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ラグビー部

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2019.10.03

【連載】関東大学対抗戦開幕特集『One Shot』第2回 プロップ久保優×フッカー森島大智×プロップ小林賢太

 スクラム。ラグビーの大事なセットプレーの1つ。相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)がセットプレーを課題と挙げるように、今季早稲田が日本一になるためには、スクラムの立て直しが急務だ。鍵となるのはフロントローのこの3選手。プロップ久保優(スポ3=福岡・筑紫)、フッカー森島大智(教4=東京・早実)、プロップ小林賢太(スポ2=東福岡)だ。それぞれの選手の思いに迫る。

※この取材は8月19日に行われたものです。

「グラウンドで一緒に戦いたい」(久保)

――まずは去年の結果を振り返っていただけますか

久保 去年けがをしていたのでスタンドから試合を見ていて、ベスト4で負けてしまった試合にも出ていなかったので、悔しかったですけど、あのグラウンドで一緒に戦いたいなと思いました。今年はFWのスクラムとかのセットプレーに対する意識がだいぶ変わったと思うので、日本一になるためにも自分はこのまま試合に出続けて、早稲田のために戦えたらと思います。

森島 自分も去年は試合に出ることができなくて、スタンドから見ていました。(全国大学選手権)ベスト4で終わってしまってすごく悔しかったです。今年は試合に出させてもらっているので、春はスクラムとかに課題があったんですけど、修正してFWで勝つところを意識して試合をしていきたいと思います。

小林 僕は試合に出場させてもらって、最後ラストワンプレーのブレイクダウンで相手にターンオーバーをされてしまいました。そのブレイクダウンに自分は関わっていた人間で、そこで継続ができればまた違った展開になっていたのかなと考えると、1つのプレーにこだわり切れなかったところが今でも心残りです。そういう細かいところもやらなければいけないなと思いながら、本当に悔しい思いが一番あります。

――春シーズンはどのような意気込みで臨まれていましたか

久保 3番から1番に変わったばかりだったので、どれだけ自分がFWとして戦えるかという気持ちで臨みました。

森島 フッカーはスクラムでもラインアウトでもすごく重要なポジションだと思うので、そこでFWを引っ張っていっていこうと思いました。初戦は今年の一発目の試合で流れをつくる大事な試合だったので、そこはFWで意気込んでいきました。

小林 僕はあまり試合に出ていないんですけど、チームにどうこうというよりは、去年の自分よりさらにレベルアップしなければいけない春シーズンだなという気持ちを持っていました。けがをしてしまったので、そこをシーズンに向けて治して強化していくというのと、スキルのところを上げていこうという気持ちで臨みました。

――個人として春シーズンはいかがでしたか

久保 毎年ずっと言われているんですけど、課題に残ったのはセットプレーです。自分が1番で春シーズンに全試合出させていただいて、スクラムで迷惑をかけましたし、いい経験をさせてもらえたといえばそうなんですけど、チームに迷惑をかけてしまったという思いがありました。

――3番から1番に変わりましたが、どのような違いがありますか

久保 自分が3番をしていたときは、相手が1番と2番で両肩に人がいたので、最初のヒット後に安定して組めたんですけど、1番は自由に組める分、そこで自分が安定したスクラムを組めないことに問題がありました。

――森島選手と小林選手は春シーズンを振り返っていかがですか

森島 スクラムで全然押せなかったことがあって、スクラムを押せなくても勝った試合があったんですけど、スクラムを押せないと日本一になれないと思ったので、そこが課題としてありました。

小林 課題として出たのが他の皆さんと一緒でスクラムの部分で、セットプレーが安定している試合はチームとしてもなんですけど、FWとしても他のことにも気を配ることができました。自分たちの試合だけではなくて、他の試合を見てもセットプレーの優位性があることで、ゲームを優位に運ぶことができるので、 スクラムが強くならなければいけないなと感じた春シーズンでした。

――相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)にはどのような役割を求められていると感じますか

久保 とりあえず僕はスクラムだと思っています。監督はセットプレーが安定することでチームが一番いい方向にいくと考えていると思うので、セットプレーを安定させるところを重視させてもらえるようになっていると思います。

――監督から直接言われることはありますか

一同 コーチを通してですね。

小林 面談とかじゃないですけど、普段喋っているときに、アドバイスみたいなことを言われることはあります。

――では特にFWコーチからはどのようなことを言われますか

小林 FWはスクラム…。やっぱりそこが一番の課題で、僕たちフロントローはスクラムで重要なポジションなので、そこはよく言われます。

久保 メンタルのところですね。メンタルでずっと負けていて、消極的な感じでやっていたので、自分たちから攻めていく、勝ち気なメンタルを持つようにといつも言われています。

