メニュー

水泳部

« 特集に戻る

2019.09.05

【連載】インカレ直前特集『結闘』最終回 大芦知央主将×丸山優稀

 いよいよ開幕があすに迫った日本学生選手権(インカレ)。連載最終回には、大芦知央主将(スポ4=大阪・関大北陽)と丸山優稀(法3=埼玉・大宮)の背泳ぎコンビが登場する。過去2年はインカレで思うような結果を残せていない丸山だが、今季は日本選手権で決勝進出を果たすなど、大躍進。優勝候補の一角に成長した。一方けがで戦線離脱をしていた大芦は、最後のインカレに臨む。ラストレースを前に、チーム目標である総合3位に向けた思いなどについて話してくださった。

※この取材は8月23日に行われたものです。

「順当にこれているのでいいシーズンだった」(丸山)

インカレ初優勝を目指す丸山

――今季を改めて振り返っていかがですか

丸山 選手権(日本選手権)で決勝に残り、その後のジャパンオープンでも決勝に残れて、早慶戦でもベストはきちんと出して、順当にこれているのでいいシーズンだったと思います。

大芦 僕はけがの影響もあってなかなか思うように競技ができていないというところがあるので。4月の選手権から専門種目に出ていなくて、次(インカレ)が最後になってしまうので、長い間が空きましたが、いいように締めくくれたらいいかなと思っています。

――日本選手権以降の長水路のレースは

大芦 他種目は強化の一環で5月に一回だけ出ていて、(短水路だと)六大(東京六大学春季対抗戦)はありましたが、専門種目の長水路は日本選手権以降久々になるので…。振り返ってとかはないですが、その分いろいろな経験をしたのでそれを出せればいいなと思います。

――腰の方は大丈夫ですか

大芦 それはもう治らないですがやるしかないということで、いろいろな人のサポートも受けて続けさせていただいているので、それを背負って頑張れたらいいかなと思っています。

――今季をチームとして振り返るといかがですか

大芦 新入生が入ってきて、早慶戦も苦しい状況の中後輩たちが頑張ってくれてなんとか勝つこともできて、今までにないぐらい早慶戦が重要な試合になりました。今までの早慶戦はただ早稲田が勝つという感じでしたが、本当に負けるか勝つかという戦いの中で一人一人が頑張って結果を残して、ただ一人が頑張るわけではなくスローガンのように団結して戦うという感じが見られて、すごく今いいチームになったと僕は感じていますが、後輩はどう感じているのかなって(笑)?

丸山 いいチームだと思います(笑)。

――お二人が現在重点的に取り組まれている練習はありますか

丸山 僕は取りあえずインカレで大学生ナショナルを切るという目標がありますが、それが選手権のタイムと比べると1秒近く足りていない状況なので、それをどうするかというときに少しずつ上げていかないといけません。そこで特に必要となるのが、第2ラップ、50〜100メートルですが、そのラップをいかに速くいけるかというのをトレーニングしています。あとは細かいターンで離されやすいので、そこも頑張っています。スタートは最近割かしいい感じですね。

大芦 僕は調子がどうこうというよりも、本番でいかに力を出せるかというところだと思っているので。日々痛みとの戦いにはなりますが、ベストな状態をつくって、無視し過ぎないようにしながらもギリギリのところを攻めないと実力は上がらないと思っているので、うまく付き合いながら本番にバチっと決められるように頑張っています。

――丸山選手は早慶戦の男子100メートル背泳ぎで自己ベストを更新されましたが、大会を振り返っていかがですか

丸山 早慶戦は得点を取るというのに重きを置いていて、タイムは良くなかったですが200メートル背泳ぎも含めて得点を取れました。ベストを出すというところまでは考えていなかったので思ってもいないベストでしたが、そこできちんとタイムを出せたのは良かったかなと思います。

――メドレーリレーを含め、100メートル背泳ぎを55秒台で2本泳げたことに対してはいかがですか

丸山 今まで100メートルに関しては選手権も出られていなかったのが、ジャパンープンで55秒を2回出して、早慶戦でもベストで55秒台を出せたというのはインカレにもつながってくると思いましたし、インカレの1バックは3日目なので、苦しい状況でもタイムを出すという練習にはなってくるかなと思います。

――その話と重なる部分もありますが、日本選手権では5本のレースを泳いで疲れたとおっしゃっていました。疲労という面ではインカレに向けての対策はされていますか

丸山 選手権とジャパンオープンがそうでしたが、なるべくスケジュールを詰めてきつい状況に追い込むという練習はしたつもりなので、そこを思い出しながらやっていければいいなとは思っています。

