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相撲部

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2019.10.28

【連載】インカレ直前対談『番狂わせ』 第1回 田太隆靖×鳥居邦隆

 全国学生選手権(インカレ)が目前に迫る今、1年生の鳥居邦隆(社1=愛知・愛工大名電)と田太隆靖(スポ1=東京・足立新田)の二人に話を伺った。今回は、全国学生選手権(インカレ)への意気込みのみならず、相撲との出会いや思いについても語っていただいた。

※この取材は10月21日に行われたものです。

ここまで「60点」(田太)と「70点」(鳥居)の活躍

笑顔で質問に答える鳥居

――ここまでの成績などを振り返ってみていかがでしょうか

田太 僕は試合に出させてもらってもあまり結果が出せなかったりしました。秋学期は今頼りにしている4年生が抜けてしまうので上級生に頼り切りにならなくてもいいように1年生の僕たちがもっと頑張らなきゃなと思います。

鳥居 成績に関しては東日本の体重別(東日本個人体重別)では自分は3位に入れました。やっぱり、人数が少ないこの部活ではみんなで勝って盛り上げていかなければならないので、特に団体戦だと、ポイントを先輩に頼るばかりではなくて1年生でも盛り上げようと思ってやっていました。でも、無差別とかレベルの高い選手たち戦っていると、自分の足りていない部分が明らかになっていきました。まだ入部して1年もたってないですけどこれから後輩たちが一応入ってくる予定なので、先輩としての自覚も持てたらいいかなと思います。試合をしていく中で、もっと力を付けなければならないと思うような今まででした。

――団体戦のお話がありましたが、個人戦に比べて団体戦の時はプレッシャーを感じたりしますか

鳥居 僕自身、個人戦の方が得意です。団体戦の時は自分が勝たなきゃいけないと思ってこわばることはありました。

田太 普通の試合(個人戦)ですら心臓がバクバクで気持ち悪くなることもあるんですけど、団体戦はそれ以上に緊張して、死にそうになっていましたね(笑)。

――個人戦、団体戦におけるご自身の活躍を振り返ってみて、100点満点中、何点ですか。

田太 う~ん(笑)。60点くらいですかね。

鳥居 僕も60点くらいですかね。僕は4年生の時に100点になるようにしていきたいって思いもあるので。いや、(今年が)60点だと(4年生の時に100点には)足りないか。

田太 足りないね(笑)。

鳥居 それじゃあ、今は70点。70点で、学年ごとに10点ずつ増やしていって、4年生の時には100点を付けられるようにしたいです。

――それでは次に入学前のことについて伺いたいと思います。お二人が相撲を始めたきっかけについて教えていただけますか

田太 僕はもともとサッカーとかいろいろなスポーツをやっていて、体格が良かったんですよ。その時のサッカーチームの合宿に他の学校の校長先生がいて、「今度、わんぱく相撲の大会があるんだけど出てみないか」と言われたんですね。せっかくだから、1回くらいはと思って出てみたら地区大会で優勝したんですよ。たまたまでしたけど。そうしたら都大会出場が決まって、今のままでは駄目だと思ったので、相撲クラブに入ったのがきっかけです。

   

鳥居 小、中の時ちょっとやったことはありました。もともとは柔道をやっていたんですよ。柔道一家で、みんな黒帯を取るまでやるような感じでした。それで柔道を極めようと思っていたんですが、オープン参加できるような地区大会に参加してみようと柔道部の間で話題になったので、出てみました。初めてだったんですけど、それで優勝しちゃったんですよ(笑)。県大会の下の下の規模の本当に小さな大会だったんですけど、優勝したら地域の有力な先生方から声を掛けられて、やり始めたのがきっかけですね。僕もそうですけど、地元のスポーツ少年団上がりで相撲を本格的に始めた人が多いのかもしれないですね。

――小学生から相撲を取ってきた中で気づいた相撲の魅力はどのようなところですか

田太 こんなに短時間で決着がつくのは他の競技にはない魅力があると思います。短い間での真剣勝負はやはり他にはない魅力なのではないですかね。

鳥居 シンプルなのが一番ですかね。短い時間でパッとできるところかな。相撲やっている人たちはパッとやってパッと終わりたい性格の人が多くて、もしかしたら僕もそういう性格なのかもしれないです(笑)。柔道だと、だらだらやってポイント稼ぎをする戦術もあったりして、それを批判するわけではないですけど、相撲はそのような戦術がなくて、シンプルに技や力が相手を上回った瞬間に勝つというのがいいと思いますね。