――森島選手はどのような役割を求められているとお考えですか

森島 自分はラインアウトだったらスローの精度だったり、スクラムだったら一番前で全体をまとめる役割としてコミュニケーションをとることだったりする部分が求められていると思います。

――4年生のフッカーは森島選手と中野幸英選手(文構4=東京・本郷)ですが、お二人で引っ張っていこうというのはありますか

森島 引っ張っていこうというのもありますけど、自分たちはまだまだ未熟な部分があるので、二人でこうした方が良かったと話すことはあります。

――小林選手はいかがですか

小林 自分は体重がチームで一番重いので、体を生かしたプレーをアタック、ディフェンス両方でしてほしいみたいな感じだと思います。

――ちなみに体重は皆さんどのくらいですか

小林 僕は115キロです。

森島 101キロです。

久保 110キロです。

――春季大会が2勝2敗、早明戦でも負けてしまいました。この結果はどのように受け止めていますか

小林 勝たないといけないなというのはあったんですけど、振り返ってみると負けた試合では、さっきみんなが言っていた課題であるスクラムの部分で劣勢に立っていたことが多くて、自分たちが本当にやらないといけないことが分かりました。その点では(勝敗に)こだわらないといけないんですけど、いい経験にはなったと思っています。

森島 スクラムとモールもそうなんですけど、自分たちFWの強みをつくるという点ではいい課題が出ました。

久保 自分の反省点と向き合う時間が増えましたし、もっと強くならなければいけないという危機感が一層強くなったので、負け越したかたちでしたけど、自分の経験値を得たという考えで前向きにいます。

――その中で印象的だったのはどの試合ですか

久保 早明戦です。去年(全国大学選手権で)明治が優勝をしているので、去年に関しては日本一のチームということで戦ったんですけど、スクラムが強く感じましたし、このスクラムを押さないと早稲田は日本一になれないなと思って、一層頑張らなければいけないと思いました。

森島 自分も明治戦です。明治には絶対に勝たなければいけないというのがチームとしてあったんですけど、去年の優勝校と戦って、スクラムやラインアウトで自分たちのやりたいことができなかったので、そこを倒さないと日本一にはなれないと思いました。

小林 僕はないですね(笑)。

――小林選手はU20日本代表に選出されていましたが、すごいなと感じた選手はいましたか

小林 本当にすごいと思ったのが他国の代表選手です。セットプレーとかでは試合を優位に進めることができたんですけど、それ以外のフィールドプレーのところで15人全員がずっと動き続けて、チャンスのときはみんながサポートにいってというのを自分の目で見ることができて、ここが自分たちとの差なのかなというのを感じることができました。同じチーム内ではパナソニックの福井翔太がすごい選手だなと思いました。高校から一緒なんですけど、大学へ行かずに社会人になって、ラグビーへの考え方とかがすごいなと思いました。

――具体的にどのような点がすごいと感じましたか

小林 言葉でうまく表現できないんですけど、プレーで見せることができたり、一番チームの中で体を張ったりできるところがすごい選手だなと思いました。

――他校で意識されている選手はいますか

久保 とりあえず3番の選手はトイメンになるので、負けないようにしようと思っています。

森島 そんな感じですね。個人としてはないですけど、言うならば全部のチームのトイメンですね。

――フロントローのリーダーはいますか

森島 自分ですね。

――以前のインタビューでは「スクラムに対する意識が変わった」と仰っていましたが、今年から変わったことはありますか

森島 毎セッション終わった後に各ポジションでビデオを見て話し合って、それをFW全体で共有するというのは今年から変わった点です。あとは個人のポジショニング練習の時間も、フロントローだけではなくてフランカーでもロックでも増えたと思います。

――フロントロー、セカンドロー、バックローごとにということですか

森島 そうですね。ビデオを見て話し合って、それが終わった後にAチームだったらAチーム、BチームだったらBチームで集まって話し合っています。

――去年にはなかったことですか

森島 去年はそういう話し合いはなかったです。

小林 フトントローだけたまに集まって喋っていたことはあったんですけど、8人全員でスクラムに対して話し合うというのはそんなになかったです。

――天理大戦ではスクラムで押し返す場面もありました

小林 試合中に春は修正できないまま試合をしてしまって、次は修正しようと話していたんですけど、春シーズンが終わってからその意識が変わって、天理戦は試合中に気付いたことを話し合って修正することができたので、結果的にスクラムで押すことができたのかなと思います。

――久保選手は後半から途中出場でしたが、意識の変化は感じましたか

久保 試合中のお互いのコミュニケーションや集まってやるミーティングが増えた成果もあると思います。自分たちがやることを話し合ってきて明確になっているので、この試合で自分たちが何をするというのが決まっていて、それを試合中にお互いによく話すようになって情報交換が多くなったと思うので、天理戦のスクラムで押せたときはそういうことがあったと思います。

