元の力がまだまだ足りなかったのかなと思います。スタートからトータルで考えてみると、もう少しいけましたし、結局一つも自己ベストを出せなかったので、そういう部分ではもっとできたシーズンだったかなと思います。

――トラックシーズンで良かったことが今に生きていると感じることはありますか

 夏合宿前まではスピードを重視した練習をやってきました。夏合宿であまりスピード系の練習を入れず、本当に距離を踏んできたので、そこでスピード系の練習をしなくても今集中練習で無理せずにスピードを出せるのは、トラックシーズンのおかげかなと思います。

――夏合宿で「けがの前までは本当にうまくいっていた」と相楽豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)がおっしゃっていたのですが、ご自身として振り返ってみていかがですか

 人生で一番走った1カ月だと思います。すごく走ったので、正直やりすぎというか、自分のキャパを越えて練習をしていました。気持ち的には充実していたのですが、振り返るともう少し落ち着いてやればよかったかなと思っています。ただ今走りこんだ貯めが、2か月休んだ今でも残っているのを感じているので、あの時無理してやっておいてよかったかなとも思います。

――腰のけがだと伺いました

 原因がわからなくて。MRIもレントゲンもCTも撮ったのですが、1カ月以上過ぎてしまって…。注射を打って痛みは引いたのですが、結局何が原因かわからないまま2カ月くらいずっと痛かったです。

――けがの間はどのようなことをされていましたか

 1カ月ちょっとは生活するのも厳しいくらいで…。歩くのとか、ズボンを履くのだとか、ベッドで横になっているだけでも痛かったので、本当に何もできませんでした。少し痛みが抜けてきてからは、本当に基本的なことを…。普段の練習ではできないような、基本的な筋トレなどをして、復帰した後にスムーズに移行できるようなトレーニングをやってきました。

――今はもう大丈夫なのですか

 今はもう、全然大丈夫です。

――モチベーションを保つための工夫はありましたか

 3次合宿では一歩も走れませんでした。岩手には一緒に行ったのですが、ポイント練習すらもできなかったので、マネージャーと一緒に車で後ろから選手たちを見ていました。相楽さんと「これを見ながら、きついと思うけれど復帰した時のイメージはしっかりと持って」とコミュニケーションを取りながら、みんなの練習を見るしかありませんでした。モチベーションが持ち続けられたといったらそうではないのですが、やっていたのはそれくらいでした。

――他の選手から何かアドバイスはありましたか

 けがをしてすごく焦っていたので、同期だったり先輩からは、長引いてしまったことは仕方がないのでしっかり治してからスタートしたほうがいいと、しっかり焦らずにやれとは言われていました。

――箱根予選会や全日本はどのような思いでご覧になりましたか

 本当は自分が立ってなければいけない舞台だったのですごく悔しかったです。予選会に関してはもし自分が走っていたらどれくらいでいけたのかなと考えたら、多分先頭集団では勝負できなかったなと思いました。きっと走っていたらそうは感じられなかったので、よかったとは言えないですけど、そういう経験も自分にとっては必要だったのかなと思います。その後の全日本もみんながしっかり走ってくれたのを見て、もっと自分が頑張らなければいけないなと思いました。

――全日本の1区には好敵手である法大の久納碧選手(2年)が出場されましたね

 エントリー発表をしてから連絡を取っていました。まさか本当に走るとは思っていなかったので(笑)、一緒に走りたかったなとは思ったのですが、そこは純粋に応援していました。いつか一緒に走れたらいいなと思います。テレビを見たらすごく(久納選手が)緊張していたので、僕がいないからかなあ…と(笑)。

