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2019.10.30

秋季早慶戦直前特集『闘将』 第5回 柴田迅

 覚醒を遂げた男がいる。今年の東京六大学リーグ戦(リーグ戦)、春秋16試合に登板して防御率は0.00。今や救援の柱となっている柴田迅(社3=東京・早大学院)だ。飛躍の裏にはどのようなステップがあったのだろうか、4年生への思いとともにお話を伺った。

 

※この取材は10月23日に行われたものです。

 
 

「伸びしろ」

 

取材に応じる柴田

――リーグ戦での初登板を果たした2年時は、ご自身で思うような結果が出せなかったと思うのですが、その時はどのような気持ちでしたか

 もちろん悔しかったんですけど、それ以上に学ぶことも多かったので、悔しい反面、こうしていけばいいんだなというのは薄々感じてきていた部分もあったので、自分の中でまだまだ伸びしろがあるなと感じることができました。

――伸びしろというのは精神面と技術面どちらもでしょうか

 精神面も技術面も全てにおいてあの時は未熟だったので、そういうところの伸びしろという感じですね

――今シーズン、非常に安定した投球をされていますが、2年生から3年生にかけて、何か変化のきっかけがあったのでしょうか

 2年生から3年生というよりは、3年生の春の明治戦で和田選手(慎吾副将、4年)に打たれたホームランから、自分の中ではガラッと変わっていて、あそこからバッターに対する考え方とか、あとは練習中のピッチング練習の時の意識とかも、全部変わったので、そこが一番大きい気持ちの切り替えというか、意識の切り替えだったかなと思います。

――開幕前にお話を伺った時に、「バッターに対して強いボールよりも、コントロールを重視する」とおっしゃっていましたが、この秋でも意識されているのですか

 そうですね。ずっとそれを意識してきてやってきたので、今まではコントロールを重視、スピードよりもコントロールという感じだったんですけど、最近はコントロールかつスピードもというので少し自分の中でコントロールに追加してスピードもというのができるようになってきたので、そこが一番、今季成績を出せている要因かなと思います。

 

――それらを意識したことで、意識する前と打者の反応や投球内容など、何か変わったことはありますか

 三振が多くなったし、一番はバッターがどう感じるかというのよりかは、自分がすごく投げやすいというか、バッターとの勝負で組み立てやすいようになったので、そこは自分の中ではすごく心の余裕もできたし、余裕を持ってバッターと勝負できるようになったことが、コントロールが良くなってからの感じるところですかね。

 

――今お話いただいたことが、この秋調子がいい一つの要因ということでしょうか

 そうですね。

――真っすぐに加えて、カットボールも武器となっていると思いますが、この2球種についてここまでの試合を振り返って手応えなどはいかがですか 

 オープン戦からずっといい状態のまま来れていて、それをリーグ戦で落とさないようにというのずっと意識してやってきているんですけど、それはこのリーグ戦の期間ずっと今のところはキープできているし、真っすぐの状態もいいし。オープン戦のまま来られているのが一番大きいかなと思って。オープン戦の時に意識できていたことが、調子を崩さずにリーグ戦でも実践できているというのが一番状態が良く来れている要因でもあると思いますし、ストレートもカットボールも今のところオープン戦通りというか、調子のいい状態で来れていると思います。

――この2球種に加えて、新たにカーブも織り交ぜられるようになったとおっしゃっていましたが、いかがですか 

 カーブは今のところすごく調子が良くて、カウントが苦しい状況でもカーブ投げとけばストライク取れるとか、今のところチェンジアップも含めて全部の球種で自信を持ってストライクを取れるような状態なので、そういう意味ではカーブもすごく効果的に使えているし、カーブの中でもストライクを取るカーブとバッターに振らせるボール、空振りを取るカーブを使い分けられているので、非常に自分の中でカーブも有効に使えているという感じです。

――カーブはオープン戦でも調子が良かったのでしょうか

 そうですね。それこそ、小宮山監督(悟、平2教卒=千葉・芝浦工大柏)に一回カーブを教えていただいて、そこからだいぶカーブがイメージしやすくなったというか、そこからカーブの状態も良くなって、監督さんのおかげという感じですかね