――森島選手から天理大はセカンドプッシュが強いチームと伺いましたが、明大はどのような感じですか

小林 ルールが変わってから組んでいないので分からないんですけど、重いですね。

――最初が重い感じですか

小林 終始重いという感じです。

森島 ヒット後も全員がまとまって押してきて、あっちのチームは全員体重があるので、体重のところもスクラムの強みにしていると思います。

「学年の雰囲気」

各学年の特徴について話す3選手

――各学年はどのような雰囲気ですか

森島 SH齋藤直人主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)をはじめ、ラグビーに対して向き合っている人が結構多くて、悪かったら悪いとちゃんと言える人がいます。

久保 3年生はラグビーに関わっている時間は真剣なんですけど、フリーになったときにみんなで仲が良い感じはあります。オンとオフの切り替えができる学年だと思います。

小林 2年生はメリハリがあると思います。みんなはっちゃけています(笑)。

森島 4年生も仲良いよ(笑)。

――合宿前にチームビルディングのためにボーリングを行なったと伺いましたが、学年ごとに行われましたか

小林 学年関係なくミックスでやりました。各学年3人ずつ投げてどの学年のスコアが高いかみたいなことをやって、2年生が優勝をしたんですけど、臼井さん(智洋)から景品をもらいました。

――どのような景品でしたか

小林 プロテインでした。おいしかったです(笑)。

――学年でオフに遊びに行ったりはされますか

小林 長期オフが2回あった中でバーベキューしました、学年会で、2、3、4年生はバーベキューをしました。

――この3人で遊ぶことはありますか

一同 ないですね(笑)。

――何か趣味はありますか

小林 夏合宿中が暇で、街に行ってもやることないので、ずっと映画とか見ています。

森島 他の部屋に遊びに行ったり、ゲームしたりするくらいです。

――普段皆さん何をされていますか

小林 昼寝しています。

森島 YouTube見ている。

久保 昼寝かYouTubeくらいか。

小林 僕たちの学年は結構カラオケ行きますね。上井草にいるときは近くにあるカラオケに行きます。

――久保選手はいかがですか

小林 ずっと寮にいますよね。

久保 3年生は寮生が個人個人でどっかに行っちゃうので、僕はいつも置いていかれてしまいますね(笑)。

小林 僕たちの学年の寮生はみんなずっと一緒にいます。寮にいないことが悪みたいな(笑)。寮にいなかったら怒られるわけではないんですけど、なんでいないんだよみたいになります(笑)。

――寮の部屋はどなたですか

森島 自分はプロップ横山太一(スポ2=東京・国学院久我山)と河瀬(FB河瀬諒介、スポ2=大阪・東海大仰星)です。

小林 中野幸英さんとロック下川甲嗣(スポ3=福岡・修猷館)。

久保 僕は桑山さん(CTB桑山淳生、スポ4=鹿児島実)と槇(WTB槇英人、スポ1=東京・国学院久我山)ですね。

森島 僕の部屋は今2年生のたまり場ですね。

小林 森島さんの部屋を占領しています(笑)。

森島 帰ってきたらベッドに座っていたりします(笑)。

――森島選手はそういう場合どうされますか

森島 「ただいま」といいます(笑)。

小林 みんなで「おかえり」といって、森島さんを迎えます(笑)。

――今年の関東大学対抗戦(対抗戦)の日程は変則的ですか、前半の3試合でヤマ場になるのはどの試合ですか

小林 初戦ですね。対抗戦の初戦ということで入りのところが1つのポイントで、日体大さんは外国人留学生の方がいるので、そこに対してどう止めるか、攻略をしていくかということも重要になってくると思います。

森島 自分も日体大です。春が終わって、自分たちがやってきたスクラムであったり、ラインアウトであったり、ユニットの強みを出す場だと思っているので、初戦でもありますしヤマ場だと思います。

久保 実際にどの試合も気が抜けないですね。でも、一戦一戦戦っていくためにも、最初の流れが大事になるので、しっかり初戦に勝つことが大事になってくると思います。

――後半の4試合ではどの試合がヤマ場ですか

森島 去年優勝をしている明治です。春シーズン全然スクラムを押せなかったので、自分たちがやってきたことを出す場だと思っています。

久保 明治はスクラムが強いので、その4試合のうちで自分たちがどこまでできるようになったか、自分たちがどこまで成長をしたかを見ることができると思うので、そこはやっぱり重きを置きたいです。