大芦 おまえは(3日間で)6レースだよ。

――大芦選手は現在通常の練習メニューでできていますか

大芦 全部が全部できるという状態ではなく、8割ぐらいは全体に合流できているかな。うまいところを取りながらで、できないメニューもまだたくさんあるので何とも言えませんが、少しずつみんなと一緒に練習できる時間が増えてきました。

――インカレまでに合わせていけそうですか

大芦 はい、持っていくしかないと思っているので。できるできないではなく、やるかやらない、何があってもそこにしか目は向いていないので、うまく合わせていければなと。

――チームの今の雰囲気はいかがですか

大芦 1年生はインカレのことがあまり分からないと思いますが、1年生は1年生なりにインカレに向けての気持ちがあったり、上級生は経験している分、いろいろな気持ちがあったり、例年以上になくインカレに向けてみんな目を向けてくれているんじゃないかなと思います。…と思うんですけど、後輩から見てどうですか(笑)?

丸山 リタイアする選手も多い中で、残っている選手で切磋琢磨(せっさたくま)して頑張ろうという感じが出ているのは、すごくいいことなのかなと思います。否定的に捉えないで前向きにいけているというのは。

大芦 例年以上になくけが人が多いからね。

丸山 その状況でもできる人で頑張っていこうという雰囲気があるのは、まだいいのかなと思います。

大芦 けが人チームのおさとしては、けが人はけが人なりにできることをやろうというふうになっていますし、道を外れている者はいないかなと思います。

――丸山選手がST1チームで、大芦選手がST2チームだと伺いましたが、違いは何ですか

大芦 ST1が梶川監督(悟、平17人卒=愛媛・松山北)、ST2が奥野総監督(景介、昭63教卒=広島・瀬戸内)のチームです。一緒にやってもいいのですが、それぞれのベストに持っていくいき方が違ったりするので。僕はけがもあるので、そういう面では全部はできないのでうまいことやっています。(自分と同じチームの)OBの坂井聖人さん(平30スポ卒=現セイコー)もけがをしていて、そういう関係もあっていろいろ調整をしながらやらないといけないチームということで、特別チームにはなっています。でも僕が万全のコンディションであっても多分それぞれのプロセスが違うので、それを分けての判断だと思います。

――先ほどの話と重なりますが、チーム全体の調子はいかがですか

大芦 いいんじゃない?先週秋葉山の合宿に行ったのですがすごくいい環境で、日本の中でもトップクラスの高速プールといわれているプールで練習が一週間できたのですが、そこでみんなすごくいいタイムで泳いでいましたね。あと学外女子も入れて全員で合宿に行くことは僕の四年間の中でなかったかなと思いますが、今回は行ける人は全員で行って、普段いない学外女子の刺激をもらったり、人数多い分盛り上がったり、雰囲気もいいと僕は思っていますが、どうですか後輩(笑)?

丸山 あまり他チームのことは分かりませんが、いいんですかね?

大芦 おれはいいと思うけどね。良くないかな?だって尚(幌村、スポ3=兵庫・西脇工)もブロークンの後のダイブか何かで速かったじゃん?楓(平河、スポ1=福岡・筑陽学園)も速いじゃん?流星(今井、スポ3=愛知・豊川)も頑張ったし…。

丸山 確かに。

大芦 まるちゃんなんて調子良過ぎてやばいとか言ってたじゃん。

丸山 確かに!じゃあ調子いいかもしれないです(笑)。

大芦 当日次第という言い方は悪いかもしれませんが、やることはできているんじゃないかなと思います。

主将の印象

先日は2人で野球観戦に行ったという

――世界選手権はご覧になっていましたか

大芦 見ました。

丸山 ちょくちょく。

――印象に残っているレースはありますか

大芦 ミラーク(ハンガリー)の2バタ(男子200メートルバタフライ)?

丸山 確かに。ミラークの2バタですね。

大芦 あとは何だろうね?カツオくん(松元克央、セントラルスポーツ)?2フリ(男子200メートル自由形)も結構衝撃的じゃなかった?カツオくんがまさか2番に入るとは思わなかったし。

――丸山選手はそんなに国際大会も見ないと聞きましたが

丸山 (テレビが)ついていたら見ますが、ついていなかったら見ないですね。

大芦 おれもそうなんだよね(笑)。「見よう」と言われて見る感じです。

丸山 食堂でついているから見る感じですよね。自分が食べ終わったら(部屋に)帰って見ない(笑)。部屋では見ない。

大芦 でもおれ(今年は)珍しく見たかも。中大の大本里佳と仲が良くて、結構見ていました。でもミラークの2バタは衝撃的だわ。ピーティー(英国)の1ブレ(男子100メートル平泳ぎ)よりもミラークの2バタだな。