 

――具体的にどのようなことを教えていただきましたか

 やっぱり、カーブとストレートで腕の振りの速さがどうしてもカーブは抜こうとするので、腕の振りが遅くなっちゃってバッターからカーブと分かりやすくなってしまうんですけど、それをどうしようかなとずっと試行錯誤している時に監督から、「スナップのところはストレートと一緒で、力の入れ方的にゼロから100に持っていくところで、ストレートは100で投げるけど、カーブはそこで一気にゼロにするんだ」と言われて、そこから結構腕の振りをストレートのイメージのままカーブ投げれるという感覚に自分の中でなって、そこから軌道とかも安定したし、投げやすくなったかなという感じです。

 

――この秋、ここまでのご自身の投球を振り返って点数をつけるとしたら、何点でしょうか 

 ちょっとできすぎなぐらいできているから…、でも80点かな。

 

――残りの20点は

 残りの20点は、まだコントロールを詰められる部分があるかなと思っていますし、やっぱりまだ甘く入ってはいけない場面でちょっと甘く入って、バッターが打ち損じてくれるから抑えられているという感じなので、そういう詰めの甘いところとか。あとはいらないところでフォアボールを1個だけなんですけど出してしまったので、そういうところの詰めの甘さがあるので、詰められるなという意味での80点です。

 

――この秋、これまでの試合で印象に残っている試合はありますか

 明治の2戦目で、ちょうど和田選手に回ってくる時に自分が登板で、相当気合は入ってましたけど、やっぱりホームラン打たれた選手から三振を取れたシーンでリベンジできたというのは、自分の中でやってきたことが出せたし、打たれた相手に三振を取れたというのはすごくうれしかったので、印象に残っている試合という感じですね。

4年生への恩返し

 

立大2回戦に登板する柴田

 

――来週末の早慶戦に向けて、チームの雰囲気はいかがですか、

 4年生が頑張って引っ張ってくれているのを感じますし、頼りになる4年生だと思うんですけど、結果として4年生は苦しんでいることが少なからずあると思うので、最後4年生に早慶戦で勝って終えてもらいたいというのが一番思っていることなので、下級生として上級生と助け合っていくというのは意気込んでいる感じですね。特にピッチャー陣はそうですね。この秋のシーズンは下級生が中心で回しているので、ピッチャー陣は特に4年生に対する恩返しの気持ちというか、4年生をどう助けるかというのは、考えてやっていると思いますね。

  

――それは1、2年生もでしょうか

 まあ、特に3年生ですね。ずっと今西(拓弥、スポ3=広島・広陵)、早川(隆久、スポ3=千葉・木更津総合)、自分と早い段階からベンチに入れさせてもらって、やっぱりまだ森田(直哉、スポ2=早稲田佐賀)とか田中星流(スポ1=宮城・仙台育英)とか1、2年生はこの春から入ったり、この秋から入ったりというメンバーなので、まだ自分のことで精一杯な部分もあると思うので、ちょっと実践経験のある3年生は特にチームのためにとか4年生のためにという気持ちは大きいと思います。

 

――今1、2年生の話が出ましたが、このリーグ戦で何か下級生にアドバイスはされましたか

 技術的な面はリーグ戦当日にどうこう言っても変わることではないので、どちらかというと自分も経験してきたメンタル的な部分とかは出ていく下級生のピッチャーには伝えるようにはしています。

 

――具体的に教えていただけますか

 やっぱり、リーグ戦の初登板とかは気合いは入るんですけど、その分力んでしまって思うような結果にならないというのはありがちなことなので、気合を入れるのと力むのは違うぞ、心は熱くてもいいけど頭は冷静にというのは伝えるようにしています。

 

――ピッチャー陣全体の状態はいかがですか

 ピッチャーがゼロに抑えていれば、ここまでそんなに負けるという試合もなかったと思うので、そこはバッター陣の調子どうこうではなくて、ピッチャー陣はまずゼロで抑える、最少失点で抑えていくというのはやっていかなくてはいけないことなので、まだ力不足かなというのは感じていますけど…。今の状態で満足してはいけないかなという感じです。