小林 去年帝京大さんだけに負けて同率優勝だったので、帝京大学さんです。去年はそこから切り替えて早慶戦、早明戦だったんですけど、帝京大学さんに勝つことで、切り替えるではなくて勢いをもたらせるような感じになればいいなと思います。

「負けていい試合なんてない」(森島)

強い口調で意気込みを語る森島(写真中央)

――対抗戦はどのような大会になるとお考えでしょうか

小林 去年は一つ一つ全力でやるしかなかったので、今年も多分一つの試合一つの試合、考えている暇もないんだろうなと思います。目の前の試合に気持ちを入れてやっていかないと、甘くないと思います。

森島 負けていい試合なんてないので、対抗戦どうこうというよりは一つ一つ全部勝つつもりでやっています。

久保 勝つ前提で戦っていると思いますし、僕的には選手権(全国大学選手権)前にスクラムで1番の経験値を増やしたいので、対抗戦の試合でいろいろな相手と組んで、スクラムの引き出しを増やして、日本一になるための経験を深めたいです。

――スクラムではどのようなところを目指されていますか

小林 チームの中で相手とここまで当たるのはスクラムしかないので、FW同士の戦いで勝つことによって、勢いをもたらすことができるので、その勢いをつくれるようなスクラムですね。そういうスクラムが結果的に相手を圧倒しているスクラムになると思います。

森島 この間の天理戦も修正して押せたというのがありますけど、理想は自分たちの押したいスクラムをやって、相手に修正させることだと思っています。

久保 天理戦で押せたとき、BKも喜んでいましたし、自分たちが押せた実感がうれしかったので、気持ちを高めたり、チームの雰囲気を盛り上げられるようなスクラムを組むようにしたいです。

――現状はどのように捉えていますか

小林 天理大さんと試合をして押せたのはあるんですけど、まだムラがあって、押せるかたちがあることは確かなので、そのかたちを試合を通してずっとできるようにするというのが今の僕たちの目標です。

――皆さんはどのようなプレーでアピールしていきたいですか

久保 スクラムをファンの皆さんの期待通りにやることと、自分はあまりうまいプレーはできないので、体を張るプレーを見てもらえればと思います。

森島 ラインアウトのスローの精度だったり、今久保も言いましたけど、スクラムですね。

小林 スクラムで去年とは違うぞというところを見せたいです。フィールドではハンドリングが得意だと思っているので、得意な部分を出せたらいいなと思います。

――スクラムのためにはどういった練習をされていますか

森島 個別練習で突っ込みをしたり、スクラムのための体幹トレーニングをしています。

――夏合宿のテーマがクイックポジショニングとお聞きしましたが、久保選手は試合中にウィンザレスと声掛けをしていました

久保 天理戦で自分は後半に出てきて、周りの選手が疲れている状態で自分は元気な状態で、チームで試合をする前に決めたことがクイックポジショニングだったので、そのポジショニングのことであったり、ウィンザレスのところで声を掛けて意識的に頭の片隅に入れてもらおうと喋っていました。

――『For One』の寄せ書きには何を書かせましたか

久保 僕はスクラムを強くしたい気持ちがあったので、『押す』と書きました。

森島 自分は課題だった『スクラム』を書きました。

小林 『押し勝つ』と書きました。

――最後に意気込みをお願いします

久保 毎年毎年スクラムやFWのことを言われているので、今年こそ早稲田のFWが強いとファンの皆さんや周りの人に言われるように日々頑張っていきたいです。

森島 FWが勝てばどの試合もBKだったりが楽できると思うので、自分たちのやってきたことを信じて、FWで勝ちたいと思います。

小林 去年最後負けてしまった悔しさを胸に、大学選手権優勝に少しでも貢献できるように、自分のできる限りのプレーをやっていきたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 石井尚紀、小田真史)

早稲田を支えるフロントローです!

◆森島大智(もりしま・だいち)(※写真右)

1997(平9)年9月22日生まれ。178センチ。101キロ。東京・早実高出身。教育学部4年。ポジションはフッカー。今シーズンから赤黒ジャージーを着て、Aチームで試合に出場し続けている森島選手。最上級生として、フロントローリーダーとしてチームを最前線からけん引します!!

◆久保優(くぼ・すぐる)(※写真左)

2000(平12)年10月7日生まれ。178センチ。110キロ。福岡・筑紫高出身。スポーツ科学部3年。ポジションはプロップ。今季から3番から1番に転向。新たなポジションで活躍を見せています!

◆小林賢太(こばやし・けんた)(※写真中央)

1999(平11)年6月2日生まれ。180センチ、115キロ。東福岡高出身。スポーツ科学部2年。ポジションはプロップ。今春はU20日本代表にも選出されました。国際舞台の経験は小林選手にどんなプレーの発想をもたらすのでしょうか。

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