「チャレンジャーな気持ちで」

11月の日体大長距離競技会でレースに復帰した

――先日の日体大長距離競技会は、全日本予選会以来、5カ月ぶりのレースとなりました。スタートラインに立ったときのお気持ちをお聞かせいただけますか

 半年ぶりくらいのレースだったので、思っていたよりも緊張したのですが、走り始めてからは結構楽しくて、やっぱり練習では感じられない雰囲気がレースではありました。3000メートルくらいまでは楽しく走れたのですが、残り2000メートルは少しきつかったです。ですが、試合に出れたことがまず大きな一歩でした。出るかは微妙なところだったのですが、出てよかったなと思います。

――けが明けからの復帰のペースが速いとのことですが、最近の調子はいかがですか

 結構ペースを上げて練習を積めてきています。ポイントだけではなくて間のジョグや朝の集団走でも、ギアを上げてこれているので、自分の想定していたスケジュールよりも早く練習できていると思います。

――先ほどもお話されていましたが、夏合宿の影響があると思いますか

 そうですね。2カ月も休んでいたので、もうなくなっているかなと思っていたのですが、想像以上に夏の走り込みが良かったなと。今、結構生きているところが感じられているので、やっておいて良かったなと思います。

――ここからは箱根についてお伺いします。昨年はエントリーしたものの、出走とはなりませんでした。何が足りなかったと思われますか

 去年は出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)と全日本を走って、良い結果とはいえない、悔しい結果となってしまったので、正直そこで気持ちが落ちてしまうことがありました。去年の冬は自信が持てない時期が続いてしまって、練習も「できるかな」とか、不安に思いながらしていた時期が集中練習のときもありました。そういう気持ちの部分が出てしまったのかなと感じています。

――そういう意味で、今年は気持ちに余裕があるのでしょうか

 みんなよりも既にスタートが遅れているので、そこは逆に(調子を上げるしかないと)捉えています。やってやるぞ!というくらいの、みんなに早く追いついて抜くぞというチャレンジャーな気持ちで今やれているので、良い充実感の中で練習ができています。

――箱根で走りたい区間はありますか

 1区です。1区を走りたいです。

――理由をお願いします

 自分の得意な部分が一番出せる区間だと思います。箱根だけではなくて、どの駅伝でも1区が一番自分の調子が出せて、自分が一番楽しめる区間だと思うので、もっと力を付けて、チームから信頼されるような選手になり、半澤が1区を走っても大丈夫だと思われるくらいになれば、1区を走りたいなと思います。

――1区を走るためのアプローチはどのように考えていますか

 例年スローペースが多いので、うまく集団の中で良いポジションを取りながら、やっぱり仕掛ける部分が絶対出てくるので、そこの切り替えに対応する力と、あとは一番良いのは自分から仕掛けるくらいの力を持つことが大事だと思います。今チームとしては前半突っ込んで、後半粘るという練習に取り組んでいるのですが、自分としては前半突っ込んでも後半もう一度上げられるように自分で考えながら練習しているつもりではあります。

――では、箱根への意気込みをお願いします

 去年に引き続き、駅伝シーズンはチームに貢献できていません。3位以内という目標を掲げていますので、箱根では自分も区間3位以内でしっかり走って、それに貢献できるように、どの区間を任されても走れるような準備をしていきたいなと思います。頑張ります!

――ありがとうございました!

(取材・編集 今山和々子)

チームとしても、個人としても。『復活』の走りを箱根路で見せつけます!

◆半澤黎斗(はんざわ・れいと)

1999(平11)年12月3日生まれ。165センチ、54キロ。福島・学法石川高出身。スポーツ科学部2年。自己記録:1500メートル3分44秒57、5000メートル13分58秒08、1万メートル29分25秒05。教職の必修であるダンスの授業を履修している半澤選手。年明けには、太田直選手や向井悠介選手(スポ2=香川・小豆島中央)、中谷雄飛選手(スポ2=長野・佐久長聖)ら競走部の同期5人と共に発表を行うそう。どなたが一番上手ですかと問うと「それはもう……自分です!」と自信満々でした。どんなダンスをするのか気になりますね!