――ご自身の状態はいかがですか 

 個人的には2年生の春から(ベンチに)入れさせてもらって、だんだんシーズンを追うごとに自分の中では調子も良くなってきているし、メンタル的にも成長してると思うので、それでもまだまだ伸びしろはあると感じているので、とりあえずあの明治戦で打たれてから自分の中で大きく変わった部分というのは変わらずに、これからの伸びしろというのを模索しながら投げている状態なので、自分の状態としてはいいですけど、まだまだ成長の余地があるかなと思います。

――ここまでのリーグ戦では、柴田選手自身もベンチで声を出している姿が見受けられましたが、ベンチで何か意識されていることはありますか 

 やっぱりどうしても野手の人たちは打てなかったらもちろん気持ちはへこみますし、そういうところで特に自分の場合は下級生ですし、ピッチャーで出番があるのも試合の後半なので、ある意味試合中、自分の登板が近づくまではリラックスした状態で試合を一歩引いた目線で見れていると思うので、そういうところでは声掛けやベンチワークを心掛けてやっていますね。

 

――このチームで戦う最後の試合となります。ここまでの加藤雅樹主将(社4=東京・早実)のチーム作り、どうご覧になっていますか 

 毎年秋のシーズンで思うんですけど、やっぱり4年生の存在は大きいと思います。やっぱり加藤さんが頑張ってる姿を見て、下級生の自分たちが刺激を受けることも何回もあって、試合中もミスしたりとかうまくいかない時と、「笑って前向いて行こう」という声がけをすごくしてくださるので、そういう部分でチームの雰囲気が救われている部分は少なからずあるかなという印象です。

――今、切り替えの話が出ましたが、負けが続いている時のチームの雰囲気はいかがでしたか

 負けは負けなので、どうしても雰囲気は落ちる部分もあったんですけど、でもその日は落ち込んでいても次の日の練習からという感じで、そういう部分では切り替えがちゃんとできていたかなと思います。

――今シーズンは小藤選手とバッテリーを組むことが多かったと思います。振り返っていかがですか 

 コミュニケーションをこのシーズンは多く取れていて、お互いの状態とか、自分の状態をしっかりと把握した上で配球を考えてくれているなという印象はあるので、すごく『投げやすい』の一言です。

「泥臭く連勝」

 

――やはり早慶戦というのは柴田選手にとっても特別なものなのでしょうか 

 そうですね。早稲田に入ったからには、誰でも早慶戦は特別なものだと思いますけど、特に今回は向こうが優勝懸かっているので、1敗もできないので特に特別で、しかも自分が任されるとしたら8回、9回の緊迫した展開での、大事な部分を任されると思うので、そういう部分では何か他の大学の試合とはまた違った緊張感のある試合になるんだろうなと気合が入っています。

――慶大打線で特に抑えなければいけない選手はどなたでしょうか

 やっぱり郡司さん(裕也主将、4年)ですかね。郡司さんを塁に出したりとか、ヒット打たれたりするとチーム全体がのってくる印象があるので、郡司さんだけではないんですけど、強いていえば郡司さんです。正直、警戒しなければいけないのは全員なんですけど。それくらいのチームだと思っていますし、チームの中心人物である郡司さんは警戒しているバッターです。

――最後に、早慶戦に向けて意気込みをお願いします 

 優勝はなくなってしまいましたけど、早慶戦はまた特別な試合だと思うので、早慶のプライドを懸けた試合になると思うので、絶対に負けられないと思いますし、何とか泥臭く連勝して4年生の最後を華やかに飾れればいいかなと思います。

――ありがとうございました!

 

(取材・編集 石黒暖乃)

 

しびれる場面での快投、期待しています!

 

◆柴田迅(しばた・じん)
 1998(平10)年6月2日生まれ。177センチ、77キロ。東京・早大学院出身。社会科学部3年。投手。右投右打。今秋も好調を維持する柴田選手。色紙には綺麗な字で『恩返し』としたためてくださりました。お世話になった4年生への感謝の気持ちをかみ締めて、華のマウンドで躍動します!

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