「今も憧れの先輩」(鳥居)

――どのような経緯で早大を選ばれたのですか

田太 僕の性格からして一番この大学が合っているとは思っていました。早稲田の相撲部はとても自主性を重んじてきた伝統があるので、そこは僕の持っている価値観と合致しました。それと早稲田は有名な大学なので、昔から、もし行けたら行ってみたいなという気持ちがありました。

鳥居 やっぱり、早稲田が好きなんですよ(笑)。サポーターズクラブのように応援してくれる方が多いですしね。他の大学でも昔から応援が盛んだったりするんですけど、早稲田は少し変わっていて、地元の人も応援してくれるところが好きです。試合の時は特に応援に力が入っています。勉強と相撲が両立できる環境が整っているのもそうですし、それらを含めて早稲田の魅力になっていて、そこが好きです。あと、この部は人数も少ないこともあって、皆で頑張っていこうという思いが強いので、なんかベンチャー企業みたいですよね(笑)。周りの支えや応援を授かりつつ、そうした雰囲気で部が成り立っているのが特徴です。

  

――田太選手は橋本侑京主将(スポ4=東京・足立新田)選手と二見選手颯騎(スポ2=東京・足立新田)の高校の後輩、鳥居選手は長谷川聖記(スポ3=愛知・愛工大名電)選手の高校の後輩ですが、進学の際にそれぞれの先輩方に相談はされましたか

田太 ご飯とかに連れて行ってもらいました。そこで相談というか、学校について話を聞かせてもらいました。

鳥居 僕も長谷川先輩も直接関わりがありましたし、鬼谷(智之氏、平30スポ卒)先輩も早大相撲部でした。(愛工大)名電高校から早稲田に行く人ってやっぱりカッコいいんですよね。相撲が強いのはもちろんなんですけど、人間性がしっかりしている人が早稲田に行くという僕なりのイメージもあって早稲田に行きたいとは先輩たちを見ていて思っていました。今も目指している憧れの先輩であることに違いないです。

――高校からの先輩はやはり特別な存在なんですね

鳥居 そうですね。

田太 はい。

――高校の時のお話がありましたが、高校と大学で稽古内容や雰囲気で大きく異なっている部分はありますか

田太 高校時代はひたすら稽古してひたすら相撲を取る感じだったんですけど、大学入ってからは、平日は自主練に近い練習形式になりました。個人がさぼろうと思えばさぼれる環境の中で、その分、互いに高め合おうとする雰囲気が出てくるので、その点が一番違いますね。

鳥居 僕は高校の時から結構自主的に稽古していました。大学ではみんなで稽古して一体となって強くなろうという雰囲気があります。あと、大学での練習や試合では部員もそうですしサポーターズクラブの方々と共に一体となって戦っている感じがします。実際に試合に出てみると勢いが付いている感じがするんですよね。一体となっている分、感じ方も変わってきます。

――大学から寮生活が始まったということですが、生活面では違いがありましたか

鳥居 通学時間!

田太 あ~。

鳥居 お互いたぶん一番感じているところかな。一時間半から二時間かけて学校に通っていたので、寮からすぐに道場に行けるというのは良かったなと感じますね。

田太 僕もだいたい2時間くらいかかってましたからね。

――逆に、相撲を続けている中で、学校で苦労していることはありますか

  

田太 僕はスポ科で教職の授業を取っているんですけど、いろいろなスポーツをする実技の授業があって、いまちょうど器械体操の授業なんです。そういう授業は本当にダメですね(笑)。側転とか倒立の時はぐちゃ~ってなりますね。

鳥居 僕は意外とマイナス面はなくてプラスだなと感じていますね。相撲って結構万人受けするんですよ。友達としゃべっていると、「え、相撲やってるの?」みたいに反応が良いのでプラスになってますかね。