丸山 あれはやばかったですね。

大芦 途中で一回フリー(自由形)を泳いでいるんじゃないかと思いましたね(笑)。100メートルをターンしてからフィンを履いているんじゃねえのって(笑)。

――競技は変わりますが、甲子園は見られていましたか

大芦 僕はめちゃくちゃ見ました。

丸山 全く(笑)。

大芦 僕は野球が大好きなので、(決勝も)見ました。履正社が勝ちましたね。

丸山 それしか知らないです(笑)。

――夏らしいことは何かされましたか

丸山 僕はバーベキューしか思いつかないですね。

大芦 おとといみんなでバーベキューをしました。これは毎年チームで決起集会としてやっているやつですね。夏って何をするかな?でもあした(丸山と)一緒に野球に行きます。

――何戦ですか

大芦 (埼玉西武ライオンズ対)楽天戦です。ユニホームが格安で付いてきます。

――前にもお二人で行ったことがあるのでしょうか

大芦 あるよね。

丸山 何回か行っていますよね。

大芦 次が3回目ぐらいかな?「最近行っていないね」という話をしまして。

丸山 誘っていただいたんですよ。ありがたいです。

――主将としての大芦選手の印象はいかがですか

丸山 一人一人とこんなに向き合う主将は今までいなかったかなと思います。状況に応じて、つらそうな人がいたら「大丈夫か」と声を掛けてあげたり、頑張っている人がいたら「頑張れ」と声を掛けてあげたり、コミュニケーションの機会が今までの主将と比べて多い人だったのかなと感じています。

大芦 いいこと言うやん(笑)。

丸山 事実なので(笑)。チーム全体としても言いたいことを言える雰囲気はすごくあるのかなと感じますね。

「ずっと明るく最後まで諦めない姿勢を見せていけたら」(大芦)

久しぶりのレースに臨む大芦

――インカレ前にチームの中で新たに取り入れたことなどありますか

大芦 インカレ前ではないですが、僕が主将のチームになってからは練習後のストレッチは取り入れました。元々僕はけがが多くて、日々の疲労の蓄積から(けがの原因が)きているのかもしれないと思ったので。けがをするのってもったいないじゃないですか。だから後輩にはそういう思いをしてほしくないし、寮で自発的にストレッチをしたりすることはないので、取り入れました。インカレ前はまた毎日声出しをしていきたいと思います。

丸山 合宿中は結構声出しをしたんですよ。普段はメインの日しかしないのに、珍しいですよね。

大芦 チーム力向上委員会という委員会活動があって、委員長の幌村尚が「メインの前に何回か声出しをやる」と言っていて、「せっかく全員いるし合宿は頑張るとすごくいいものになるから毎日やっていいんじゃない?」と(自分が)言いました。早慶戦前も学内の選手だけですが毎日やって良かっかったので、合宿もきついですが、そういう雰囲気をつくれば士気が高まりますし、インカレ前もやりたいなと思います。

――個人として強化しているポイントはありますか

丸山 第2ラップの強化とターンくらいです。強いて言うならあとはメンタルの強化ぐらいですかね。きついときに頑張るとしか言えないですが、普段の練習で諦めてしまいそうなところを最後までやり抜くとか、今まで下級生としてアプローチを受ける側だったのからする側になって、自分を盛り立てていくことで追い込んではいますね。

大芦 僕は腰が悪いので、ひたすら体幹トレーニングをしています。自然のコルセットみたいなものをつくって、がっちり固めてから泳いでますね。あと水中ではレース感覚を取り戻すということと、ペースワークは重要視してやっています。

――以前下半身強化が課題だとおっしゃっていましたが、トレーニングはされていますか

大芦 腰の不安もあってなかなか取り組めていないですが、最低限の補強はできているので大丈夫だと思います。

――インカレでの具体的な目標はありますか

丸山 僕は200メートル背泳ぎは大学生ナショナルを突破して優勝するというのが目標で、1バックは大学生で(今季の)ランキングが4位なので、表彰台は絶対に狙っていきつつ、周りの選手の様子を見て1番を狙えそうだったらがっちり狙っていくというのがあります。メドレーリレーも平河がこの前の早慶戦ですごく速かったのでメンバー的に優勝できるチャンスがあって、その中でも僕がタイムを上げて他の大学と差がつけられるかが鍵になると思います。そこに関しては1バックと一緒に頑張っていきたいと思います。

大芦 複数本泳ぐことは多分できないので、2バックの予選でバチっと決めて最低A決勝に残るということだけを考えてやりたいです。最後の1バックはどうなるか分かりませんが、引退(レース)なので出し切って、2本泳げたら泳げたでいいと思っています。それよりも初日の2バックの予選に照準を合わせてやっていきたいです。2人でA決勝に残ることができればと思います。毎年そう言ってるもんね?