――お二人とお話した際に、部活動、大学生活ともに、とても楽しんでいるように感じられました

田太 そうですね。僕はすごい楽しいですね。早稲田の相撲部はあんまり上下関係を意識しなくていいというか、先輩たちにとてもよくしてもらっているので、十分楽しめています。

鳥居 結構自由なんですよね、早稲田の相撲部って。何もかもって言ったらおかしいですけど、練習も自由にできるんです。語弊があるかもしれないですけど、何をしていても良い状態なんですよ。でも、全部解放されている状態って結構怖くて、いき過ぎたことしないようには気を付けていますね。

――練習時間や内容も自由なのですか

鳥居 練習時間は一応は決まっていますが、基本は自由なので、自分のために計画立ててやれるので僕にはあっていると思っています。

――練習の中で欠かさず入れているメニューやルーティーンはありますか

田太 僕はあまりそういうのはないですね。「昨日は下半身を鍛えたから、今日は腕をやろうかな」みたいな感じですね。例えば、すり足をするときは目の前に人がいると思って稽古するみたいに常に意識していることはあります。

鳥居 僕は本当に適当なので(笑)。これっていうルーティーンとかはないです。四股とかすり足みたいに決まっている稽古もあるんですけど、ダンベルを使う練習とかはどんなかたちでもやれるんですよ。だから、思い立ったものをやってみようと思って練習してますね。

――大学卒業後も相撲に携わりたいと思いますか

田太 そうですね。相撲は別に学校以外ではできないものではないので、どんなかたちであれ相撲に関われればなと思います。

鳥居 そうですね。相撲部にいると子供たちに相撲を教えることもあって、それも面白いですね。そうやって相撲に関われたらいいなって思います。

気さくに質問に答えてくれて田太

――それでは部活動以外について聞いていきたいと思いますが、オフの日の月曜日は何をされているのですか

鳥居 僕は寝ています。もうずっと寝てます。うん(笑)

田太 月曜日は授業がみっちり入っていることもあって、僕も何もしてないです(笑)。その日は学校に行って、寝るっていう感じです。

――趣味の時間は少ないほうですか

田太 でも授業の合間、合間とかに先輩とゲームをして楽しんで胃ますね。

鳥居 各自が好きなことをやっています。みんな上下関係をそこまで気にせず、いつも好きなことをやって楽しんでますね。ただ、僕は寝ているので(笑)。

――大相撲本場所中は関取の取組をチェックされますか

田太 最近見るようにはなりました。一つ上の世代とかが出てたりするので「あれ、出てるぞ」という発見があるので見るようになりました。高校の時は全然見てなかったです。

鳥居 僕もそうです。同期がプロ(の世界)に入って活躍してたりするので「すごいなぁ」と思ったりしていますね。

――好きな力士や、好きな取組はありますか

田太 小、中の道場の先輩である北勝富士(八角部屋)の中村大輝先輩です。大学は違うんですけど、ちょっとした憧れはありますね。

鳥居 炎鵬(宮城野部屋)はすごい勉強になりますかね。あんな小さな体でも10勝挙げることがありますが、あれをアマチュアの世界でもやろうとしてみたら絶対に無理なんですよ。大相撲は実はそこまで興味もなくて、知っている子たちがテレビに映り始めたから見るようになったんです。

――大相撲の関取の中で参考になった、または参考にしたい部分はありますか

鳥居 大相撲の世界と(大学相撲の世界)はちょっと違うんですよね。だから、参考にするために見るというより、楽しむために見てる感じですかね。やってる方はきっと大変だとは思いますが、見る分にはとても楽しいです。

――相撲以外で好きで見るスポーツはありますか

鳥居 僕は柔道ですね。あとは自分の高校では卓球が強かったので、卓球も見たりします。

田太 最近はあまり見てないですね。実家はCSが見れたのでプロレスを見てましたね。寮はテレビはあるんですけど、CSは見れないし、スポーツを見る機会もないです。

「一年生らしい元気のいい相撲を」(田太)

――ご自身の相撲のアピールポイントはどのようなところですか

田太 大学で通用した感じはあまりないですね。それでもやはり、アピールポイントは相撲の基本である、「とにかく押す」ということにしときます。

鳥居 上の人には通用してないので、特にあるかと言われたらないんですけど、強いて言うなら、当たりの強さとかですかね。(長谷川)聖記さんとかに比べたらまだまだです。

――室伏渉監督(平7人卒=東京・明大中野)から褒められている部分はありますか

田太 結構こっち(鳥居)は褒められているんですけど、僕はずっと怒られてばかりです。

――それぞれどんな部分を褒められたり、怒られたりするのですか

鳥居 柔道経験があるので、投げの時とかうまいこと投げられたり、相手を体に重ねられたりできる時ですかね。でもそれは、たまたまというか頭の中で理解しているからできているわけではないので、再現できるわけではないんですよ。「良かったぞ」と褒められても、あまり納得できないことも多いですね。

――過去のスポーツ経験が相撲に生きてると思うことはありますか

鳥居 全くないです(笑)。競技自体違うものなので。相撲は押しが基本ですが、柔道は引くことも多いので、それが土壇場で出てしまうこともあります。相撲は相撲で体の動き方があるので、全てが全て(柔道経験が)生きているとは思えないです。

田太 ないですね、本当に。相撲ってやっぱり特殊なんですよね。だから、押しと引きというシンプルな駆け引きの中で、技術的な部分が過去の経験が出るということはあまりないかもしれませんね。相撲の世界から総合格闘技やプロレスに転向される方はいますけどね。何かやってたから相撲に生きているとか、相撲をやってたから何かに生きるみたいなことはないとは思いますね。

――田太選手は監督から怒られることがあるとおっしゃっていましたが

田太 僕は押し相撲なんですけど、押し相撲の基本である足を前に出すことができていない時ですね。あと、引かれたらすぐに落ちてしまうことですね。そのようなことでよく怒られています。

――それでは最後に今後の大会ついて伺いたいと思います。インカレに向けて特に鍛えていることはありますか

田太 僕はもうとにかく下半身を強化して、上の人に対して引けを取らないように当たりを強くはしていきたいです。すり足はもちろんですが、具体的にはスクワットやデッドリフトのメニューを増やしていきたいです。

鳥居 インカレでは団体のメンバーに選んでいただいて、団体戦に出場するわけですけど、上位の人たちからいかにポイントをとれるかが重要だと思っているので、勝ち切るための練習ですね。技を磨くのも大切ですが勝ちにこだわるのが最終目標です。そのためにも、立ち合いの感覚や角度を研究とかをもっとして、あとちょっとのところで勝てる、というような際の部分も磨いていきたいです。僅差でも勝ち切れる相撲展開についても考えられたらいいと思います。

――インカレへの意気込みを最後にお願いします

田太 勝ちたいという気持ちはあります。勝てなかったとしても、1年生らしい元気のいい相撲を取ってチームに勢いづけられたらいいと思います。

鳥居 1年生らしい元気のいい相撲はもちろんですね。あと、サポーターズクラブの方々からの応援も受けて、それを力に変えてチームに勢いを与えるのは重要だと思うので、4年生の先輩方をいい形で送り出すためにも頑張っていきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 大貫潤太)

1年生二人のフレッシュな活躍に期待です!

◆鳥居邦隆(とりい・くにたか)(※写真左)

2000(平12)年4月3日生まれ。170センチ、105キロ。愛知・愛工大名電高出身。社会科学部1年。大相撲は実際に国技館に行くよりもテレビ観戦の方が好きとのこと。それは、立ち合いの角度や技をリプレイでじっくり見られるからだそうです。また、関取では炎鵬の研究熱心なところが好きだとおっしゃっていました。そして、取材中は一つ一つの質問に丁寧に、熱意をもって答えていただきました。相撲のことを深く考えている鳥居選手の姿勢が答えに表れていました。

◆田太隆靖(たぶと・りゅうせい)(※写真右)

2000(平12)年11月24日生まれ。178センチ、124キロ。東京・足立新田高出身。スポーツ科学部1年。高校まではプロレス観戦が趣味で、今年の1月4日には東京ドームまで観戦しに行かれたそうです。取材当日も素敵なプロレスのユニットのシャツを着られていました。好きだったレスラーはケニーオメガ(新日本プロレス)とオカダカズチカ(新日本プロレス)。「もっと強くなりたい」と語っていた彼が、チャンピオンとして圧倒的な強さを誇る両レスラーに憧れるのには納得です。

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