丸山 そうなんですよ、今年初めて実現するかもしれないという。

大芦 去年できそうでできなかったからな(笑)。

丸山 毎年できそうでできていないですからね(笑)。

大芦 今年こそは2人でA決勝にいきたいです。

――他大で意識している選手はいますか

丸山 今は法政で1学年上の内藤良太さんですね。同じ埼玉出身で、昔から競ってきたのですが、今年こそは勝てたらいいなと思っています。

大芦 明治の重見(和秀)。同じ種目でキャプテン同士なので負けたくないなと思います。

――目標タイムを教えてください

丸山 200メートルは大学生ナショナル(1分58秒37)を狙っていくというのと、1バックは基本的には54秒台を狙っていきたいです。

大芦 僕は(男子200メートル背泳ぎで)2分1秒台を出せばA決勝に残れるので、そこを目指して頑張りたいと思います。

――男子部のチーム目標が3位以内ということですが、ポイントになってくる種目は

丸山 背泳ぎですよね。

大芦 背泳ぎだね。毎年背泳ぎだと言われるよね。僕が入学した時も、まるちゃんが入学した時もそうですが、毎年背泳ぎが弱いと言われていて。僕も丸山も決して遅くはないのに、(得点が)取れないと言われていました。去年も2人で30点というのを掲げていましたが、結局10点ぐらいしか取っていませんしね。今年は2人で40点を目指して頑張りたいと思います。

――大芦選手は主将として最後のインカレに臨みますが、どのような思いを持っていますか

大芦 高校3年生の時に総体を優勝して期待されて入ったのに結果が出せなくて、そのまま1年目のインカレを終えてずるずるいき、2年生になるときに入学してきた丸山がめちゃくちゃ速いタイムで泳いでいて、「自分はいらないんじゃないかな」と腐りかけた時期もありました。でも、奥野さんが拾ってくれて、当時の主将の阿久津さん(直希氏、平30スポ卒)にも助けてもらって、その年はインカレで多少は得点を取ることもできたんですよ。その後阿久津さんが引退して気持ちが沈んでいましたが、奥野さんがまた拾ってくれて、山(高地合宿)に連れて行ってくださりました。そこからまた丸山に勝とうという目標ができて頑張っていたのに、4年目で腰をけがしてしまって…。近くの通っているクリニックのトレーナーさんにも、「すぐ手術した方がいいんじゃない?」、「泳いでいる場合じゃないよ」と言われることもあったのですが、金岡(恒治)先生という日本で一番腰に詳しい先生が診て助けてくれて、トレーナーの松浦(由生子)さんも最後までやるという道を出してくれました。奥野さん、梶川さん、小島さん(毅コーチ)も、けが人でタイムが出るかどうか分からない状態で早稲田基準がある中でも、何も言わずレギュラーに入れて信じてくれました。そういう人の気持ちもくみ取りながらやっていきたいですし、今までの先輩だったりお世話になった人が他にもたくさんいるので、受け継いだものを後輩にも継ぐためにも、できることは最後まで諦めずにやることだと思います。さっき自分の目標はA決勝と言いましたが、それ以上にチームの3位というのはどうしても達成したくて、それを僕が諦めたら終わりなので諦めないということ。そしてそのために僕ができるのはA決勝に残ることなので、そこを後輩に見せていけたらいいなと思います。

――最後にインカレへの意気込みをお願いします

丸山 絶対に優勝したいと思います。それだけです。

大芦 最終日の8継(4×200メートルフリーリレー)が終わるまで3位という目標は絶対に変えないので、そこはぶらさずに、僕が折れると終わりなので、ずっと明るく最後まで諦めない姿勢を見せていけたらいいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 宇根加菜葉、村上萌々子)

悲願のW決勝進出を果たします!

◆大芦知央(おおあし・あきお)(※写真右)

1997(平9)年11月1日生まれのO型。178センチ、79キロ。大阪・関大北陽高出身。スポーツ科学部4年。専門種目は背泳ぎ。スポーツ観戦が好きな大芦選手。取材をさせていただいた週は4回も西武やセレッソ大阪の試合など、4回も現地で応援されたそうです。

◆丸山優稀(まるやま・ゆうき)(※写真左)

1999(平11)年1月23生まれのA型。183センチ、75キロ。埼玉・大宮高出身。法学部3年。専門種目は背泳ぎ。色紙には『化ける』と書いてくださった丸山選手。最高の結果を残し、昨年のインカレから『化けた』姿を見せてくださるでしょう!

« 特集に戻る